千利休さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

罪の天使たち(1943年製作の映画)

4.4

あまりにも高潔。カメラワークに一ミリの誤りも無い凄さ。手のアップが多くなくともブレッソン作品だと分かる様式美。でもラストはしっかりと"らしく"決めてくる。

隣の女(1981年製作の映画)

4.1

ちょっと長い気もするけど好き。『トリコロール 青』に匹敵する青色が美しい映画。ロメール風のショットは美しいが、足りないのは多分登場人物たちの魅力。

恋のエチュード(1971年製作の映画)

4.4

トリュフォーの大作。荘重。アルメンドロスのキャメラがあまりにも素晴らしい。

日曜日が待ち遠しい!(1982年製作の映画)

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ひたすらにクールだけど、結局冒頭の湖といくつかのシーンしか覚えてない、トリュフォーのノワールはどうしてこう小難しくなるのか。50年代米映画への愛に溢れていて良い。

ピアニストを撃て(1960年製作の映画)

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かなり技工を凝らしてはいると思うが、トリュフォーに求めているのはコレではないという感じ。

私のように美しい娘(1972年製作の映画)

4.5

巧すぎ...。面白すぎ...。トリュフォー器用だな。ユーモアが炸裂しまくっていて最高!

アデルの恋の物語(1975年製作の映画)

4.0

昼に観たロメールの作品のリーフレットに「ロメールは白の作家、トリュフォーは黒の作家」とあったが、まさしくそれを象徴するような一作。70年代以降のトリュフォー作品って観れば観るほど彼の作家性がよく分から>>続きを読む

そして、神はカインに語った(1970年製作の映画)

4.5

めちゃくちゃ良い。あまりにも丁寧なマカロニ・ウエスタンで、ペキンパーの諸作なんかを想起。風にしろ馬にしろ炎にしろ、意のままには操り難いものを扱うのが巧い。鏡の間の銃撃戦も素晴らしい。

スイート・スイート・ビレッジ(1985年製作の映画)

-

実はアメリカ映画っぽい。良作だとは思うが、この監督はデビュー作のような硬い画の作品のほうが本領を発揮できている気がする。

厳重に監視された列車(1966年製作の映画)

4.2

ザ・格式高い東欧映画って感じの様相だが、画のアイディアが豊富で、デビュー作特有の野心がひしひしと感じられて良い。

我が至上の愛 〜アストレとセラドン〜(2007年製作の映画)

4.5

2022年1本目。ツッコミどころ満載な設定をまかり通すことによって高度なメタ性を発生させているのがロメールらしい。キアロスタミの晩作にも似ている気がする。遺作に通底する深遠な哲学も垣間見られて良かった>>続きを読む

歴史の授業(1972年製作の映画)

4.1

2021年に観た。彼らの作品鑑賞はリーフレットを読むことが主になっている気もしなくはない。ストローブユイレにしては分かりやすいなと思う一方、ストローブユイレを観ることの難しさについて再び考えた。

悪の神々(1970年製作の映画)

4.5

カメラワークがあまりにも秀逸。純粋にスタイリッシュさでカッコいいと思ったファスビンダー作品は久しぶりかも。ラストのスーパーのシークエンスが素晴らしい。純ノワールの黒さと純サスペンスの張り詰めた空気感ど>>続きを読む

不貞の女(1968年製作の映画)

4.5

ラストのドリーズームが見事。前半の家族での食事のシーンがもろ『PASSION』だが、そこよりも後半の映画の精神性がめちゃくちゃ濱口が影響を受けているシャブロルすぎる。話はよくある不倫譚だけどとても興味>>続きを読む

天国はまだ遠い(2015年製作の映画)

4.5

さすがに巧い。幽霊存在のみならず、視線や嘘など見えない概念を可視化することに成功している。まなざしの映画としては佐藤真の影響が浮かんだが、本作は立派なサスペンス(濱口作品は全部そうだろうが)。理詰めが>>続きを読む

