diesixxさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

チャイニーズ・ウォリアーズ(1987年製作の映画)

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『インディ・ジョーンズ』に影響を受けたと思しき、ミシェル・ヨーのムチアクションとジョン・ウィリアム調の劇伴にトレジャーハント系の冒険アクションかなと思いきや、日本軍に抑圧された村をミシェルたちが人民と>>続きを読む

台風クラブ(1985年製作の映画)

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きしょい映画。昔からローティーンの性を描く映画が結構苦手で、たぶん相米慎二の映画全般的に苦手なのそういう理由かと思う。たぶん苦手だろうなーと思って避けてきたけど、やっぱり苦手な感じだった。
出てくる男
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WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)

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評判に違わぬ傑作でした。
『シエラ・デ・コブレの幽霊』や『クーリンチェ少年殺人事件』などと並び、長らく「いつかは見たい映画リスト」の筆頭のひとつであった『WANDA』が、国内での上映を終えてようやくソ
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ポケットの中の握り拳(1965年製作の映画)

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60年代にフランスを中心に同時多発的に起こった若手監督による新しい波。ベルトルッチとともに、イタリアのニューウェーブを担ったベロッキオの驚くべき監督第1作。片田舎で暮らす没落ブルジョア一家の腐敗と崩壊>>続きを読む

グリーン・デスティニー(2000年製作の映画)

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みなさんのレビューを読んでいると評判が悪くて驚いた。中学生のころ、リアルタイムで見た時は大変な興奮を覚えたものだが、オスカーを獲得したことと文芸映画的なルックが、ハードルを上げすぎているのだろうか。ス>>続きを読む

今晩は愛して頂戴ナ(1932年製作の映画)

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生活音がリズムを刻み、徐々に歌へと変わっていくオープニング、まだ出会ってもいない主人公カップルが同じ楽曲を歌いつないで切り返す大胆な編集、スローモーションを用いた乗馬の美しさ、そして列車に乗る男を女が>>続きを読む

白い足(1949年製作の映画)

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フランス映画に見られる「田舎地獄」の系譜。舞台となる港町は、古城に住む貴族の好色と不貞により、村全体がその子どもであるかのような極めて閉鎖的で不健康なコミュニティとして描かれる。貴族の末裔である伯爵は>>続きを読む

愚なる妻(1921年製作の映画)

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呪われた映画作家シュトロハイムの長編に第3作。1、2作目の興行的成功を追い風に、莫大な予算、広大なセット、長尺なフィルムを用いる彼のメガロマニアックな制作スタイルが加速、暴走していく。
デビュー作『ア
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サンライズ(1927年製作の映画)

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ドイツ表現主義を極めた監督として、すでに数々の傑作をものにしてきたムルナウが米国フォックスに招かれ、莫大な予算と持てる技術と注ぎ込んで完成させたサイレント映画の最高峰。全てのシーンで驚くべき撮影会技術>>続きを読む

ブローニュの森の貴婦人たち(1944年製作の映画)

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ブレッソンの長編2作目。
この時期はまだ職業俳優を使っているうえ、以降のブレッソン映画では徹底的に削ぎ落とされていくキャラクターの情念がしっかりと刻まれている。その意味では「普通の映画」であり、ブレッ
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散歩する侵略者(2017年製作の映画)

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概念を奪う侵略者の静かで着実な計略を背景に、壊れた夫婦の再生とアウトロージャーナリストとマイペースインベーダーのバディーアクションが並行して描かれる。最初見た時はホラー、コメディ、SF、アクション、ラ>>続きを読む

暗黒街の顔役(1932年製作の映画)

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いつまで待ってもまともな国内版ソフトが出てこないので北米版を購入し、久しぶりの再見。画質が良くなると、本作のドキュメントタッチの生々しさが増した。
プレコード時代に製作された暴力とセックスが充満した傑
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にっぽん昆虫記(1963年製作の映画)

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戦中・戦後の底辺を生きる地方出身、貧困女性の忌憚ない一代記。同録による訛りの強いせりふやほぼノーメイクとみられる油まみれ、泥まみれの俳優たちが生々しいリアリズムを見せる一方で、奥行きを生かした凝ったた>>続きを読む

ピラニア 3D(2010年製作の映画)

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ポリティカルコレクトな『バービー』を見た後に、なぜか無性に見たくなったお下劣見世物ホラーの金字塔。今現在、セクシーな服装のDJが野外フェスに観客に触られた問題が議論を呼んでいるわけだが、この映画の中で>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

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グレタ・ガーウィグはビッグバジェットのミュージカルコメディでも堂々たる作品が撮れるのか、とかなり驚いた。懸念されていたケン=ライアン・ゴズリングのキャスティングもこれ以上にないほどのハマり役。可笑しく>>続きを読む

(1975年製作の映画)

