Ardorさんの映画レビュー・感想・評価

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エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

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新宿武蔵野館にて観賞。
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暖色と寒色の入り混じった画面の暖かく緩んで、厳しくしまっている感じの美しさに魅了されながらも、人間関係の複雑さとかわされる長い会話劇にまごついたけど、見終わった瞬間や
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ユナイテッドシネマとしまえんにて鑑賞
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 ものすごくパーソナルに響く映画だった。マヒトが最後に内面の安定より、外を見て、仲間輪を作る、と決断するあたり。しかもキミコさんや青鷺のような。つまり、自分
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怪物(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

吉祥寺オデオンにて鑑賞。
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 羅生門スタイルというのは見る前に聞いていて、ぶっちゃけ苦手だなぁとも思ったけど、ここまで境目をあやふやにしてくれると小気味よく見られる。前半に「ん?」と思ったシーンが
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ロープ(1948年製作の映画)

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Amazonプライムビデオにて鑑賞
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めちゃくちゃ面白かった。
新しい技術を意味ある形で物語に取り込む姿勢。
ブランドンのモラルに挑戦するフィリップのモラルに挑戦するルパート(象徴的存在)
80分で
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暗黒街の顔役(1959年製作の映画)

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Amazonプライムビデオ(レンタル)にて鑑賞。

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ヨーロッパマフィア風なギャング映画。モノクロを基調にアクセントに赤、端の象徴的なものや人に緑(隆二の車、食堂のもう1人の女の子)・黄色(隆二が
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

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グランドシネマサンシャイン池袋にて鑑賞。
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 ぶっちゃけ途中であんまり興味がなくなってしまった。自分の理解力が追いついていないからかもしれないし、理解したらその段階で認識を改めるつもりだけど。
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トリとロキタ(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

「ヒューマントラストシネマ有楽町」にて鑑賞。

 これまでこんなに直裁な暴力が主人公の子供に向かって行われることは、ダルデンヌ兄弟の映画にはなかった。寡黙な子供が笑ったり泣いたり表情を見せず、ひたすら
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ホワイト・ノイズ(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

最近は割とメタファーを読み解くようにして映画を見ているけど、そもそもこの映画はマレー(ドン・チードル)メタファーの講義で始まる。映像表現に出てくるクラッシュは観客を無邪気な喜びにいざないつつ、メタファ>>続きを読む

ある男(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 我々は想像もし得ないが、自分の血筋を消したい人がいる。実際に消した男がいて、弁護士の妻夫木は、その男が他人になりすましていた時間にロマンを感じ、最後にはバーでなりすましを始める。一方で、ゆうとのよう>>続きを読む

わたしは最悪。(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

シネマカリテにて鑑賞。
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 最初は医学生だったのが、カウンセラーになったり、写真家になったり、文章を書いてみたり、と自分の人生の可能性に忙しなく挑戦するユリヤが自分の昔とめちゃくちゃかさなって、そ
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

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TOHOシネマズシャンテにて鑑賞
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オープニングでゲイリーがアラナを口説くシーン、ニナ・シモンの曲が流れる。きたこの「パンチドランク・ラブ」感!。その他にも初期PTA的意匠をたくさん感じた。し
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

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ユナイテッドシネマとしまえんにて鑑賞。
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是枝監督の従前のモチーフ、「法外の家族」に、クライムサスペンスの要素をもほんのり加わっていて、みていて飽きなかった。
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今回はロケーションや道具を通じ
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

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ユナイテッドシネマとしまえんにて鑑賞
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チケット買ったあとに、1作目を見ていないことに気がついて、上映までにWikipediaの前作のあらすじ を読み込んでおいたけど、その必要も特になかった気がす
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犬王(2021年製作の映画)

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TOHOシネマズ新宿にて鑑賞
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 松本大洋と湯浅政明監督が好きなのでとても期待して見に行った。しかし、最初のパートは唯一読み通せなかった松本大洋の「竹光侍」を見ているようで苦痛だった。日本芸術はな
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

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アップリンク吉祥寺にて鑑賞
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大傑作!こんな滅茶苦茶なマクガフィン見たことない!ほとんど台詞を排して、男性性と女性性をいびつに進化させた身体を見せることによって絵を引っ張る。見てる間、起こる変
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アネット(2021年製作の映画)

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グランドシネマサンシャインにて鑑賞
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 二十年くらい前に「ポーラX」を見たときは今覚えば、めちゃくちゃ強迫観念の強い人が作った映画で、それでも寺山修司の「書を捨てよ町へ出よう」や大林宣彦の「ハウ
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ベルファスト(2021年製作の映画)

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TOHOシネマズ新宿にて鑑賞
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 北アイルランド紛争をベースに、戦禍が市民にもたらす混乱、その地に残るものと去るもの、を描いている点で偶然にも現在のロシアのウクライナ侵攻があり、ウクライナのほう
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天国と地獄(1963年製作の映画)

