シャチ状球体さんの映画レビュー・感想・評価

シャチ状球体

シャチ状球体

バービー(2023年製作の映画)

3.5

バービーランドが本当に理想的なのかは疑問に思う点がいくつかあって、外に出て大ぜいで遊ぶのが好きなバービーやケンしかいないのは画一的だと思うし、バービーの世界にも人間の世界にも女子パワーはあるのに男子パ>>続きを読む

逃避(2023年製作の映画)

3.2

『鳥籠』と同じく、PFFアワード2023で入選した自主製作映画22作品の一つ。

初期の北野武映画に雰囲気が似ていて、犯罪に巻き込まれたらしき無口な和真と献身的な彩乃が日常を少し離れて外出をしたり静か
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鳥籠(2023年製作の映画)

2.9

ステレオタイプな不幸が次々と襲い来る映画。

主人公のこうだい(漢字が分からない……)がトキシックなホモソーシャル集団に馴染めないのはいいとして、主に男性同士で行われるマウントの取り合いやいじり、ケア
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ParkingArea(2022年製作の映画)

3.9

主人公しかいない高速道路、主人公しかいない街。
劇中ではパーキングエリア以外に他者が存在しない。それは都市空間の孤独であり、しかしそれを悪いことや恐ろしいこととは描かず、逆に心地良い自分だけの空間とし
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バト・ミツバにはゼッタイ呼ばないから(2023年製作の映画)

3.8

ステイシー達が、ユダヤ教の成人式(12歳だけど……)的なバト・ミツバでのパーティで恋愛や将来設計プランを実現させようとしたりするコメディ。

普通に学校の柱にレインボーフラッグが貼ってあるのが素敵。世
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マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

4.3

Airbnb貝のマルセルの生活を撮影するドキュメンタリー……というあまり見たことない体の実写&アニメ。

光るユーモアセンスと心を落ち着かせる環境音楽、全くルーツの異なる生き物が同じ屋根の下で暮らすこ
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突然炎のごとく(1961年製作の映画)

3.5

友達になった3人がその中で結婚したり戦争で敵同士になったり、また再開したり……どれだけ時が移り変わっても、ジムはカトリーヌへの想いを募らせ続ける。

結構直球なミソジニー描写が何度か出てくるのでそこは
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あこがれ(1958年製作の映画)

3.4

廃盤になったBlu-rayだと『大人は判ってくれない』とセットで収録されていた短編。

少年達がやってることは全然良いわけないんだけど、初めて誰かに抱いた好意をどう捉えて処理するべきなのかを判断できな
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大人は判ってくれない(1959年製作の映画)

4.5

3年くらい前から気になってたやつ。ようやく配信……!

親が子どもにしてはいけないことを全部やる映画。それだけトリュフォーは子ども時代に大人に対しての強い不信感を持っていたのだと思う。
不登校が人生の
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ミュージック ~僕だけに聴こえる音~(2024年製作の映画)

3.7

保守的でコミュニティ意識の強い母親を持つ絶対音感のルディが新しいパートナーを探したり探されたりするラブコメ。

ルディの母親がブラジル人同士での結婚にこだわるのは、人種差別から身を守るために同じ出身同
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.4

ヤクザ社会をコミカルに描いているところはもちろん気になるんだけど、任侠映画みたいに美化するよりはまだマシかなと思ったりした。

シュール系のコメディとしては中々の完成度で、成田狂児達が岡くんに絡んでい
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モンタナ・ストーリー(2021年製作の映画)

4.3

親がいなくなるというのは、ただ人が一人いなくなるだけではない。持っていた土地(この映画の場合は農場)の行方を決めなければいけないし、自ずと人生を振り返ることになる。

モンタナの広大な土地に帰ってきた
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マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間(2023年製作の映画)

3.9

NHKのドキュメンタリー版を視聴。

ロシアのウクライナ侵攻が言語道断なのは大前提にして、ゼレンスキーはイスラエルとの連帯を表明しちゃったし、このドキュメンタリーは引き裂かれた家族や子どもを強調して身
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貞子DX(2022年製作の映画)

2.6

明らかにフワちゃんみたいな"フワたん"が出てくる時点で真面目に観る気がなくなるのだけど、今回は7日ではなくてたった24時間で呪いが発動されるファスト貞子です。よかったね。

あと、今時「返信キボンヌ」
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スペースマン(2024年製作の映画)

3.1

宇宙飛行士に向いてない俳優ランキングがあったら上位に入りそうなアダム・サンドラーが宇宙飛行士役を頑張ってます。
いつも感情を爆発させる役ばかりなのに……。

睡眠薬が必要だったり家族関係が良好ではない
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デート・アフター・デート(2023年製作の映画)

3.0

注:パートナーによる暴力の描写があります。


シンプルで捻りのない映画だし、レズビアンのキャラクターが悪人として描かれるのは『パーフェクト・ケア』的な嫌さがあるけど、逆説的に他者を支配することと恋愛
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交換ウソ日記(2023年製作の映画)

3.5

数多の邦画ラブストーリーの中では強固なロマラブや恋愛に対するファンタジーの度合いがマシな方で、ジェンダーロールが重要視されてないのも好感触。有害さが薄いというだけでもティーン向けの映画としては及第点。>>続きを読む

ティアメイカー(2024年製作の映画)

2.8

Netflixのプレビュー画面のトレイラーでOlivia Rodrigoのvampireが使われていたので気になって視聴。
この曲はもっと良い映画に使われるべき。

