ちーずとまとりんごちょこさんの映画レビュー・感想・評価

ちーずとまとりんごちょこ

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ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「子供って乾く前のセメントみたいななんですって 落としたものの形がそのまま跡になって残るんですよ」

それを信じる整君は色んなものを落とされてボコボコになった、まだ乾ききってない汐ちゃんにカウンセリン
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マイ・エレメント(2023年製作の映画)

4.3

違うエレメントとは一緒になれない。

異種族たちがそれぞれエリアごとに分かれて共存するエレメント・シティでの物語。

象徴的で、とてもピクサーらしく、とてもディズニーらしい。

自分と180度違う人に
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怪物(2023年製作の映画)

4.9

よく、映像か、小説かという議論が起こる。
私個人としては、映像でしか味わえない何かがあるのか、文字に起こすと化ける何かがあるのか、で判断している。

今作は間違いなく前者だ。

極力前情報を得ていない
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記憶にございません!(2019年製作の映画)

3.5

この無責任なユーモア、良い!

登場人物一人一人のキャラが立ってて、それぞれの関係性も、そんなわけ笑笑ってつっこみたくなるバカ設定が最高!

誰も傷付かないお笑い純度100%の映画だから、安心して観れ
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死刑にいたる病(2022年製作の映画)

3.9

原作必読!…と言いたいところだけど、人に勧められる内容じゃないから、ジレンマ。

かなりグロテスクなので要注意!
めちゃくちゃ嫌な気持ちになるけど、その描写が榛村大和という人物を描く上でかなり重要であ
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海がきこえる(1993年製作の映画)

4.9

海がきこえるの続編小説を読んで懐かしくなり、再視聴。

ジブリ作品の中で知る人ぞ知る名作だと思ってる。
ちなみに宮崎駿はこの作品お気に召さなかったらしく、アンチテーゼとして作ったのが『耳をすませば』っ
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海獣の子供(2018年製作の映画)

3.8

賛否両論別れる映画。

「意味が分からない」という声も目立つ。

私も思った。
よく分からなかった。

でも、何て表現していいのか。白けるような、嫌な分からないじゃないんだ。

子供の頃、絵本の読み聞
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劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(2020年製作の映画)

4.8

ヴァイオレットは、私達だ。

皆、"愛してるを知りたい"と思ってる。

恋愛、友愛、家族愛、隣人愛、愛がつくものが多すぎて、惑わされる。

友情も、恋愛も、その先に形を変えていく愛の違いなんて、未だに
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ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -(2019年製作の映画)

4.7

現代では、自己犠牲は良しとされない。

「まずは自分を大切にしなければいけない」

書籍、ブログ、動画、色んな媒体を通して、私達はそんな新たな幸福の基準を受け取り、受け入れ、それが今では世界全体の基準
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愛してるって言っておくね(2020年製作の映画)

4.5

アニメーションの持つ力はすごいと改めて思わされた。

原題『If anything happens l love you』

英語圏では、電話を切る際、

ByeにLove youをつける文化がある。
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銀河鉄道の父(2023年製作の映画)

4.0

試写会にご縁があり、観賞。
貴重な体験を、ありがとうございます。

宮沢賢治は、【自己犠牲】に生きた男だった。

「雨ニモマケズ 風ニモマケズ」

あまりにも有名なこのフレーズで始まる詩の続きは、意外
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

5.0

とんでもないアニメーション作品を見つけてしまった。

ダサさには沢山の種類がある。

大のように、自分こそがこの小さな場所から、世界一のジャズプレーヤーになると信じて疑わず、汗まみれで練習して、ただひ
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RRR(2022年製作の映画)

4.2

3時間ある本作の中盤に、INTERVALの文字がでかでかと画面中央に表示されて、そのまま続行した時に始まり、

洒落にならない重傷負ってても即席で作る薬草汁で全部済ませて、しかも何故かそれで普通に(?
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ちひろさん(2023年製作の映画)

3.9

「僕たちはみんな、人間っていう箱に入った宇宙人なんだ。やってきた星がバラバラなんだから、分かり合えないのが当然なんだよ」

志は違ったとしても、
そもそも志なんか持ち合わせていない相手でも、
肩書きも
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無垢なる証人(2019年製作の映画)

4.0

矛盾を感じたとしても、目を瞑って生きる。

それは世界を生き抜いていく上で、一番賢いと言える選択肢なのかもしれない。

大きな矛盾に直面したとしても、
善悪の判断すらせず、自分の立場や肩書き、世間体を
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ある男(2022年製作の映画)

4.6

相手の全てを受け入れるのは不可能と思うのは、自分の全てを受け入れてもらうなんて不可能だという、無意識の諦めの裏返しかもしれない。

自分らしくありたいと願う反面、
幸せになるためにと躍起になって、否定
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ハンナ・アーレント(2012年製作の映画)

4.2

この世界は、大勢のひよりみ菌と、ほんの一握りの善玉菌と悪玉菌でできている。

アイヒマンは、悪玉菌が優勢な時に加勢したひよりみ菌にすぎない。

当時巨悪と騒がれたもの。
現代で巨悪として騒がれるもの(
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

