コーダイさんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

コーダイ

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ポゼッサー(2020年製作の映画)

3.8

他者が侵食し、誰が自己の所有者(ポゼッサー)かも分からない現代社会の抑圧からの解放物語。

容赦ないR18残酷描写に、近未来的ディストピア、多くを語らない不気味な謎。
これぞ見たかったSFのカタチ。
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ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密(2022年製作の映画)

3.2

アジア、ドイツなど魔法世界横断旅行の様なヴィジュアルの美麗さ、魔法動物が生きる政治世界など…無限に拡がる魔法世界の楽しさとは裏腹に、絶望的に退屈な脚本。

魅力的革命家ジョニデと、薄味政治家マッツのカ
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架空OL日記(2020年製作の映画)

3.7

葛藤も成長も何も無い!OLの日常をひたすら切り抜くだけの映画。
会話に中身なんか何も無い、だけど観れる。
だけど超面白い!!

芸人バカリズムの神がかった会話劇を生む脚本力を堪能。我々の日常にとことん
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女子高生に殺されたい(2022年製作の映画)

4.5

JKに殺されたい特異性癖の変態田中圭のサイコパス映画…かと思いきやその裏に潜む欲望と秘密が絡むジェットコースター映画。

田中圭のゾクゾクする狂気の視線に寄り添う監督らしい艶かしい画の数々がこの映画の
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モービウス(2022年製作の映画)

3.4

残像エフェクトやスローを多用したアクション満載で視覚的爽快感と楽しさは十二分!!

だがダークヒーロー要素もヴィランの動機や魅力も上澄みだけの薄さでしかなく…非もないが逆に魅力も特にないヒーローの超王
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.7

生々しく変幻自在にカタチを変える生物的”有機物”と、不動の如くいつまでもカタチを変えない機械的”無機物”が混ざり合う時起こる、五臓六腑を刺激する劇薬的化学反応。

鮮烈な映像表現、衝撃的ストーリー発想
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スピーシーズ/種の起源(1995年製作の映画)

3.4

えちえちエイリアンお姉さんがエッチしたいために男を喰らい尽くす、これぞ!90年代B級モンスター映画。
こんなドSなお姉さんなら絶対付いていっちゃうよね。

メイン吹替が明夫さん、賢雄さん、津嘉山さん、
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SING/シング:ネクストステージ(2021年製作の映画)

4.0

アニメーションでしかできない視覚的楽しさも、ミュージカルというワクワク感も、有名楽曲盛り沢山のノリノリ感も全てが華やかなネクストステージ。

これぞエンタメ!!
これぞ音楽映画!!最高。

歌の力をフ
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パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

3.8

新たなループ映画の傑作。

シリアスも涙もない、センス抜群のラブコメ全振りの愛おしさMAXの映画。

ループ世界を”永遠に自由がある天国”と捉え、それと対比する現実を”死があるからこそ実感する愛や人生
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GAGARINE/ガガーリン(2020年製作の映画)

3.7

人々の消えゆく記憶の中で光る一筋の光を求めて、運命に抗う物語。

美しい画作りと音響を用いて宇宙を感じさせる演出、青年の宇宙に馳せる果てなき願いにより…
英雄の名を借りた一団地が時を経て”希望の船”と
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とんび(2022年製作の映画)

3.0

試写会にて。

瀬々監督の過去作が好きだからこそ…うーん。
てやんでい!!なキャストと、てやんでい!!な時代感で、作りも題材も昭和味満載の何度も目にしてきた映画。

これなら2時間ドラマでもいいかな…
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地獄の警備員(1992年製作の映画)

3.7

黒沢清が撮るモンスターパニック映画。

洋画のド派手スプラッターとは違い、侵食されていく”静かなる恐怖”。
動機も身元も目的も何もかもが不明…人が人に対して抱く”怖い”という感情を全て集約しているホラ
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ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット(2021年製作の映画)

5.0

ちゃっちいヒーロー集合映画が、聖書の1ページに書き加えられるレベルの喪失と再生の神話物語へと神格化してしまった…。

段違いの面白さ。ザック監督節全快のバチバチにキマった画とダークさ、これが全世界が待
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クワイエット・プレイス 破られた沈黙(2021年製作の映画)

3.4

相変わらず前作同様設定や世界観は破綻してる。

が、静寂と躍動の対比的演出が前作以上に特出して巧い。
ここまで息を飲む緊張感に包まれながら観る映画はなかなかない。

壮大な世界観の中で、子供達の成長だ
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14歳の栞(2021年製作の映画)

4.2

凄い物を観た。

大人と子供の狭間で生きる中学生のありのまま、嘘も演技もない”生”の世界。
35人が少し大人になる瞬間を収められた奇跡のような映画。


もう戻れない未来への希望を探していた14歳の自
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愛なのに(2021年製作の映画)

4.5

これです!!
待ち望んだ完璧な組み合わせ。

今泉監督の愛という奥ゆかしく難解な感情を言語化する脚本力×城定監督のエロティックで生々しい画で繊細な感情を表出させる演出力…
革命的化学反応。

”愛”と
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猫は逃げた(2021年製作の映画)

3.8

城定監督の生々しさを笑いに変えるドロドロ人間模様×今泉監督の包み込む優しい画作りとユーモアでまた面白すぎる傑作が生まれた。

自由気ままにふらふら何処かへ向かい、気持ちを素直に表現できないツンデレ猫の
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下女(1960年製作の映画)

3.8

特別上映にて。

『パラサイト』他数々の韓国映画に影響を与えまくった韓国映画代表格の名作。
予想の斜め上を行きまくるトンデモ展開、格差社会を暗喩する階段のメタファー、なによりホラー映画を通り越すほど怖
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

4.0

ダークヒーローの影を際立たせる美しい漆黒の黒、黒を照らす破滅的で芸術的復讐と嘘の赤、そこに差し込む一筋の希望と正義のオレンジ。

画的にも、90年代風に回帰したノワール探偵活劇としても、どこまで行って
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牛首村(2022年製作の映画)

3.6

やっと手腕を見せ始めたか清水崇監督!!