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Amazon Prime Videoにて鑑賞
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 脚本がめちゃくちゃ良く練られていてすごかった。資産家の息子を運転手の息子を間違えて誘拐、身代金を要求されて、自分の株主としての立場と天秤にかけて
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ホワイトシネクイントにて鑑賞。
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 ルビーが初めて「なぜ私がずっと通訳をしなきゃいけなきゃいけないの?」と涙したシーンからずっと一緒に泣いてた。映画見て泣くのは数年ぶり。知的障害を持つ弟と一緒に
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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

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ユナイテッドシネマとしまえんにて鑑賞
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 25年前にリメイク元の「ウエストサイド物語」を見たのでラスト以外は覚えていた。ゆえにストーリーは少し冗長に感じたが、それでも僕を画面に惹きつけてやまない
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スティルウォーター(2021年製作の映画)

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シネクイントにて鑑賞
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 途中まではすくし眠くなるくらい、ビルのマルセイユでのマヤやヴィルジニーとの生活が潤っていくと思いきや、サッカー場で真犯人の男を見つけたあたりから、それらの生活がオセロを
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お引越し(1993年製作の映画)

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AmazonPrime VideoMen'sNecoチャンネルにて鑑賞。
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 レンの元気いっぱいのともすれば元気だけの棒読み感溢れる子供らしさから一転、琵琶湖での祭りで内面世界に触れるシーンでは
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ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

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ユナイテッドシネマとしまえんにて鑑賞。
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 期待値があまりにも高すぎた。最初のビジュアルを見たとき、アル・パチーノはいるわ、ハゲでデブのジャレッド・レトはいるわ、今推しも押されぬ名優、アダム・ド
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クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ユナイテッドシネマとしまえんにて鑑賞
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 見てる間ずっと多幸感に満たされていた。イーストウッドの映画は僕の生理に抗うことなくゆっくり寄り添う時間が流れていていつも信頼して見られる。
 「グラン・
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マトリックス レザレクションズ(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

新宿ピカデリーにて鑑賞
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はっきり言って難しかった!なんでモーフィアスが若いのか、というのも、あーネオが作ったゲームの中のモーフィアスとエージェントスミスのかけ合わせだからか、みたいなのは解説読
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

Netflixにて鑑賞
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 オールスターキャストで描く彗星地球衝突までをコメディタッチに描くアップデート版「ディープインパクト」。気候変動など、明らかに地球があと数年でおかしくなるのに政治やビジ
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ドレミファ娘の血は騒ぐ(1985年製作の映画)

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Amazon primeに来たから初めて鑑賞
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「極限的恥ずかし体験」によって行われる身体的変異ってのが、学生の実験と教授の実験では結局、被験者(女性)の変異ではなくて、実験を執り行う側(男性)
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偶然と想像(2021年製作の映画)

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Bunkamuraル・シネマにて鑑賞
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「寝ても覚めても」「ドライブ・マイ・カー」を見てすっかり濱口竜介の虜になった今年だったが、上記作品のような一瞬先の出来事に対していかに斜め上を提示してワク
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ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)

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Netflixにて鑑賞
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 最後まですべてが偶然でローズマリーの誤解かもしれんな、と思って見てた。チベットに旅行に行ったはずのあいつが病院の隣部屋にいると気づくまでは。なかなかの悪夢だった。
 
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クルエラ(2021年製作の映画)

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Disney+で鑑賞
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アニメの「101匹わんちゃん」もグレン・クローズの「101」も見ないまま、鑑賞。ただただエマ・ストーンのコメディエンヌっぷりを楽しめる映画。ぶっちゃけ大味な音楽の使い方と
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

TOHOシネマズ新宿にて鑑賞
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 最初のコーンウォールの田舎から、ファッションデザイナーを夢見てロンドンに来たけど、最初のルームメイトに嫌な思いして、きらびやかなスウィンギングロンドンの世界にも
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パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

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Netflixにて鑑賞
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 なんでイギリス人のベネディクト・カンバーバッチにあえてどアメリカンなカウボーイをやらせるのだろう、と見る前は思ってたけど、なるほどあのキルスティン・ダンストを見下すミ
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

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Amazonにてレンタルして鑑賞
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タイトルからして金持ちのことを貴族と読んでるし、薄っぺらい金持ち描写で「格差社会批判」したつもりになってる映画だったらどうしよう、と思ったけど、ただひたすら生
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溺れるナイフ(2016年製作の映画)

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 めちゃくちゃ野心的な映画で凄かった。途中まで、どうしてもこの映画の撮影のリズムとか、音楽とか、生理に合わないな、とか思ってたら一気に突き抜けるラスト。ここまで突き抜けると清々しい。首根っこ掴まれて一>>続きを読む

PASSING -白い黒人-(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

Netflixにて鑑賞
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モノクロの美しさをこれでもかと知らしめる作品。最後はアイリーンが落ちてもおかしくなかった。クレアがアイリーンが危なっかしいところを代わりに落ちたような節がある。二人はお
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サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

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Amazon prime videoにて鑑賞。
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 予想を少しずつ裏切っていく展開にはっとされっぱなしだった。知覚することというのは音だけに限らない。ルーベンはルーから言語以上のものを受け取った
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