マテさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

しあわせな孤独(2002年製作の映画)

4.4

観ている最中は、生々しくて痛々しくて、ひどく厭らしい人間的な物語に思える。けれど最後の落とし所が見事に丁度よく、邦題の「しあわせな孤独」がとてもしっくりきた。デンマーク映画、やっぱり好きだな。

スターリンの葬送狂騒曲(2017年製作の映画)

4.0

ブラックジョーク的な茶番劇かと思って観ていたが、最終的にはとても切なく、悲しい余韻が残った。そして、ものすごく怖い「史実に基づく物語」だった。こと独裁国家では、指導者の死は一大事だものね…。

悪魔のような女(1955年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

殺すまでが長いし、死体が消えるまでも長い。とはいえ、そのダラダラと続く退屈な描写に我慢した忍耐力はラストの種明かしで報われた気がしたのだが。でも直後の探偵に見つかる展開にガッカリした。そういう因果応報>>続きを読む

悪党に粛清を(2014年製作の映画)

3.7

何か目新しいものや意外な展開などがあるわけではないが、楽しく観れた。げに素晴らしき西部劇マッツ。英語とデンマーク語のバイリンガル・マッツもありがたい。
彼の出演作すべてで言えることだが、今作もマッツの
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永遠の門 ゴッホの見た未来(2018年製作の映画)

3.5

ウィレム・デフォーの表現力が凄まじいことが、痛いほどに伝わってくる。ゴッホ自身も生きづらかっただろうが、周りにいた善良な「普通の人々」も苦しく、恐怖したに違いない。神父マッツはきれいだが、なんだかとて>>続きを読む

THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

4.9

「痛いほどの沈黙」というものを、身をもって理解した。息をするのすら躊躇われるほど真剣に相手の状況を汲み取ろうとしたのは、はじめてかもしれない。主人公にひどく共感できる…というか、まるで自分が彼と一体化>>続きを読む

ゾンビーバー(2014年製作の映画)

2.8

エンドロールの「ゾンビーバーの歌」(?)は傑作だった。あの歌以外はぜんぶ蛇足。
大した内容のないB級スプラッタエロホラーを1時間半、2時間にダラダラと引き伸ばさなかった点については評価できる(とはいえ
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シニアイヤー(2022年製作の映画)

3.6

泣き止みたくて観たのに、結局こっちでもポロポロと泣いてしまった。愛のこもった、いい話だね。

ウィリーズ・ワンダーランド(2021年製作の映画)

3.7

「ニコラス・ケイジがお化けに襲われるも返り討ちにしていく映画」と聞いて興味を持った。それ以上でもそれ以下でもないかなぁ、と少しガッカリしていたら、若者たちが本格的に参戦したあたりからどんどん面白くなっ>>続きを読む

ザ・ドア 交差する世界(2009年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

「死と再生」「喪失の受容」。サスペンスホラー要素も含めてとても好みの作品だった。マッツは言うまでもなく至宝だし(ドイツ語も流暢で素敵)、「守護天使のパパ」に徐々に懐いてくれる娘ちゃん可愛すぎた。

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呪術召喚/カンディシャ(2020年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

判断が遅いというか、なんというか。でも命と引き換えに守るのは本当に大切な人のためでないとできないよね、という妙な納得感あり。
ウサギさんかわいそう。弟くんは…なぜそうなる? お姉さんが悪霊に転生しない
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人生のコンマ(2016年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

冒頭がクライマックスで、あとは尻すぼみだった気もするが、ハムレットみたいなことを考えてばかりいる私には、なるほどと思わされた部分もある。

「どんな哲学的 宗教的 科学的信念があれば 死で存在が終わる
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麻薬密売人 プッシャー(1997年製作の映画)

3.3

「ブリーダー」に似た雰囲気だと思ったら、監督が同じだった。失敗した麻薬売人の恐ろしいほど八方塞がりな転落劇。
スキンヘッドの若マッツはかわいい。でも「この子本当に頭悪いんだろうな」といった雰囲気や、ふ
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ヘアスプレー(2007年製作の映画)

3.6

「とても非現実的だが、良いお話」という感じ。絵に描いたようなハッピーエンド。
何をどうすればトレイシーのような絶対的自己肯定感にあふれた人間が出来上がるのだろう。うらやましい。

ジュラシック・パーク(1993年製作の映画)

2.0

最新作の予習のつもりで視聴。困ったことに全く惹かれなかった。「そういう時代」だったとはいえ、女性の描かれ方も好きになれないし。
結局のところ、not for meということ。たぶん続編は見ないと思う。

ザ・ロストシティ(2022年製作の映画)

3.7

宝探しの結末はよくある感じだったが、テンポの良い会話劇は秀逸なコメディだったし、所々ニヤニヤ笑えて楽しかった。あとブラピが恐ろしくセクシー。救出作戦のチャニングもキュートだったので、男性二人の絡みもも>>続きを読む

(2007年製作の映画)

2.5

たった13分なのに耐え難いほど長く感じた。たぶん感性が合わない。湖の水がやたらと緑色がかっていることばかりが気になった。健康に悪そう。

18歳の"やっちまえ"リスト(2020年製作の映画)

