BB0421さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

3.9

無駄話、血塗れ、どんでん返し、いつものタランティーノ節炸裂、といったところ。密室の会話劇が長時間続いても延々と観れるのは、やっぱり画の面白さなのかな。音楽の使い方もとてもハイセンスで、拷問のシーンです>>続きを読む

ブルーバレンタイン(2010年製作の映画)

4.0

1人のパートナーを愛し続け、家族と共に歩むという、みんなが当たり前のようにしている事が、実は物凄く困難で、奇跡的な事なのではないかと思えてくる。過去との対比が辛くて苦しい物語だが、ディーンの行動に身に>>続きを読む

デスプルーフ in グラインドハウス(2007年製作の映画)

4.3

徹底して無意味で、奇妙な時間。それでも残るのは爽快感と、映画的快楽。延々と繰り広げられる女子たちの会話が、何かの伏線になっているのかと思いきや、ホント何の意味も無かった。スピルバーグの「激突」みたいな>>続きを読む

映画:フィッシュマンズ(2021年製作の映画)

4.5

「LONG SEASON」のような実験的な作品を堂々とメジャーでリリース出来た幸福な時代と、佐藤伸治という人物の持つ、優しさと狂気と孤高の才能に迫る、秀逸なドキュメント。やはりフィッシュマンズの残した>>続きを読む

セラヴィ!(2017年製作の映画)

3.9

いくら多様性の世の中とはいえ、これだけの個性派集団をまとめ上げるのは至難の業。雇いたくても雇えない、人材が揃わない、この苦悩はおそらく世界中のあちこちで起きているはず。それでも決して悲観的にならず、全>>続きを読む

17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)

3.8

周りの人達は凄く優しいのに、どうにも気分が晴れない。要は自分が変わらなきゃ、って事。未成年の予期せぬ妊娠という非常にナイーブな状況において、どこに心の拠り所を求めるのか、自分をどう表現すべきなのか、そ>>続きを読む

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

4.2

任侠映画を観る際、「最後、どう滅ぼすのか」が自分の中では重大なポイントだったりするのだが、この映画はその模範解答というか、とにかくストンと心に落ちる素晴らしい終わり方だった。ヤクザの栄枯盛衰を描く物語>>続きを読む

ハイ・フライング・バード -目指せバスケの頂点-​​(2019年製作の映画)

3.7

バスケシーンは、ほぼなし。完全にビジネスの視点からNBAを見る作品だが、驚くべきはここでも繰り広げられる、人種差別問題。あれだけ華やかに黒人選手達が活躍している世界でも、労働・奴隷というタームが確かに>>続きを読む

パンチドランク・ラブ(2002年製作の映画)

3.8

PTA作品にしては軽めだなと思いつつ観てたが、後半はやはり神経を締め付けてきた。アダム・サンドラーも徐々にらしさを発揮してきて、やはりこの人は喚き散らしてナンボだなと。たった1つの過ちが命取りになる事>>続きを読む

灼熱の魂(2010年製作の映画)

4.0

悲しみを映像に落とし込む作家の技術と、苦しみや暴力さえも芸術として飲み込んでしまう、映画というアートフォームの壮大さにただただひれ伏すしかなかった。しかしこんな悲劇があっていいものか。それでも悲しみの>>続きを読む

コロンバス(2017年製作の映画)

3.8

美しい近代建築を眺めながら、心地の良いアンビエントテクノに身を委ねる。台詞は控えめで、フワフワと浮遊するかのように、ゆったりと物語が進む。今までにあまり観た事のないタイプの映画で最初は戸惑ったものの、>>続きを読む

セットアップ: ウソつきは恋のはじまり(2018年製作の映画)

3.9

何かしらの目標を持って入社しても、いつしか自己実現よりボスから気に入られる事の方が重要な仕事になってしまう、この社会的構図はどうやら日本だけじゃないらしい。大筋はラブコメでも、しっかりとその辺りのジレ>>続きを読む

