この国で生きていくのが、こんなにも生きづらい人たちがいるんだ、ということ。
まず、日本の入管制度の理不尽さ。
そして、多くの「日本人」が悪気なく持ってしまっている固定化された意識が、いかに想像力を欠い>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
これ、「常識人」や「社会人」としての自分の価値観や正しさを疑うことのないすべての人に観てもらいたい。
ダイバーシティとかインクルーシブとか、そういうことを我が知り顔で言ってくるポリコレさんたちも含め(>>続きを読む
クレール・ドゥニ初鑑賞。独特の文法に終始違和感があるものの、それが映画によき緊張感を与え、肉体の美しさ、青と白の美しさ、オリエンタリズム的な幻惑的空気感に運ばれていってしまう。
意味でつなぐのではなく>>続きを読む
野添ひとみの決意が漲る眼にやられる。
それとチャラい川口浩との対比ね。
女性の強さの勝利。
ただ、ストーリーとしてはハッピーエンドにも見えるんだけど、うーん、本当にそのようにだけとっていいものだろう>>続きを読む
エルヴィスの栄光とその影を、極上のエンタメとして描く。
そのこと自体に、ここに描かれているマネージャーにも通づる(人の人生に対する)搾取っぽい金の匂いを感じてしまうのだが、とはいえこれまでも、そういっ>>続きを読む
三姉妹それぞれに抱えているものがあるものの、最後にはそれぞれ一歩ずつ歩みだす。
長女は、これから何処へ行くのかな。
トラウマとコンプレックスを越えて。
電車に始まり電車に終わる。
次女は、何だかん>>続きを読む
ゆうれいになってから、本当に見ることになる地獄。
愛はゆうれいになっても伝わる。
性欲はゆうれいになってもつづく(わるくない意味で)。
ハイライトはラストの電車のシーン。
くそったれな業界に唾を吐け。
それでもきっとなんとかなる。
でっかい、でっかい夢を見ろ。
今あるところからしか夢は広がらない。
コツコツと。ただひたすらコツコツと。
なーんか分からんけど、それぞれ「>>続きを読む
音楽といい、所々にはさまれるユーモアといい、ハリウッドのよき時代の空気が残っているのが実にいいのだが(余談だが、S.トレイシーが途中からウディ・アレンに見えてきて、どことなくその「ハリウッドのよき時代>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
別タイトル『一週間 愛欲日記』。
出演者二人による、完全なる密室劇。
仕事もバイトも休んで、裸でただヤって、食って、寝るだけの一週間。
はじめはただ社会から共に逸脱する楽しさから。気づけば、いつしか切>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
5時間半越えのドラマ版『路上のルカ』を鑑賞。(映画は未見なので、どこが削られているかは未確認…)
瑞々しくピュアで、ゆえに脆く傷つきやすくもある、他の誰にも触れえない「(おもに同性の)ふたり」だけの>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
スクリーンのアスペクト比(+角枠の丸み)と映像の質感に、当時の古い写真のそれを連想して、不思議な鑑賞感。
アイスランドの自然の圧倒的なスケールと、そこで生きていくことの過酷さ。これは劇場で観れて本当に>>続きを読む
実際に過酷な経験をしてきたハルモニたちの言葉、それを語る姿、表情…、そしてある意味、晩年になってようやく迎えることができた「青春」(迎えることができなかった人たちも無数にいるだろう…)の中での笑顔や踊>>続きを読む
「ザ・時代劇」的なものや武士の流儀みたいなものを、ちゃぶ台返しするような映画ではあって、暴走する狂気やシュールな場面も見られ、そりゃいつも通りの「北野節」ではあるんだけど、
しかしキレッキレの時代と比>>続きを読む
元々この分野に関心があったので、期待したほどの発見はなかったかな…。
もっとも印象深かったのは「スターウォーズ」のR2D2の声を「声」にする難しさ。
あと、「ロマ」の街の音はたしかに臨場感が凄かったな>>続きを読む
どちらを肯定するでも否定するでもなく、
今この時代と、アイヌのコスモロジーとの、あいだにある、いささかぎこちなくなってしまうような部分が、まさに、その狭間に立つ青年の内面の葛藤として、言葉少なに、美し>>続きを読む
ザ・ヒューマンドラマ。
全般的に演出がベタベタなのが残念。わざとらしい、というのか、いかにも、というのか…。
ただ、時折、やけに藤田朋子の演技の説得力が光る。
