琥珀さんの映画レビュー・感想・評価

琥珀

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映画 マイホームヒーロー(2024年製作の映画)

3.3

【設問】
この映画から読み取れる論点について、自由にテーマを設定し、簡潔に述べよ。

【解答】

テーマ「社会の表と裏」

暴力の定義を『殴る蹴る殺すも含め、何かしらの方法で、他人を強制的に従わせるこ
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ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

4.6

『神戸連続児童殺傷事件』を覚えていますか?

うん?という方も酒鬼◯◯◯◯と聞けば、お分かりだと思います。
酒鬼◯◯◯◯は事件当時14歳、この事件をきっかけに少年法の刑事罰が厳格化、対象年齢が16歳以
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52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

キナコは強い。

たぶん、この映画の鑑賞直後の感想としては、えっ、どういうこと?みたいな感じだと思いますが、以下、その理由について。

・キナコの身体的感性が第二の人生で覚醒
キナコの強さは身体的感性
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ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

4.5

マシュー・ボーン監督は、歳を取ろうがなんだろうが誰もが心のどこかに持ち続けている脳内妄想やヒーロー願望を痛快に擬似体験させてくれる。
(ヒーロー…もうヒロインという男女区別した言い方はしない。今や〝女
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マッチング(2024年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

レビュー未読、予備知識一切無しでの印象です。
作品世界に入り込めなかった理由をいくつか羅列。
警察の無能ぶりには目を瞑るとしても(連続殺人の犯人が違うのなら、手口が似てるけど報道されていない部分では相
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ネクスト・ゴール・ウィンズ(2023年製作の映画)

4.5

ラグビーでは、フィジー、トンガ、サモアという南太平洋の島嶼国の選手をリスペクトを込めてアイランダーと呼んでいます。そして、ラグビーW杯を見たことのある方はお気付きだと思いますが、W杯に出場しているトッ>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

5.0

こんなに色々な観点から書きたくなる映画は久し振りです。もしかしたら、あの『女王陛下のお気に入り』以来かも。
死んだ夫、疑いをかけられた妻、ダニエル‼️
その3人はもちろんのこと、弁護士も検事もダニエル
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テルマ&ルイーズ 4K(1991年製作の映画)

5.0

〝多元的無知〟という概念があります。

たとえば残業が常態化している職場。
全員が早く帰りたいと思っているにもかかわらず、「自分以外の他の人はそんなこと思っていないだろう」と思い込み、自分も残業しなけ
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身代わり忠臣蔵(2024年製作の映画)

3.8

元禄15年の(ラグビー)フットボール。

北野武監督の『首』に続いて、この作品でもやけに首が軽い。軽薄という意味ではなく、文字通り重量として〝軽い〟
華麗なパス回し、ラインアウトでの競り合い、ハイパン
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熱のあとに(2023年製作の映画)

2.0

いまさら言うまでもなく、愛のカタチはさまざま。
対象が異性なのか、親なのか、こどもなのか、推しのチームなのか、帰属する団体なのか、母校なのか、郷土なのか、あげたらキリがありません。
しかし、色々な出来
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ある閉ざされた雪の山荘で(2024年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

『殺さない彼と死なない彼女』


だって…

堀田真由といえばキャピ子
間宮祥太朗といえば小坂れい

なのですから❗️

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.7

ハートフルで、笑えて、泣けて。
口にするのは簡単だけど、それらをバランス良く組み合わせて、ひとつの作品に仕上げるのはなかなか難しいと思います。
ハートフルコメディだと『最強のふたり』とか『オットーとい
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ウィッシュ(2023年製作の映画)

4.4

まさに、ディズニー版『星の王子様』‼️
私にはそうとしか思えませんでした。
言わずと知れたサン=テグジュペリのあの名作のことですが、この映画には、王子様へのオマージュとリスペクトがこれでもかとばかり
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市子(2023年製作の映画)

3.1

どうしても『ある男』との違いを考えてしまう。

かなり大雑把に言うと、
①『ある男』は、過去の自分を無かったことにするために別の男の過去ごと手に入れた。
②『市子』は、法律上、無の存在である自分に未来
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窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

4.5

たとえば。
圧力に屈して魂を売るようなことはしない。
何が大事で、何が大切か、周りの空気ではなく自分の直感に従って判断する。

言葉にしてみると、陳腐というか今更ですか?というようなこと、或いはそうい
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ナポレオン(2023年製作の映画)

3.2

ナポレオン。もちろん名前は知ってますが、予備的な知識はまるでなかったので、にわか勉強しました。

1789年 全国三部会から憲法制定国民議会(国王政府が承認)、バスティーユ襲撃、人権宣言
1793年 
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ロスト・フライト(2022年製作の映画)

4.3

うん?あれ?
ちょ、ちょっとそこのところ、止めてくれますか?
もう一度よく見せてください❗️

無駄なくテンポよく、悪党退治と脱出成功‼️
やったぜい〜という感じだったのに、ウチに帰り、近所をジョギン
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.6

本当に偶然ですが、先月、京極夏彦さんの『虚実妖怪百物語 序破急』を読んだばかりだったのです。
(角川文庫版。約1400ページの大長編で、水木しげる大先生、荒俣宏先生他多数の実名登場でフィクションとリア
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正欲(2023年製作の映画)

