しゅうさんの映画レビュー・感想・評価 - 15ページ目

しゅう

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幸せなひとりぼっち(2015年製作の映画)

4.3

字幕版を鑑賞。

偏屈な老人が、周囲の人々と関わり合う中で変化して行く。同時に老人の過去も明らかになっていく。

こんな感じの映画は、最近でも「グラン・トリノ」や「ヴィンセントが教えてくれたこと」等結
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メイジーの瞳(2012年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

字幕版を鑑賞。

メイジーは両親を愛しているが、二人は自分の都合を優先させて、再婚相手のマーゴやリンカーンを振り回す。

両親も再婚相手の二人も傷付けたくないメイジーは、いくら大人たちに振り回されても
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ブルージャスミン(2013年製作の映画)

3.7

字幕版を鑑賞。

ウディ・アレン映画は「ブロードウェイと銃弾」以来20年以上振り。

主人公ジャスミンは若い頃は成績優秀で行動力もあったが、長年のセレブ暮らしと優し過ぎる夫によって次第にスポイルされて
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X-MEN:フューチャー&パスト(2014年製作の映画)

3.5

2D字幕版を鑑賞。

前作「ファーストクラス」が意外な傑作だったので期待しつつも、監督変更に一抹の不安を抱えての鑑賞だったが、その通りの出来に。

過去改変SFは嫌いじゃないが、どうしても話が複雑にな
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ファイ 悪魔に育てられた少年(2013年製作の映画)

3.8

字幕版を鑑賞。

自らを誘拐した犯人達に育てられ英才教育を施された少年が、犯罪計画に加えられる過程で自らの出自に気づいてゆくという展開。

これだけでも面白いのに、更に主人公ファイを次々に心理的に追い
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第三の影武者(1963年製作の映画)

3.6

時代劇専門チャンネルにて鑑賞。

南條範夫の残酷物は幾つか読んでいて、この映画の原作もたしか読んだ記憶がある。

雷蔵主演という事で、主人公の影武者がやや繊細な性格にされているように思えるが、影武者と
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私の男(2013年製作の映画)

3.4

桜庭一樹ファンとして、期待と不安の入り混じった気持ちでの鑑賞。

そもそも、原作は時系列を遡る形で、腐野親子に関わる人々と花の告白形式で物語が進んでいくのに対して、映画は時系列順で展開してゆく。

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青天の霹靂(2013年製作の映画)

3.8

劇団ひとりには特に興味もなかったが、世評の高さに釣られて鑑賞。

冒頭、大泉洋の行き詰まった現在のパートが抑制の効いた演出で観せられて、アラフォー男の惨めさを際立たせる。

彼の「生きるのって難しい」
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アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)

4.2

字幕版を鑑賞。

レズビアンを主人公にした映画は矢崎仁司監督の「風たちの午後」以来。

フランスにおけるレズビアンの社会的な立場や出会いの場であるレズビアン・バーの様子、レズビアン・カップルの実際のS
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オール・ユー・ニード・イズ・キル(2014年製作の映画)

3.7

3D字幕版を鑑賞。

時間ループ物は「まどか☆マギカ」や「ミッション:8ミニッツ」「リプレイ」等大好物なので、期待して観に行った。

軽薄な広報屋のトム・クルーズが時間ループに巻き込まれて、戦場の2日
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渇き。(2013年製作の映画)

3.8

「告白」以来の中島哲也監督作だが、ネットでは賛否の否が多いようなので、若干の怖れを抱きながら劇場へ。

暴力の応酬やグロ描写は予想していた程でもなく、先の見えない展開にひたすら引きづり回される2時間だ
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怪しい彼女(2014年製作の映画)

3.7

字幕版を鑑賞。

前作「トガニ」とはまったく違ったコメディだが、韓国のコメディ映画は安定した面白さがある。

ゴジラ(1954年製作の映画)

3.3

日本映画専門チャンネルにて鑑賞。

「ゴジラ」映画は子供の頃にTVで観たカラーの「メカゴジラ」や「地上最大の作戦」の怪獣プロレスの印象が強かったが、今回改めて初代ゴジラを観てみると、パニック映画若しく
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GODZILLA ゴジラ(2014年製作の映画)

3.6

2D字幕版を鑑賞。

事前の情報をあまり入れずに観に行ったので、ゴジラの物語に現実の東日本大震災や福島原発事故を絡めてきたり、津波や9・11テロを連想させる映像を入れ込むあたりに大胆さを感じた。

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マレフィセント(2014年製作の映画)

2.5

2D字幕版を鑑賞。

ディズニーの元々の「眠れる森の美女」については詳しくは知らないが、悪役のマレフィセントを善玉に、ステファン国王を悪玉にしただけの改変は全くツマラナイの一言。

ステファン国王も、
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超高速!参勤交代(2014年製作の映画)

3.2

福島の小藩が幕府の謀略によって五日間での参勤交代を命ぜられるという基本プロットや、その道中にて起る数々の難題とその解決策などは中々面白い。

だが細部の詰めが甘いのと演出が所々緩いので、どうにも話に乗
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思い出のマーニー(2014年製作の映画)

3.5

前評判の悪さに不安を抱きながらの鑑賞だったが、アニメーションの美しさと演出の繊細さが魅力的な良質な映画だった。

前半での杏奈の独り言への違和感や、ラストの種明かしが説明的でむしろ蛇足に感じられる等不
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チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)

4.2

字幕版を鑑賞。

前評判通りの良質な出来の映画。

設定は変わっているが派手な出来事は起こらず、微かな希望が見えてきては裏切られる展開が切なさを掻き立てる。

何よりルディ役のアラン・カミングの存在感
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ソウォン 願い(2013年製作の映画)

