真一さんの映画レビュー・感想・評価

真一

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Demon City 鬼ゴロシ(2025年製作の映画)

3.0

都市を支配する
恐怖の能面集団。

頂点に君臨する
謎の「御前様」。

奴らに愛妻を
惨殺された「鬼」。

その鬼による
復讐劇の幕が開くー。

鮮血飛び散る和風グロ系RPGの
実写版といった趣の作品
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斬、(2018年製作の映画)

2.5

渋めのチャンバラ映画。人を斬れないナイーブな剣豪(池松壮亮)が、絶体絶命の窮地に追い詰められた挙げ句に「神の一撃」を見せつける王道系の時代劇です。

 ただ、なぜ池松君があれほどまでに人を斬れないのか
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ビーキーパー(2024年製作の映画)

1.5

 「サイバー詐欺組織から政権中枢まで全部グル!誰か、闇の勢力をまとめて殲滅し、スカッとさせてくれ!」ー。そんな思いを抱く人には刺さる、ド派手なアクション映画。トランプ支持者の間では人気があるのではない>>続きを読む

下妻物語(2004年製作の映画)

3.5

 ロリータファッションが生き甲斐の女子高生桃子(深田恭子)。特攻服に身を包んだ暴走族レディースのイチコ(土屋アンナ)。何から何まで違いすぎるこの2人が、畑とジャスコとパチンコ屋しかない茨城県のローカル>>続きを読む

夏目アラタの結婚(2024年製作の映画)

2.3

 なぜ主人公の夏目君は、拘置所で面会した見知らぬ被告人にいきなりプロポーズしたの?新手のナンパ?あり得んでしょう😄

 どうやら原作では、夏目君が求婚に至るバックグラウンドをしっかり描いているようです
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イノセンツ(2021年製作の映画)

3.2

 子供は無邪気。だから残酷。試しに人を殺せるほどの強力な超能力を与えてみよう。ほら、惨劇が始まったよー。本作品は「子供は夢と希望に満ちた存在」だとするステロタイプな見方を徹底的に打ち砕く、胸くそバイオ>>続きを読む

やくざの墓場 くちなしの花(1976年製作の映画)

3.4

 癒着する警察本部とヤクザ組織。腐った面々にチャカを向ける刑事と極道の義兄弟コンビ。本作品は、主演の渡哲也が歌う「くちなしの花」をテーマ曲とする、昭和ムード1000%の任侠映画です。昭和に戻りたい!と>>続きを読む

翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~(2023年製作の映画)

3.5

 地方差別を助長する危うさを漂わせながらも、Gacktの圧倒的なギャグセンスでうまく軟着陸させた佳作。埼玉と滋賀のローカル事情が詳しくなった気がしますが、どこまで本当でどこからがネタ?下手に信じるのは>>続きを読む

今すぐ購入: 購買意欲はこうして操られる(2024年製作の映画)

4.3

 大量消費時代から、人類滅亡へのカウントダウンとなる「超大量消費時代」へー。自室のベッドに転がってスマホを見ながら、ワンクリックで欲しい商品を買うアマゾンの販売システム。そのアマゾン・システムが環境汚>>続きを読む

前科者(2022年製作の映画)

3.2

 子供の頃に、母親がDV親父に惨殺されるのを目撃したとしましょう。さらに児童養護施設に預けられ、毎日のように壮絶ないじめに遭ったとしたとしましょう。もしそんな半生を送ってきたとすれば、誰だって、本作品>>続きを読む

ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ(2024年製作の映画)

3.5

 べびわるファン向けの作品。まひろのアクション、ちさととのワチャワャ、田坂さんのあのキャラを見続けたい人には納得の一本です。内輪受け的なシーンが多く、べびわる未見の人は避けた方がいいかも。このシリーズ>>続きを読む

ウィンター・オン・ファイヤー ウクライナ、自由への闘い(2015年製作の映画)

3.9

 頼みの米国がロシアのウクライナ侵略を追認するという、思わぬ結末を迎えつつある欧州情勢。関連ニュースを溜め息混じりに見ながら選んだのが、このドキュメンタリー作品です。おびただしい死傷者を出した2014>>続きを読む