ワン・デイ 23年のラブストーリー(2011年製作の映画)

3.8

20年近く腐れ縁が続いて、結果結ばれるなんて事現実にあり得るかな。男女の関係なんてちょっとのすれ違いで全く別の未来が待っていたりするもので、最後の展開には驚いたものの、どうする事が正解だったのかなんて>>続きを読む

タクシードライバー(1976年製作の映画)

4.3

不眠症に悩まされ、女にも愛想を尽かされ、いわば失うもののないアウトローなタクシー運転手が、最後に見せる正義感。こんな生活を余儀なくされているのは国家のせい?果たしてトラビスの取った行動は正しかったのか>>続きを読む

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

4.3

おもちゃ箱をひっくり返したような楽しさ。何だかよくわからないけど面白い、なんていう陳腐な表現しか思い付かなくてもどかしいが、多分監督にもこの映画で伝えたい事なんて何もなくて、「とにかく俺が撮りたいもの>>続きを読む

Summer of 85(2020年製作の映画)

4.1

85年の夏に、キュアーの音楽。またかよ、と思わなくもないが、やはりこの組み合わせには胸が熱くなってしまう。BLものには個人的にまだ少し抵抗感があるけど、ここまで美しく描かれていれば、もはやそこは関係な>>続きを読む

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(2007年製作の映画)

4.0

結局ダニエルは、誰も愛せないし信じる事も出来ない孤独な人間。だからこそ金に走るし、欲望を止める事も出来ない。最後の「終わった」は、もはや失うものすら無くなった、という心情を表していたように思う。息子が>>続きを読む

ビューティフル・ボーイ(2018年製作の映画)

4.4

辛く悲しい物語だが、終わって欲しくない、いつまでも浸っていたいと思わせる感動的なひとときでもあった。シャラメのかっこいい着こなし、自然光の美しい映像がそんな気分にさせる。ドラッグの怖さも十分に伝わるが>>続きを読む

オーバー・フェンス(2016年製作の映画)

3.9

人それぞれ様々な悩みを抱えて生きてるけど、自分の思いをしっかり言葉にできる人ってそう多くない気がする。あと人前で泣ける強さってあるな、と。皆が凄く自然体な演技を見せる中で、蒼井優だけが別格だった。多分>>続きを読む

エルヴィス(2022年製作の映画)

4.3

これは見応えあったな。ライヴシーンは抜群のカッコ良さだったし、ショービズ界の華やかさと恐さの両方を知れたし、何よりもエルヴィス・プレスリーという巨大な謎に少しでも迫れた気がして、とても充実した時間だっ>>続きを読む

ちひろさん(2023年製作の映画)

4.4

執着とか偏見のない者の所に、結局人は集まってくる。他人の過去なんてどうだっていい。そんな事より今、目の前にいる人のことを愛そう。ちひろさんのこの大らかな生き様は、見習うべきもの。一見地味で何も起こらな>>続きを読む

ミナリ(2020年製作の映画)

3.8

悲しみには、全てをリセットする効力がある。なかなか共感のし辛い家族の物語だったが、全てを失った時に残ったのは、やはり絆だった。農家を営んでいる地元の人達が移民に対してほんとに優しくて、現実はどうなのか>>続きを読む

映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

4.2

何だこれ面白いな。「幸福は創作の敵」や「他人の時間を犠牲にして、自分は今ここにいる」といった、刺さるフレーズがたった90分の映画の中にいくつもあった。映画のみならず、現代のエンタメ全般にに対する問題提>>続きを読む

スターダスト(2020年製作の映画)

3.8

これはちょっと問題作。酷評してる人達は多分「ボヘミアン・ラプソディー」みたいなのを期待してたんだろうけど、遺族から楽曲の使用許可が降りなかったとの事で、この結果は致し方無い。ただそれでも、ロックスター>>続きを読む

