一さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

一

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汚れなき祈り(2012年製作の映画)

3.9

『4ヶ月、3週と2日』『エリザのために』のクリスティアン・ムンジウ監督作品

第65回カンヌ国際映画祭で女優賞と脚本賞を受賞

2005年にルーマニアの修道院で実際に起こった事件を基に、同じ孤児院で育
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卒業(1967年製作の映画)

3.5

将来への不安を抱くエリート青年が、人妻との不倫の末に、彼女の娘と本当の恋に落ちてゆく様を描く

67年のアカデミー監督賞受賞作

理解の範疇を超えるようなぶっ飛んだお話だけど、妙なリアリティがあるのは
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休暇(2007年製作の映画)

3.4

吉村昭の同名短編小説を原作に、死刑執行に関わる刑務官たちの苦悩や葛藤を通し、命の尊さや本当の幸福を問いかける社会派ドラマ

死刑を執行する刑務官たちの苦悩といった、重たいテーマでヒリヒリとした緊張感も
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アイダよ、何処へ?(2020年製作の映画)

4.0

『サラエボの花』のヤスミラ・ジュバニッチ監督作品

ボスニアヘルツェゴビナ紛争の中で起きた大量虐殺事件「スレブレニツァの虐殺」の全貌と、その中で家族を守ろうとした一人の女性の姿を描いたヒューマンドラマ
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マスカレード・ナイト(2021年製作の映画)

3.4

前作はめちゃくちゃ楽しめたし、監督も続投ということで期待して鑑賞

普通に楽しめたという前置きはつつ、2作目だから仕方ないとはいえ、今回はかなりの割合でサスペンス要素に比重が置かれているので、前作のよ
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ 完全版(1984年製作の映画)

3.8

マカロニウエスタンの巨匠 セルジオ・レオーネ監督の遺作

ハリー・グレイの自伝的小説を原作に、ニューヨークのユダヤ系ギャングたちの栄光と破滅を、少年期、青年期、老年期の3つの時代を行き来しながら描く
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夏時間(2019年製作の映画)

4.1

ユン・ダンビ監督長編デビュー作

祖父の家に父と弟と共に越した10代の少女が体験する家族のいざこざや恋模様を、夏休みのほろ苦い思い出として描く

個人的なオールタイムベストの一つである完全無欠の大傑作
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バッド・チューニング(1993年製作の映画)

3.4

リチャード・リンクレイター監督作品

1970年代のテキサスを舞台に、10代の若者たちのセックス、ドラッグ、ロックンロールな青春の日々を描く

リチャード・リンクレイター監督の初期の作品ではありますが
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真夜中のカーボーイ(1969年製作の映画)

3.8

第42回アカデミー賞で作品賞・監督賞・脚色賞を受賞した作品

虚飾の大都会ニューヨークの混沌から、必死に浮かび上がろうとする2人の若者の孤独と友情を描く

なんといってもまずこのタイトルから反則級に素
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ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択(2016年製作の映画)

3.8

ケリー・ライカート監督作品

トッド・ヘインズが製作総指揮を務める

アメリカ北西部モンタナの田舎町を舞台に、厄介なクライアントに振り回される弁護士ローラ、新居の建設のことで頭がいっぱいのジーナ、夜間
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ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

4.1

ケリー・ライカート監督作品

愛犬とともに旅をする女性が思わぬ苦難に直面する姿を描く

ズルいなぁ、めちゃくちゃズルいよ…
でもかなり良く出来た映画だし、地味なので観る人は選ぶだろうけど超がつくほどの
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エリン・ブロコビッチ(2000年製作の映画)

3.9

スティーブン・ソダーバーグの監督作品

第73回アカデミー賞で監督賞ほか5部門にノミネートされ、ジュリア・ロバーツが主演女優賞を受賞

巨大企業を相手に、史上最大級の集団訴訟に勝利した実在の人物エリン
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ユリシーズの瞳(1995年製作の映画)

3.5

ギリシャの巨匠 テオ・アンゲロプロス監督作品

行方知れずのギリシャ最古の映画フィルムを探し求め、動乱のバルカン半島を彷徨する映画監督の旅を描き、20世紀における映画と歴史と政治の相克に深い瞑想を巡ら
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ユナイテッド93(2006年製作の映画)

4.4

ポール・グリーングラス監督作品

アメリカ史上最悪のテロ攻撃事件として記憶された2001年9月11日のアメリカ同時多発テロの混乱を、全米中の飛行機を監視する管制センターや米軍基地、そしてハイジャックさ
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カサブランカ(1942年製作の映画)

3.8

「君の瞳に乾杯」

マイケル・カーチス監督作品

40年のフランス領カサブランカを舞台に、クラブ経営者リックとかつての恋人イルザとの恋模様を描く

不朽の名作として今もなおファンを魅了し続けるラブロマ
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サラエボの花(2006年製作の映画)

3.5

『アイダよ、何処へ?』のヤスミラ・ジュバニッチ監督デビュー作

2006年ベルリン国際映画祭の金熊賞受賞作

ボスニア内戦から12年の時を経たサラエボを舞台に、戦禍の傷である秘密を心の奥に抱えて生きざ
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がんばれ!ベアーズ(1976年製作の映画)

3.9

アメリカ西海岸の町を舞台に弱小野球チームの奮闘を描き、続編やテレビシリーズ化もされた青春スポーツコメディ

さすがに元祖弱小チームものの名作と言われるだけあって、野球にそれほど興味がない自分でも笑いあ
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ジェイコブス・ラダー(1990年製作の映画)

3.6

エイドリアン・ライン監督作品

旧約聖書の「ヤコブの梯子」のエピソードをモチーフに、悪夢と現実の間で翻弄されていくベトナム帰りの男の不思議な体験を描いたサスペンススリラー

これが死を受け入れるという
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アドベンチャーランドへようこそ(2009年製作の映画)

