MaUさんの映画レビュー・感想・評価

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熊は、いない/ノー・ベアーズ(2022年製作の映画)

3.8

熊はいないのか、熊などいないのか、だけど熊はいる、のか…

映画監督のパナヒはイラン出国を禁じられており、国境沿いの村からリモート通信で指示を出しトルコの国境沿いの町でのドキュメンタリー撮影を敢行して
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マルモイ ことばあつめ(2018年製作の映画)

3.6

このところ少しハングル(文字)を勉強している。一歩ふみこんでかなり読めるようになり、看板や表示を読むのが楽しい。今の私はまるでこの作品中のパンス(ユ・ヘジン)のような気分で、文字を得ていく彼の高揚感は>>続きを読む

アナログ(2023年製作の映画)

4.0

インタビューで悟役の二宮和也はこれは決してファンタジーではないと語った。でもあえて私は言う。これは素敵なレトロファンタジーなのだと。

アナログの手ざわりにこだわる建築デザイナーの悟は、ある日自身が手
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CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

3.8

花卉農家の息子レオとその親友レミ。二人は兄弟のように時を過ごし、いつも共にいた。その友情はなぜ壊されなくてはならなかったのだろうか。

起こったことの理由は誰にもわからない。正解もない。残された者は互
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東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-(2023年製作の映画)

3.4

血のハロウィン編完結。GWの前編に続き映画館で鑑賞。ヤンキー群像劇ながら、これだけの役者陣を当てて原作の世界観を壊さないように作り上げているので見逃せず。

対立するチームの抗争。かつて仲間だったはず
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怪物(2023年製作の映画)

3.8

怪物だーれだ。さて、怪物は誰だったのだろう。そもそもこれは怪物を探す話ではないけれど。

大きな湖を臨む街。穏やかな日常の中で人々は懸命に生きている。火事になったり学校で問題が起きたり、ある人には重大
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KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)

3.8

かつて民主化への信念で革命を起こした男たち。同じ思いを持つ同志の彼らがなぜこんなふうに道を分かつに至ったのか。史実に基づくハードでポリティカルな作品。重厚。

史実に基づくフィクション。実際に起きた1
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お嬢さん(2016年製作の映画)

3.8

「別れる決心」を見る前にずっとリストに入れてるチャヌク監督作品を、と思いチョイス。公開当時勇気が出なくて行けなかった作品をようやく。

日本統治下の朝鮮。詐欺師の藤原の話に乗り、上月家のお嬢さんの侍女
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モリコーネ 映画が恋した音楽家(2021年製作の映画)

3.9

私の出会いは「アンタッチャブル」。まさにエンニオ・モリコーネの音楽はキャストを包むアルマーニの衣装とともに作品の大事なパートを担って今も強く印象に残っている。そして生涯で五本の指に入る大好きな映画「ニ>>続きを読む

はちどり(2018年製作の映画)

3.4

はちどりのように必死にはばたきを繰り返し飛び続けようとする14歳のウニ。孤独で独りぼっちに思えても。先がどこにつながるのか見えなくても。

舞台は1994年のソウル。団地で家族と暮らすウニの14歳の日
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そして、バトンは渡された(2021年製作の映画)

3.2

「森宮さん」と暮らしている森宮優子。卒業式でピアノを弾かなくてはならない。真面目で不器用な「森宮さん」にはイライラする日々。そこに交錯するみぃたんの話。母の死後、父のところにやってきた奔放なリカと三人>>続きを読む

ベル・エポックでもう一度(2019年製作の映画)

3.4

あの頃はよかった、あの頃に戻りたい、そんな夢をかなえてくれる場所があったとしたら…

仕事も夫婦の関係もうまくいかない初老の元イラストレーター、ヴィクトル。よかった時代は過ぎ去り、妻ともうまくいってい
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.6

封印しても心の奥底にひそんでいるいたみ。向き合うときは人それぞれ。そしてタイミングがきたら戸締まりをして未来へと進むのだ。


鈴芽にしか見えない巨大なミミズ、そしてその先には廃墟の中にある謎の扉。閉
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82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

3.6

女性の幸せってなんだろう。これから局面を迎える人も、振り返るとそうだったと思う人も、全ての女性の永遠の課題がそこにある。

1982年生まれのキム・ジヨン。優しい夫と2歳の子供と平凡に幸せに暮らす彼女
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君の名は。(2016年製作の映画)

3.4

忘れたくないもの、忘れてはいけない言葉、忘れられない人。若さのどこかに置き忘れてないか、そんなことを考える作品。

実は初めての鑑賞。天気の子は劇場で観たがこちらは機会を逸してしまい… すずめの戸締ま
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ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)