不気味なものの肌に触れる(2013年製作の映画)

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プロットはいつも通りの濱口だなとしか思わなかったが、劇伴のドローンのサブベースがあまりにも不快で最高。映画館でこれが味わえるかは知らないけれども、あたかもパソコンでのイヤホン/ヘッドホンでの鑑賞を見据>>続きを読む

彼方からの手紙(2008年製作の映画)

4.0

前半要らないと思う。DIYなSFとして、ヴィルヌーヴやロウリーより早くそれらしきものをやっていたのは凄いと思うが、いかんせん要素を詰め込みすぎていてむしろ押し出すべき監督の自意識のようなものが薄まって>>続きを読む

PASSION(2008年製作の映画)

4.2

濱口竜介の作家性とも言えようロメールやカサヴェテスらの"なぜか分からないが面白い"を徹底的な理論の追求で作り上げてしまうという営為を一番分かりやすく見せてくれている作品だと思う。それが出来てしまってい>>続きを読む

慶州(キョンジュ) ヒョンとユニ(2014年製作の映画)

4.9

ヤバすぎる。。様々な映画の限界をいとも簡単に突破しまくっている。もはや彼岸と此岸どころの話ではない。多少田舎にしてもほぼ東京と変わらないようなロケーションであれほどまでに芸術的なショットを量産出来てし>>続きを読む

幽霊屋敷の蛇淫(1964年製作の映画)

4.8

良すぎる。もちろんゴシックホラーとしてその完成度も頗る高いが、格調高い一種のメロドラマのようなものとして非常にエモーショナル。20年代怪奇映画直系ともいえようトリックが溢れていながら、あくまでそれを誇>>続きを読む

あんなに愛しあったのに(1974年製作の映画)

4.5

アイディア先行なようでいて、構図もストーリーも完璧に仕上がっている素晴らしい作品。イタリア映画史豊かすぎる。これ嫌いな映画好きいないでしょ。

殺人地帯U・S・A(1961年製作の映画)

4.5

傑作ノワール!クローズアップが効いている。とにかくスタイリッシュで良かった。

死んでもいい経験(1995年製作の映画)

4.3

『下女』しか観ていなかったから、カラーのキム・ギヨン作品がここまでぶっ飛んでるとは思わずとにかく衝撃を受けた。イカれ具合が凄い。独特の編集のテンポ感がひたすらに気持ち良い。

WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)

4.1

デフォルメ抜きに、描ける限りの有害な男性性を全て描いている。怨恨か?

出稼ぎ野郎(1969年製作の映画)

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ある意味『ジャンヌ・ディエルマン』の元ネタと言えるかも。固定カメラのファスビンダーも良い。

偽れる装い(1945年製作の映画)

4.1

人形が動く映画には傑作しかない。あの落下はブレッソン『白夜』の元ネタでは?卓球のシーンも良い。驚くべき速さの前半と打って変わって後半は本当に進まない。占領期に作られた作品だからなのかめちゃくちゃ病んで>>続きを読む

偶然と想像(2021年製作の映画)

4.1

理詰めがいきすぎている気もしたが、面白かったことに間違いはない。主観と記憶の曖昧さがこの上なく面白いこと、そしてそれこそが人生の本質とも言えようものであること。それを作り出す装置としてのバタフライエフ>>続きを読む

豚が井戸に落ちた日(1996年製作の映画)

4.2

終始構図が良い。同時代のジャ・ジャンクーとの類似性を感じる。当たり前のようにエドワード・ヤンの影響もアリ。

ロバート・アルトマンのイメージズ(1972年製作の映画)

4.2

キモすぎる(褒め)。。アルトマンの変態性が最もよく表れた作品なのでは?劇伴が不穏すぎる。

ふくろうの叫び(1987年製作の映画)

4.2

面白かった。ヒッチコックリスペクト満載。濱口竜介が好きなシャブロル像が色濃く表れてる作品だと思う。