Broken Rage(2024年製作の映画)

3.0

 「もう映画の時代は終わった」という北野武のメッセージが込められた自虐的作品ー。どなたかが書かれたこんな考察を目にして、なるほどと思いました。

 ファスト映画のような前半30分のシリアス編。「コマネ
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ワタシタチハニンゲンダ!(2022年製作の映画)

3.5

 島国に住む私たち日本人が、いかに他の人種や民族を「異物」とみなして差別・排除してきたかを、客観的に分析したドキュメンタリー作品。植民地時代の在日朝鮮人から、現在の在日クルド人に至る「よそ者」に対する>>続きを読む

トゥルーノース(2020年製作の映画)

3.4

 北朝鮮の過酷な強制収容所の実態を、脱北者の経験談からアニメ化した英語作品。虫けらのように虐げられ、殺される収容者。当局者にレイプされ、運悪く妊娠してしまうと、淫売婦となじられて処刑される女性。「日本>>続きを読む

正体(2024年製作の映画)

3.2

 無実の高校生を殺人犯にでっち上げる警視庁幹部。警察の筋書きに従って死刑判決を言い渡すデタラメな裁判所ー。こうした鬼畜の権力者たちから、死刑囚を演じる・横浜流星が命懸けで逃れようとする物語です。反権力>>続きを読む

呪詛(2022年製作の映画)

3.1

 台湾版エクソシスト風映画です。呪われた娘を助けようともがくママ。迫り来る中華風の怪異。Jホラーとは異なる世界が繰り広げられます。好き嫌いは、分かれると思います。

 物語は①主人公が彼氏一行と肝試し
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幸せを呼ぶ歯(2023年製作の映画)

3.5

 悲鳴を上げました。正視に耐えなかった。下手なグロ映画よりも強烈。貧しい少女が、金持ちの少女たちとの「カケあり」の人生ゲームに強制参加させられる話。あっという間に掛け金が底を着いた少女を、過酷な運命が>>続きを読む

シリアにて(2017年製作の映画)

4.0

 内戦下のシリア市民を描いたヒューマニズム映画です。アパートの一室に閉じ籠もり、息を潜めて暮らす人々。彼らの恐怖心と葛藤を生々しく描いた、見応えのある密室劇です。戦火の下で塗炭の苦しみを受けるのは、庶>>続きを読む

機動警察パトレイバー THE MOVIE(1989年製作の映画)

3.0

 空前の高性能ロボットを実用化した謎の天才プログラマー帆場暎一(ほば・えいいち)。その帆場は、史上最大の東京湾岸開発計画を破壊すべく、自分が生み出したロボットたちを暴走させる悪魔のプログラムを発動した>>続きを読む

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)

3.9

 日本国憲法が私たちに保障する「生きる権利」。本作品は、その「生きる権利」を社会に踏みにじられた、名もなき人々の慟哭の物語です。「生活保護を受けるのは一家の生き恥」という封建的な情緒にとらわれた私たち>>続きを読む

君たちはまだ長いトンネルの中(2022年製作の映画)

3.4

 「莫大な財政赤字を考えれば、消費税10%はやむを得ない。子供たちにツケを回せないよ」ー。したり顔でこのように説教する大人たちを、高校生の高橋あさみが無慈悲に論破しまくる異色の「消費税NO!」映画。消>>続きを読む

ザ・メイヤー 特別市民(2016年製作の映画)

3.4

 対立候補のスキャンダル探しからフェイク拡散まで、過熱するソウル市長選の舞台裏をブラックなタッチで描いた韓国映画。多生の誇張はあるでしょうが、雰囲気はこんなもんではないかと推察します。「選挙とは、なり>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・スタジオ -100年の思い出-(2023年製作の映画)

3.0

 ディズニー100年の歴史を振り返ると、人類の価値観の変遷をたどれる気がしました。いじめと虐待を笑いのネタにしていた初代ミッキーから、ハリー・ベイリーさん演じる「リトル・マーメイド」へ。紆余曲折はあれ>>続きを読む

