明石ですさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

クワイエット・プレイス 破られた沈黙(2021年製作の映画)

4.0

「〇〇したら死ぬ」系のよくある設定ホラーに、新機軸のモンスター要素が加わった3年越しの続編。個人的には、こういう「〇〇すると△△」系の、等式の片方に何らかの要素を入れたらもう片側から半自動的に答えが出>>続きを読む

RUN/ラン(2020年製作の映画)

5.0

心臓病、発疹、喘息、半身不随、あらゆるハンデを背負い生まれてきた少女を襲う悲劇。親子愛ゆえの狂気という、ありそうでなかった新感覚ホラー。いやあ怖かったぜ、、私が見たことある中では、2020年代のホラー>>続きを読む

エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

2.5

『エスター』の15年越しの続編。15年分歳を重ね大人になったイザベル·ファーマンがふたたび主演を務める、後日談ではなく、まさかの前日譚。公開時にスルーしていたものを、最近アマプラが「あなたが好きそうな>>続きを読む

宗方姉妹(1950年製作の映画)

4.8

想い人がありながら望まぬ結婚をした律儀で古風な姉と、その姉のかつての恋人に想いを寄せる奔放な妹。明治以前から続くオーソドックスな価値観の姉と、アメリカの占領後に民主化し、新たな価値観を持つことになった>>続きを読む

大学は出たけれど(1929年製作の映画)

4.7

大不況の真っ只中、大学を出ていながら職にあぶれた青年が、田舎から上京してきた母と新妻をだまくらかしながら働いているフリをするも上手くいかず、というお話。小津安二郎初期のサイレント映画で、元は70分の尺>>続きを読む

生れてはみたけれど(1932年製作の映画)

5.0

「勉強して偉くなりなさい」と教えられ育った双子の小学生。しかしあるとき「偉い大人」だったはずの父親が、会社の上司にみっともないおべんちゃらを使いヘイコラしてるところを目にし、父への不信からグレていって>>続きを読む

風の中の牝鷄(1948年製作の映画)

4.2

夫が戦地から帰って来ず、子供が病気をし、入院費を払えなくなり、結果、体を売ることになった女性が、戦地から帰ってきた夫に「秘密」を打ち明け、互いにやさぐれ、新たな関係の構築を模索していくお話。前作『長屋>>続きを読む

酔いどれ天使(1948年製作の映画)

5.0

将来を嘱望されながらも、若い頃のヤンチャがたたって闇医者になるほかなかった男と、肺病を患ったヤクザ者の物語。出世を重ね一等地に診療所を構えるかつての同僚に倒し、ドロドロの沼地の隣に住む町医者。そこへ転>>続きを読む

長屋紳士録(1947年製作の映画)

4.7

捨て子を拾ってきた長屋の大人たち。みんな子供が嫌いなので押し付け合い、、『東京物語』では両親を押し付け合わせた小津監督の戦後1作目の映画。戦災の焼け野原が残る中で撮られた作品で、配給に頼って生きる長屋>>続きを読む

戦艦ポチョムキン(1925年製作の映画)

4.5

「肉にウジ虫が沸いてる!もはや肉だった何かだ!」「これはウジ虫などではない、ただの寄生虫だ。塩水で洗い流せば食べれる」

てなわけで水平の反乱が起き、町に波及、帝国軍相手に「革命」を起こすお話。ロシア
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駅馬車(1939年製作の映画)

4.1

電車など未だなく「駅馬車」が使われていた西部開拓時代、南部アメリカを走り抜ける駅馬車に、白人と対立関係にあるインディアンが襲いかかり、乗客皆で立ち向かうことになる。ジョン·フォード監督がトーキー初期に>>続きを読む

麦秋(1951年製作の映画)

4.8

婚期を逸しつつある女性に、父や兄、会社の上司と周囲のみなが、「お嫁にやろう」として嫁ぎ先を提案してくるものの、それを素直には受け入れられない彼女と家族の物語。小津映画定番の「お嫁にやるやらない問題」を>>続きを読む

用心棒(1961年製作の映画)

