TagTakさんの映画レビュー・感想・評価

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花婿の寝言(1935年製作の映画)

2.5

妻の昼寝が理由で離婚が成立するなんて(原因は長谷川一夫のうるさい寝言)、戦前は妻の権利がこんなに低い時代だったのかと思った。長谷川一夫が妻の写真を全部持ち出して、自分がどれだけ愛してるのかを妻に熱弁す>>続きを読む

花嫁の寝言(1933年製作の映画)

3.0

花嫁の寝言を聞くために招かれざる客がやってきて新婚夫婦の生活を脅かす、『ファニーゲーム』ばりに厭な映画。酔っ払ってふざけ倒した客人も寝込みを強盗に襲われ身ぐるみ剥がされるから、溜飲が下がる。オチも含め>>続きを読む

人生のお荷物(1935年製作の映画)

2.5

“お荷物”がまさかの子供。父親が50代で産んだ突貫小僧を「出来損ない」と言ったことを端に発して夫婦喧嘩&別居。しかし、親の気苦労も知らない子供が実家へ戻ったことで夫婦がよりを戻す、男性側に都合の良い大>>続きを読む

アンテベラム(2020年製作の映画)

3.5

観る前の印象と本編の落差に驚いたという点では今年随一。端的に言って、ミスリードを巧みに促す映画だ。アヴァンタイトルで長回しを駆使して黒人奴隷制の世界を克明なまでに描き出す。その後も、黒人奴隷たちの過酷>>続きを読む

或る夜ふたたび(1956年製作の映画)

3.5

失業夫婦の悲喜交々な王道家族劇の前半で弛緩してるなと思いきや、佐野周二が失踪した乙羽信子の行方を探す後半から一気にサスペンスが加速する。夫婦が愛し合う時は激しく振動し、夫婦喧嘩が始まった途端に故障する>>続きを読む

愛と死の谷間(1954年製作の映画)

4.0

『フォロー・ミー』ばりの探偵が尾行対象の女に恋するメロドラマ。宇野重吉が金勘定しながら津島恵子に求婚するゲスい演技な序盤から掴み良し。津島恵子・乙羽信子・高杉早苗の愛人や妾が一堂に会するシーンで、女性>>続きを読む

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

4.0

ポップでキッチュでレトロなウェス・アンダーソン世界を大いに堪能。画面構成力やカメラワークは相変わらず優美。手描きアニメや演劇然としたセット撮影を導入した遊び心満載なシーンが、目を楽しませてくれる。
>>続きを読む

雲がちぎれる時(1961年製作の映画)

4.5

有馬稲子の転落劇を歯切れの良いテンポを交えて丹念に掘り下げていく回想シーンが抜群に上手い。看護婦の面接を受けに病院へ行ったら手篭めにされそうになったのを、“病院でサンダルをはく足のショット”→“逃げ出>>続きを読む

サウダーヂ デジタルリマスター版(2011年製作の映画)

4.0

何年かぶりの再見。男女間のみならず、異文化・異世代同士で一切噛み合わないディコミュニケーションが魅力的。納豆の問答でその結果が如実に表れてしまうのが悲しい。終盤の幻想シーンの見事さは何度観ても色褪せる>>続きを読む

MONOS 猿と呼ばれし者たち(2019年製作の映画)

3.5

眼下に雲海が広がる高山、高山にそびえ立つ抽象的な建物。寓話性が高いビジュアルのつるべ打ちに圧倒される。激流に流されるシーンの迫力にも息を呑む。遊びと戦争の区別が付かない少年兵たちの葛藤と軋轢を描きなが>>続きを読む

桜桃の味(1997年製作の映画)

4.0

死を決意した男の人生の一片を美しく活写するキアロスタミの巨匠の技。老人が語る人生の美しさ、物の見方を変えることの新鮮さは、大切なことを気づかせてくれる。

オリーブの林をぬけて(1994年製作の映画)

4.0

映画内映画による入れ子構造にも関わらず、「たとえフィルムが止まっても人生は続く」ことを描く映画としての豊かさ。ダメ男のしつこいほどの猛アタックに呆れつつも、オリーブ林を抜けてジグザグ道を歩く二人をカメ>>続きを読む

機動警察パトレイバー THE MOVIE(1989年製作の映画)

4.0

新文芸坐で押井守映画祭2021を観た余韻に浸るべく再見。SFロボットアニメで、都市社会学を論じてみせる映画としての豊かさに改めて驚かされる。パトレイバーシリーズで推しメンである松井刑事が活躍していて、>>続きを読む

イノセンス(2004年製作の映画)

3.0

10年前の初見以来ぶりの再見。昔より面白く感じたことに少し驚いた。DVDで初めて観た時は“『ブレードランナー』ごっこ”の印象しかなかったが、今回映画館の大音響で鑑賞したら音響設計の緻密さに気付かされる>>続きを読む

機動警察パトレイバー2 the Movie(1993年製作の映画)

5.0

再見。個人的押井守ベストをスクリーン初鑑賞できたのも感激‼︎。SFロボットアニメを『五月の七日間』ばりの政治サスペンスへと作り変えた手腕に改めて感心。OVA版や前劇場版以上にリアルな作画を追求したから>>続きを読む

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

4.5

聞きしに勝る大傑作!。どんな事態かも分からずハイテンションで疾走する序盤から惹きつけられる。「夢の中の夢」という二重・三重構造を手に汗をかくような演出の乱れ打ちで、視覚的快楽も作劇的愉悦もガッツリ味わ>>続きを読む

恐山の女(1965年製作の映画)

4.0

女郎が運命の悪戯で男を死へと導くサゲマンとなるヘヴィネスな傑作。水揚げした中年と初恋の青年が親子だった逆親子丼展開以上に、親子が死んで残った長男と恋仲になる逆兄弟丼展開に驚愕。カルト教祖の東野英治郎に>>続きを読む

