ゆうゆさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス(2002年製作の映画)

4.8


"時は川である"

10分間の制約の中で流れに抗うことなく自由に表現される 監督たちの個性がひかる珠玉のオムニバス。これは濃ゆい。10分という尺の在り方に刹那的で永遠な無限の不思議を感じて豊かな気持
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パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

3.8


昭和の歌謡曲というか演歌、
というか むかしのカラオケで流れる映像を
思い出した😊

"君のいない世界は闇
だから僕のそばにいて"

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.3


トイストーリーみたいな水色の空とロリポ
ップな世界観にわくわくがとまらない…っ
て思ってたらあっという間に寝ちゃった。
「眠れ~眠れ~」って呪文みたいなことも言
ってたし チンコチンコチンコチンコ♩
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街のあかり(2006年製作の映画)

3.8


捨て犬みたいなつぶらな青い瞳の宇宙に広がる哀愁と喪失。自由と夢を拘束された場所で唯一見せたナチュラルな笑顔がやるせない。どん底まで転がされた果てにも微かな手のぬくもりと艶やかなピンクのネオンが彼をい
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夏至物語(1992年製作の映画)

3.9


窮屈に澱んだ水槽の中を気怠くおよぐ真夏の午後
濁ったレンズ越しにみるトオルとの苦くて甘い夢
18時の風がわたしとあなたを繋ぎ
丁寧に色をさした唇が静かに微笑む















ホラーな
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過去のない男(2002年製作の映画)

4.0


「8×8は?」
「61…」
「いや 72だ」 🤣🤣

高倉健の映画のパロディみたいで最高
だった。高倉健の映画 あんま知らんけど。

凶暴犬ハンニバル!
飲んでたコーヒー吹き出しそうになったぞ。
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福田村事件(2023年製作の映画)

4.1


関東大震災直後 静かに埋もれていた凄惨な大虐殺事件。
残虐な映画や胸糞な話はたくさん知ってるのにこんなにザワついてクライマックスで汗びっしょりになったのは久しぶりかもしれない。終盤ちょっとうとうとし
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ジュディット・ホテル(2018年製作の映画)

-


過去記録

「ファルコンレイク」の監督さんのショートと聞いてググッたらMyFFFの時に観てた。
内容忘れたけど映像がめっちゃおしゃれで完成された世界観が好みだったと思う。これも確か不穏な空気感だった
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ファルコン・レイク(2022年製作の映画)

4.1


お姉さん的存在の少女と過ごした
14歳の秘めた夏の出来事

ざわつく森に呼応し 滑らかな湖面を
浮遊する あの夏に知った永遠の恋心

開かれた '子供以上おとな未満' の扉、
濃密で恍惚なふたりだけ
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浮き雲(1996年製作の映画)

3.9


ダブル失業して雪だるまのように不幸が大きくなっていく夫婦の再生の物語。イメージ的には雪だるまの土台が奥さんの方かな。理不尽な仕打ちにも地道に努力を重ねていく妻の懐の深さとメンタルの強さ、人生のアップ
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ビースト(2022年製作の映画)

3.3


🦖→🦁版。

あかん言うてるのに飛び出すお姉ちゃん
子どものために捨て身で飛び込むパパ
絶対死にそうなのに死なないファンタジー。
お姉ちゃんは あの友達と奥さんとの秘密の
子どもなんだろうな~って確
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マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

4.2


カウリスマキの作品は1つしか知らなくて不条理さの中にかすかな希望の炎が灯るような作品を作る人だと勝手に思ってたのでヒロインがあれよあれよと転落してくさまに最後は‎( ꒪⌓꒪)←な顔になった。負のオー
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スウェーデン・ラブ・バイブル as 愛の聖書(1970年製作の映画)

1.5


戦争で殿方不在の村に放り込まれた牧師が 金髪女子たちの淫らな誘惑に負けちゃうエロコメディ。
魔女の復讐のはずが 彼にとってはまさに楽園。女たちはみんな常におっぱい半分出てるし、くりくり童顔でおどおど
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最後の愛人(2007年製作の映画)

3.3


カトリーヌブレイヤ祭、今のとこラスト。
貴婦人と結婚する美青年と 彼の長年の愛人との三角関係。

まったく抑揚のないありふれたストーリー展開、、だけど!主人公の青年はじめ 登場人物の美貌や美術、コス
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ぜんぶ、フィデルのせい(2006年製作の映画)

3.5


激動の社会の流れに乗っかってキョーサン主義に目覚めたパパとママへの葛藤、完璧だったセレブな毎日、日常の時間割りまでも一変させた悪の根源(笑)フィデルカストロに怒りぷんぷんのアンナ。
髭のおじさん達に
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人生、ここにあり!(2008年製作の映画)

4.0


おなじ人間同士の間にあった壁を取っぱらって、散らばった寄せ木からうまれる斬新で色鮮やかな新たな人生。
笑って泣いて苦しんで、人生のきらめきとどん底の悲しみを知った彼ら。それでも前を向いてみんなで抱き
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トニー滝谷(2004年製作の映画)

4.7


有り余る余白に散らばるセピア色の孤独
埋まらない空洞にあなたと紡いだ
人生の重なりを奏でる

心の襞に積もっては溶けてゆく
澄んだ微笑みの記憶は
幻のようにいつまでも燻りつづけている
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禁断メルヘン 眠れる森の美女(2010年製作の映画)

