アメリカンフットボールの試合中に起きたアクシデントを利用して保険会社から大金をせしめようとする弁護士と妻とよりを戻すためにその片棒を担がされる男を主人公にしたコメディ映画。
ビリー・ワイルダーのコメデ>>続きを読む
ロバート・ワイズ監督によるフィルムノワールの佳作。
典型的なフィルムノワールでは怪しげな魅力を持った女性によって人生を狂わされる男が描かれることが多いが、本作は危険な魅力を持った男の存在によって安定し>>続きを読む
実写映画のトランスフォーマーシリーズは一作目は見た記憶があるがあまり面白いとは思えず、それ以来の鑑賞になるのだが、全然ダメ。
映像面のフェティッシュなこだわりは雲散霧消しており、アクションシーンやキャ>>続きを読む
ビリー・ワイルダー作品は倫理的に際どい題材を扱うことは多いが、今作はギリギリのところでストライクゾーンを外れてしまっているという感じで厳しい。
たまたま街にやってきたヒット歌手に、自分の歌を売り込む為>>続きを読む
『アパートの鍵貸します』の座組で再び作られた作品。ヒットした作品とおなじキャスト、スタッフを集めても、面白さだけは再現できないという映画は多いなかで本作はきっちり面白いのがすごいところ。
ビリー・ワイ>>続きを読む
東西冷戦期のドイツを舞台に際どいギャグを連発するハイスパートコメディ。
いろんな角度から共産主義をあざける描写が前面に出てはいるが、作品の主眼はむしろ資本主義の走狗となって出世と保身のために東奔西走す>>続きを読む
ミステリー映画としてはこれ以上望めないくらい完璧に思える作品。アガサ・クリスティの原作の良さももちろんあるだろうが、ビリー・ワイルダーによる映像への落とし込みも素晴らしく、非の打ち所がない。何よりも配>>続きを読む
ビリー・ワイルダー監督オードリー・ヘプバーン主演の作品としては『麗しのサブリナ』に続いて2作目。
『麗しのサブリナ』以上にオードリー・ヘプバーンの魅力を一本で勝負するようなところのある映画だが、この時>>続きを読む
チャールズ・リンドバーグの自伝に基づく映画。ほぼジェームズ・ステュアートの独り舞台という感じの映画だが、如何せん画面が単調で退屈な場面が多い。飛行機のコクピット内という限定されたシチュエーションでドラ>>続きを読む
ワイルダー作品というよりもマリリン・モンローの映画として有名な本作だが、実際にマリリン・モンローありきの映画という感じは否めない。
内容的にはかなり変な映画であることは間違いなく、特に気になるのはモノ>>続きを読む
"Once upon a time"のフレーズで始まることからもわかるように、これはおとぎ話的な物語で、魔法に頼らず自らの力で変身したシンデレラというような話である。
ビリー・ワイルダー作品ではこれま>>続きを読む
戦争物でナチスドイツの捕虜収容所を扱った映画なのだが、題材の割にはかなり明るいコメディタッチの作品で、男子校的なノリの青春映画のような部分もある。
冒頭で2人の捕虜の脱走が成功するか否かという賭けが行>>続きを読む
脚本家出身の監督であるビリー・ワイルダーは、まずストーリーの面白さありきで映画を作るタイプの監督だと思うのだが、この映画はまさにその好例。一人の男が落盤事故で洞窟に閉じ込められたところにたまたま立身出>>続きを読む
実在の俳優が本人役で出演しているところやハリウッドの舞台裏を扱うメタフィクション的な部分に注目が行きがちではあるが、この映画は安部公房の『砂の女』や溝口健二の『雨月物語』と同じような、特殊な磁場を持っ>>続きを読む
第二次世界大戦時の連合軍の空爆により徹底的に破壊されたベルリンの街を映すところから始まる本作は、ビリー・ワイルダーお得意の明るいコメディでありながら、それだけにとどまらないシリアスな要素を含んだ映画に>>続きを読む
この手の時代物は派手な衣装を見せびらかすためか演出がもったりしてつまらない作品が多い印象があるが、本作も序盤は展開もスローで盛り上がりに欠ける。ミュージカル映画ではあるものの歌や踊りも正直かったるい。>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
所謂羅生門スタイルの三幕構成で3つの視点を経ることで作品の全体像が明らかになるとういタイプの映画。
所々それぞれの視点の間でうまく整合しないところや語られない謎みたいなものが意図的に残されているところ>>続きを読む
ただアルコール依存症の男が懊悩する姿を描いただけの作品なのだがこれが結構面白い。
レイ・ミランド演じる主人公のアル中ぶりはかなり真に迫るものがあるし、酒を求めて右往左往する展開にも工夫がある。