4.7

ゴロツキが支配する村で用心棒を引き受けた男、椿三十郎の物語。ダシール·ハメットの『血の収穫』を下敷きに、黒澤明が時代劇に翻案した作品で、ハメットの小説が好きなので期待を大にして鑑賞。対立派閥を片っ端か>>続きを読む

晩春(1949年製作の映画)

4.8

なんたる美しき親子愛、、

父への愛から婚期を逃し「晩春」を迎えつつある女性と、彼女をなんとか「お嫁にいかせ」ようとする父と親族の四苦八苦の物語。主人公の父への愛は今でいうファーザーコンプレックスに近
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生きものの記録(1955年製作の映画)

4.0

原水爆への恐怖から崩壊していく家庭。家も工場も何もかも売っぱらって家族ともどもブラジルに飛ぼうとする父と、彼に振り回される家庭、なんたるヒステリー!!と思うけど、55年当時はこれがまだ相当にリアルだっ>>続きを読む

東京物語(1953年製作の映画)

5.0

息子や娘の顔を見るために田舎から東京へ出てきた年寄りの両親を、内心少なからず疎ましく思いながらももてなそうと努める息子/娘と、彼らを取り巻く人々の人間ドラマ。大人になり、結婚して家庭を持ち、変わってい>>続きを読む

静かなる男(1952年製作の映画)

4.2

絵画のように美しいアイルランドの田舎町に越してきたアメリカ人の男が、土地の女性と結婚し、静かな暮らしを始める、実は彼には、明かすことのできない秘密があって、、というお話。

ジョン·フォード監督後期の
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静かなる決闘(1949年製作の映画)

4.3

戦地で軍医として勤務中に梅毒にかかってしまった医師の男が、許嫁には打ち明けられず、関係は破断、静かに人生を崩壊させていく男。病は本人も周囲の人間をも変えてしまう、と言うけど、まさにそんな話でした。暗い>>続きを読む

羅生門(1950年製作の映画)

4.4

芥川の有名な『羅生門』と『藪の中』をリミックスした黒沢明オリジナルの作品。大学生の頃何かの講義で見て以来、記憶をなくしての鑑賞でした。藪の中で起こった殺人事件、関係者全員が異なる証言をしていて、しかも>>続きを読む

わたしの魔境(2022年製作の映画)

4.8

「人生の意味とか、どういう心を持つことが大事だとか、そういうことを教えてくれる、先生とお兄さんとお父さんをかけ合わせたような人と出会いたかった」

就活に失敗。ブラック企業に就職し、勤め先の先輩に強姦
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炎の少女チャーリー(1984年製作の映画)

4.5

精神エネルギーを火炎放射器のように放出するパイロキネシスを持ち生まれてしまった少女を襲う苦悩の物語。

治験が失敗した結果、超能力者を生んでしまい、その超能力者の子供がパイロキネシスに目覚めてしまう、
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光の雨(2001年製作の映画)

4.8

「自己批判と相互批判による総括。この方法は僕らを真の革命戦士にしてくれる、はずだった」

革命の名の下で山の上につどい、総括の名を借りたリンチで12人の「革命戦士」を死に至らしめ、結果、60年代のいわ
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ほんとうに映った!監死カメラ16(2016年製作の映画)

4.7

「これから見ていただくのは、ある殺人者が撮影した映像である」何その奇抜な視点…!笑。他にも、撮り鉄がカメラに収めた、ホームに立つ女性の霊(このシリーズで一番怖かったかも)や、部屋で1人でコックリさんを>>続きを読む

ほんとうに映った!監死カメラ14(2015年製作の映画)

4.0

「霊アレルギー」なるものにかかり、生まれてこのかた一度も家の外に出たことがなく、常時身体中にパンストを巻いて生活しなければならないというシリーズ6作目で登場した男の人。彼と瓜二つな人物が見つかり、ドッ>>続きを読む

ほんとうに映った!監死カメラ15(2016年製作の映画)

