『イーダ』のラストショットへと精神的繋がりをみせるナタリー・プレスの歩行姿、エミリー・ブラントの百合シーンに「うおぉぉ」ってなる。それだけ
話運びに目新しさは無いが言わんとしている事が明確なので感情を預け易い。
未来ある若者の自由恋愛が信仰という名のもとに抑圧されてしまう、そんな当時の宗教に対する批判的な眼光の鋭さが素晴らしい。終盤の牧師>>続きを読む
ディフェンス力高めの人妻が貞操を失う瞬間が見もの。
夫婦生活の倒錯・退廃とジャズをスクリーン内に共存させてしまう手腕に唸る。クールなゲームから一転、情に傾いてしまう惜しさはあるが、火遊びでは済まされな>>続きを読む
現在をモノクローム、追想の断片をカラーで紡ぐ。男も女も後ろ向きで過去のしがらみから抜け出せず、前(未来)を見ることを拒んでいるとでも言わんばかりの暗喩。色づきを失った高湿度のジメついた話ではあるけどそ>>続きを読む
青春ものとしてステレオタイプの域を脱しない浅さはあるけどもジョンが垢抜けていく過程が楽しい。あとショーンが強すぎる
レオーネがクリント・イーストウッド&イーライ・ウォラック&リー・ヴァン・クリーフでくるのなら、コルブッチはフランコ・ネロ&トーマス・ミリアン&ジャック・パランスで魅せまくる。
F・ネロ「Vamos a>>続きを読む
壮大な内輪揉めもとい兄弟喧嘩。血の繋がりすら無効化してしまうコルブッチの冷徹な眼差しに痺れる。画質よき
以前読んだ時に泥臭さや汗臭さを感じた原作、この雄雄しい物語を見事に換骨奪胎している点にまず驚く。骨子となるのは社会から逸脱し世の辛酸をなめる二人の復讐譚だけども、そこに一人の少女を配置することで寓話的>>続きを読む
ひたすらに綺麗事を並べられ、これが高潔な愛であると押し売りされた気分。
とりあえずブランデーが飲みたい
@シネマヴェーラ
人間の尊厳を蹂躙する様な切り口により、逆説的に顕現してくる“生きる”ことの本質。スクリーンの隅々から横溢する並々ならぬ生命力。シネスコで映し出される空の美しさが目に染みる
@久々のバルト
160分以上にも及ぶ言語の衝突。
当事者にとって死活問題でもある眼前の現状は決して笑い事ではないのだが、つい頬が緩んでしまう場面も多い。
時に資本主義社会の暗部を抉りながら、その絶妙な均衡による他者と>>続きを読む
カメラがパンしてる間に姿を消す木暮実千代。絶望に打ちひしがれている筈の彼女をこんなにも艶やかに撮ってしまうなんて。これぞ破滅の美学。
最後の久我美子の言動も胸をうつ
根強い父権主義から男女同権への意識変化、経済循環の源流発生とそれに見事に順応していく女性たちのバイタリティー、こういったところまでも射程に入れた主題の拡げ方が最高。しかも僅か25分で。
「ブサイクだけ>>続きを読む
犬使いジェフ・フェイヒー初登場場面での椅子の座りかた、『フロム・ダスク・ティル・ドーン』のセックス・マシーンことトム・サヴィーニにしか見えなかったのは自分だけだろうか
感情先行型で自分本意な傾向のあるアスガー・ホルムが、事件と共振していきながら自己内省的な着地へと導かれていく巧い構成。このへんが作品の魅力を倍加させている要素のひとつ
『死者からの手紙』に通底する終末的世界観、カプランオールの『グレイン』なんかも想起させる期待大な導入部。信仰の熱気と共に人口密度がぶち上がる画面にハッとさせられる
@川崎市市民ミュージアム
多層的物語を一筆書きのように描く叙述構造、量産型恋愛譚との差異化がお見事。センシティブな演技の交錯劇がもたらす凛然とした感動も心地よい。
塀の中でしか共有できない家族の時間が胸に沁みる。色々な意味で母>>続きを読む
商品を着用した我が身を宣伝媒体としながら販促に勤しむ女性、時代の流れを感じさせていい。管理職候補の面接に臨んでいた強気な女性はあの後どうなったのだろう。
シナトラ『My Way』を聴きながら家路へ>>続きを読む
ルノワール渡米一作目。西部劇のような趣のある作品だが女性色を押し出すことで従来のそれとは一線を画している。恋の鞘当てに力点を置くあたりも実にルノワールらしいし、禍々しい湿地帯を美しいとすら感じさせてし>>続きを読む
自身の境遇に対する淀んだ感情の捌け口が見つからず、厭世的な日々を送る混血青少年たち。事あるごとに「チクショー」と口走り、どこまでもついてまわる成熟しきれない思考が映画の推進力として底流をなしている。>>続きを読む