BATIさんの映画レビュー・感想・評価

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ぼくが生きてる、ふたつの世界(2024年製作の映画)

4.8

呉美保作品は初めて。素晴らしかった。耳の聞こえない人々の世界を静粛かつ真摯に綴り、家族の絆を描く。スコアが全くなく優しい世界も暴力的な瞬間も同じテンポマップに乗せて描く。こんな邦画が存在するのかと驚愕>>続きを読む

見える子ちゃん(2025年製作の映画)

3.8

とても丁寧な映画で面白かった。ティーンの話、ティーン向けの映画なので好き嫌いはあると思うそこのジャンルということに胡座をかかずに真摯に作っているのがわかった。地味に黒沢清への愛情を感じるがオタクのため>>続きを読む

ドールハウス(2025年製作の映画)

4.4

素晴らしい。矢口史靖、最高に邪悪な映画をありがとう。

劇場予告のポップなテイストは絶対にフェイクだと確信して望んだが久々に劇場で心底震え上がらせられた。まごうことなき傑作ホラー。矢口史靖らしいスコア
>>続きを読む

ザ・コンサルタント2(2025年製作の映画)

3.8

しみじみよかったなぁ...。前作の延長でありつつベンアフとバーンサルの兄弟しみじみがとても良い。アクションシーンなしでこの二人が旅しているのをずっと観ていたい。いやぁ主役ベンアフでサガン症候群だから無>>続きを読む

親友かよ(2023年製作の映画)

4.2

映画が上手い...。優しい映画...。「バッド・ジーニアス」のスタッフ結集というけど監督も脚本のバズ・ブーンビリヤはプロデュース。でもBGにあったスパイもの要素というか、ノーランみたいな共犯関係になっ>>続きを読む

名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN(2024年製作の映画)

4.8

いやぁこれは本当に見事。ジェームズ・マンゴールド見事。職人の仕事。オートバイも「誰も並走し得ない」ことの象徴なんだな。ボラプとは演奏シーンの構成や意味合いが全然違っていて、エモではあるけれともディラン>>続きを読む

サバイバルファミリー(2017年製作の映画)

4.6

Amazonプライム・ビデオ(レンタル)にて。いやぁ映画が上手く、ノイズもなくて楽しめた。あらゆる電気機器が使えなくなってしまうことの理由を終盤にもっていくことなく、状況だけで成立させていく。文明批判>>続きを読む

国宝(2025年製作の映画)

2.6

私はやっぱり李相日好きじゃないと再認しつつ、176分のランタイムで長いと感じなかったのは事実。だがその飽きさせなささは映画の力というより意味のないアップの多用と夥しく流されるエモいスコアによるもので、>>続きを読む

クィア/QUEER(2024年製作の映画)

4.2

もう少し短い方がいいと思うし第3章別映画すぎて笑ったけど、ニューオーダー「Leave me alone」流れたシーンとラストがとても良かった。この世に存在することが耐えられなかった時に現れた君。やがて>>続きを読む

サブスタンス(2024年製作の映画)

4.2

とてもつらくて観ていて疲弊したんだが観にきてよかった。ルッキズムと男性優位社会によって文化と経済が形成されていること理解していなければ、その社会から女は歳をとって人間扱いされなくなることを知っている女>>続きを読む

パディントン 消えた黄金郷の秘密(2024年製作の映画)

3.4

移民であったパディントンのルーツ探求といえる話で、なおかつ白人の異文化への侵略のメタともなっている。とはいえ小難しい作劇はなく基本はありえないピタゴラスイッチアクションに笑わせて貰える。インディ・ジョ>>続きを読む

サンダーボルツ*(2024年製作の映画)

3.8

メンタルイルネスとケアの話をMCUで見たいのかと言われると微妙ではあるのだが、「アイアンマン3」でパニック障害がネタとして扱われてそこに対する配慮がなく個人がそれを背負うだけだった頃と比べたら随分丁寧>>続きを読む

プロフェッショナル(2024年製作の映画)

4.2

ロバート・ローレンツ監督作品「In thd land of saints and sinneis」(邦題:プロフェッショナル)。 これ、邦題「聖者と罪人の大地で」じゃダメだったんですかね...。所謂リ>>続きを読む

カップルズ 4Kレストア版(1996年製作の映画)

5.0

もう29年の時を超えて逆に現代の映画。こんなに荒んだ話だったとは...。金と肉体性愛即ち物質主義と搾取の構造に女性も男性も絡め取られる。「欲しいものは何だ?」と言う物も自分が欲しいものは分からない。目>>続きを読む

ベテラン 凶悪犯罪捜査班(2024年製作の映画)

4.2

前作よりもチームファイト的で「エクストリーム・ジョブ」っぽかったりする。ラスボスのイメージも前作の「とにかく悪い」ヤツというより、タチの悪い「正義」で、SNSに表彰される「攻撃対象確定でどれだけ憎んで>>続きを読む

サイレントナイト(2023年製作の映画)

4.2

ジョン・ウー、阪本順治の「トカレフ」観てヒントにしてるんじゃないのかなこれ?‼︎ あんまりジョン・ウーっぽくないと中盤までは思えてそれが結構良かったんだけど、終盤になるとジョン・ウー版ジョン・ウィック>>続きを読む

海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)

4.2

今回初めてのロメール作品鑑賞になります。もう最初っから危なっかしいったらありゃしない水着の少女にそれを預かる親戚の恋することをやめれない妻(いうてもまだ20代)。ティーンを預かる身でこんなに無責任なの>>続きを読む