認知症の人の表情がパッと変化してゆく瞬>>続きを読む
ナチス復讐モノ。なんとも後味は悪いが、ロミー・シュナイダーに圧倒される。
哀しい。
報われない。
あれだけ必死に待っていたのに。
それを健気に支える男。
つけ込むナチスの男は戦後もいい役職についている>>続きを読む
こんな形式もアリなんだ?!という、三分割された画面でミュージック・ビデオ的に展開される(ヘンリー・パーセルみたいな三重唱)短編。
しかし侮れない。
ここでペドロ・コスタが描かんとしているのは、彼の長編>>続きを読む
オープニングショットから凄まじい。
ペドロ・コスタ作品のヤバさは、ロケーションと照明の当て方だけで、もう7〜8割出来上がってしまってる気がする。
鈍く光る杖。壁に映る影。人の影。
遠近感がおかしいス>>続きを読む
残忍な描写はさすがのアルドリッチ。乾いている。
白人たちの残忍さも一部描かれるが、しかしやはり「白人史観」でしか描かれない西部劇への違和感は拭えない。
時代的にも仕方ないところはあるのだが。
白人に>>続きを読む
徹頭徹尾「セフレの品格」をエレガントに、そして切なく描くことに徹していた前作。
それと比べると、いささか「セフレ」という軸からブレてる気はする…笑
(途中、すっかり「ボクサーの品格(プライド)」になっ>>続きを読む
思った以上に重層的な力作…、と思ったら、ヒット漫画原作か…。どうりで、唐突に、奥行きのある話が挿入されたと思った…。
(でも、そうじゃなきゃ、こんな贅沢に連作を作れないよな…、とは思う)。
しかし脚>>続きを読む
ギャグみたいなところは面白かった
(逆上がりの親子
(たまたま古本屋にいたじいさん
(神父とのやりとりと「みこころ」解釈
(「ヘタクソ」展開
…ものの、大筋の話は、まっっったくどーでもええわ、という感>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
絶望的なまでに哀しい実話に基づいた映画…、といった印象を与えるという意味で、この作品は成功しているように思える。
この映画を見なければ、この主人公の男の哀しみを感じることはできなかったろうし(自分とは>>続きを読む
もろ『リバーズエッジ』ではあるし、たしかに神代もキタノも『気狂いピエロ』も想起したのだが、
この空虚さと静かな戯れ感、およびエレメントに対するフェティッシュな目(ゆらぐ水面、まばゆい光、燃え上がる炎、>>続きを読む
徹底した映画。ストイックな会話劇。
結局、出来レースじゃん、という感想…。
きわめてエレガントに、たんたんと進行する会議。
出席者たちの保身や出世欲も見え隠れしながら「空気」がひとところに納まってゆ>>続きを読む
「コンプレックスを持つ、うだつの上がらない、あらゆる人たちに届け!」とばかりの、味わい深い作品。
この監督は「人間を信じてる人なんだなぁ」と思う。
クズみたいなヤツも出てはくるのだが、人間性が崩壊した>>続きを読む
革命=武装闘争=戦争!!!
打倒アメリカ帝国主義!!!
打倒シオニズム!!!
闘う民としてのパレスチナ。
キューバ(ゲバラ!)やベトナムのように、日本でも!!!
(ブラックパンサーとも連帯!)
かな>>続きを読む
ユーモアとペーソスに彩られた、実に丁寧に作られた映画。
義父も、嫁も、それぞれに抱えている(同じところに起因している…?)空洞、空白を、ある種倒錯したカタチで互いに埋め合わせている。
他人から見れば>>続きを読む
音楽のセンスがやたらいい。
誤解を恐れずいえばMV観てるような洒落た映像と時間の流れの心地よさなのだが、とはいえ"雰囲気映画"ではなく、何とも心に染み入ってくるものがある。
不倫未満の朝の感じ。再会>>続きを読む
愛がほとばしる佳作。
前半、吹き替えの洋画を観ているような感覚に陥るも、後半はグッと引き込まれて気にならなくなった、笑
どことなく90年代映画っぽさを感じる不思議なファンタジー感と、だんだんと明ら>>続きを読む
ほっこり映画。
女優さんがとても味わい深く撮られている。
エンドロールの写真もすごくよくて、飽きずに観てしまった。
母親も娘も、素朴ながらも明るく瑞々しい「これから」が見えて、気持ちがよかった。
後半になって、思いの外、姉の心理の機微みたいなものも描かれていたのが、ポイント高し(なんかちょっと、『ジョゼ』を思い出した…)。
怒りの極地で、カオスになっていくのは見応えあったし、
「こと」を経た>>続きを読む
愛すべきキモ男、女たち。
課長のラップ、
フーフーしてるチンピラ、
カエルから課長に変身する夢がサイコーに面白い。