mareさんの映画レビュー・感想・評価

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ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(2019年製作の映画)

3.5

高校時代は遊びもせず勉強一筋、しかし蓋を開けてみると周りのチャラチャラした奴も実は名門にバンバン受かってたことにショックを受け、最後のプロムで大暴れしてやるって映画。勉強も別にしてなくて派手な遊びもし>>続きを読む

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

"仮面ライダー"といえばマスクに涙ラインが伝統的にあるように、理不尽な悪の力によって生まれた存在であり、その哀しみを体現するかのような孤高の戦士である。そして敵組織のSHOCKERには壮大な目的がある>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.5

アートを志す者へ、スピルバーグが集大成のような形で自伝的に紐解いた青春。私たちがどのように日々を過ごしどんな人間であっても、カメラを通すと別の生き物になり、ありのままの画面の美しさに抗うことはできない>>続きを読む

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

3.5

タブーに切り込んだ斬新な設定でありながら、ラブストーリーとロードムービーを横断、安住の地を彷徨うマイノリティの心情が、彼らの生き方と反比例するかのようにいつまでも美しい風景と絡み合う。どんなに正しく生>>続きを読む

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

4.0

カップルのお金に関わる些細な衝突から、豪華客船の優雅な旅、突如島に投げ出され始まるサバイバルと三部構成でエンターテイメント性は高い作品だと思う。ブラックコメディをベースに、最悪の状況を爆発力のある笑い>>続きを読む

別れる決心(2022年製作の映画)

3.5

パク・チャヌクの映画にしてはエグさは控えめで全体的にサスペンスタッチ。分かりやすいほどのヒッチコック「裏窓」「めまい」をオマージュした手法で、一線を超えてはならない男女の関係が錯綜する。謎めいた心理の>>続きを読む

ホワイト・ボイス(2018年製作の映画)

3.5

電話営業の職に就いた黒人の男がホワイト・ボイス(白人の声を出せる特殊能力)を会得し、次々と仕事をこなしパワーコーラーになっていくブラックコメディで、自虐的ながらもかなり笑えてしまった。そして総じてヘン>>続きを読む

殺人者たち(1964年製作の映画)

3.5

殺し屋2人が辿る回想録、とりあえずターゲットを仕留めたものの腑に落ちない。殺してしまった彼の過去を知る者を訪ねて、知る必要のなかった領域にまで踏み込んでしまう。派手でスケールの大きいアクション性の高い>>続きを読む

影の列車(1997年製作の映画)

4.5

映画を構成する光、影、音のみで語られる凄まじく陶酔する幻想、幽霊が蜃気楼のように立ち昇り在りし日を追憶するメモリアルな記録があまりに美しい。確かにそこにあった記憶を拾い集め、フィルムの再生と停止を繰り>>続きを読む

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

3.0

舞台は森から海へ、美麗な水の表現を極めたキャメロン渾身の13年ぶりアバター続編。ストーリー的には対立する構図も、相手の目的も略奪から復讐へと変わっただけで大した変化はないんだけど、3Dメガネを付けたこ>>続きを読む

アバター(2009年製作の映画)

3.5

当時中1でリアルタイムで家族で観に行ったけど「青いな...」以外の記憶が吹き飛んでいたので再鑑賞。久々に観たがキャメロンが長年やりたかったことが詰め込まれてるなという重厚感で、CGの技術からナヴィ語ま>>続きを読む

ドラブル(1974年製作の映画)

4.0

諜報員の息子が誘拐され、手掛かりを追うもそこにさまざまな陰謀が張り巡らされて、一筋縄ではいかないサスペンスアクションで超面白い。ハメたりハメられたり、複数の思惑が常に切羽詰まった状況を演出し、何度も危>>続きを読む

ナッシュビル(1975年製作の映画)