4.3

参りました🙏🏻
素晴らしい出来に平伏しております。

数年前、あの朝井リョウさんの新作ということで期待の大きかった原作ですが、面白くないな、という印象しか残らなくて内容もすっかり忘れてました。
(そも
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マーベルズ(2023年製作の映画)

4.4

〝猫可愛がり〟という言葉があります。
たとえば、こんなふうに使われたりします。

彼はおばあちゃんっ子で、猫可愛がりされて育った。

〝溺愛〟とは少し違うんですよね。
どちらかと言うと、溺愛は親子に使
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法廷遊戯(2023年製作の映画)

4.5

自分、バカでおっちょこちょいですみません❗️
先行上映というだけでつい予約してしまったのですが、来てみたら9割方女性で満席じゃないですか⁉️
永瀬廉さんの舞台挨拶付きだったのですね。しかも、新潟の会場
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(2023年製作の映画)

4.5

まさか、『愛にイナヅマ』と同じ監督がほぼ同時期?に作った映画だとは⁉️

でも、この監督さん、主演俳優に〝顔〟で演技させるのが好きなのですね。宮沢りえさんが過去の辛い思い出と高齢出産の不安を重ねるあた
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

5.0

洋楽を〝ほとんど知らない〟レベルの私は、こういう映画−つまり、流れる楽曲それぞれの歌詞に色々なテーマを被せているであろう映画−を見るといつも損した気になるし、とても悔しいのです。

それでも十分に感情
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アンダーカレント(2023年製作の映画)

5.0

セリフも音楽もそれぞれのカットも、物足らないと言えば物足らない。つまらない、というのではなく、どれもこれも素材としては抜群なのに、何もかもが塩をかけたくなるほど薄味で慎ましやかなのだ。
過剰な演出とは
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バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

5.0

天才建築家である妻、Microsoftに自分の開発したソフトごと高額で招かれた開発者(エンジニア?)の夫。

どう考えても自分とは縁のない、とびっきりの才能に恵まれた人たちの話なのに、〝あ、そこ分かる
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アリスとテレスのまぼろし工場(2023年製作の映画)

3.1

ある程度の年齢で、映画を人並みよりはたくさん観てきた方には、既視感の強い映画かもしれません。
たとえば、煙が龍のように口を開けて人を喰らっていくさまはレイダースのラストシーン、聖櫃から出てきたアレのよ
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こんにちは、母さん(2023年製作の映画)

2.8

舞台設定も、人物相関図も、何が起きてそうなったのかも、すべて分かりやすいのに、モヤモヤ度はメチャクチャ高い。なんでこんな珍しいことになったのか。

◦高齢者の不安
いつまでこうして普通の日常が送れるの
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春に散る(2023年製作の映画)

4.0

この監督、1960年生まれか。
原作未読なので、原作者と監督のどちらがどうなのかは分かりませんが、間違いなく梶原一騎の世界に影響を受けていると思います。

大リーグボール3号で左腕の神経がボロボロにな
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クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

3.3

なんとも分かりづらい映画なのだが、印象点には不足しません。

・エイリアン好きがソワソワするギーガー風の造形のあれこれ。
・レア・セドゥのマシマロおっぱい
・倒錯した性表現
・カエルの解剖で、ちょっと
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クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男(2019年製作の映画)

5.0

やっぱり僕たちは◯◯が好きだ❗️

こんな謳い文句の雑誌や広告をよく見ますよね。
タランティーノは、まさにそれです。
冒頭から最後まで、あーアレもコレもまた見なきゃ❗️DVD買ってあったかなぁ…
とな
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

5.0

【『失われたものたちの本』について追記】
2023.7.27

宮﨑駿監督が映画化したいと切望した物語。
それはアイルランド生まれのジョン◦コナリーの書いた『失われたものたちの本』
映画の
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イノセンツ(2021年製作の映画)

4.0

これだけの数の人が同時に息を飲み、次に起こる出来事を、見たくないと思いながらも直視しないわけにはいかない。

あのシーンやこのシーンで、ゴクリと唾を飲む音やウワッ、とかヒー、それだけはやめて!
と観客
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裸足になって(2022年製作の映画)

3.8

映画に出てくる女性たちは皆、顔まで覆うブルカや髪だけ隠すヒジャブ(スカーフ)をしていなかったので、アルジェリアでは、宗教的な戒律が少なくとも女性の服装にまで厳しくは及んでいないようです。

旧宗主国の
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アイスクリームフィーバー(2023年製作の映画)

4.5

本好き、読書好きの人にはたまらない。
せいぜい月に5〜6冊程度しか読めない私が言うのはおこがましいのですが、本好きなことは本当なのでお許しください。

一般的な娯楽作品と比べると、ところどころ間伸びし
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遠いところ(2022年製作の映画)

2.5

社会的弱者。

この言葉を使うこと自体が、上から目線的な傲慢さを表すようで少し抵抗があるのですが、ここでは、福祉や教育など一定の社会制度の枠からはみ出してしまった人、もしくは、不運にも始めから枠の外で
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1秒先の彼(2023年製作の映画)

4.5

こんな脚本ならもう、主要人物3人(男ひとり、女ふたり)の配役さえ間違えなければ、面白くないわけがない‼️

熱心なレミゼファンの方からは、一緒にするな❗️とお叱りを受けるかもしれませんが、繰り返し上演
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