かあちゃん結婚しろよ(1962年製作の映画)

4.0

新珠三千代が幸せの絶頂に登り詰める度に絶望の底に突き落とされるジェットコースター映画。善意に満ちた口当たりのいい序盤の雰囲気を打ち破る伴淳のダメ人間ながらも憎めない佇まいが素晴らしい。後半は親に振り回>>続きを読む

洞窟(2021年製作の映画)

4.0

レナート・ベルタの見事なカメラを堪能する映画。暗闇が徐々に明るくなるファーストカットから視覚的快楽へと誘う。ダニエル・シュミットの映画を観ても感じることだが、本作は闇が素晴らしい。暗闇の洞窟を照らす灯>>続きを読む

東京=ソウル=バンコック 実録麻薬地帯(1973年製作の映画)

3.0

千葉真一が韓国・香港・タイを股に掛けて右往左往する緩い展開の連続に、同じく菅原通済・原案の『戦後秘話 宝石強奪』みたいなヘッポコ映画かと馬鹿にしてたら、敵対同士だった千葉ちゃんとタイ人が手を組んで後半>>続きを読む

陽は沈み陽は昇る(1973年製作の映画)

3.5

中東諸国を巡るインドまでの軌跡を俳優とスタッフが実際に移動しながら撮影する、「映画作りそのものがアドベンチャー」な今の日本映画にはない贅沢さに魅入った。
『はなればなれに』の男女の三角関係、『イージー
>>続きを読む

ハロウィン KILLS(2021年製作の映画)

3.0

前作以上に犠牲者が倍増し、前半は問答無用なゴア描写の大盤振る舞い。血が大量に噴き出し、眼球が串刺しになる出血大サービスに、スラッシャー映画の醍醐味を大画面で堪能させてくれる。主観ショット、ガラスを用い>>続きを読む

(1958年製作の映画)

3.5

キン◯マを原材料に不老不死の薬を作ろうとする伴淳、実験用キン◯マ調達に奔走する三國連太郎、この二人の掛け合いだけでメチャ面白い。逆を言えば、この二人以外のシーンがあまり面白くないのが玉に瑕。右翼青年団>>続きを読む

螢火(1958年製作の映画)

4.0

ファーストショットのグルグル回る水車は、淡島千景か旧態依然とした家族制から逃れることができないことの暗喩か。義娘の若尾文子は愛する男の為に家から逃れたのに対して、夫の伴淳から「子供を産んでくれ」と言わ>>続きを読む

奥様は顔が二つ(1941年製作の映画)

3.5

スキーシーンでバスター・キートンばりのドタバタに爆笑。

間諜X27(1931年製作の映画)

4.5

ディートリッヒがスパイを嵌める序盤の小気味良さに惹き込まれる。絢爛豪華なパーティシーンも最高で、パーティ会場の上の階と下の階で風船を使ったスパイ同士やり取りも小粋。愛した敵国スパイを逃したディートリッ>>続きを読む

風が吹くまま(1999年製作の映画)

4.0

ひたすら反復に次ぐ反復。これぞキアロスタミのしつこさ。家⇆丘⇆村と、限定空間の中で繰り返される反復と差異の蓄積で飽きさせない。“画面に何を映すか”の線引が緻密で、物語を動かす決定的瞬間がいつも映らない>>続きを読む

面影(1948年製作の映画)

4.0

声高に傑作と言いたくないくらい素晴らしい映画。『めまい』のような瓜二つの女性への妄執、中年男の若さへの羨望。ドロドロとした要素を上質なメロドラマへと置換する手腕の見事さ。タバコや写真など小道具の使い方>>続きを読む

エドワード・サイード OUT OF PLACE(2005年製作の映画)

3.5

故人の軌跡を辿る『SELF AND OTHERS』と同じ構成でありながら、あの映画のような映像の魔術は起きておらず、真っ当なドキュメンタリーに徹してる。それでも、パレスチナ難民キャンプ隠し撮りだけは『>>続きを読む

天使(1937年製作の映画)

4.5

ひたすら研ぎ澄まされた恋愛コメディの傑作。男女の三角関係だけで展開するシンプルでエレガントな語り口と、大胆な省略や隠喩を用いた巧みな演出に敬服する他ない。特にクライマックス。あのドアの演出でこのラスト>>続きを読む

五重搭(1944年製作の映画)

3.5

妄執にとりつかれた男の愚かさと崇高さ、師弟関係の確執と和解。劇的な展開の連続が60分の短尺に凝縮された濃厚さに痺れた。奥行きを巧みに活用した空間設計、パンによる的確なカメラワークと、五所平之助の演出が>>続きを読む

阿賀の記憶(2004年製作の映画)

4.5

『SELF AND OTHERS』の死者を映画の中で蘇らせる試みが拡張され、あの世が現前する途方もない映像体験。光が白く飛んだ映像とノイズ音によるエフェクトが白昼夢のようなイメージを与える。誰もいない>>続きを読む

SELF AND OTHERS(2000年製作の映画)

5.0

今は亡き写真家・牛腸秀雄を画面上に蘇らせる壮大な実践。生きた証を写真や肉声により繋ぎ合わせることで、存在と不在の二項対立が強烈に胸に響く。何より故人の"声"の存在感が出色。牛腸の作品と現在のロケ地が重>>続きを読む

花子(2001年製作の映画)

4.0

障碍者アートを巡る映画と思いきや、障碍者介護の限界を克明に記録している衝撃。佐藤真は真正面から被写体を撮ることで、詩的だったり残酷だったりする瞬間を、多角的に捉えていく。アート創作の過程を手のアップで>>続きを読む

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