県警対組織暴力(1975年製作の映画)

3.5

 暴対法成立前の警察とヤクザの攻防や癒着を生々しく描いた、東映の任侠映画です。ヤクザを必要悪と認め、濃密な人間関係を張り巡らせる現場刑事の久能(菅原文太)。ヤクザと地元警察の癒着を一掃するため、県警本>>続きを読む

ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい(2023年製作の映画)

4.5

 人と話せば相手の心を傷つけてしまうし、話を聞けば自分の心を傷つけられてしまう。だから生きるのが苦しいー。本作品は、こうしたナイーブな大学生たちが、誰も傷つかない「優しいふれあい方」を模索するストーリ>>続きを読む

夜叉 容赦なき工作戦(2022年製作の映画)

3.5

 アジア最強の日本スパイ組織に、韓国情報機関のアウトローが挑むー。本作品は荒唐無稽な展開ながら、緊張感ある駆け引きや裏切り、アクションシーンが続き、飽きません。かつて日本に植民地支配され、今も複雑な対>>続きを読む

GANTZ:O(2016年製作の映画)

2.9

 主人公のケイが退場中の「大阪編」を取り上げたGANTZのアニメ作品。このくだりを原作で読んでいない人には、やや感情移入しにくい内容です。バイオハザードなどCAPCOMのゲームを観戦している印象。この>>続きを読む

ターミネーター(1984年製作の映画)

5.0

 人類にとっての重大課題に浮上した「殺人ロボット」。本作品は、この問題にいち早く焦点を当てたSFアクション・ホラーの傑作だと改めて感じました。シリーズ作品は何本もありますが、本作品は原点にして頂点です>>続きを読む

ウィッシュ(2023年製作の映画)

3.8

 「私たち人間は、自ら進んで民主主義も人権も投げ捨てる愚か者です」。こんな刺激的なメッセージを毒針のように仕込んだ、くせの強い作品だと受け止めました。考察しがいのある、シニカルな映画です!

※以下、
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ブラックマジック M-66(1987年製作の映画)

3.2

 あの「AKIRA」の前年に出た、士郎正宗の伝説的なアニメ作品。筋骨隆々としたミリタリールックの女性カメラマンが、暴走する恐怖のアンドロイドを迎え撃つハラハラドキドキのバトルものです。80年代の香り漂>>続きを読む

その音がきこえたら(2021年製作の映画)

3.7

 第一回日本ホラー映画大賞の入賞作品。スタンダードな「こっくりさん」ものですが、侮るなかれ。ぞ~っとする恐怖に襲われます。Jホラーの王道を行く短編映画です。

 冒頭は、友人同士のオンライン会話からス
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あんのこと(2023年製作の映画)

4.1

 毒親に命じられるままに売春を繰り返す。小学校さえ通わせてもらえず、満足に読み書きもできない。そんなシャブ中毒少女の生き様にスポットを当てた、胸をえぐられるようなヒューマンストーリーです。

 人間と
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MOTHER マザー(2020年製作の映画)

4.2

 「人を愛する」と「人に依存する」。この言葉の違いを、私たちは本当に理解できているのだろうか。本作品は、ある貧困母子の破滅的な生き様にスポットを当てることで「愛」の意味を問い直した力作です。

 本作
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告白 コンフェッション(2024年製作の映画)

4.2

 韓国人に対する日本人の差別意識を浮き彫りにした、メッセージ性の強い作品です。ソウル出身の俳優ヤン・イクチュンが、日本人の浅井(生田斗真)の心の奥底に住む「不気味な韓国人」を怪演。脚本は、あの「カイジ>>続きを読む

ヴィレッジ(2023年製作の映画)

3.1

 架空の村社会を描くことで、日本型の「支配と被支配」構造を浮かび上がらせたサスペンス作品。支配される側が、腐った支配者にペコペコしながら日々を送っているのが胸糞です。映画全体としては、役者陣に難あり。>>続きを読む