3.5

25人もの登場人物が交錯するからやっぱり頭が混乱する。俯瞰して観てみると一見アメリカン・ドリームを掴み取ろうと一直線な人物たちが、終盤に向かうにつれて政治性に絡め取られていく。自分はそもそも国が違うし>>続きを読む

ギャンブラー(1971年製作の映画)

3.0

ヴィジュアル的にはウエスタン、タイトルからは賭け事に興じるスリリングな物語を想像していたが、見事にセオリーから外れた展開にアルトマンらしさを垣間見る。この映画の終盤のコントラストも凄くて、まるでコルブ>>続きを読む

M★A★S★H マッシュ(1970年製作の映画)

3.5

ブラックユーモア満載の戦争映画という情報だけで観てみたが、想像の何倍も終始バカをやってるだけの映画だったから、これはバカを賛美する映画なのかもしれない。恐らく朝鮮戦争という背景も重要なのかもしれないが>>続きを読む

四月(1962年製作の映画)

3.0

ジャケットにもなっている大樹の前で男女が向かい合うカットは一級品で見惚れそうになる。セリフが語られることもなく、不器用そうな物音だけでコミュニケーションが成立していく不思議な映画で、笑いに傾倒した茶目>>続きを読む

珍しい花の歌(1959年製作の映画)

3.0

さまざまな種類の花がクローズアップしていく様は前衛的な芸術性を目の当たりにしているようで多幸感を覚える。老人はページをめくりながら思い思いに花を貼りつけて時間の概念から疎外された一種の永遠をそこから感>>続きを読む

水彩画(1958年製作の映画)

2.5

家族のヒリヒリした空気感の中、他愛もない口喧嘩から突然舞台は美術館へ。タイトルの水彩画の意味することが、意外な形で回収される。最後に計画的に用意されている結末はこれまであった流れを一気に破壊する。

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

3.5

寝台列車のロードムービーが大半を占めていて、電車のシーンって他の映画だと繋ぎになったり一瞬でしかないが、このシチュエーションで密室ヒューマンドラマとしても普遍的に機能していてこういう描き方もあるのかと>>続きを読む

スウィート・スウィートバック(1971年製作の映画)

2.0

あまりに歪で粗の見えるリズム感の映画だから、こっちが乗れるか乗れないかで評価が分かれると思う。ちなみに自分は後者。娼婦館の男と警察の逃亡劇なんだけど、やってることがかなり過激で生々しい。冒頭で女性と少>>続きを読む

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ある日、身に覚えがないまま急に友人が口をきいてくれなくなる。喧嘩をしたわけでもなく、わかりやすい悪態をついたわけでもない、と完璧な掴み。これ以上話しかけると自分の指を切り落とすと友人だった男は告げる。>>続きを読む

マチネー/土曜の午後はキッスで始まる(1993年製作の映画)

4.0

キューバ危機の現実に直面し、恐怖に怯えながらも、みんなで楽しくB級ホラー映画を鑑賞する。「ザ・フライ」ではなく蟻人間。恐怖が別の形で交互に映し出されながらも終始ハッピーなムードを纏っていて楽しい。それ>>続きを読む

キングダム(1994年製作の映画)

3.5

この頃のトリアーかなりふざけてるしめっちゃ遊んでるな。登場人物の心理が道徳心を捨てて好奇心にのみ特化している近寄りたくないキングダム。こんなぶっ飛んだドラマがデンマークでは視聴率50%超えってのがなに>>続きを読む

フレンチ・コネクション(1971年製作の映画)

4.0

どんな手を使ってでも追いかけ回す刑事と絶対に逃げたい麻薬組織、追うことに執着したひたすらにアクションのみで語る映画。序盤は手がかりを掴むために捜査をしているが、何でもありなアクションムービーに切り替わ>>続きを読む

にわのすなば GARDEN SANDBOX(2022年製作の映画)