2.5

良くも悪くも若者向けかな。ティーンになら刺さるかも。私の心を晴らしてはくれなかった。いくら人生迷子だからって映画に「人生の参考」とか「生きるヒント」とか求めてこの作品を観た時点で私自身がとても馬鹿だと>>続きを読む

ライダーズ・オブ・ジャスティス(2020年製作の映画)

4.7

素晴らしかった。じわじわ笑えるシーンもあり、しかし心に響く豊かな余韻を残してくれる。デンマーク映画、とても好きかもしれない。
優雅で高貴なマッツもいいが、無骨で不器用なマッツもいいね。逆立ちコーラのシ
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ゾンビ・プレジデント(2020年製作の映画)

2.9

これが台湾映画の普通なのか、その中でも微妙なB級スプラッタ系コメディなのか、それともギャグの中に風刺含ませた(?)結果よくわからないものが爆誕してしまったのかは謎だし、別に面白くはないが、台湾映画初体>>続きを読む

ブリーダー(1999年製作の映画)

3.7

どこか乾いているような、空虚な雰囲気に悲しみを覚える。普通に幸せになりたいと思いながらも、そうなることを恐れているから、いざ目の前に灯りが見えると逃げようとする。分不相応に思える幸せに翻弄されるより、>>続きを読む

サマー・オブ・84(2017年製作の映画)

4.7

「すこし大人のスタンド・バイ・ミー」としてもホラーサスペンスとしても完成度の高い作品に思えた。特にスタンド・バイ・ミー要素については本当に完璧。こういうのが観たかったんだよ。
最後、バラバラになってし
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mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

3.3

製作者がこの時代を好んでいることはなんとなく伝わってくる。でも私にとっては、瑞々しさと切なさと染み入るような愛情が不足している作品に感じられた。というか、そういうものを描こうとしている作品ではない気も>>続きを読む

キング・アーサー(2004年製作の映画)

3.1

全く好みじゃない。イマイチ盛り上がりにかけるし、突っ込みどころが多くて物語に入り込めないし。でも大好きなマッツがいつ出てくるか分からないから画面から目を逸らせない。好きじゃないものを真剣に見続けるのは>>続きを読む

グリーンマイル(1999年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

「人間は皆、自分のグリーンマイルをそれぞれの歩調で歩いているのだ」

優しくて悲しく、切ないお話だった。ネズミさんを残して逝く囚人の悲喜が胸に響く。クラシカルな雰囲気も素敵だった。
ただ、死刑囚として
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モスル~ある SWAT 部隊の戦い~(2019年製作の映画)

3.6

もちろん本物とはほど遠いのだろうが、戦闘の緊迫感が凄まじく感じられた。現実に基づく物語だからこそ、SWATの活躍で国が救われたり敵を殲滅できたりすることはなく、ただ彼らの家族をほんの少しだけ癒すことが>>続きを読む

愛してるって言っておくね(2020年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

銃規制についてがテーマの映画なのだろうが、それについて考えさせられるという以前に、打ちひしがれる両親の姿にボロボロに泣いた。もう全部やめたくなることは毎日のようにあるけれど、これまで関わってきた人たち>>続きを読む

整形水(2020年製作の映画)

4.0

ハッピーエンド…なのかもしれない。
予想の斜め上を行き続けるトンデモ展開が面白すぎる。「えぇ…そんな事になるの…?(ドン引き)」みたいな衝撃の連続が、個人的にはとても好き。空いた口が塞がらないという類
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銀河英雄伝説 Die Neue These 激突 第三章(2022年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ノイエ銀英伝はこれまでも全部観てきたが、その中でも一番くらいに面白かった。特に要塞砲の撃ち合い、ローゼンリッターvs帝国陸戦隊、メルカッツ提督vsミュラーくんのあたりが秀逸。わが推しロイエンタール閣下>>続きを読む

ナチス・バスターズ(2020年製作の映画)

3.3

イングロリアス・バスターズ的な映画かと思っていたが、そこまで派手ではない戦争映画だった。よく見たら邦題が悪い。原題(?)はRED GHOSTなんだから。
とはいえ大尉の下半身モザイクの下りとかよかった
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ニュームーン トワイライト・サーガ(2009年製作の映画)

3.0

しっとり系。アリスに語りかけすぎ。フラフラと揺れるベラをしらーっと眺めてしまった。死ぬほど病んでて引く。お父さんが気の毒。
前作はそこまで恋愛っぽくなかったから割と楽しめたが、今作のような、恋愛の話し
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ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮(2012年製作の映画)

4.8

とても不幸でやるせない。誰もが国王を軽んじ、見下し、利用した。確かに不倫なのだろう。でもそれを責める気には少しもなれない。安っぽい愛の話ではないのだ、この歴史は。国を変えようとした。人を愛した。それだ>>続きを読む

レディ・オア・ノット(2019年製作の映画)

3.5

グレースが息を呑むほどの美人。結構笑えるシーンが多くて助かる。怪我シーンも痛々しいけど痛すぎず、ファンタジック()な感じがいい。弟愛の深いお兄さん推せた。

海辺のエトランゼ(2019年製作の映画)

3.3

あまりBLっぽくないかと思えば、典型的なBLっぽさもある不思議な作品だった。海いいなあ。鮮やかな沖縄がとても綺麗。行きたいような気がしてくる。