RENさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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N号棟(2021年製作の映画)

3.0

常に謎が散りばめられて不思議なホラー。「考察型ホラー」と謳うだけあって、怖さよりも奇妙さ気味の悪さ胸糞さが強く押し出されている印象。
しかし考察型という要素、裏を返せば視聴者に判断を委ねては制作側は思
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フェルナンド・ボテロ 豊満な人生(2018年製作の映画)

3.7

豊満な絵を描くボテロのドキュメンタリー。彼が何故“ ふくよかさ”を好み、そして追い求めるようになったかが明かされる。
彼の原点はマンドリンだった。自分のスタイルを確立していく過程は本当に些細な発想から
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ツユクサ(2022年製作の映画)

4.0

隕石の欠片にぶつかったり、草笛が吹けるようになったりと、何かしらの奇跡に溢れている日々。他人は気にも留めないことや些細なことまで、様々な事柄が穏やかな町並みでゆっくりと過ぎていく。
誰もが何かしらの過
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明け方の若者たち(2021年製作の映画)

4.6

「残酷だったな、人生は思っていたより」という主題歌の歌詞がこの作品を物語っている。
「こんな筈じゃなかった」な日々を積み重ね、大小様々な落胆と絶望を繰り返しながらも希望を見出す若者たちの美しさよ。
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ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)

3.3

傍から見たら円満の家族の内情。毒親と胸糞でとにかく救いがない。
家庭内で1番の悪(と自分は捉えている)である母親の存在。家族の為、貴方の為と自身の理想を他人に投影しては正当化する姿勢。エゴと承認欲求を
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ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密(2022年製作の映画)

3.2

とにかくマッツ・ミケルセンのグリンデルバルド。最初の登場シーンから既にファビュラスが限界突破している為、ファンは予めAEDの使い方を学んでおく必要があると思われる。
ハリポタシリーズ初心者でもしっかり
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アネット(2021年製作の映画)

3.1

一般的なミュージカル映画やブロードウェイのスタイルから逸脱した大胆な映画。
主演のアダム・ドライバーから感じる力強さと異質さ。理屈では説明し難い“心”の部分に訴えかけるかの様な歌にズシンと殴られた様な
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瑠璃とカラス(2022年製作の映画)

4.6

進学校の落ちこぼれと不良校のヤンキー。相容れないであろう2人は同じはみ出し物だ。
凸凹コンビの掛け合いから見える笑いと高校生の苦悩。主題が漫才である為基本的にはコメディである。しかしふとした時にグロテ
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速水早苗は一足遅い(2022年製作の映画)

3.9

タイトルの通り主人公はとにかく遅い!自転車なのにランニングの人に追い越されるくらい。そんな彼女が遅いなりの幸せを模索する物語。
遅いものは遅い。どうにもならない。彼女ならではの苦悩を肯定できる人はどれ
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まんたろうのラジオ体操(2022年製作の映画)

3.7

片や激務の日々、片やラジオ体操に勤しむ日々。お互い同じ日常を過ごしているのにどうしてこんなにも違うんだろう。
生きづらさに押し潰された主人公が再起するまでの過程がラジオ体操を通じて癒されていく。
気張
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脱走球児(2022年製作の映画)

4.5

好きな物は誰にでもある。でもふとした時にそれが重荷になる。「あれ、俺今一体何やってんだろ」と。そんな2人が見切り発車で逃げてしまう物語。
だからこそ“嫌いになりきれない”のだ。逃げたはいいが、ふと怖く
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鶴美さんのメリバ講座(2022年製作の映画)

4.0

ありがちな少女漫画の実写映画みたいなやつ。そう思ってたよ!
予想の斜め上を行く展開にハラハラ。2人だけが互いに共有する秘密によって波乱が起こる。こんなラブコメありかよ!とツッコミたくなるのに嫌いになれ
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私ときどきレッサーパンダ(2022年製作の映画)

2.8

最初は今までのディズニーらしからぬ作風に戸惑うが、ダイナミックな映像や細部へのディテールは流石ピクサーと言ったところ。
レッサーパンダを軸に家族の衝突と再生を描く物語。要素自体はよくあるものだが、描写
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ベルファスト(2021年製作の映画)

4.2

穏やかな町の一角で起きた諍い。人々の温かい繋がりのすぐ傍で恐れや悲しみが存在するギャップ。
テンポよくコミカルとシリアスが行き来する展開。特に各登場人物の会話のリズム感が好き。クスッと笑える日常のパー
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

3.8

「ジョーカーの衝撃は序章に過ぎない」という言葉は決して誇張ではなかった!
ゴッサムに隠された嘘とリドラーの謎。嘘と謎が交錯し、アメコミ映画らしからぬダークなサスペンスが展開される。
リドラーはダークナ
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死霊館 悪魔のせいなら、無罪。(2021年製作の映画)

3.1

死霊館シリーズと言えばジェームズ・ワンだが、今作はマイケル・チャベス監督が担当。
「泣く女」めっっちゃ怖かったよ…そんな彼が死霊館作っちゃったらもう正解。
オカルトで法廷に挑むという突飛な筋書きなだけ
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国境の夜想曲(2020年製作の映画)

2.9

ジャンフランコ・ロージ監督が見た中東の記録。重くセンシティブなテーマのドキュメンタリーでありながらも美しい風景が映し出される。
戦争が日常に入り込んでもなお生きる人々から希望を見出した。

ライフ・ウィズ・ミュージック(2021年製作の映画)

