無花果さんの映画レビュー・感想・評価

無花果

無花果

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オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

3.0

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風の抜ける映像に弱い。底から力の抜ける温かさの瞬間、十分既に持っていたと気付くだろう至福の表情。車の窓に映る木々や青空の動く様子。

天国にちがいない(2019年製作の映画)

3.5

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シネマスコープ

個人と個人との間での思わぬ"目撃"、思わぬシンクロや瞬間に発見した美しさ、わたし自身も自分の目と感覚を合わせて生きることが楽しいと思っているから嬉しくなった。監督のインタビューで「メ
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美しき結婚(1981年製作の映画)

4.0

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2度目

やはり初見を超えていく。あまり良いイメージがなかった主人公のことを全然嫌に思わない、そりゃ先の未来の気持ちなんて断定できないしあっちこっち行ってしまうのはその通りだろう。そしてわたしは最近特
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ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

4.5

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シネマスコープ

2049を観るために復習も兼ねて観てみたものの、驚愕している、これはSFじゃなく人間と人間の物語だったんだ。
便利に暮らしていくために人間が生み出したものたちが使い捨てされないよう必
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木と市長と文化会館/または七つの偶然(1992年製作の映画)

3.8

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2度目

鑑賞中、最初観た時より抜群に興味が増しているな…とワクワクした。映画は限りなくタイミングだと最近思う。
「なんとなく、髭について」笑いながら触れるくだりの救い、「なんとなく」というあまりにぼ
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ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ(2018年製作の映画)

4.3

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前作ではランプの灯りと煙の描写に一番心を惹かれて、今作では灯りの粒が短い糸のように落ちる姿を可視化してしまった。見えることを可能にしてしまう、がいくつもいくつも出てくる。版画のようなあの光の糸、大量の>>続きを読む

青髭八人目の妻(1938年製作の映画)

3.8

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きっと記憶からこぼれ落ちてしまうが、クレジットのぷっくりしたフォントに、もうすでにわたしは楽しめてしまっている。自分なりのコメディを生きる、こんなふうに愉快に強かに生きたいもんだ。

幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)

3.6

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2度目
フランス国旗のカラー切り替え、編集の際ここ何秒にしようなど考えるの楽しそうすぎる、アニエスヴァルダの作品(や、ヌーヴェルヴァーグ時期の作品)に話の面白さ以上に「心が楽しい…!」と思えるものがあ
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狂ったバカンス(1962年製作の映画)

3.0

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シネマスコープ
白黒、イタリア語、燦々とした夜からフェリーニのインテリジェンスを感じて、そういう映画なのねと思って観ていたけれど、テレビコメディ並みに秒速で笑わせてくる。太いけど、針のような雨。全部綺
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スザン・レノックス(1931年製作の映画)

3.0

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クラークゲイブル見たさに昔マークしていたこちら、まさか見れるなんて!女で生きることの辛さを乗り越えた売り物にもなる人生へのアプローチ、昔より遥かに理解ができるようになってきている気がする、生きていくた>>続きを読む

お茶漬の味(1952年製作の映画)

4.7

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彼の作品で こんなに陽気な気分になるのは初めてかもしれない、洋服もたくさん出てくるし、陽気な音楽がそこかしこに流れている効果もあれば女たちの明るい井戸端会議も湿っぽくなく、寧ろからっからで、そういうと>>続きを読む

銀座化粧(1951年製作の映画)

4.0

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久しぶりの日本映画、良すぎる…。アメリカ的な効果の使い方に少々驚き。柄の羽織りが、画面上で泳いでるように浮き出ていた、ピンとしていて和装が全て素敵。「忙しい時ほど詩が必要」の心がわかるひと、淡い恋、つ>>続きを読む

ナイル殺人事件(2022年製作の映画)

3.0

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犯行手順、動機等知っている上で観ていると、古い作品より感傷的な気持ちになる。映像で出来事を知ると、と思っていたけれど、これがこの作品の素晴らしさだろうか。心にズーンと沈むものがある。

太陽の下の18才(1962年製作の映画)

3.5

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太陽で煮詰めた音楽、ご機嫌たち。このくらい単純に生きたいとも思う。

小公女(2017年製作の映画)

3.7

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なりたい夢や自分を構成している最小限の存在を優先する方が目先キラキラしてきて走っていける気もするが、自分にとって大切な物だけを優先することも強さ、簡単ではない、簡単ではないが、わたしたちは暫し人生が一>>続きを読む

疑惑の影(1942年製作の映画)

3.5

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恐すぎる…!息を止めてしまう恐ろしいと感じさせてしまう様々な効果たちに感動。