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インド映画史のクラシックとされる一編。『RRR』の元ネタの一つとも言われるが、元ネタも何もインド映画では繰り返し台詞なども引用される国民的映画とのこと。ヒンディー語映画なのでボリウッド。
1975年作
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宝島(2018年製作の映画)

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ジャン・ルノワール、ジャック・ロジエ、エリック・ロメールと連なるフランスのバカンス&アヴァンチュール映画の最新傑作。保護者なしでの入場を断られ、不法侵入しようとする子どもたち、ナンパする男たち、白鳥と>>続きを読む

眠れぬ夜の仕事図鑑(2011年製作の映画)

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「夜中に誰かが仕事してる」っていう事実に安心して眠れるみたいなところある。
この映画はヨーロッパ各地で夜間勤務をしている人々と淡々とスケッチしたドキュメンタリー。警備会社や放送局、病院、工場、郵便局、
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黒い家(1999年製作の映画)

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傑作ホラー小説「黒い家」という原作を得て、真夏の青空とひまわりに毒々しい原色に彩られたイメージを構築した発想の転換が面白い。公開当時、「なるほど映画監督ってすごいなー」って思った覚えがある。オープニン>>続きを読む

ひまわり(1970年製作の映画)

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俳優としてのキャリアののち、ネオレアリズモの旗手として鳴らし、その後はソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニコンビの俗っぽいラブコメで大衆の心を掴んでいったデ・シーカ。『ひまわり』は、実録社会>>続きを読む

鶴は翔んでゆく/戦争と貞操(1957年製作の映画)

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20年ぶり再見。IVCから2023年に発売された4Kリストア版。序盤から撮影の才気走り方が半端じゃなく、これはVHSの画質であっても一目瞭然であったが、画質の向上により、照明の高度さも際立って、より一>>続きを読む

俺たちの血が許さない(1964年製作の映画)

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前半は高橋英樹&長谷百合、小林旭&松原智恵子の対照的なカップルが面白く、編集のテンポも小気味良くて、かなり面白い。後半の銃撃戦が映像が暗いのと重苦しい愁嘆場になり、ちょっと冗長だった。

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

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どこに連れて行かれるかわからないまま映画を見たのは久しぶりの体験。てっきり宮崎駿の少年時代を脚色したリアリズムエッセー路線かと思っていたのでアオサギが喋り始めてびっくり。良くも悪くもいつものジブリ映画>>続きを読む

べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

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女子高生殺し屋の日常をオフビートなタッチで描くノリ、自分が大学生のころに死ぬほど見せられた映画サークルの自主映画すぎてきつかった。ヤクザ側の2000年代っぽいキャラクター造形も結構むず痒い。しかしアク>>続きを読む

サムライ(1967年製作の映画)

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メルヴィルのノワールの中でも、とくに詩情と色気が高い作品。アンリ・ドカのカメラは、ブルーを基調とした暗く、艶かしい夜闇を映し出し、メルヴィルの美意識をかんぺきに表現してみせた。その強靭な美意識と呼応す>>続きを読む

仁義(1970年製作の映画)

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U-NEXTで久しぶりに見てみたら、なんかちょっと違うような…よくよく調べたらオリジナルより20分カットされた短縮版だった。見る人は要注意。ただでさえ、説明の少ないメルヴィル作品なので、余計飲み込みづ>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

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今回の敵はAIだ!というのがわかりやすくて良かった。潜水艦に乗っているAIが、あらゆるデータ改竄で先回りして人類をコントロールしようとしてくるの、10年前なら「名探偵コナン」にありそうな設定だったけど>>続きを読む

リンク(1986年製作の映画)

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「ヒッチコック『鳥』のアニマルトレーナーが魅せる」というよくわからない枕ことばが冠せられたイギリス映画。監督のリチャード・フランクリンは『トパーズ』でヒッチコックの下で働いた経験もあり、後に『サイコ2>>続きを読む

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

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これは劇場で見ておくべきだったな…。子どものころ、とても幸せを感じているんだけど、いつか自分も大人になって、両親も亡くなって、歳をとって、いつか死んでいくんだ…とたまらなく不安になる夕暮れ時が、たまー>>続きを読む

怪談雪女郎(1968年製作の映画)

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山本薩夫の『牡丹灯籠』と並んで、私が偏愛している大映黄金期の怪談映画。以前、蓮實重彦が「大映の雪を見てきた目には『キル・ビル』の雪の降り方はあまりに粗雑で許せない」と書いていて「じじいウゼー」って思っ>>続きを読む

イルマ・ヴェップ(1996年製作の映画)

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『吸血ギャング団』のリメイク映画でイルマ・ヴェップを演じるために香港からやってきたマギー・チャン。神経質な落ち目の監督(ジャンピエール・レオ)のせいもあり、現場の雰囲気は険悪で、身の回りの世話をしてく>>続きを読む