カルダモンさんの映画レビュー・感想・評価 - 23ページ目

月面に立った最後の男(2014年製作の映画)

3.8

一体これまでに何人が月に行って、月に立ったことがあるのか、正直考えたこともなかった。ましてや最後に降り立った人物の名など聞いたことがあっただろうか。
ニール・アームストロングの名しか知らなかったが、人
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アメリカン・グラフィティ(1973年製作の映画)

4.1

〈朝までロックンロールを踊り明かす〉これから始まる長い一夜の物語を、オープニング曲の『ロック・アラウンド・ザ・クロック』が告げる。
『アメリカン・スリープオーバー』の流れで久々の再鑑賞。同じワンナイト
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アメリカン・スリープオーバー(2010年製作の映画)

3.8

学年や進路が変わる出会いと別れの夏。
スリープオーバー(お泊まり会)を抜け出して、一歩の距離感が詰めきれない一夜の群像。
二度と戻らない時間、なんてことは知る由もない青春時代の神話。
こんな夜ならなん
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1922(2017年製作の映画)

2.6

こんなにもネズミ頼りの映画だったとは。
『ウィラード』とか『ベン』以来にナマのネズミがわんさか。
妻がネズミを従えて階段降りて来る場面や、壁から這い出て来る描写がイヤらしすぎて。。
ニガテな人は本気で
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ブラック・ミラー: バンダースナッチ(2018年製作の映画)

3.7

物語は視聴者がリモコン操作で選んだ選択肢によって分岐し、複数のドラマやエンディングを生み出していく。
配信ならではのインタラクティブ性を最大限に活用し、昔流行ったゲームブックを現代版に蘇らせた画期的な
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ベルベット・バズソー: 血塗られたギャラリー​(2019年製作の映画)

3.4

呪われたアート作品に殺されていく画商。比喩ではなく文字通り作品に殺されるため、なかなか見た目に新鮮さがあり痛快。
金属の球体にやられるトニ・コレットは『ヘレディタリー』に続いて血しぶきをしっかり継承。
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マッドタウン(2016年製作の映画)

3.0

マイアミマンはアクアマンだったのかい。ってのを鑑賞してしばらくして知った。アクアマンにもジェイソン・モモアにも思い入れはないが。
体つきは妙な説得力があって、ポストアポカリプトな世界観と相性良し。
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エヴォリューション(2015年製作の映画)

3.8

少年と女性の大人しかいない島の不吉さ。海の気色悪さが終始肌にまとわりつくような感覚。儀式めいた手術。
この嫌な空気は観る人を選ぶだろうが、なんだろうこの癖になりそうな味。
背中の吸盤がキモ過ぎる。
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サスペリア(2018年製作の映画)

4.6

スコアからもお分かりいただけるように私は大満足派。色々と思うところはあるけれど、ビジュアルとドイツの冷たい雰囲気が好みにフィットしました。

本作はご存知1977年『サスペリア』のリメイク。骨格は確か
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ディア・ハンター(1978年製作の映画)

5.0

4Kリマスターを出来立てのアップリンク吉祥寺で。念願のスクリーン体験、あっという間の3時間。

真っ向から反戦を描かずに、むしろ仲間との関係を密に描くことで逆説的に浮かび上がるベトナム戦争。この映画で
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ショーン・オブ・ザ・デッド(2004年製作の映画)

4.3

ひと昔前の作品だが、今改めて観ても意外と古びておらず、サイモン・ペッグ×ニック・フロスト×エドガー・ライトの強さを再確認。センスが良いしやっぱり上品。オチも含めてゾンビコメディとしては間違いなく最上級>>続きを読む

トゥルー・ストーリー(2015年製作の映画)

3.7

捏造記事でニューヨークタイムズを追われたマイケル・フィンケルと、子供3人と妻を殺害し''マイケル・フィンケル''の名を騙って逃亡をしていたクリスチャン・ロンゴのコンタクトを描いた実話。

何かが欠落し
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パラドックスの瞬間 (とき)(2018年製作の映画)

1.5

Netflixのラインナップを眺めていたらたまたま見つけて驚愕。

出演ニール・ヤング
監督ダリル・ハンナ

本人?と恐る恐る見てみるとやはり本人。
中身は挑戦的な内容の70分で、そこそこの我慢を強い
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スパイナル・タップ(1984年製作の映画)

4.2

架空のメタルバンド「スパイナルタップ」。監督のロブ・ライナー自身が彼らに密着しドキュメンタリーを撮る。という体のモキュメンタリー、ならぬロキュメンタリー(ロックドキュメンタリー)。34年の時を経て、な>>続きを読む

イカロス(2017年製作の映画)

4.1

撮影当初はブライアン・フォーゲル監督自らが被写体となって、ステロイド注射を繰り返し、自転車競技のドーピング検査をパスできるのかを試みるものだった。が、
藪をつついたら出てきたのはロシア大統領ウラジーミ
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トレマーズ(1990年製作の映画)

4.5

枯れた荒野にノリの良い人間たちとグラボイズ。絵面としては完璧で、若かりしケヴィン・ベーコンのツヤツヤした肌に太陽光の反射が眩しい。
『トレマーズ』はスカッと晴れた太陽がとても重要で、ジメジメした暗闇で
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COP CAR コップ・カー(2015年製作の映画)

4.6

ケヴィン・ベーコンと悪ガキ2人の距離感、無線でのやりとりにニヤニヤが止まらない。
特にベーコンの焦りっぷり&子供の扱いに慣れてない感が最高で、たまにそれだけ見たくなる良作品だったりして。凝り固まった映
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最後の追跡(2016年製作の映画)