4.2

字幕版を鑑賞。

観る前は「トガニ」と似たような話と思っていたが、「トガニ」が加害者たちを追求してゆくサスペンスに重点が置かれいたのに対して、この映画は被害者とその家族の苦しみと心の再生をじっくりと描
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her/世界でひとつの彼女(2013年製作の映画)

4.3

字幕版を鑑賞。

美術やショットは面白くて美しいし、近未来でのOSとの恋愛という物語のSF設定も興味深いが、何よりOSとの会話だけで物語の大半を占めるこの映画では、主人公セオドアを演じるホアキン・フェ
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フライト・ゲーム(2014年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

字幕版を鑑賞。

閉鎖された空間での連続殺人で探偵役までもが疑われる展開は好物。

只、協力者までもが信じられない疑心暗鬼の流れから、乗客全員を信じて協力を呼びかける事で事態を打開しようとする展開が面
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ケープタウン(2013年製作の映画)

3.4

字幕版を鑑賞。

基本的には殺人事件の裏に潜む新薬開発の為の人体実験の闇を、二人の刑事が暴いてゆくサスペンスだが、その背景に南アにおけるアパルトヘイトが浮かび上がるのが特色。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2014年製作の映画)

3.2

字幕2D版を鑑賞。

前評判で期待が高すぎた分、少々物足りなく感じた。

そもそも余りにも他のマーベル作品との関連に頼り過ぎで、単独の作品としての面白みが足りない。

80年代の懐かしい音楽ネタで引っ
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舞妓はレディ(2014年製作の映画)

4.4

久々の周防監督作品だったが、これは大当たり。

題名どうり「マイ・フェア・レディ」を下敷きにした作品だが、それを東宝伝統の和物ミュージカルに仕立てた処が秀逸で、そこが現実の花街が現代の少女が憧れるよう
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14の夜(2016年製作の映画)

3.7

作品のテーマ的な事を主人公に台詞で言わせたり、ここイイ場面でしょ、とばかりにスローモーションを多用したりと、あざとさが感じられる。

でも、それ以上に素晴らしい場面も多数。中でも、パシリ扱いされてた彼
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清作の妻(1965年製作の映画)

4.7

溝口健二・増村保造映画祭にて鑑賞。

若尾文子の「情念の女」が凄まじい。

冒頭、老人の妾として囲われる生活での鬱屈した表情から、親子二人で暮らせる様になってからの蓮っ葉振り。

そして、戦地に送られ
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暗黒街の顔役(1932年製作の映画)

4.0

字幕版を鑑賞。

映画の冒頭、言い訳めいた文言が並べられるが、これは完全にギャング讃美映画でしょう。

とにかく、ギャングのポール・ムニの表情、一挙手一投足が素敵過ぎる。

観客は皆、粗暴で奸智に長け
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三つ数えろ(1946年製作の映画)

3.6

字幕版を鑑賞。

正月二日だというのに満員で、立ち見を余儀なくされる。

様々なレビューで触れられている通り、固有名詞が多過ぎて覚え切れないし、ミステリとしてもあまり良い出来とは思えない。

ただ、探
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湾生回家(2015年製作の映画)

3.8

字幕版を鑑賞。

日清戦争後、下関条約によって台湾が割譲されて第二次世界大戦終戦まで日本の領土だった事は、歴史的な知識として頭にはあった。

しかし、そこで生まれ育った湾生という人々が存在して、彼等が
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アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場(2015年製作の映画)

4.3

字幕版を鑑賞。

おじさん(とおばさん)が論理と倫理をぶつけ合って喧々諤々する映画は大好きで、実際のアクションを見せる映画より、更にサスペンスを堪能できる。

この映画も、最後のあの攻撃以外は(可能性
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ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)

3.9

2017年1本目。

シチュエーション・スリラーとしては大満足だけど、個人的な好みとしてはやっぱりどちらかに肩入れして観たい(老人側で強盗達を片付けてザマァか、若者達側で危機を生き延びてホッと安心か)
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柘榴坂の仇討(2014年製作の映画)

3.2

昨今の似非時代劇とは違い演技・演出・美術を丁寧に作っている所は好感が持てる。

ただ、全てがオーソドックスに作られ過ぎてこちらの予想から一歩もはみ出ない為、結果として退屈な映画になってしまっていたのは
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猿の惑星:新世紀(ライジング)(2014年製作の映画)

3.7

2D字幕版を鑑賞。

前作が傑作だっただけに、期待と監督が交代したことによる不安が入り混じった状態での鑑賞だったが、概ね満足のいく仕上がりだった。

前作同様、予告編で見せられたことがほぼそのままの内
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マイマイ新子と千年の魔法(2009年製作の映画)

3.5

「片隅」の片渕須直監督の前作として、高い評判を聞いての鑑賞。

アニメとしての表現はとても素晴らしく、昭和30年代の子供達の世界も楽しかったが、お話自体にはそこまで乗れなかった。

これは、この映画の
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ジャージー・ボーイズ(2014年製作の映画)

3.7

字幕版を鑑賞。

ミュージカルの映画化で、物語は良くあるバンドの成功とそこから生まれるメンバー間の軋轢からの破綻だが、古き良き60年代アメリカンポップスナンバーのつるべ打ちで高揚感を持続させる。

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円卓 こっこ、ひと夏のイマジン(2014年製作の映画)

3.5

芦田愛菜の天才子役ぶりを堪能する映画。

子供ならではの可愛さや無力故の不憫さのみならず、不機嫌や困惑や世界の理不尽さへの怒りまで、何でもござれの達者さ。

ただ、話は世界に対する好奇心と疑問を持ち続
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