今時抑圧的な孤児院が出てくるのな
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Guava Island(2019年製作の映画)

3.7

リアーナやドナルド・グローヴァーのことは全然詳しくないんだけど、ミュージックビデオ並に常に音楽が流れてるので一定のテンションを保たせてくれる。

あと、芸能や音楽よりも労働の方が上位にあるような価値観
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ある閉ざされた雪の山荘で(2024年製作の映画)

2.4

ハードルを下げて観たのに、悪いなんてもんじゃなかった……。

演技力のあるキャストばかりだし、荒唐無稽なキャラも出てこない。会話シーンは間の取り方等が不自然過ぎて、これはこれで逆に気にならなかったりす
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スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019年製作の映画)

2.0

この映画の許せないところを挙げていくとキリがないんだけど、まずはやっぱりパルパティーン。

皇帝の信奉者が復活させた……みたいな言及があったけど、そんな技術があるんだったら今まで死んだすべての人を復活
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

5.0

『ケイコ 目を澄ませて』のように街並みと主人公達の生活を交互に映すことで、この世界のこの町にこの人達が、もしくは同じような環境の人達が確実に住んでいるという実在感は今作も健在。

ボクサーというレアな
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モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン(2022年製作の映画)

3.8

劣悪な環境の精神病院からの脱走×サイコキネシス×シスターフッド(すぐ壊れる)という謎の映画。

モナ・リザの過去は殆ど説明されず、行く先で出会う人々と生活したり強盗をしたり、たまに警察から追われたりす
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ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー(2018年製作の映画)

3.5

スター・ウォーズの映画シリーズでは唯一一人のキャラクターに焦点を当てた作品であり、同時に超シンプルで明快なアクションやストーリーが楽しめる映画。

ハン・ソロの過去というあまり需要がなさそうな題材だけ
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ガール・ピクチャー(2022年製作の映画)

4.1

セックス、性的同意、投薬……当たり前にリプロダクティブヘルス/ライツが浸透している国でもまだまだAセクは居場所を作り辛くて、恋愛のドラマなのに雰囲気はダウナーで、失敗や別れもあるのに眩しい。

例え言
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スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017年製作の映画)

5.0

シークエル・トリロジー唯一の希望。

コメディが得意なライアン・ジョンソンならではのユーモアセンスが序盤から炸裂し、ハックス将軍いじりも含めて権力者や帝国主義を心底バカにしてくれるのが嬉しい。帝国軍っ
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

4.0

母を亡くした美亜にとって、本来支えになってくれる人が必要。なのに同級生の話題はSNSでバズっている動画のことばかりで、どれだけ人がいても孤独からは抜け出せない。

うつ病を抱えるミアの、母親の死に関す
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ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016年製作の映画)

3.4

スター・ウォーズのEP3とEP4の間に起きた出来事を描いたスピンオフ映画。この時系列のスピンオフ、多くない?(それだけオリジナル・トリロジーが神聖視されてるんだと思う)

EP7の次に公開された本作が
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クリアチューラ(2023年製作の映画)

3.9

U-NEXTでは『欲望の渇き』という微妙な題名になってます。

現在のミラが何に固執しているのか、そしてそれはどこの何に原因があるのか。
幼少期の経験がその後何十年にもわたって影響を及ぼすということで
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スター・ウォーズ/フォースの覚醒(2015年製作の映画)

3.5

シークエル・トリロジーの中では最もバランスの取れている作品。もちろん、悪い意味でも。

シリーズ初の女性主人公で誰でもない人間(ここ重要)であるレイ、帝国の残党であるファースト・オーダーから脱走したフ
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RAW〜少女のめざめ〜(2016年製作の映画)

3.9

第二次性徴は個人の一生において重大な意味を持つ不可逆的なもので、否応なく自分の体が恒久的に変化してしまう恐ろしい概念でもある。

劇中で何度も行われる強制(新入生歓迎会での強制的な洗礼、強制的な肉食、
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スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐(2005年製作の映画)

3.6

この映画ががあるからプリクエルはかろうじて語り継がれている……。

EP1の時点で既に腐敗していた共和国議会が完全に帝国主義へ移行し、共和国黄金時代の名残であるジェダイは全員抹殺され、オビ=ワンとアナ
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スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃(2002年製作の映画)

3.3

オビ=ワンとアナキン、二人とも衝動的だったり意見を譲らないところが似ていて、相性が超悪いので見ていてハラハラする。
アナキンは元々クワイ=ガンだけが才能を見出していたから、オビ=ワンにとってもどう接す
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市子(2023年製作の映画)

1.9

貧困に対する解像度が低いという邦画あるあるはこの映画にも当てはまっていて、市子の人生をミステリー仕立てにしていること自体が不誠実だと思う。

酷い経験や刹那的な人間関係だけを見せて、だから不幸なんだと
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スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス(1999年製作の映画)

3.6

政治劇として見ればそこそこ面白いプリクエル・トリロジーの一作目。

毎回思うのは、EP1の時点で既に銀河帝国が作られる下地ができてること。共和国の議会はシスのダース・シディアスを止めるのに何の力も持た
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スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還(1983年製作の映画)

3.5

オリジナル・トリロジー完結編。
少しずつシークエルの足音が近づいている……もう長くは持たないだろう。

ジャバってEP4の時は人間の取り巻きを大勢連れてたと思うんだけど、今回は手下が何故かエイリアンば
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