ノイズ(2022年製作の映画)

4.2

話が島から一歩も出ない、昼のサスペンスなんかでもありそうな脚本だが、そこはさすがの藤原竜也、松山ケンイチ、永瀬正敏、この超豪華俳優陣達の力量に、ぐうの音も出ないくらいやられた。こうして見ると、地方創生>>続きを読む

HUSTLE ハッスル(2022年製作の映画)

4.0

アダム・サンドラーとNBAって事で、勝手に「アンカット・ダイアモンド」みたいなのを想像してたが、全然違った。実直で、ちょっぴり熱いスカウトマン。試合のシーンは臨場感があるし、プロスポーツの華やかさもし>>続きを読む

ホワイト・ノイズ(2022年製作の映画)

4.1

死とか人間の弱さがテーマで、あとデマに流されたり嫉妬したり、アメリカでもあるんだなぁ、こういう心理って。不安を挙げ出したらキリがない。嘘でもいい、希望をでっち上げろ。これからコロナ収束へ向かうであろう>>続きを読む

ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

4.2

どうしても譲れないもの、絶対に伝えたい事、あなたにはありますか?と、観ているものに問いかけてくる作品。憧れの存在に勝ちたいと言う気持ち、自分には無かったけど素敵な事だな。命懸けで戦っている人達はいつだ>>続きを読む

アダム&アダム(2022年製作の映画)

4.4

開始10分で「あぁ、これは絶対に面白くなるだろうな」と分かった。散々使い倒されてきたタイムリープもので、バック・トゥ・ザ・フューチャーやターミネーターのオマージュも堂々と登場させてしまう分かりやすさだ>>続きを読む

ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

4.2

快なり不快なり、人の心に何かしらの動きをもたらすものがアートであるとするならば、この映画は紛れもなくアートであり、エンターテイメントでもあった。全編通して、どこか引っ掛かりを感じさせるような表現の連続>>続きを読む

ライアー×ライアー(2021年製作の映画)

4.0

これは予想に反してよかった。オッサンなので流石にキュンとはしないが、物語が進むにつれてどんどん魅力的になっていく森七菜と、逆にどんどんダメになっていく松村北斗の対比が面白い。実は一番ヤバいのは烏丸なん>>続きを読む

アテナ(2022年製作の映画)

4.1

冒頭の、ワンカットで繰り広げられる11分間が凄まじい。緊迫感と臨場感、研ぎ澄まされた音と映像。全編通してセリフは控えめで、ストーリーも明確な説明はないけど、ちゃんと伝わる、怒りと家族の絆。まさしく映画>>続きを読む

私はあなたのニグロではない(2016年製作の映画)

4.2

生々しい証言と、鮮明な映像に戦慄した。人種差別がある事は当然、知ってる。戦後長きに渡ってアメリカ経済の恩恵を受けている我々にとっても、全くの他人事ではない。ただ、どうすればいいのか分からない。大好きな>>続きを読む

映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ(2016年製作の映画)

4.0

先行き不透明で希望なんて持てそうもない世の中だけれど、恋愛だけは普遍的で、人々にささやかな幸福をもたらすもの。やたらと癖の強い台詞と対話に違和感を感じながら観ていたら、エンドロールで最果タヒの名前を見>>続きを読む

さよなら、僕のマンハッタン(2017年製作の映画)

4.1

人を好きになる事は、何かの埋め合わせなのか。自分と向き合いながらもがき続けるトーマスの姿を見ていて、そんな事を思った。洗練され、希望に満ち溢れているかに見えたマンハッタンという街は、実は退屈で空洞だっ>>続きを読む

余命10年(2022年製作の映画)

4.3

観る前から結末が分かってしまうようなタイトルだが、ふと「10年って結構長いな」と。人は退屈な日々が続くと余計な事を考えてしまうもので、先の事なんて考えず、今をひたすらに楽しんで生きられる人こそが、本当>>続きを読む