5.0

9回観に行ったけど、観れば観るほど井上先生のこだわりっぷりに驚く。

いくつか例を挙げる。

・赤木が転倒して脳内シーンに入るところ。
起きあがろうとして、左腕を支えに上半身を起こす時に、左腕に力が入
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月の満ち欠け(2022年製作の映画)

4.3

前情報からファンタジー要素が強いのかと思ってたけど、私はこの作品、とてもリアルに感じた。

仏教では輪廻転生という考え方があり、それによれば、生も死も輪廻の一部でしかない。

自分や自身の人生を呪って
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.5

タイトルに騙された。

この映画ではキャラクター1人1人の階級(とあえて言わせてもらえば)が、気持ちいい程あからさまに描かれている。

簡単に分かりやすく表すとこうなる。

幸一郎:ガチの貴族のご子息
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グリーンデイズ(2017年製作の映画)

4.0

気持ち悪いぐらいにリアル。

共依存、幻覚、強迫、摂食。

恐ろしいのはこれが誰にでも起こり得るってこと。

最後も不穏な終わり方だけど、それさえもリアル。

原題「Feed」

人に勧められるかと聞
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.8

最近観た映画の中ではぶっちぎり1番の作品。

ルビーの生きがいである「歌」というものを、耳の聞こえない家族は理解できない。

ろう者であることに常に引け目を感じ、娘がいなければ生きていけないと考える両
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天才作家の妻 -40年目の真実-(2017年製作の映画)

4.0

原題は『The wife』

邦題はやっちまった感すごい。
集客のためにここまで変えるかねぇ。

この作品は内容は特別斬新な訳でもないんだけど、それでも最後まで楽しめたのはこの奥様役の女優さんの演技!
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映画 聲の形(2016年製作の映画)

4.3

自分が犯した過ちに言い訳をペタペタ貼り付けてなかったことにするのってすごく簡単。

しょうやは自分の行いを心から悔いて、必死に償うことから逃げなかった。

それってどれだけ大変なことか。

「君に生き
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チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)

4.2

法律は人を守るためのものである限り、常にその存在意義を問われている。

この作品では正に法律という存在そのものが揺らぐ瞬間を捉えている。

人を守る仕事をしてるなら、余所見も、それに付随する感情から逃
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.7

これが花束みたいな恋かぁ。

綺麗なお花を見繕って、
組み合わせを考えて、
結び合わせて、
紙で丁寧に包んで、
花を際立たせるリボンで飾り付けて、
それで花束になる。

でもそれが最高に綺麗な瞬間で、
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22年目の告白 私が殺人犯です(2017年製作の映画)

3.2

展開は読みやすかったから、もっと単純に終わるかと思ったけど、

後半15分は読めない展開だったからびっくりした。

復讐に身を売るって、文字通りろくでもないと個人的には思う。

でも落とし前をつけない
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テッド・バンディ(2019年製作の映画)

3.5

テッド・バンディ。

シリアルキラーという言葉は彼から生まれた。

沢山ドキュメンタリーも出てたし、本も出てるから、期待してた作品。

ザック・エフロンは当たりだと思った。
かなりテッド・バンディのこ
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窮鼠はチーズの夢を見る(2020年製作の映画)

4.1

失恋ショコラティエの作者さんが原作描いてるからどんなもんかなと思って観てみた。

性別がどうたらこうたらはどうでもいい。

人を好きになるって本当に難しい。

恭一は自分を好きでいてくれる人を選んでき
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アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)

4.6

恋愛を始まりから終わりまでを大画面で見せてもらっている贅沢な映画。

出会った時の、何かが始まりそうな予感や、
深まっていく過程の気恥しさ、
結ばれる時の激しい情動、
ちょっとした擦れ違い、
大きくな
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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(2014年製作の映画)

4.7

彼の人生はあまりにも切ない。

彼は若くして死ぬまで日の目を見ることはなかったし、彼もそれを求めてはいなかった。

紛れもない天才で、自分の果たすべき役目を全うした。

彼の偉業無くして現在のイギリス
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日本のいちばん長い日(2015年製作の映画)

3.5

終戦に至るまでの過程にあった、上に立つ者達の覚悟や、ケジメの付け方。

かなりの登場人物が出てくるので、深堀したというよりかは大きくまとめた感じ。

戦争体験は基本的に一市民だった人々から語られること
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バイス(2018年製作の映画)

3.0

政治的なコメントをする程の内容でもないし、風刺を無理やりコメディに置き換えた感じ。

オススメする人を見極める必要がある(笑)

反対の派の人じゃないか、このあからさまな皮肉が伝わる人かどうか(笑)
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漁港の肉子ちゃん(2021年製作の映画)

4.0

子供として、複雑な気持ちで見てしまう人も沢山いると思う。

私もそうだった。

子供は親にとって、時に残酷な程鋭くて、知らないうちにどんどん大きくなっていく。

子供は親が思ってるよりも、ずっとずっと
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