2.5


魔女の呪いで眠りについた少女の夢ロードムービー。
色んなメルヘンがつまった感じだけど 豪華なお遊戯会の延長ぽさは「青髭」よりもしんどかった。絵的にはクラッシックな目の保養シーンもあるけどまったく乗れ
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スラローム 少女の凍てつく心(2020年製作の映画)

3.5


プロスキープレーヤーを目指す15歳の少女とコーチとの関係性が歪んでいくおはなし。
厳しい環境下の中で孤独に自分と戦う少女と彼女に可能性を見出し密に指導するコーチ。ふたりの実質的な距離が縮まる中で ま
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マグダレンの祈り(2002年製作の映画)

4.0


性に纏わる'堕落した女' を監禁する アイルランドに実在した更正とは名ばかりの虐待収容施設。そこに理不尽に強制入所させられたマグダラのマリアたち

レイプされ"汚れた"子
未婚のママ
将来 性的に道
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本当に若い娘(1976年製作の映画)

4.0


🥄‪🩲🪞‪💧🩸🚲 👱🏻‍♂️🪱👴🏼
🎢👨🏻🛤🫙🌊🐔🐶🚗


子ども以上おとな未満の14歳少女の
悶々ムラムラの早熟な夏

寂れた実家で過ごす退屈な夏休み
未熟な心と熟れはじめた身体、
開花しはじめた
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ラスムスくんの幸せをさがして(1981年製作の映画)

3.9


新しいパパとママを求めて孤児院を飛び出したぼさぼさ頭のラスムスくん
空を飛ぶ鳥のようにフーテンなオスカルおじさんと一緒に裸足で駆けだし自由気ままな旅をする。
風に吹かれても冷たい雨に打たれても おじ
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やさしい嘘と贈り物(2008年製作の映画)

4.0


独居のおじいちゃんがクリスマスシーズンにある女性と出逢いロマンティックな恋におちるお話。
どこか訳ありげな相手の女性、そして芽生えた恋心に湧く彼の奥底にも 靄に包まれたような含みのある孤独が彷徨う、
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乙女の祈り(1994年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます


"幸福の行事を執り行う日。
昨夜はクリスマスイヴのように興奮した。でも楽しい夢を見たわけじゃない びっくりパーティーを企画してる気分だ。次は日記にこう記そう
「母は死ぬだろうと」"__✍︎


現実
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ルルドの泉で(2009年製作の映画)

4.1


ルルドの泉にお参りにきた身体不自由な女性におこる奇跡の話。
同じように何かを患って縋るような気持ちでやってきた人々の思いは同じだけど 信仰心の強さや貢献度に関わらず不意に訪れた神秘、それはまるで宝く
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.0


どこの世界にも立場を利用した弱者への悪質なハラスメントはむかしから蔓延っていたのだろうけど、巧妙に蓋をしてのうのうと権力を振りかざしてきた裸の王様もついにひれ伏す時代がやってきたのかもしれない。
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青髭(2009年製作の映画)

3.5


幼い頃にどきどきしながら読んだ青髭に少しスパイスが加えられたフランス映画。ビジュアルはずば抜けて美しい童話の世界観そのものなのになんか惜しい、、おとな版お遊戯会みたいでパンチにかける

試す男と誘惑
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ベニシアさんの四季の庭(2013年製作の映画)

3.8


はじめてだと思ったら既視感ある内容だった。NHKの放送を過去に観てたんだと思うけど彼女の丁寧な暮らしぶりや少女な様にも見えるやわらかな笑顔からはかけ離れた波乱の人生に改めて驚愕する。生々しく幾重にも
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マンダレイ(2005年製作の映画)

3.8


自由の重みと不安定さ
籠の中のカナリアを放ったグレースの理想とする慈愛と正義は無惨に砕け散る。彼女はこのあとどんなイバラの道を歩みどこに行き着くのだろう...てか この続編は未だ作られてないのは残念
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バービー(2023年製作の映画)

3.9


きらきらピンクに彩られたカラッとして華やかなバービーの世界。無味無臭で潤いもなさそな陽気なワンダーランドから飛び出したバービー達が見つめる生々しい世界は ありふれて流されてきた辛辣な現実を知らしめ
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キングダム 運命の炎(2023年製作の映画)

4.0


既にベースが出来上がってきてるので面白さは加速する一方⤴︎︎︎ 今回はキャストそれぞれに見せ場もあるしカメラアングルや劇伴含め盛り上げ方も上手い。前回は少し寝ちゃったけど今回は涙するシーンもありあっ
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呪われたジェシカ(1971年製作の映画)

3.3


謎の少女の放つミステリアス、その白い媚薬の妖力がジェシカと周囲の男たちを翻弄し 華奢な首すじに伸びる白い手はゆっくりとジェシカを悪夢の水底へと引き摺りこんでゆく
現実と幻の境界線をもがくように逃げ惑
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Weathervane(原題)(2010年製作の映画)

3.6


漆黒の絶望に侵食され堕ちていくような闇を感じるサイレントアニメの4分間。
基本的に病んでるかんじ๑⃙⃘

ミセス・ハリス、パリへ行く(2022年製作の映画)

3.5


Diorのドレスを買いに行くおばあちゃんの夢物語、昔ばなしに出てくる良いおじいさんと悪いおじいさんの良いおじいさんの方的な。アップダウンが激しすぎてうっとりよりもざわつきがすごい笑
オートクチュール
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カフカ「変身」(2019年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます


原作未読。ある日一家の大黒柱である長男が虫になってしまった不条理劇場。外見の変化に伴うアイデンティティの喪失、社会からも家族からも疎外され孤立して弱っていく姿は日常のくらしにも通用する恐ろしさがあっ
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