ソウルの春(2023年製作の映画)

4.2

悍ましい展開で観終わるとぐったりするのに、作劇はテンポがめちゃめちゃ良くとても面白い。やはりファン・ジョンミンにイカれた外道をやらせると輝く。

侍タイムスリッパー(2023年製作の映画)

4.8

いやぁ本当に面白かった。幕末の世から現代にタイムスリップした剣士が降りた先は存続が危ぶまれる風前の灯となった時代劇の撮影場。奇しくも時代が終わろうとする世界で「いつかは終わる。だが今日ではない」という>>続きを読む

終わりの鳥(2024年製作の映画)

2.8

死とは常に傍らにあり、愛する人間の喪失は耐え難き苦痛である。その死を受け入れるプロセス。そしてそのあと。相当捻って捻った作劇だもんで、情報初期プロットだけしか知らないと観終わるまでどういう映画なのか分>>続きを読む

私にふさわしいホテル(2024年製作の映画)

3.2

業界(というか社会)の男性中心構造を戯画化した話と構成は面白いはずなのにTVの話法で撮ってる堤幸彦の演出も編集も意味のないカットの切り返しの応酬にウンザリするはずなのに、のんの天真爛漫というかもはや歌>>続きを読む

FEMME フェム(2023年製作の映画)

5.0

いやーもう本当によかった‼︎ 私今年一番好きだな‼︎ ハードボイルドなクィア映画というか。ヘイトクライムに遭ったドラァグクイーン。本当の自分を見失ってしまった時、ゲイサウナで出会ったのは自分を暴力で蹂>>続きを読む

ノー・アザー・ランド 故郷は他にない(2024年製作の映画)

4.4

パレスチナに住む人間がイスラエル側によって侵入者とされて住居を学校をブルドーザーで破壊し蹂躙される。それはイスラエル側の機密スケジュールで、人口を都市部に密集させるため。密集させておけば首都を爆撃する>>続きを読む

その花は夜に咲く(2025年製作の映画)

4.0

前半部分まで良かったけど、折り返しから共感というものを超えた話になっていって、まぁそれも本人たちの問題だからと思っていたらこのストーリーテリングか。ちゃんとしてる映画だけどトランスジェンダーの物語でこ>>続きを読む

教皇選挙(2024年製作の映画)

4.6

まさに「女神の見えざる手」と言った感がある。盤上のごとくマス目にひしめき合う枢機卿。伝統という保守性は多様性を前に混乱を喫する。教会は政党のごとし。そこにあるのは信仰ではなく強権である。そしてそれが特>>続きを読む

Flow(2024年製作の映画)

4.4

よかったなぁ‪...。本当に「ザ・ロード」だし「ゼロ・グラビティ」だった。私が「ゼルダの伝説 ブレスオブワイルド」のオープンエアーの部分で黄昏てプレイそっちのけにさせられる豊かさと神々しさがあり、万物>>続きを読む

ロングレッグス(2024年製作の映画)

2.8

3/15 編集あり

「羊たちの沈黙」、「セブン」に最大の敬意を表しまくる(というかオズ・パーキンス、フィンチャー好きすぎだろ。「マインドハンター」成分もあったぞ)構図と撮影と音響。とにかく美術面の「
>>続きを読む

やさしい女(1969年製作の映画)

-

過去に映画館で観ているのだけど、ちょっと思い出せない。終盤のスカーフが空に舞うところが好きだった。もう一度観たい。
(採点はなしとさせていただきます。)

白夜 4K レストア版(1971年製作の映画)

4.4

ソフトが高騰していて観ることがずっと叶わなかった、がいに観ることができた。まぁ本当にどうかしてる人しか出てこないし恋というものが呪いというかウィルスになって伝染していくの目早怖いよ。恋に呪われて終わる>>続きを読む

Playground/校庭(2021年製作の映画)

4.0

とてもよく出来ている作品だけど、地獄すぎた。アウシュビッツ関連や国家情勢作品以外の現代劇でこんなに早く終わってほしいと思う映画もない。何も見たくない。何も聞きたくないという象徴の極地がプールの水中の光>>続きを読む

プレゼンス 存在(2024年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

ソダーバーグがギャスパー・ノエみたいなコンセプトの映画撮ったなぁと思ったけど、観終わってみるとチェーンリアクションの話なのでやっぱりソダーバーグの映画だった。小規模な「トラフィック」というか。性別を問>>続きを読む

ANORA アノーラ(2024年製作の映画)

4.0

思ってた以上に面白くて上手くて楽しんだが、ラストが結構減点要素になった。せっかくロジカルで交渉と対話を唯一していたアノーラという人間をぼかしてしまった気がする。映画的なものを狙ってあのラストにしたのだ>>続きを読む

キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド(2025年製作の映画)

3.6

これ色々上手くいってなくて多分昔からキャップのシリーズ大好きな人たちはアクションの上手く取れなさやもはや見慣れたCGの凡庸さやヘンリー・ジャックマンのスコアがないこととか色々文句出てくると思うんだけど>>続きを読む

ハイパーボリア人(2024年製作の映画)

3.4

「オオカミの家」に続くクリストーバル・レオンとホアキン・コシーニャによる長編映画二作目。実写パートが今回は多いが精神病的な境界の曖昧な世界は今回も炸裂。話はラブクラフト的だけど陰謀論的な側面を持ち、描>>続きを読む