ゆうゆさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

今夜、世界からこの恋が消えても(2022年製作の映画)

3.2


たとえ昨日までの思い出をなくしても 彼のまぶしい横顔や いっしょに笑いあった瞬間のやわらかな微笑み、2人で紡いだ忘れたくない感情は いつしか自分の細胞内で息づき いつまでも心の奥底に刻まれている。
>>続きを読む

悪い子バビー/アブノーマル(1994年製作の映画)

4.1


毒母に35年間監禁状態で育てられた純度100%の落ち武者青年が下界デビューするおはなし。
ママの偏愛と虚言と調教によって外の世界を知らずに育ったピュアっ子バビー。虐待と洗脳に近い劣悪環境下での35年
>>続きを読む

クルーソー(2021年製作の映画)

3.8


いきなりクライマックスのような展開で楽しめるのはショートの醍醐味かも。
これ観てたらディズニー行きたくなったなぁ。ラスボスみたいな魚のおばけ、私がたまにうなされる悪夢に近くて謎の親近感☺︎
エンドロ
>>続きを読む

猫の居ぬ間のタップダンス/ネコの居ぬ間のタップダンス(1929年製作の映画)

3.2


レトロなミッキー可愛い♡
猫が居ない隙のみんなでわちゃわちゃ。チーズが楽譜のオルゴールとか 発想やアクションはトムジェリに近いかも。

スキン・アンド・ボーン(2022年製作の映画)

3.4


不穏な余白多め、女手一つの農場にふらりと現れた男が陥る世にも奇妙な物語。
翳りと含みのある女と雇われの男の秘めた獣性、彼が日毎に見る悪夢が現実となる話。それはこの農場に訪れた時からすでに定められた宿
>>続きを読む

シック・オブ・マイセルフ(2022年製作の映画)

4.1

承認欲求の塊と化した拗らせ女子の悲しい顛末。
成功を手にしようとしてる彼氏に沸きたつ嫉妬と焦燥。はじめは自分だけを見て欲しくてとった行動がエスカレートし身も心もボロボロになっていくさまがイタくてアホら
>>続きを読む

テオレマ(1968年製作の映画)

3.8


碧い眼の妖しい微笑みに震え 身も心も捧げてのぼせて 過ぎ去ったあとに襲う後遺症。
これはまさに、先週からわが家を順に襲っている流行病にどこか似てるっ😇
天使にも悪魔にも映る天性の魅惑 その彼のあまい
>>続きを読む

ママと娼婦 4Kデジタルリマスター版(1973年製作の映画)

4.3


お喋り男子は苦手。
時代の波に押し流された残骸みたいな男。飄々と女たちに漂流し当たり前のように割り込んでくるアレクサンドルはどうみても女の敵みたいなクズなのに 彼の饒舌と悪びれないしつこさはどこか仔
>>続きを読む

渇きと偽り(2020年製作の映画)

3.3


偶然エリックバナに続けて会えました。
長らく雨の降らない乾いた故郷でおこった旧友絡みの殺人事件と 干上がった魚のように脳裏に姿を現す元恋人との悲しみの時間。現在の捜査と瑞々しい過去の記憶が交錯し や
>>続きを読む

蝿の王(1990年製作の映画)

3.9


無人島に漂着した少年たちのサバイバル劇。砂地を駆け巡りみんなで協力して生き延びようとしていた無邪気な少年たちがいつしか対立し 炭と血で虚勢を張りしだいに暴力で力を誇示していく。
秩序の崩壊で剥き出し
>>続きを読む

ローズの秘密の頁(ページ)(2016年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます


子殺しの罪で精神病院で隔離されてる女性の真相と過去を辿るお話。
甘く切なく不条理な過去と大切な愛の記憶はすべて 彼女の聖書の中でいまも息ずいていた。アイルランドの澄んだ空気と広大な自然美、その中で輝
>>続きを読む

オーレリ・デュポン 輝ける一瞬に(2010年製作の映画)