4.0

罪もない民間人たちが多く収容されたラーゲリ。極寒の不毛の土地シベリアで希望を捨てずに生きた人たちのたしかな記録の映画に自然と涙が溢れる。

第二次大戦、終戦の少し前、突如ソ連が侵攻し、満州にいた多くの
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

3.6

少し前、あなた絶対に好きな作品だと思うと友人に勧められた。ずっと観れていないのをふと思い出し観賞。予習なし。

照明技師として働くテルオとタクシードライバーのヨウ。そんな二人の思い出を出会いの頃まで遡
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20世紀のキミ(2022年製作の映画)

3.6

おすすめに上がってきた青春作品、となにげなく見始めて途中から展開に号泣。青春の拙さと輝きと切なさがギュッと詰まった作品。キュンキュンする…

療養中の友人に頼まれて恋の相手ヒョンジンをリサーチする高校
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ダウントン・アビー/新たなる時代へ(2022年製作の映画)

3.6

新しい時代を迎える貴族の家族。たくましくしなやかに気品を持って生きる彼らの表と裏の群像劇にいつも心を奪われる…

ドラマでシーズン6まで展開し、その後映画が今回で二作目。それでもやっつけやあるあるなな
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恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)

3.4

その時、彼女との距離は0.5ミリ。57時間後僕は彼女に恋をした…(なつかしいー)

まとまった休日にちょうど企画されていたウォン・カーウァイ作品4Kレストアを観たいと考えていた。花様年華やブエノスアイ
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明け方の若者たち(2021年製作の映画)

3.2

明け方は若者の時間。少し斜めから世の中を見ている(つもりの)自分。うまく流されている仲間たちとは温度差があって、ふと、この人もそうかもと思って目が合った瞬間、恋は始まるのかも。そして泣いたり笑ったりの>>続きを読む

ヘルドッグス(2022年製作の映画)

3.5

原田組のノワール作品。今回は潜入捜査と極道の世界。決して軽くはないけどバランスがよかった。

過去のとあることから表で転落し、潜入捜査官として動くことになった男。潜入時のバディとして狙うのは組のサイコ
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グッバイ・クルエル・ワールド(2022年製作の映画)

3.2

このトチ狂った世界にさようなら。破裂しそうなくらいに作品に詰め込まれた監督の男のロマン(敢えて使うこの言葉)を最初から最後まで逃げ場なく見せ続けられるロワールでバイオレンスな話。

冒頭からバイオレン
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百花(2022年製作の映画)

3.4

「半分の月が見たい」。母の本心はどこにあるのだろう。過去にわだかまりを抱えながら、記憶を失っていく母を見守る息子の現在と過去の日々を描く物語。

川村元気さんは「世界から猫が消えたなら」が好き。今回初
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.8

近海で漁に出て生計を立てている家族。その家族の中で唯一の聴者である娘のルビー。高校の選択授業で歌うことを選んだことをきっかけに彼女の夢が動き出すのだが…

こうした障害のある人々を取り上げた話は難しさ
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TANG タング(2022年製作の映画)

3.4

ポンコツロボットTANGとポンコツな健が出会い、旅をする。その旅でポンコツたちが見つける本当に大切なものとは。

英国原作の近未来のお話。映像化が待望されていたという心温まるファンタジーだ。それをきれ
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.6

誰もが知るウルトラマンを現代日本で描く新解釈。庵野さんがどう料理するか楽しみだった。コロナ禍で公開がかなり遅れ、やっと日の目を見た。一言で言うなら好き。

なぜか日本にだけ出現する禍威獣(かいじゅう)
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カモン カモン(2021年製作の映画)

3.9

一人で暮らす男がある日甥を預かることになる。それは数日のはずがLA→NY→NOと街を変えてさらに続き、お互いにお互いの存在を心に刻んでいく。マイク・ミルズらしさに溢れたロードムービー。私は大好きだ。>>続きを読む

とんび(2022年製作の映画)

3.5

昭和から令和にかけてまっすぐに生きた父と息子の物語。不器用ながら温かく息子を愛する父。若さゆえにそんな父の真意までは理解できず自分の道を模索していく息子。周りで見守る人たち。親子の愛や絆とはなんだろう>>続きを読む

余命10年(2022年製作の映画)

3.8

まっすぐに病のことを描きながら、恋、家族、仕事、という若者を巡る普遍的なテーマもそこにしっかりと置いて丁寧に軌跡を追っていく作品。大好きな藤井監督の作品で、桜の時期に観たいと思っていたので映画館に行か>>続きを読む

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