村の悪しき風習や家族を軸にした物語でこれまでの集大成的3作目。
潤沢な予算だから出来た題材やキャスティング、ホラー演出でやっとゾッと楽しめた。

日本の新名物
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余命10年(2022年製作の映画)

4.0

大好き藤井道人監督初の純恋愛映画。流石です。

藤井監督お得意の哀愁漂うバックショットや2人のリンクする粋な演出で”死”の実感を生々しく描く……
死を近くに感じる映画だからこそ残された時間にしがみつく
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HOMESTAY(2022年製作の映画)

3.6

瀬田監督作品特有の”すれ違う出会い”を推しつつ、若者達の青春群像劇をオーソドックスな演出と題材で描く。

生と死という重いテーマを扱ってるにも関わらず、温かい空気感や余韻に包まれる…
作品自体から滲み
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アンチャーテッド(2022年製作の映画)

3.8

□と△を連打したくなるピンチの連続アクションや謎解き…『アンチャ』らしさ盛り沢山の冒険活劇としても…
あのテーマ曲と共に誕生するネイトサリーコンビのオリジン譚としても…

最高の実写化!!!!
中年お
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真・事故物件 本当に怖い住民たち(2021年製作の映画)

4.0

YouTuberが事故物件に挑む正統派ホラーかと思いきや、心霊タランティーノ映画に豹変する化け物映画!!

阿鼻叫喚!からの抱腹絶倒!大好きです。
演出も設定も攻めたR15+ホラーを大手配給がやる嬉し
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らせん(1998年製作の映画)

3.3

『リング2』とは異なる『リング』の続編。

ホラー映画ではなく原作に忠実なSFサスペンスのトンデモ設定な貞子。
“呪い”の恐怖ではなく、文字通りウイルスのように”伝染”する恐怖…。
心霊的怖さ0だが、
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スターフィッシュ(2018年製作の映画)

3.6

怪物が蔓延る世紀末で、亡き友人が残したテープと自己を探求する果てしない旅路。

クセだらけの攻めた演出、アート的世界観のデザイン、自由で詩的な語り口…
尖ったセンス満載な監督の実体験に基づく、監督の為
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そこにいた男(2020年製作の映画)

3.5

『さがす』の片山慎二監督が送る女の度を超えた狂気。
実際の事件を基に、片山監督らしい生々しさと気持ち悪いくらいのリアリティで描く女の愛憎。
33分の短編とは思えないほどの満足感。


”救ってくれるの
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.9

夢と現実で葛藤する、人生と青春を”両側”から覗くことの難しさ。
手話ってあんなに感情がこもるものか…。

障害という壁を超え心と心で通じ合うクライマックスの”あいのうた”に涙止まりません。 これぞ笑っ
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

4.0

全編敷き詰められた笑えない皮肉描写に唸らされるブラックコメディ。

Netflixの潤沢予算をフルに使った超SF映画なのに笑いの域を超え、もはや恐ろしい溢れる現実感。
地球や人類が辿る末路は”この映画
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大怪獣のあとしまつ(2022年製作の映画)

2.4

日本映画のこのノリは割と好きだけど、これはダメだぁ。

全てが中途半端…笑いもコロナ禍の反映も政治への皮肉も。
笑いにハジけるなら劇中の死骸ばりにもっとハジけないと!!
シンゴジの後日談としてのアイデ
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ゴーストバスターズ/アフターライフ(2021年製作の映画)

4.2

ホラーでアクションでSFなひと夏のジュブナイル映画としても、意義のある正当な続編としても完璧。

ゴーストは存在する!世界だから出来た…アイヴァンからジェイソンへ、ハロルドから”彼ら彼女ら”へメタ的に
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

4.2

雑誌一冊を全身で疑似体験する不思議な感覚。

シンメな静止的画作りや画角変化、モノクロやアニメーション、字幕一つとっても刺激的で楽しい仕掛けが散りばめられたおもちゃ箱の様な映画。

このウェス節が気持
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

4.0

試写会にて。

繰り返す”今日”。
だが毎年違う今日がやってくる、今日の繰り返しで明日は来る。今までの今日と人生を肯定してくれる僕らの映画。心に染みる素晴らしい余韻。


失恋系映画だが、過去に遡るこ
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前科者(2022年製作の映画)

3.9

ドラマでは語られなかった過去に向き合い、”生き返ろう”とする人の強さと温かさを描く映画版。

保護司と前科者の関係を俯瞰で見る本作品独自の視点は、”当事者になる複雑さ”という新鮮な気づきを与えてくれる
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バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ(2021年製作の映画)

3.3

完成し尽くされた究極のゲームコンテンツの、二次創作映画と思えばかなりの完成度。
完璧なまでに再現されたあの空気感を醸し出すセットや、純なホラー演出で”本来のバイオとはこうだ!”を見せてくれる。

ただ
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うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

4.0

サザエさん方式の日常アニメが”永遠の日常”を脱し、楽しい瞬間=”学園祭の前日”を無限ループする押井守の尖った反骨精神。

夢の暗示的演出や歪な世界観、うる星やつらすらに哲学を持ち込んでしまう…押井守節
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