暴力とドラッグと姦淫と支配と依存が蔓延する地獄にも、善き魂は必ずある。それを信じることさえ出来れば。罪人たちにやり直す機会がなければならない。悔い改め、なけなしの良心を振り絞り、善き人たらんとする者>>続きを読む
あまりの眩しさに目を背けてしまいたくなるあの人の中にも、鬱屈とした何かがあるのかもしれない。誰よりも大人に見えるあの人は、もしかしたら誰よりも子供なのかもしれない。第一印象や「キャラクター」として人>>続きを読む
4人でも、ひとり。
そう、私たちは常に孤独と共にある。押し入れに籠ってギターと向き合っていても、明るく元気であろうと頑張っていても、誰とも違う自分に酔いしれたい時でも、たとえどんなに周りに人がいる>>続きを読む
バディものにガンアクション、重い設定に軽い描写、軽妙な掛け合いに下品すぎない下ネタ要素、全体を取り巻く百合要素。言葉にすればありきたりな流行りものの詰め込みにしか思ないけれども、見てみて納得こりゃ面>>続きを読む
かつてこれほど恵まれたアニメ化があっただろうか。そもそもの原作からして、漫画表現の新たな可能性を探るような「動画的な」漫画であり、普段では絶対にコマが割り振られないような細かな日常動作でさえページを>>続きを読む
戦乱や無秩序、恐怖が渦巻くこの世の中では、多くの人は何もできず、ただ大きなうねりの中に巻き込まれるか、ただ見ていることしかできない。たとえ破滅に向かっていたとしても引き止めることも、そのさだめを変え>>続きを読む
「したい事」と「すべき事」は、よく相反する物として描かれる。「夢」と「現実」も同様に。幼い頃の夢こそ尊ばれるべき物で、大人になってからの現実は辛く厳しい物。果たして夢破れてしまえば、そこでもう終わり>>続きを読む
物語が最も輝く瞬間のひとつは、登場人物のセリフと本音が食い違っている時である。有り体に言って仕舞えば、嘘をついている時。駆け引きにドキドキしてサスペンスを楽しみ、もし優しい嘘だったならば、ポーカーフ>>続きを読む
15年くらい前に原作を読んだ。まだその頃は杞紗や燈路と同じくらいかもう少し下だったのに、気がつけばもう紫呉やはとりの方に年齢が近くなってしまった。「人の素敵はおにぎりの梅干しのようなもの」の例えはよ>>続きを読む
退屈から救い出してくれた上に、さらに自分のことを必要としてくれた。死と生、自由と不自由、紐帯と繋がりの相剋の物語は、あの時扉を開けて飛び出した後の広がった世界で生きていくために、間違いなく無くてはな>>続きを読む
SFに求めているものと言えば、自分の場合はこれまで見たことがない世界観だろうか。寓話的でも現実世界と地続きでも構わない、見たことがない世界を覗きたいのだ。そういう意味で、今作はなかなかに面白い舞台立>>続きを読む
我儘で、無邪気で、残忍な、ひとりぼっちの神様のことを笑うことは出来なかった。殻に引きこもって、思い通りに行かない小さな小さな世界を憎んで、襲って壊して潰して、それでもうまく行かない。退屈から救いに来>>続きを読む
日々のなんてことのない一コマ。劇的なことなど一切起こらず、物語を進めるためのすれ違いさえもありえない。3人の会話は、日常は、やまもオチも意味もなく、きっとずっとこのまま続いていくだろう。続いて欲しい>>続きを読む
「淀んだ水が溜まっている。それが一気に流れていくのが好きだった。決壊し、解放され、走り出す。淀みの中で蓄えた力が爆発して、全てが動き出す」
始まりのこの一言が、全てを物語っている。登場人物たちは、>>続きを読む