SaintNoLiquorさんの映画レビュー・感想・評価

SaintNoLiquor

SaintNoLiquor

諜報員(1947年製作の映画)

4.2

硬派なスパイ・サスペンスとして、やはりヒッチコックやラングら同時代の巨匠への目配せは感じられる。バルネットらしいかといわれると微妙だが、十分に面白い。奥行きを活かしたショットもいちいち芸術的だし、唐突>>続きを読む

北国の帝王(1973年製作の映画)

4.4

発想の勝利。冒頭のショッキングな殺人とやたら愉快な劇伴の組み合わせだけでこの作品がヘンテコな傑作であることが分かるが、最後までヘンテコ。でも、娯楽としてべらぼうに面白い。見たことがない、でもこんなのあ>>続きを読む

春の驟雨(1932年製作の映画)

4.4

ファンタジックで、なのに全然大仰じゃなく、下品じゃない伝承モノ。要するに最高
である。逢瀬の後に男の腰より下しか映さないあのショットのパンチの強さよ。まさしく準サイレント作品として、映像だけで語れてい
>>続きを読む

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

4.3

『ストップ・メイキング・センス』より好きかも。現時点では今年度ベスト。ショーとして完璧すぎるでしょ。スパイク・リーはつまらない黒人映画は撮らないで音楽映画だけ撮ればいい。

実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)(2007年製作の映画)

4.3

いわゆる時代感を味わうなら、YouTubeにある『ザ・世界仰天ニュース』的な映像を観るのが最適だと思う。というのも狙ってなのかは分からないが、良くも悪くも時代考証(特に服装)はガバめだからである。ただ>>続きを読む

たそがれの女心(1953年製作の映画)

4.0

とにかくカメラワークが流麗。同じセットと脚本を与えられて他の人が撮っても、こうはならないだろう。ただし、ストーリーは陳腐で、のめり込めない人にはひたすらに上の空になりかねない気はする。『快楽』と『輪舞>>続きを読む

戦火の大地(1943年製作の映画)

-

いくつか面白いショットもあったが、いわゆるただのソ連プロパガンダ映画の域は超えていない。牛のくだりは好き。

ビーチ・バム まじめに不真面目(2019年製作の映画)

4.3

他の映画の予告でもキュアーの楽曲が使われていたが、近年の映画界で流行っているのだろうか。まぁ、言うまでもなく最高だが。とにかく、ラストシークエンスが素晴らしく、ここ数年の作品のなかでは随一じゃないだろ>>続きを読む

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実(2020年製作の映画)

-

フォントの安っぽさは気になったが、ドキュメンタリー作品としては可もなく不可もない出来だと思う。瀬戸内寂聴にインタビューした意味...。

アメイジング・グレイス アレサ・フランクリン(2018年製作の映画)

4.3

これもスパイク・リー関わってるのね。カチンコ大事。音楽の素晴らしさは言うまでもなく。

二十四の瞳(1954年製作の映画)

-

相変わらず高峰秀子の演技の良さと仰げば尊しの旋律には感情を揺さぶられたが、一つの映画作品としては微妙な気もする。なにより表現上の無駄、というかあまりにも非映画的な表現が多い。そもそも時間表現が特殊すぎ>>続きを読む

椿三十郎(1962年製作の映画)

4.2

久々に黒澤作品を観た。まぁ『用心棒』のほうが好きだけど、細かいアイデアとかは好き。ウェスタン譲りのラストよね。

幕末太陽傳(1957年製作の映画)

4.0

再見。個人的には本作の魅力の8割型は幻のラストにあるのだが、それがシン・エヴァという大衆映画でもちゃんと回収されていたのが嬉しい。フランキー堺という天才の演技力によってのみ成り立っている作品な気はして>>続きを読む

ルーヴル美術館訪問(2004年製作の映画)

-

「なんてことなかった〜」とは言わせまいとの気概を感じるが、ほぼ全編絵画のフィックスとナレーションなのは流石に実験的すぎる。考察のしがいはありそう。

大地(1930年製作の映画)

4.4

ここまで神々しい映画はドライヤー諸作くらいじゃないか。ウクライナの大地の広大さと一方向に向かう群集の神話的なまでの美しさ。まさにソ連映画を代表する作品だと思うし、映画学校で教材として使われるのも納得で>>続きを読む

ストリート・オブ・ノー・リターン(1989年製作の映画)

4.4

ジャンプカット多様の圧倒的なスピードが最高。敵が一転二転していき、しかもちゃんと全員強そうに見えるから手に汗握る。ストーリー自体はご都合主義なのだが、80's特有のダサさがひたすらにカッコよく映るから>>続きを読む

制服の処女(1931年製作の映画)

