ひろあきさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ひろあき

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親密さ(2012年製作の映画)

4.3

「濱口竜介と平野鈴が行っているのは、平行線を平行線のままに「親密さ」に変えることなのだ。決して交わらない線をねじ曲げて交わらすことでも、同様にその線を引き離すことで相対的に以前の近さを仮構するのでもな>>続きを読む

パリ、テキサス(1984年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

かなり疲れたのでとりあえず殴り書き。

『ベルリン・天使の詩』を観た後に本日二本目のヴェンダース。休憩が20分くらいしかない中、走ってコンビニに駆け込みシーチキンおにぎりとレッドブルを買ってまた映画館
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処女オリヴィア(1950年製作の映画)

3.7

フランスの女学校の寄宿舎を舞台にした百合ロマンス。テンポが良くて面白かった。俺は100ジュリー派。ジュリー派のことをジュリスト(裁判官、弁護士、法学者)と呼ぶのは覚えてるのに、カーラ派のところは意識が>>続きを読む

アンチクライスト(2009年製作の映画)

3.3

宮台真司は、〈世界〉と〈社会〉という概念を提示する。〈世界〉とはあらゆる全体であり、故に輪郭がなく、表象不可能である。一方〈社会〉とは輪郭があり、社会生活を円滑に営む上で共同幻想として措定された〈世界>>続きを読む

MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ちょっと自分の頭では理解できなかったのでメモだけ。

•地球の核から響く轟音と表現されるあの音の正体は何?→下から上に突き上げる音?
•直感としては、下という方向と、暗闇、無音が重要なモチーフとしてあ
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寝ても覚めても(2018年製作の映画)

5.0

濱口竜介のインターテクステュアリティの強度よ。多分そろそろ岡田将生もね。

湖のランスロ(1974年製作の映画)

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開始5分くらいでペットボトルの蓋を開けたら、隣に座ったおばさんに静かに!と注意されて萎えた。絶対うるさくない自信ある。

女と男の観覧車(2017年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

辛い映画だ。
ジニーは息子もミッキーもそこまで好きじゃない。彼女が本当に愛しているのは「女優である私」なのである。彼女はそれを邪魔する貧困や加齢に対して感情的にキレ散らかし、利己的に生きる。しかしこの
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(1985年製作の映画)

4.4

狐の首や、三本の矢の辺り等、シェイクスピアの会話にありそうな機知が日本的に解釈されて登場していた気がする。昔の日本映画のファムファタールには本作といい同監督『羅生門』といい魅力的な狂人が存在したが、そ>>続きを読む

アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)

5.0

濱口竜介の『偶然と想像』を見た後に鑑賞。この順番がすごく良かった。イーストウッドの脚本の取捨選択が素晴らしい。

怒りの日(1943年製作の映画)

3.2

昔の映画を見た経験があまり無いので、時間の流れ方の遅さに苦戦した。

奇跡(1954年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

同監督の『怒りの日』が魔女狩りの話だったせいもあり、キリスト教への不信が高まった中で神を信じろ、さすれば奇跡を、さもなくば死をと言われても、そんなもの拒否したくなってしまう。あと、何故弟は理性を取り戻>>続きを読む

東京ゴッドファーザーズ(2003年製作の映画)

3.7

二億円を手にした所為で人生がめちゃくちゃになってしまったゴッドファーザーズ。清子が引き起こす奇跡の連続によって日本は再びバブル経済に突入したが、バブル崩壊後の地獄を確信した彼らは清子を磔刑に処す!しか>>続きを読む

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

この物語は、第一部は女が家を出るまで、第二部はゴーストが自殺をするまで、という三部構成をとる。

第一部において、『A GOHST STORY』というタイトル、そしてゴーストに目があることから、観客は
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三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実(2020年製作の映画)

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空間が無くなれば時間もなくなるというアインシュタイン以降の世界を生きる彼らにとって、解放区(=グランドゼロ)の存在意義はその持続性に依存することはない。つまり、当局に弾圧され立退を強制されることは、少>>続きを読む

ハッピーアワー(2015年製作の映画)

5.0

ドライブマイカーの劇中劇の巧さには唸ったが、本作も劇中ワークショップ、劇中朗読が物語上で作用するだけでなく、物語の外へ外へとあふれ出て行く様が圧巻だった。新文芸坐のオールナイトで見て正解の映画体験でし>>続きを読む

バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

4.3

本作はフォークナー原作の『納屋を焼く』と、それもモチーフにした村上春樹の『納屋を焼く』の両方に対するアダプテーションである。そしてこれはさっき見た『レイニーデイインニューヨーク』と同じ系統。つまり村上>>続きを読む

レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019年製作の映画)

4.3

村上春樹のバカさを笑うユーモアがある。面白いっちゃ面白いけど、自分の中の小市民性をギャッツビー(文化資本への憧れ)と売春婦(資本主義への怒り)の両方向から引き出されてる気がして腹立たしい。

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男はつらいよ 寅次郎恋愛塾(1985年製作の映画)

2.3

うだつの上がらない男が何故か美人と結婚する家父長制的映画。
もしくは、親の自殺に自責の念をもつ女が、自分が振った男が傷心ゆえに自殺を試みることを知り、そこで親子の関係が男女の関係に転移することで女は親
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欲望の翼(1990年製作の映画)

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脚の無い鳥の話はテネシーウィリアムズの戯曲「地獄のオルフェウス」から。ちょうど先日その舞台を見たのだが、106歳のばあさんの演技が凄かった。