3.5

片田舎をふと訪れ、ちょっぴり変な人々と出会い、当然目的もなくひたすら飲み飲み遊ぶ。知らない土地に足を踏み入れて、自分の知らなかった扉が開く感覚。不安を感じつつも心のどこかは満たされている。ヴィレッジよ>>続きを読む

三人の女(1977年製作の映画)

4.0

何か歪、何か気持ち悪い、何か信用しきれない、不明瞭なレイヤーの積み重ね。一見すると他愛もない女性同士の仕事、生活、コミュニティにノイズが流れていて落ち着かない。主演がシェリー・デュヴァルとシシー・スペ>>続きを読む

健康でさえあれば(1966年製作の映画)

4.0

ただでさえ短編が面白すぎるのにそれらを贅沢に4本も詰め込んだご褒美でしかないオムニバス。寝る前にヴァンパイアを思い描く「不眠症」、映画館の喧騒から摩訶不思議なテレビショッピングのCMへと誘われる「シネ>>続きを読む

絶好調(2010年製作の映画)

4.0

絶好調どころか絶不調。元々は「健康でさえあれば」の一部だったが独立した短編になったみたい。ソロキャンから気づけば強制収容所へ。笑いと不条理の隙間から滲み出る社会的皮肉。ヨーヨーから連なるエッセンスも確>>続きを読む

マッキラー(1972年製作の映画)

3.0

スプラッターホラーのイメージが強いルチオ・フルチのいつもと毛色の違うミステリー。街の少年たちが次々に謎の死を遂げていく。二転三転するストーリーで主に犯人探し、ちょっと長くちょっとダレるとこもある。しか>>続きを読む

ヨーヨー(1965年製作の映画)

4.0

喜劇であり優しさであり、激動の時代の流れの中で家族の愛が温かく包み込むヨーヨーの人生。エテックス二作目にして前作よりも濃密にドラマチックになっている。サーカスが題材だから何気ない仕掛けの切り取り、チャ>>続きを読む

遠い声、静かな暮し(1988年製作の映画)

2.5

自伝的なホームドラマで厳しい父親とその家族の思い出を回想するような作りだが、登場人物のほとんどが歌ってるシーンがとても多くシリアスな中に謎のミュージカル感がある。期待してたけどいまいちハマらなかった。>>続きを読む

大恋愛(1969年製作の映画)

3.5

やっぱりお国柄的には女性に対して人一倍敏感で、結婚し身を固めたとしてもちょっとしたきっかけですぐに妄想が頭を埋め尽くす。そりゃあんなに可愛い秘書が突然現れたらああなるのも無理はないというか、同情。他人>>続きを読む

幸福な結婚記念日(1962年製作の映画)

3.5

幸福な結婚記念日とはなんとも皮肉なタイトルでフランス人の意地悪な感性がよく効いているし、実際起こることは約束されたはずの祝福が笑える不条理によってどんどん邪魔が入るっていうズッコケっぷりが面白い。車の>>続きを読む

4番目の男(1979年製作の映画)

3.0

ヴァーホーヴェンの初期作でこのドップリサスペンス、時折やって来るエログロがこれ以降の作風を匂わせる。小説家の主人公の一人語りがメインのいかにも胡散臭い引っ張り方、徐々に露わになる不可解な死、襲いかかる>>続きを読む

狼男アメリカン(1981年製作の映画)

3.0

所々スリラーっぽいななんて思ってたら監督が一緒だったので腑に落ちた。この狼男もMJも目つきが尖っていて印象的。80年代らしく特殊メイクの映画で、全身毛むくじゃらになり、手や足や鼻が発達して獣の体型に変>>続きを読む

バニシング・ポイント(1971年製作の映画)

3.5

目的もわからずに車で走り続ける男のアメリカンニューシネマ。ゴールなく広がる道のりを目の前に、止まることを知らない生き様は本能としか言いようがなく、孤独の爆走はいつしか脚光を浴びる逃亡劇へと変わっていく>>続きを読む

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