アルコ>>続きを読む
第二次世界大戦トブルグ包囲戦の中、一つのホテルを舞台に描く戦争映画。
ドイツ兵に囲まれた中でイギリス兵の主人公が死んだホテルの給仕になりすましロンメル将軍の秘密を探るという展開なのだが、その死んだホテ>>続きを読む
アメリカでの初監督作品でありながらも、この時点ですでにビリー・ワイルダーの作風がかなり確立されている。
当時31歳のジンジャー・ロジャース演じる主人公が子供料金で列車に乗るため12歳の少女に変装すると>>続きを読む
ビリー・ワイルダーによるフィルム・ノワールのスタンダード的な作品。
『深夜の告白』という邦題通り、主人公が自らの犯罪を告白したところから物語が始まる。ヒッチコックの言葉を借りて言うのならば「隠された事>>続きを読む
ビリー・ワイルダー監督のコメディ映画。
女装を主題とした映画といえば『チャップリンの女装』なんかを思い出すのだが女装した主人公が普通に受け入れられてむしろ男からモテるというのはこの手のコメディの定番な>>続きを読む
ビリー・ワイルダーによるロマコメの傑作。
自分が住むアパートの部屋をホテル代わりに上司に貸し出すサラリーマンというシンプルな設定を、勘違い、すれ違いを絡めてコメディとして見事な手際で転がしていく脚本が>>続きを読む
物理的な暴力行為を伴わず、自身の認知能力への疑いを植え付けることにより妻を精神的に追い詰めてコントロールしようとする夫、その暴力性をシャルル・ボワイエがイングリッド・バーグマンを見つめるその目線で巧み>>続きを読む
高畑勲監督による福岡県柳川市の水路網「掘割」とそれに結びついた市民生活を描くドキュメンタリー映画。
基本的にはNHKの教育用映像的な質感で所々教養を感じさせる語りが入るものの劇的な演出は一切なくナレー>>続きを読む
森達也監督によるオウム真理教に密着したドキュメンタリー映画。
当時オウム真理教の広報副部長で教団と社会の接点となる立場にあった荒木浩という人物に焦点を当てることで、当時の教団の内情だけでなく、オウム真>>続きを読む
1958年の第五回ニューポートジャズフェスティバルの模様を収めたドキュメンタリー映画。
まだ黎明期にあった音楽フェスティバルを記録した貴重な映像であり、一定以上の作家性を備えた音楽ドキュメンタリー映画>>続きを読む
ラルフ・バクシ監督による実写とカトゥーンの合成映画。
アニメーション部分の世界観はちょっとアダルトでキャンプな感じでホリーなどのキャラクターはすごく魅力的に描かれているが、お話に関しては子供だましにも>>続きを読む
31歳の父親と11歳の娘、二人がトルコのリゾート地で過ごすバカンスを描く。表層的な要素だけとれば仲の良い親子の幸福な一夏の記録なのだが、映像には常に何か不穏な空気が流れており、父親には心の影のようなも>>続きを読む
前後編に分かれた作品であるため作品の主要なテーマについての結論がまだ出ていない状態で単独の評価をするのは難しい。カノン(正典)という概念やスパイダーマンになるべきではなかったと糾弾される主人公などの設>>続きを読む
元来ヒーロー映画というものはヒーローが誰かを救い、悪と対峙する物語であったと思うのだが、現代のヒーロー映画はそうしたヒーローをヒーローたらしめる資質とは無関係にヒーロー自身を問題を描く物語が増えてきて>>続きを読む
エアジョーダンの誕生に至るまでの物語を描くお仕事映画。
会話が中心の小さくまとまったつくりの映画であるが、深く考えずに笑えて、ちょっと感動するくらいの観客のニーズを十二分に満たしてくれる作品になってい>>続きを読む
核戦争の恐怖を描くイギリスのアニメーション映画。
温かみのある優しい画風のキャラクターの牧歌的な雰囲気を残した会話劇が核攻撃の影響で徐々に蝕まれていく様子は独自のギャップを生み出していている。
核戦争>>続きを読む
東映肝いりの大作映画ということで邦画としてはそれなりに高級感のある映像にはなっているのだが、それだけにがっかりするところも多くお世辞にも褒められた出来ではない。
歴史ものとしての表面的な要素を除けば、>>続きを読む
ジョセフ・ヘラーによる戦争文学の傑作『キャッチ=22』の映画化。
戦争の理不尽と狂気によって精神をさいなまれ狂騒する兵士たちの姿をユーモラスかつシニカルに描く。近い作風の『M★A★S★H』が戦争そっち>>続きを読む
漫画、コミックの世界を実写化する際にSF的なディティールを足して設定に説得力を持たせるというのは一つの方法論だと思うがそれがこの映画では足を引っ張っている部分があると思う。
パワードスーツや変な飛行機>>続きを読む