4.9

今作から晴れて監死カメラチームのレギュラーに昇格した廃墟マニア菅野くんが、森の中を散策中に遭難し、運よく女性の首吊り死体を発見してしまう。背後に霊の存在を感じ続け、なんと振り返るたびに視界に、、という>>続きを読む

ほんとうに映った!監死カメラ13(2015年製作の映画)

4.8

東京鶯谷のホテル街で客引きをしているアシスタント、キンタさんを映した監視カメラの映像が「元キンタさんのファン」だという視聴者から憤慨の言葉とともに届けられ、製作陣が彼女を問い詰めると、キンタさん曰く「>>続きを読む

1922(2017年製作の映画)

4.3

「妻は夫の裁量でどうにでもなった時代」を舞台に、幼い息子の手を借りて妻を殺害した男に襲いかかる恐怖。人怖なのかオカルトなのか(あるちはネズ怖なのか)、スティーヴン·キング原作、という事実以外何ひとつ知>>続きを読む

ほんとうに映った!監死カメラ12(2015年製作の映画)

4.2

テレクラで出会った自称霊媒師の女性に「呪われている」と言われ、除霊セットを買い続けてきた(2リットルで1万円の水を週1回飲まないといけない等)どことなく哀れを誘う男から送られてきた心霊映像(捏造)の真>>続きを読む

ほんとうに映った!監死カメラ11(2015年製作の映画)

4.3

今作は静かな回かなあ、と思っていたら、中盤から怒涛の変態ラッシュ。手紙に忍び込ませた陰毛によってファンに呪いをかけられたアイドルの女性が、「呪い返し」のためにそのファンの陰毛を五寸釘に入れて打ち込もう>>続きを読む

黒い乙女A(2019年製作の映画)

4.8

同じ里親に引き取られた同い年の2人の少女。毒親に翻弄される彼女たちの悲劇を扱った社会派の作品(少なくとも表面上は)。『Q』と『A』のセットでひとつの映画になっていて、2作合わせてみることで初めて作品の>>続きを読む

黒い乙女Q(2019年製作の映画)

4.1

元孤児の少女2人が父母を謀殺する、双子版エスター。民間伝承らしきものを下敷きにしていて興味をそそられ鑑賞。サイコなのか超常現象なのか、一切の前知識なしに観進め、だんだん面白くなってきて驚く。マムシの毒>>続きを読む

ほんとうに映した!妖怪カメラ(2015年製作の映画)

4.0

寺内監督の妖怪シリーズ第1弾。河童が出ると噂の場所にきゅりを仕掛けて撮影を試みるも出てこず、仕方なくホームセンターでそれらしい器具を集めて河童になりきり捏造映像を作ろうとしていたら、まさかの本物が、、>>続きを読む

帰って来た! 監死カメラ3(2019年製作の映画)

4.7

シリーズ最終回。「監死カメラシリーズ最大の感動を呼ぶ回」とのこと。恐怖映像をダシに、クスクス笑いを誘うゆるいネタ方面に舵を切っていて、その試みが(私の感じる限り)成功しつつあったので、この3作目で唐突>>続きを読む

ほんとうに映った!監死カメラ10(2014年製作の映画)

4.4

日夜町中をパトロールし、歩きタバコをする若者や、ゴミ捨て場を漁る「ババア(投稿者本人曰く)」に憤り、「社会の秩序を守らない奴ら」に制裁を加えるべく、夜な夜な上裸で包丁を振り回して「訓練」をするオジサン>>続きを読む

帰ってきた! 監死カメラ2(2019年製作の映画)

4.8

前作から加わった「カトールの怖い話」という名物(?)コーナー。「最も多くの人間が死ぬ場所とされる病院が舞台ではあるものの、予算の関係で病院を使うことができなかったため、皆さんの想像力で補ってください、>>続きを読む

帰ってきた!監死カメラ(2019年製作の映画)

4.0

3年越しに帰ってきた!監死カメラの新シリーズ。今作から再現映像という謎のスタイル(監視カメラどこいった!)が導入されていて、これがいろんな意味で素晴らしく見応えがある。「朝ドラのヒロインになれる素質を>>続きを読む