ふみぃぃeeeeeさんの映画レビュー・感想・評価 - 17ページ目

それから(1985年製作の映画)

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今も昔も変わらず存在する叶わない恋の話。男女間の格差や抑圧された恋愛観に明治という時代を感じさせた。
高等遊民という生き方がモラトリアムの青年そのもの。主人公の後悔の念が重すぎて、別の道を進めば良い
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偶然と想像(2021年製作の映画)

4.5

不思議な映画体験だった。いや〜、めちゃくちゃ面白かったな。ヨーロッパ映画の雰囲気漂う綺麗な映像と、日本語での会話の美しさが段違いに良過ぎてずっと引き込まれていた。国際的に評価されたことも、なんか分かる>>続きを読む

恋は雨上がりのように(2018年製作の映画)

4.0


青春映画としてかなり好き。昔、原作漫画を読んだけど、今回の映画版とは雰囲気が結構違う気がした。原作はここまで、爽やかだったかな??
大泉洋と小松菜奈がとにかく可愛かった。(前者はおじさんの哀愁みたい
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ラブ・アクチュアリー(2003年製作の映画)

3.5


こういう群像劇はやはり好き。現実感がない話が多々あったのは事実。それでも、どのオムニバスにも中盤に不穏な空気感作りがしっかりとタメになって、一気にそれぞれの思いが結実していく終盤の展開には胸が熱くな
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ウォルター少年と、夏の休日(2003年製作の映画)

3.5


渋すぎおじさん二人のマッチョイズム。ウォルター少年が男らしさを学び、日々成長していく。徐々に彼らの仲が良くなっていく様子には感動してしまった。
印象的なのはお金の無駄遣い。射撃の機械や、ライオンまで
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すてきな片想い(1984年製作の映画)

3.0


何故か吹き替えの配信のみで、少しショック…
80年代の音楽とかファッションがイケてて、そちらに意識が向く。
吹き替えというのもあって、ひたすらに明るいホームドラマ感満載だった。キャラクターが変人ばか
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ディア・エヴァン・ハンセン(2021年製作の映画)

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賛否あるらしい作品。自分は賛寄りだと思う。個人的には予告映像の印象のままで終わっていたら、ここまで良い思う作品にはなっていなかった気がする。
正直、中盤までは自分に合う話なのか不安感みたいなものがあっ
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

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最初は『ミッドナイト・イン・パリ』のように郷愁を感じさせる不思議体験。そこから徐々に60年代ロンドンの恐ろしさが牙を剥き始める。
ショービジネスにおける枕営業の描写はキツかったな…とにかく男性からの
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悪なき殺人(2019年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます


面白すぎて観終わった後、ずっとテンション上がってた…
原題が動物達のみぞ知るといったように観客は俯瞰的な距離で登場人物の行動を見守ることになる。
国境を越えた群像劇。範囲が広過ぎるので、どうするのか
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MONOS 猿と呼ばれし者たち(2019年製作の映画)

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劇伴がずっと変な不気味な雰囲気を漂わせていて、特に印象に残った。
冒頭から少年少女達がブラインドサッカーをして無邪気に遊ぶという場面から始まり、即時、過酷なトレーニングの場面へと移り変わる。一見、普
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イディオッツ(1998年製作の映画)

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ジャケットの吸引力よ。この作品を好きと言っていいのか悩む…たぶん、好きなのだろうけど。
健常者が障がい者のような振る舞いをした時、周囲の人々はどのような向き合い方をするのか。やはり、健常者が障がい者
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ドッグヴィル(2003年製作の映画)

4.5


三時間という長尺とは思えない。舞台演劇の無機質なセットが独特。単純に物語として興味が惹かれていたし、なんとなくドキュメンタリーのような雰囲気もあって、自分好み。最後まで目が離せずといった内容。
『ニ
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その男、凶暴につき(1989年製作の映画)

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暴力は無価値であることが生々しい描写と共に表現されている。今作の暴力描写は普通に生きていたら遭遇し得ないものも多々あるものの、最初の浮浪者に対しての暴力は身近にあってもおかしくないだけに自分達にも教
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ラン・ローラ・ラン(1998年製作の映画)

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あまり見たことがない雰囲気の映画だったので、少し驚いた。それでも、面白い…!!
ストーリーは非常にシンプル。ジャケットの疾走感が良くて、本編自体もローラが大体走る。彼女の走り方が綺麗過ぎて、慣れるま
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七人の侍(1954年製作の映画)

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初鑑賞だったが、傑作と名高いことがすぐに分かってしまう充実した時間だった。
三時間半という長尺ではあるので、身構えていたけど、体感そこまでの長さはない。
序盤の仲間集めからワクワクする。一緒に時間を
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さんかく(2010年製作の映画)

5.0


吉田恵輔監督の作品はいくつか観てきたけど、今まで観てきた中で一番好きかもしれない。
主人公はまさに男の愚かしさ、痛々しさを体現する。そして、目も当てられないような状況へ転じていく。正直、この状況は自
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シリアル・ママ(1994年製作の映画)

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殺人ムービーで元気になるとはこれ一体??
ジョン・ウォーターズの毒っ気はやっぱり良いなー!シリアルママの真っ直ぐさ(言い換えればクレイジー)とそれを見守る周囲のズレ加減はジョーク。
シリアルママの殺
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やさしい女(1969年製作の映画)

