経年変化さんの映画レビュー・感想・評価 - 44ページ目

屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ(2019年製作の映画)

3.4

フリッツ・ホンカの佇まいや言動の異様さは冒頭ある程度のところでおおよそ堪能できてしまうし、以降の差異の少ないプロット構築がちょっと退屈

ザ・ピーナッツバター・ファルコン(2019年製作の映画)

3.6

ファルコンのコスチュームの完成度が凄すぎてちびった。1999年8.28神宮球場でニタとやり合った、ノーロープ有刺鉄線電流地雷爆破ダブルヘルデスマッチのムタを彷彿とさせる。嘘だけど

おとし穴(1948年製作の映画)

3.4

マンネリ化した日常へのちょっとした反動から連鎖的に沸き起こっていく悪夢。これら全てを包み込んでいくジェーン・ワイアットの寛容さに、事件のことなどどうでもよくなってしまうという謎感動

底流(1946年製作の映画)

3.4

この馬、必ず何かやりよる…と勘繰りながら観てたら本当にやりよった

Cops and Robbers(原題)(1951年製作の映画)

4.0

定石から逸脱する事はないもののその安定感は抜群。古典的喜劇からの転調が鮮やか。
不安定な街の隙間に付かず離れずの距離感で引き寄せられた二人がずっぽしハマる絶妙さには痺れるし、精神的立場が逆転しちゃうラ
>>続きを読む

脱獄の掟(1948年製作の映画)

3.8

スプリットされる面会室、眼球光反射、時計に映る顔、屋内を占有する網の影など視覚面で楽しませてくれるんで概ね満足。
灯り目的でつけた蝋燭の火が大きな炎となって闇を照らす瞬間もキマッてる

罪と女王(2019年製作の映画)

3.4

『コミューン』とは対極のトリーネ・ディアホルムが拝見できます

デンマークの息子(2019年製作の映画)

4.2

全く期待せずに観たら素晴らしい出来でびびった。オールスン著カルテ番号64との親和性も感じさせる、優生思想が誘発する負の連鎖にノックアウト。
二人の間で早々に主役がスライドしたかと思えば、物腰柔らかい口
>>続きを読む

男と女 人生最良の日々(2019年製作の映画)

3.0

あの物語から50年以上を経て再び4人に会えるだなんて感無量!といった声が大多数なんだろうけど、「見たくはなかった」という声もそこそこあっていいんじゃないかなと思う。2からの軌道修正という意味合いも大き>>続きを読む

ロード・オブ・カオス(2018年製作の映画)

3.4

同性愛者めった刺しシークエンスを丸ごとカットするぐらいの思い切りの良さがあれば、締めのめった刺しの美しさが更に際立っていた。全体的にじっくり紡ぎすぎだと思う。
とりあえずデッドの自死シーンが神々し過ぎ
>>続きを読む

ジャックポット2(1982年製作の映画)

3.0

忍耐を強いられる映画。頑張れば最後にご褒美が待っている

嘘つき(1981年製作の映画)

3.4

こんなネタ盛り込んどけば面白いんじゃねってのがことごとく面白くないってのが面白い

ザ・コミューン(2016年製作の映画)

3.4

共同生活を提案した本人が最終的に異分子としてその共同体から去っていくという落差。振れ幅大きい感情の持ち主を繊細に体現してみせたトリーネ・ディアホルムの為に存在している映画。
大好きな『光のほうへ』を想
>>続きを読む

無法者の掟(1948年製作の映画)

3.6

『星を持つ男』との共通項が散見されるのは気のせいか。いずれにしても製作はこちらが先。ネオレアリズモ黎明期の作品ながらウエスタンっぽさも感じさせるなんだか変な映画。
司法官として新天地に赴いたマッシモ・
>>続きを読む

ローマ11時(1952年製作の映画)

4.6

ネオレアリズモの系譜として瞠目に値する超絶大傑作。
崩落事故場面のモンタージュと呼応する様に、多角的にピックアップされた被害者の受難を切り貼りしていく事で、新陳代謝から弾かれる弱者の抱える闇が社会問題
>>続きを読む

牛泥棒(1943年製作の映画)