3.1

アルコール依存症の姉と自閉症の妹。祖母の死をきっかけに苦難にまみれた生活が始まる。手探りの日々の連続だが人々に支えられ、孤独じゃないと教えてくれる。
ミュージカル映画という枠組みではあるが、歌詞は抽象
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ゴーストバスターズ/アフターライフ(2021年製作の映画)

4.2

ゴーストバスターズ2作品の正当な続編。あれから約40年経ち物語は孫世代へ。過去作品の懐古としての側面は当然大きいが過去に固執する事も無く、かと言って露骨に刷新する訳でも無いと言う非常に丁度いい作品。>>続きを読む

ドロステのはてで僕ら(2019年製作の映画)

4.0

ヨーロッパ企画らしい舞台感覚で観れる不思議な世界観。サマタイ同様1つ1つに伏線が沢山散りばめられているのも魅力。しかしサマタイ以上にドキドキ展開。建物1つで完結する狭さが親しみを増す。
藤子・F・不二
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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

5.0

観ました。報告。
試写会で、という優越感だけを添えて。それだけ。
それ以上は何も言わない。言ってはいけない。

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.8

圧巻!家族としての物語、ティーンとしての物語、障害との向き合い方としての物語、そして歌の力。全てが美しく絡み合った。
両親と兄が聾唖者の中で彼らをサポートする少女。家族で唯一の健常者である彼女はヤング
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Pure Japanese(2022年製作の映画)

3.0

怒れるスタントアクターVSヤクザ。
ディーン・フジオカがアクションをするという印象は全く無かったので「面白くなるの?」と懐疑的だったが、そんな懸念は全く必要なかった!
主人公は日光江戸村で働くアクター
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エターナルズ(2021年製作の映画)

4.6

淡く神秘的に展開されるストーリーはまさしく神話。ノマドランドを手がけたクロエ・ジャオの手にかかると、こんなにも美しい世界が広がる。MCUでありクロエ・ジャオ、クロエ・ジャオでありMCUというどちらの視>>続きを読む

カオス・ウォーキング(2021年製作の映画)

4.1

もしも自身の思考が筒抜けだったら?
考えていることが可視化されるこの星では誰もが隠し事が難しい。主人公のトッドも意図せず溢れる感情を制御出来ずにいる。
多感で繊細な年頃の少年の物語はありがちなストーリ
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ほんとうのピノッキオ(2019年製作の映画)

3.8

童話と言えば子供に読み聞かせをする簡単なファンタジー譚をイメージするが、本来は強い風刺を込めたサスペンス性やちょっとしたホラーが組み込まれたものが多い。
この作品は、“原作”に忠実に制作されており、「
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Cosmetic DNA(2020年製作の映画)

4.4

サイケデリックなビジュアルと腹を揺さぶるEDMで一気にこの映画の世界観に飲み込まれる。それは主人公の心の可視化。コスメ愛と男性への憎しみが混ざり、異様なカラーが広がる。
蜷川実花の様な単なるインスタ映
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.8

「シネマ・エクスペリエンス」というアオリの通り圧倒的な映像表現が正面からぶつかって来る。砂虫の捕食は力強さと共にどこか美しさもある。過酷な自然の表現は画角の広いIMAXでこそ真価を発揮。ため息が出る程>>続きを読む

ビルド・ア・ガール(2019年製作の映画)

3.6

陰キャの少女は才を信じ、自身の殻を破り堂々と歩く。
文章を書く能力に秀でた主人公は地元じゃ冴えない女子高生。それでも「このままじゃいられない!」と奮起しロックバンドの批評家として1歩を踏み出す。
成功
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ONODA 一万夜を越えて(2021年製作の映画)

4.2

第二次世界大戦最後の兵士、小野田を軸とした物語。彼自身が終戦を迎えるまで彼が何を見てどう生きたかが紡がれる。
長い間戦争に捕われることを強いられた要因は、終わりが見えなかったことにある。
普通の兵士な
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孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

3.9

「孤狼の血」というタイトル。1匹の狼。
劇中のセリフの通り、狼は強いが故に淘汰され絶滅した。
この作品で狼を指しているのはガミさんと上林だろう。警察の狼とヤクザの狼。2人とも強すぎるが故に淘汰された。
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キャッシュトラック(2021年製作の映画)

4.0

ガイ・リッチー×ステイサムという異色の組み合わせ。練られたストーリーを展開するガイ・リッチーが、暴力の権化とも言えるステイサムと相性がいいとは思えない。しかし思った以上の面白さを魅せてくれた。
双方の
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GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊 4Kリマスター版(1995年製作の映画)

3.9

自身の魂を義体という人型の容器に入れる。銀河鉄道999にもある要素だ。
この作品のポイントは、「命そのもののアイデンティティ」という哲学に近いものを論じている点。記憶を人工の脳にインストールして機械の
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リョーマ! The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様(2020年製作の映画)

4.0

物語は全国大会決勝のリョーマvs幸村から始まる。開始15秒でダンスが突然始まるが、これはまだ序の口だ。ここから1時間半に渡る異常な映像を体験することになる。
テニミュがそのままアニメになっただけの演出
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ムーンライト・シャドウ(2021年製作の映画)

3.7

恋人を亡くした人々。その喪失感は、まるで軽く叩いたら簡単に壊れてしまうような、そんな不安定で儚い心情を表している。
この作品のポイントは食事にあると思う。誰かと食事を摂ることでその人の人となりが分かる
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