4.0


オーレリデュポンそのものが動く宝石。踊っている姿はもちろんだけど 煙草を吸ったり街の喧騒にとけ込んでゆく後ろ姿でさえ美しい。貫禄の妊婦姿から復帰後の、それまでの完璧な全身筋肉から 気持ち丸みを帯びた
>>続きを読む

水曜日(2021年製作の映画)

4.3


あのタバコのおもろ小道具も奥さんからのプレゼントなんだろな。

愛おしいひとと紡いだ何気ない日常の小さな記憶の積み重ね。思い出す彼女はいつも微笑んでいて ぼくはたまらなくなってあなたを抱きしめる。そ
>>続きを読む

観覧車(2018年製作の映画)

3.9


おそらくもう会えることのない父とのつらい別れを受けとめ思い出に昇華させた少年の受容の物語。
心の闇と 合わせ鏡的な少年のイラストがそのままクリーチャーとなり彼を追いつめる緊張感に満ちたホラーな演出と
>>続きを読む

ストックホルムでワルツを(2013年製作の映画)

3.8


成功をつかもうとすればするほど ほんとの幸せが遠のいていくような矛盾と葛藤。
好きな仕事をして 愛のある家庭を築きたいし 父親にも認められたい、
手にしたい理想が明確だからこそ、思うように運ばない現
>>続きを読む

ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール(2014年製作の映画)

3.7


"この夏こそ最高傑作、僕らの出会いは奇跡的で可能性は無限だった"

パッケージのイヴがトットちゃんに見えてなかなか手が出なかったけど 開けてみれば なんてかわいいおもちゃ箱♩¨̮ 歌とダンスにキュー
>>続きを読む

ポリーナ、私を踊る(2016年製作の映画)

3.7


バレリーナとして志半ばの少女がコンテンポラリーダンスの魅力に目覚め突き進んでいく開放と成長の物語。
パッケージからはバレエを極める話だと思ってたけど 「ダンサーインParis」の流れとよく似ている。
>>続きを読む

アンダーカレント(2023年製作の映画)

4.0


たとえば、自分の人生で培われた感情の蓄積をくるくるとかき回し ゆっくりと沈殿した後にできた二層のメンタル、 日常の私たちがその澄んだ水面の上辺だけを見て掬って円滑な人間関係を構築しているのだとしたら
>>続きを読む

ガール・イン・ザ・ベースメント(2021年製作の映画)

4.0


家庭を持つべきではなかった男のどこまでも身勝手な所業。彼は善人面を被った完全な鬼畜だ。場面転換する度に被害者である実娘のお腹が膨らみ子供の数が増えてくのには唖然とした。
意のままにならない娘を計画的
>>続きを読む

永遠と一日(1998年製作の映画)

4.0


現実と過去の記憶が入り交じり靄の向こう 黄泉のぎりぎり手前の深淵を触れそうに彷徨う独特の浮遊感。ひとつひとつの場面と余白がアートのように衝撃的で印象深く 零れて手に受けとる言葉の引力と余韻に導かれる
>>続きを読む

だれのものでもないチェレ(1976年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます


1930年代のハンガリー政権下、孤児チェレの過酷な生き様を描いた物語。投身自殺しようとした少女の実話小説を忠実に描いてるとの事。

初っ端からド肝抜かれる描写。給付金目当てで引き取られたチェレは衣食
>>続きを読む

パプリカ(2006年製作の映画)

3.4


無限に広がり畝り堕ちてくような 豊かなイマジネーションに満ちた映像の氾濫。
夢と現実の曖昧さ、自分が覚醒直前にみる 足元が波打って前に進めないのに目まぐるしく展開する あのもどかしい夢物語を再現され
>>続きを読む

アイ・アム まきもと(2022年製作の映画)

4.0


孤独死した人たちの死後に丁寧に寄り添い その朧げだった故人の輪郭がしだいにうかび上がってゆく。
牧本なりの弔い方は非現実的にも映るけど孤独にさまよってた魂は彼の澄んだ眼差しと真心によって穏やかに成仏
>>続きを読む

ジョン・ウィック(2014年製作の映画)