3.5

『スーパーバッド 童貞ウォーズ』『宇宙人ポール』のグレッグ・モットーラ監督作品

1980年代カルチャーを背景に若者たちのひと夏の恋と成長をつづった青春コメディ
最後の夏休みに地元の寂れた遊園地でバイ
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ある画家の数奇な運命(2018年製作の映画)

3.8

『善き人のためのソナタ』のフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督作品

現代美術界の巨匠 ゲルハルト・リヒターをモデルに、ナチス政権下からドイツの激動期の時代を生き、芸術の自由と自分だけの表
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罪の手ざわり(2013年製作の映画)

4.0

中国の巨匠 ジャ・ジャンクー監督作品

第66回カンヌ国際映画祭の脚本賞受賞作

実際に起った4つの事件に基づき、急激に変化を遂げる中国社会の中で、もがきながら懸命に生きる人々の葛藤を通し、中国の現代
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君は永遠にそいつらより若い(2021年製作の映画)

3.3

芥川賞受賞作家の津村記久子のデビュー作で第21回太宰治賞を受賞した「君は永遠にそいつらより若い」を映画化した作品

思っていたような映画ではなかったというのもあってか感想が難しいけど、原作を読んでいる
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ユー・キャン・カウント・オン・ミー(2000年製作の映画)

3.7

『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のケネス・ロナーガン監督デビュー作

マーティン・スコセッシが製作総指揮を務め、アカデミー賞で主演女優賞と脚本賞にもノミネートされた作品

幼い頃に両親が事故死してか
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トーチソング・トリロジー(1988年製作の映画)

3.7

トニー賞戯曲賞と男優賞を受賞したブロードウェイミュージカルを映画化した作品
まだまだゲイがハリウッド映画でタブー視される中で、あるゲイの主人公をめぐる深い悲しみと苦しみ、愛と葛藤の人間模様が描かれる
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ようこそ映画音響の世界へ(2019年製作の映画)

3.7

ハリウッドの映画音響にスポットをあてたドキュメンタリー
劇中の登場人物のセリフをはじめ、映画音楽や環境音など、映画にまつわるさまざまな音にスポットを当てる

物語をこれ以上ないほど輝かせてくれる最高の
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ベイビーティース(2019年製作の映画)

3.9

病を抱える少女と孤独な不良青年の恋を描く

冒頭の出会い方はかなりドラマチックだし、紛れもないボーイミーツガール的ラブストーリーなんだけど、その後ほとんど抑揚のない淡々としたリズムで展開される上に、丁
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エレニの旅(2004年製作の映画)

4.3

ギリシャの巨匠 テオ・アンゲロプロス監督作品

1919年から1940年代にかけて激動の運命をたどる孤児女性の想像を絶する悲恋を通し、愛と喪失や人間の普遍的な感情の動きを描く

いやー参りました
これ
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鈴木家の嘘(2018年製作の映画)

3.5

長男の死によって巻き起こる家族の混乱と再生を、ユーモアを交えてあたたかく描く

時折コミカルな描写を交えつつも、自殺というセンシティブなものを扱う以上、中身はかなりシリアスで重苦しいハードな展開が続く
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マーズ・アタック!(1996年製作の映画)

3.6

ティム・バートン監督作品

地球に火星人が襲来してくるという、個人的に子どもの頃の圧倒的No.1トラウマ映画だったんだけど、今観たらめちゃくちゃ面白いし、そもそも比較的コメディタッチだったことにも驚い
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恋の罪(2011年製作の映画)

3.0

園子温監督作品

1997年に渋谷区円山町のラブホテル街で実際に起こったセンセーショナルな未解決事件(東電OL殺人事件)にインスパイアされ、ささいなことから道を踏み外す平凡な主婦3人の、セックスや狂気
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汚名(1946年製作の映画)

3.5

サスペンス映画の神様 アルフレッド・ヒッチコック監督作品

南米に逃れたナチの大物を追うFBI捜査官と、売国奴の汚名を着せられた父を持つ娘の虚々実々の駆け引きを描く

やはりヒッチコック作品は、小道具
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アメイジング・スパイダーマン(2012年製作の映画)

3.0

マーク・ウェブ監督作品

思った以上にサム・ライミ版がめちゃくちゃ面白かったのでこちらも鑑賞

アンドリュー・ガーフィールドにエマ・ストーンと、前作に増してより映えるキャストは申し分ないし、一目でわか
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シャン・チー/テン・リングスの伝説(2021年製作の映画)

3.9

『ショート・ターム』『黒い司法』のデスティン・ダニエル・クレットン監督作品

ようやくフェーズ4が動き出したというワクワク感は異常だし、これはもうアジア版『ブラックパンサー』と言っても差し支えないので
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悪い子バビー/アブノーマル(1994年製作の映画)

3.7

母親の異常な愛に支配され、35年間も部屋から出ることのなかった主人公の男バビーが、外界に触れることによって新たな人生の一歩を踏み出してゆく姿を描く

『ルーム』や『ブリグズビー・ベア』のその先というか
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チャイナタウン(1974年製作の映画)

3.5

巨匠 ロマン・ポランスキー監督作品

1930年代のロサンゼルスを舞台に、政治的陰謀に巻き込まれた私立探偵の戦いをノスタルジックに描いたハードボイルド

じりじりと真相に迫っていく緻密な脚本は実に巧み
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スパイダーマン3(2007年製作の映画)

3.5

サム・ライミ監督作品

あまりにも面白いので3作連続で観てしまったけど、結果的には願わくばもう1本作って欲しいくらい最高の3部作だった

とはいいつつ、残念ながら1.2作目に比べると明らかに芳しくない
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