4.4

ラング『M』やデュヴィヴィエ『パニック』あたりとも通底するであろう集団心理の暗部を抉った作品。
足早に立ち去る自警団の後ろ姿と、吊るされた三人の影のみを同一ショットにおさめることで急加速する不快感。当
>>続きを読む

戦場を駆ける男/戦場を駈ける男(1942年製作の映画)

4.2

なんともウォルシュ&フリンらしい豪胆さで娯楽活劇かくあるべしって感じ。レジスタンスによる施設爆破から戦闘機墜落までの導入部が面白いったらありゃしない。機内の多国籍軍側と、地上から機銃で迎撃せんとするナ>>続きを読む

平原の落雷(1953年製作の映画)

3.6

新時代の到来を前にして本来共存すべき人間らと相容れない関係に陥っていく不穏さはいい。
精神的に最も歩み寄りを見せる人物はもしかしたら無法者集団のリーダーなのかもしれないという皮肉

復讐の二連銃(1947年製作の映画)

3.8

各ショットがいちいちカッコいい。運動量が増す際のカメラポジションにしても此処しかないだろって所からバッチリ撮ってる。一騎討ちで主観に切り替わるところで悶絶

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

3.6

元気そうなM・エメット・ウォルシュが出てきた瞬間最もテンションあがったわ笑

テリー・ギリアムのドン・キホーテ(2018年製作の映画)

3.6

『ロスト・イン・ラ・マンチャ』を経ての鑑賞となればまた違った感慨に浸ることができる。ようやくようやくここまで来たんだ…

淪落の人/みじめな人(2018年製作の映画)

4.0

要介護者である男が、現状維持できりきり舞いの家政婦の夢を後押し・支援するという構図の逆転。それはもう相互依存を越えて相思相愛に近く、当初の典型的主従関係が次第にフラット化していく風通しの良さも気持ちい>>続きを読む

無垢なる証人(2019年製作の映画)

3.6

慚愧に堪えぬ思いを引き金に弁護士義務に背を向け始めるという茶番劇には心底落胆させられたものの、作品の骨子となる立ち位置を越えた相即不離の関係性があまりにも清々しい。
とりあえず青いグミが食べたくて仕方
>>続きを読む

にがい米(1948年製作の映画)

4.0

女たちの大運動会。このバイタリティと躍動感は異常事態だ。
でもってヴィットリオ・ガスマンの最期がエグすぎる笑

ロスト・イン・ラ・マンチャ(2001年製作の映画)

3.4

「この映画のことはもう忘れるよ。存在しなかったことにする。つらすぎるから」

クワイエット・ルーム(1996年製作の映画)

4.0

「パパとは週末に会えるわ」「いつも会いたいの!」
徹底して少女の主観で紡がれていくマリッジ・ストーリー。その声なき叫びは決して(両親へ向け)言語化される事なく、終盤の“心の中を描いた絵”に集約される形
>>続きを読む

男たちの掟(1965年製作の映画)

3.4

ドンパチ血生臭さを連想しがちなロベール・アンリコ×ジョゼ・ジョヴァンニによるフィジカル勝負の労働映画。新鮮ではあるけど今ひとつダイナミズムに欠けるんでなんだか『大自然の凱歌』の下位互換って感じもした

遙かなる男(1957年製作の映画)

3.4

ヤクザ者から堅気へ向けての再出発という主題に付随した牧歌的な空気が気持ち良いだけに、幾度となく外部から持ち込まれる「暴力」が贅肉となり鈍重に。
モノクロ新珠三千代の艶っぽさ。あのビンタはむしろご褒美
>>続きを読む

哀しみの終るとき(1971年製作の映画)

3.4

マストロヤンニとドヌーヴをくっつけた作品。本作無くしてキアラは生まれていなかったと言っても過言ではない。
そんなこんなで喜怒哀楽を纏った二人の距離感がまるでプライベートフィルムを覗いてるような親密さ。
>>続きを読む

筋金(ヤキ)を入れろ(1955年製作の映画)

3.8

『現金に手を出すな』に引き続いてのギャバン&ヴァンチュラの共演に興奮。
「そうきたか!」と思わずデカイ声出してしまいそうなラストのおかげで、それまでの起伏少なめなドラマが許せちゃう不思議