3.2


みんなわいわいしてるので乗っかってみた。ベースはニコケイの🐖と同じじゃん!! ってなったけど、殆どの人はピッグをみて 'これジョンウィックじゃね? 'ってなるんだろな🙃

ひなぎく(1966年製作の映画)

5.0


無邪気でイカれた姉妹のあまい毒を孕んだ
わちゃわちゃ❁⃘
宝石箱をひっくりかえしたみたいな終始
可愛いが散乱。コラージュみたいなシーン
の数々すべて 瞬きするのも惜しいくらい!
食への冒涜シーンはち
>>続きを読む

PIG ピッグ(2021年製作の映画)

3.7


山奥で悟りをひらいたようなおじさんが拐われた相棒の豚を奪還するために下界に舞い戻って奮闘するおはなし。
久しぶりにみたニコケイの寡黙で達観した佇まいと神秘を纏った森の美しさ、ラストの哀愁ある切ない歌
>>続きを読む

バンジージャンプする(2001年製作の映画)

3.9


運命の壁を飛び越えても
小指に掛けた魔法は解けないままに
僕は君を探し続ける

懐かしいメロディの中に
優しく降る雨の雫に


突然姿を消した恋人の面影に翻弄されながらもやがて昇華する不器用な初恋の
>>続きを読む

カスパー・ハウザーの謎(1974年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます


19世紀のドイツに実在した素性不明の孤児カスパーハウザーの生涯。
16歳まで地下牢に幽閉されていた青年がまっさらな状態から社会の風刺に晒されながら知る人のやさしさと卑しさ。カスパーを演じたブルーノさ
>>続きを読む

回転(1961年製作の映画)

3.6


幼い兄妹の面倒を一任された家庭教師が屋敷に潜む邪悪な影の存在から子供たちを守ろうと暴走するゴシックホラー。天使みたいな子供たちの裏の顔に陥れられる話だと思ったら違った。ジャケットからは「アザーズ」ぽ
>>続きを読む

エリザとエリック(1987年製作の映画)

3.8


ふたりだけの特別な絆、空想と虚構でコラージュされたふたりだけのお城。パフェのような幻想的な甘さとキッチュで退廃的な日常のなかに 物悲しい旋律と共に蠢いた感情が注がれ少しずつ開かれるおとなへの扉。カン
>>続きを読む

ダンサー イン Paris(2022年製作の映画)

4.5


宙を舞う夢が無惨に折られた白鳥の翼、失意のなか 地に足をつけて力強く自由に闊歩する、バレエへの未来を閉ざさた女性の再生の物語。
しなやかでアグレッシブ、無駄のない肢体を駆使し まったく分野の異なる踊
>>続きを読む

ラヴ・アフェアズ(2020年製作の映画)

4.4


愛は所有を求めない

内容はドロドロなのになんて優雅でセンチメンタルできらびやかなんだろう。
出てくる人が漏れなく不倫や浮気している愛の国フランス。愛はどこにでも転がっていて縺れて解れて抗えないほど
>>続きを読む

グランツーリスモ(2023年製作の映画)

4.1


ゲー厶の世界を生きてきた青年がリアルなカーレースの頂点に立つ嘘のようなほんとの話。ホラーシューティングゲームの才能を見出されたゲーマーが戦争のスナイパーとして実際に抜擢されてるって噂を前に聞いたこと
>>続きを読む

オーロラ(2006年製作の映画)

3.8


終始バレエとダンスによって表現されるおとぎ話の世界。ヒロインの少女を含め本格バレエダンサー達のシルクのベールを纏ったような幻想的なダンスシーンにうっとり。舞踏会での 他国のオリジナルで独創的な踊りも
>>続きを読む

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

4.6


荒廃した屍のような大地にのなかで
琥珀の要塞に包まれたアナの見つめる
幻想と冷たい現実を手探りで歩くような
朧気な狭間

死のにおいを纏った日常と胸のざわつき
無垢な少女の黒い翡翠の瞳に宿る
願いと
>>続きを読む