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原作はドストエフスキーの短編。普遍的な問題であるため、現代においても色々考えさせられる。
衝撃的なオープニングと夫の口から語られる事の顛末。男の自分から見ても、モラハラ純度100%の夫の主張には辟易
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用心棒(1961年製作の映画)

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U-NEXTでの配信もそろそろ終わりそうだったので、慌てて初鑑賞。個人的に時代劇への苦手意識がある方だけど、これは面白かった。
今作はとにかくエンタメ要素満載。展開が目まぐるしく変化していくので、最
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阿修羅のごとく(2003年製作の映画)

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世界観的に家父長制が色濃く反映された台詞など多かった印象。その部分に時代を感じる一方、女性の力強さに関してもひしひしと伝わってくる。
会話劇の中に絶妙に挟み込まれた"気まずさ"の描写はやはり面白く、
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冬冬の夏休み(1984年製作の映画)

4.5


 傑作だった。ノスタルジックな田舎の原風景が良い。そのような場所でも、大人の社会は存在し、それを素直な子どもの視点で見ているという構図が面白い。

 自分も子どもの頃は何も深いことを考えず、遊びまわ
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ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)

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裁判の中で語られる証言を回想シーンとして見せる。この演出でスピード感を落とさず、スマートに見せる感じは流石のデヴィッド・フィンチャー。

ビジネスシーンのシビアさは現実感がある。仕事仲間としての付き
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ヒルコ/妖怪ハンター レストア&リマスター版(1991年製作の映画)

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ジャンルはホラーなんだろうけど、青春の瑞々しさ強めで自分好みだった。時折、しっかりとびっくりしてしまったホラー演出もあるし、ゴア描写もなかなかの気合いの入り様。そして、妖怪ヒルコは生首+蜘蛛みたいな
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エレファント・マン(1980年製作の映画)

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 ジョン・メリックを見物しにやってくる集団のシーンは不快感、恐怖感は印象的。
 
 トリーヴスに対し、正義過多ではない描き方をしている点で、感情移入の対象として完璧。そして、彼が、若かりし頃のアンソ
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ハリー・ポッターと賢者の石(2001年製作の映画)

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 ファンタジーと青春の組み合わせで、面白い。魔法世界の紹介といった意味合いのある一作目。初めて鑑賞した時の高揚感と新鮮さを思い出した。

 今回、映画館で久しぶりに再見して、こんなにベタな感じ(ハグ
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劇場版 ソードアート・オンライン プログレッシブ 星なき夜のアリア(2021年製作の映画)

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 昔、アニメシリーズを観ていた者からしたら堪らんなぁ。とても熱くなる展開!

 テレビアニメだとアスナは最初から強かったから、今作の視点は新鮮だった。序盤から、SAOの世界で裏切りやらなんやらで、大
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アンテベラム(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます


 騙された映画②。
 ミスリードが巧みで、自分は普通に騙されてしまった。前提に、この世界観を昔のものとして見てしまっているというのはあるかも。見事に世界観をひっくり返させられる展開は好み。

 たし
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マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます


 騙された映画①。

 (ヤツは一番近くにいる。)
「そこにおるんかいっ!!」となった(笑)
途中、イマジナリーフレンド展開なら全然面白くないなと思ってたけど、この発想はなかった…

 お気に入りは
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ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア(1997年製作の映画)

4.0


 めちゃくちゃ良いやん!!
 
 余命が残りわずかである男2人のロードムービーだということは何となく知っていたので、途中暗い気持ちになるのかと思っていたが、そんなことは一切なかった。全体を通して、コ
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マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

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 何故なのか理由はほとんど分からないけど、これはとにかく凄いなと単純に思わせられた作品。虚構と現実が曖昧な上、時間軸もずらされていて、非常に難解。

 前半部分は登場人物達の行動の意図がまったく掴め
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女っ気なし(2011年製作の映画)

5.0


 女っ気がない町オルトでは一瞬の輝きを放つ瞬間が夏の終わりであり、バカンスの季節らしい。この時ばかりは不純な理由でビーチに男たちが群がる。そんななか、シルヴァンはというと…

 とにかくシルヴァンの
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遭難者(2009年製作の映画)

4.0


 以前から、気になっていた『女っ気なし』のDVDを買いました。

 『女っ気なし』のプロローグとなる。主人公シルヴァンの人となりであったり、舞台となるフランス北部オルトのどこか寂れた雰囲気が映像、音
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トゥルーノース(2020年製作の映画)

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 ある脱北者によって、語られる物語。展開がひっきりなしに変化するので、惹きつけられるし、最終的に物語として、とても綺麗にまとまっている印象。脚色された部分はあるのかもしれないけど、収容所の実態の容赦
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アミューズメント・パーク(1973年製作の映画)

3.5


 試みとしてすごく面白い。老後の地獄を遊園地という場所で表現するなんて!

 70年代の作品ということもあり、例えば、ご高齢な方は車の運転はなるべく控えていただきたいっていう現在の価値観との相違は確
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ひらいて(2021年製作の映画)

4.0


 驚かされた作品。冒頭からいきなり今っぽい印象の「坂道風ダンス」から始まり、その立ち位置でキャラクターのパワーバランスを表現する巧みさ。似たようなジャンルかもしれないけど、ガチガチの恋愛映画というよ
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