4.9

見渡す限りの地平線とゴーストタウン化が著しい風景は、生きる力を奪うかのように無気力。テキサス西部を舞台に、強盗の兄弟二人と、捜査を担当するテキサスレンジャー二人の追跡劇。

端的に紛れもない傑作だった
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アナイアレイション -全滅領域-(2017年製作の映画)

3.3

レビューを後回しにしていたら内容を半分くらい忘れてる。かといってもう一度見る気も起こらずボンヤリレビュー。

虹色の光に満ちている区域では動植物が異常な変容を遂げており、同じ株から別種の花を咲かす植物
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オクジャ okja(2017年製作の映画)

3.4

エサも少なく排泄物も少ない、そして何より食ってウマイ!
ミランド社が品種改良を重ねて生み出した食糧難を救うスーパーピッグ。ビジュアルはどう見てもカバ寄りなのだが、ギリギリで醜悪に見えないバランスがなん
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ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

4.5

1970年、監督であるアルフォンソ・キュアロンが少年期に過ごしたメキシコの街「コロニア・ローマ」を舞台に、家政婦として働くクレオと、住み込み先の家族が描かれる半自伝映画。

写真集のように階調豊かなモ
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ゼロ・グラビティ(2013年製作の映画)

4.6

SFというジャンルに隠れがちだが、シンプルにアルフォンソ・キュアロンの人間賛歌、地球賛歌に溢れる傑作。

地球に足をつけて暮らしているという当たり前の事がどれ程のものかこの映画で実感できる。無重力に放
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バード・ボックス(2018年製作の映画)

3.4

またしてもサンドラ・ブロックがロクな目に遭っていない様子だったので視聴。

目隠しのまま子供2人を連れ〈何か〉から逃れるようにボートで川を下る母。
発端となったのは5年前、突如蔓延し始めた人を狂わす異
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バスターのバラード(2018年製作の映画)

4.3

最高。Netflix限定にしておくには勿体ない。広大なアメリカの荒野は巨大なスクリーンで観たかった。
全6話の短編オムニバスで、アメリカ西部開拓時代が舞台。
一冊の本をめくり、それぞれの物語が始まるの
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レディー・ガガ:Five Foot Two(2017年製作の映画)

4.0

リアル版『アリー・スター誕生』と言っても過言ではないくらい、作品間でリンクする点が多々あり驚く。冒頭ではちょうど『スター誕生』への出演が決まったという事も語られており、素顔のままスタジオや自宅で家族と>>続きを読む

アリー/ スター誕生(2018年製作の映画)

4.4

『スター誕生!』は1937年のオリジナルから4度目のリメイクになるのだそうで。過去作を見たことがない自分はなんとなくイメージでハッピーな匂いを感じとっていたのだが、まったくそんな甘い映画ではなくて。む>>続きを読む

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

4.9

フロリダの太陽とパステルカラーも鮮やかに、
オープニングを飾るクール&ザ・ギャングの『celebration』がキラキラと眩しい。

この映画で描かれるのはモーテルに暮らす貧困層の家族たちと管理人ボビ
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タグ(2018年製作の映画)

3.3

毎年5月の1ヶ月間を使って鬼ごっこを開催。9歳の頃から30年間、5人のバカ男子が大人になってもバカを続ける姿にジンワリ。しかも恐ろしいことにこれは実話だという。あえて言うけどバカでしょ。なんて羨ましい>>続きを読む

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル(2017年製作の映画)

4.3

フィギュアのオリンピック選手トーニャ・ハーディング。背景には過激な家庭環境、特にマザーであるラヴォナの存在があり、彼女の支配力、顔面力なしでは到底成し得なかったのではないか。と勘繰ってしまうほど。愛情>>続きを読む

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

3.8

綺麗な挿絵の絵本をめくるように、現実から少し離れたようなタッチで淡々と紡がれる幽霊物語。言葉を極力取り除き、固定カメラでじっくりと対象を見据えた絵作りは映像というよりも写真や絵画の紙芝居を見る感覚。>>続きを読む

イット・カムズ・アット・ナイト(2017年製作の映画)

4.2

大好物だった。闇に喰われる家族と、他者を受け入れたことで規律のバランスが崩れる様はおぞましくも惹きつけられる。
この際、正体不明の感染症などはどうでもよく、むしろ2つの家族が見せる距離感の詰め方とバラ
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シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

4.3

地上波の感想を。
なによりもタイムラインの活発さが楽しい(恐ろしい)放送でございました。そもそもTV画面に集中していないユルイ家鑑賞というのが良くて、TV放送でしか起こり得ない独特の現象を味わいました
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ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

4.9

凄い映画が出てきたなという感じで、数年経っても心身に残るタイプの劇場体験だった。この感覚を得られただけで文句なしに高評価。予告やポスターアートから想像を膨らませていたビジョンは粉々に砕かれて、特にチャ>>続きを読む

ポルターガイスト3/少女の霊に捧ぐ…(1988年製作の映画)

4.2

メッチャ面白いんだけども、フィルマの評価が絶望的に低くて笑う。マジで??
個人的には2よりも断然好きなんだよな。なんなら1作目よりも、、、

ポルターガイストとしてどうなのかというと言葉に詰まるのだが
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ポルターガイスト2(1986年製作の映画)

2.7

後半のビックリハウス的な大騒ぎと、ギーガーデザインのクリーチャーは見た目で楽しい、が。全体的にボンヤリとした印象の2作目。
恐らくはネイティブアメリカンのテイラーが作品とマッチしていないせいだろう。レ
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ジャージー・ボーイズ(2014年製作の映画)

4.9

1960年代に活躍したポップスバンド「Four Seasons」のサクセスストーリーを描いた伝記映画。某映画のヒットで音楽伝記映画の熱が高まっている今、未見の方には是非とも薦めたい作品。
キャスティン
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