4.4

最高!トリュフォーの子供映画の旨味と、さらに早すぎた百合作品としての美しさまで備わっている。トーキー最初期の作品にしてはあまりにも出来すぎていて、ショットの独創性も素晴らしい。結末はジャン・ヴィゴ作品>>続きを読む

クレーヴの奥方(1999年製作の映画)

4.2

現代に置き換えられた古典といえど、下手なそれより幾らも重厚かつ美しい。ヘンテコなストーリーたからこそよりそれらしく面白い。対比の映画。

ノン、あるいは支配の空しい栄光(1990年製作の映画)

-

コテコテの歴史物だけど(だからこそ?)、オリヴェイラのまなざしは強く感じられる。普段はそこまで金がかかってなさそうな彼の作品群のなかでは比較的制作費かさんでそう。制作時は多分冷戦が終わってなかったんじ>>続きを読む

西部の人(1958年製作の映画)

4.3

芸術作品として至高。シネスコ×鉄道は最強である。はじめてアンゲロプロス作品や『天国の日々』を観たときの感覚に似ている。あまりにも異色なアート西部劇。めちゃくちゃ好き。

三里塚 第二砦の人々(1971年製作の映画)

-

あくまで記録の映画であるのだが、そこに記録されているものはコンテンツとしてあまりにも魅力的。ペロポネソス戦争かよ、と突っ込みたくなるような戦闘の激しさ。音声は聞き取りづらい。

次郎長三国志 第八部 海道一の暴れん坊(1954年製作の映画)

4.2

このシリーズを観るのははじめて。だが、本作こそがマキノの最高傑作の一つであると言えると思うし、彼の作家性の面では『鴛鴦歌合戦』よりも"それらしい"。群れをなした人々の動きだけでここまでの感動があるとは>>続きを読む

ピストルオペラ(2001年製作の映画)

4.3

清順の画展を動く歩道の上で立ち止まって観ているかんじ。とにかくショットの構図のアイデアが面白い。それも現代の建築用いて撮られているから、清順オタクが自主制作を作るときに大いに参考にできそう。あのイギリ>>続きを読む

浅田家!(2020年製作の映画)

-

毎度のお涙頂戴ぶりで、ある意味平常運転で映画通に嫌われにいっているが、『湯を沸かす...』の頃から撮影技術もろもろ良くなっていると思う。ストーリーも思ったより面白かったし。ただ120分以上割いてこの人>>続きを読む

人数の町(2020年製作の映画)

-

前半にアイデア全部出し尽くしたのだろうか。後半の冗長さが異常なほどにあった。ディストピアSFにしては小手先の編集に頼ってる感がなくてよかったとは思う。ただ、風刺にしては緩慢で刺激がなくつまらない。次回>>続きを読む

佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)

4.1

ホモソ映画だろうと避けていたのだが、実際観てみたらショットの構図はめちゃくちゃいいし、ストーリーもなかなか面白かった。ただし、尺がそこそこ長いわりには微々たる変化しかないからカタルシスはそこまで得られ>>続きを読む

エドワード・ヤンの恋愛時代(1994年製作の映画)

-

やはり自分の好きなヤンはクーリンチェのヤンなんだなと痛感。再見したら感受できるものも変わるか?

カラスの飼育(1975年製作の映画)

-

アナちゃんのための映画。どうしてあんな達観した目ができるんだ。『ミツバチのささやき』と比べられちゃうのは宿命よね。

子猫をお願い(2001年製作の映画)

4.2

『アデュー・フィリピーヌ』か『メーヌ・オセアン』かどちらかは忘れたが、ロジエのパンフレットの蓮実評で本作が絶賛されていたことを覚えている。たしかにかなりロジエであった。アジア圏の作品とは思えないほど洋>>続きを読む

親密さ(2012年製作の映画)

5.0

前半部の無機質さに多少辟易していたのだが、終わってみれば人生ベスト級の評価を与えている。ナレーションを一切用いずに、ここまで"言葉"を大事にした映像作品がこれまでにあっただろうか。純粋に濱口竜介の脚本>>続きを読む

寝ても覚めても(2018年製作の映画)

4.1

再鑑賞。佐藤真『SELF AND OTHERS』から続く霊性への映像アプローチの集大成、とはならないかもしれないが、それの研究を増村らが描いた女の情念の可笑しさとともに映像に落とし込んだもの、最もそれ>>続きを読む

音楽(2019年製作の映画)

-

ここで音楽の話をするのはナンセンスだと思うからやめておくが、それはともかく一つの表現としてそこまで面白さを感じない。やりたいことはなんとなく分かるし、そもそも分かる必要ないのだろうけれども。とにかくど>>続きを読む

>|