ブロードウェイのバークレー夫妻(1949年製作の映画)

3.5

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新しいところへ飛びついてみたら、今までいかに甘えていたかがわかり、そんな姿を陰で支えてしまう相方。
いつも当たり前に画面の中でだけアステアが踊ってるところを観ていたけれど、生の舞台でパフォーマンスして
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BTS: Yet To Come in Cinemas(2023年製作の映画)

4.0

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MVで出てきたオブジェクトとして、彼らだけが乗車したバスの中から歌っていた姿にじんわり、この乗り物は時をかけるような夜空をかけるような姿で存在していた。

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

3.6

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傷つけようとした、傷つけた相手からだって血が出てくること、痛みに気付いた瞬間。吊るされたシーンは比喩かと思っていたけど、事実だとわかった時 色々なこと、前のことだったり後のことだったりを考えだしていた>>続きを読む

読書する女(1988年製作の映画)

3.0

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彼女への身勝手(あまりにも身勝手)な視線や行動を排除した場合、ジュテームと声高らかに叫びたいほどなのに。傾いた天窓とベッドのみのようなこざっぱりした部屋、ベッドの中で読書をするたのしみ。よく身につけて>>続きを読む

真実(2019年製作の映画)

3.8

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陽に当たる燦々な枯れ葉が落ちる、つい最近はっきりと葉の形と色を観察しながら散歩をした。エンドクレジットで流れてた曲、わたしの日常にも流したい。
この男性誰だったっけ、から、やっぱりイーサンホークかっこ
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シャレード(1963年製作の映画)

4.0

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色が楽しい映画。ラスト数分まで相手役が怪しい存在でいたのが楽しかった。恋仲に近い相手に追いかけられる図が個人的にものすごく好きかもしれない。オチを知った途端、はじめから全て確かめたくなる、そうそう、こ>>続きを読む

断崖(1941年製作の映画)

3.6

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前半の陽気さと後半の絶望に日常における紙一重な瞬間を見る。旦那が殺人者かもしれないという点はもちろん怖いのだけど、前半と後半の内容にしっかり繋がりがあるのに あまりにも起こっていることが違うことが怖い>>続きを読む

桃色の店/街角 桃色の店(1940年製作の映画)

4.6

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始まってすぐ、マトチェック商店とみんなが大好きになってしまう…モノクロの雪道、そういえばクリスマス映画として紹介されていたことを思い出したり。話が進むにつれ、素直になれない性格から相手へ打ち明けにくい>>続きを読む

三つ数えろ(1946年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

2度目

登場人物多数にモノクロで必死に食らいついてみたけど、多分これはもう一度観た時すごく楽しくなるやつだと途中からなんとなく追いかけることにする(した)。シリーズものかのように嵌った探偵キャラ、バ
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過去のない男(2002年製作の映画)

4.5

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2度目
励まされたい時、アキカウリスマキが観たくなる。ほとんどのものを持たず、細々した支払い料金からも追われず、銀行口座を作るほどじゃない所持金での生活、体が軽そうな暮らし、少し憧れる。(イルマの、決
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ベルファスト(2021年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

宗教なんて関係ない、良い子なら大歓迎だよの言葉にじわり。友達は友達でいいじゃないか。関係ない人間に、大事なものを引き裂かれることなんて起こってはならない。緊張感のある作品を観ること、かなり久々だったけ>>続きを読む

美しき諍い女(いさかいめ)(1991年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

4時間というのが長すぎることなく、必要な時間だったと思う、好ましい時間の流れ方。オレンジジュース、フランス映画の深い緑色大好きだ…。

TOVE/トーベ(2020年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

「君は自由を試したんだ」”自由を試す“。
自分の好きなものを素敵と信じ続けることへのエネルギー、それってすごく大変じゃないか。前の晩の酒と煙草と踊りの混沌とした暖色の室内から 朝の清々しい青い部屋、そ
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凱里ブルース(2015年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

最近、上田義彦さんの写真展を見に行ったからなのか、山や草の緑に煎茶の豊かさが広がって見える。あまりに色遣いとバランスが優れてると思うと、内容がちゃんと入ってこなくなってしまうことがあるけれど、最近はそ>>続きを読む

コントラクト・キラー(1990年製作の映画)

3.8

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英国が舞台なことに驚き!当たり前に北欧かと思ったよ。運命の相手に出会った瞬間、色んなもの放り投げて向かってくお馴染みスタイル。虹のような女性。レオー、瞳がキラキラだね…

カモン カモン(2021年製作の映画)

4.0

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コントラストの低い、まろやかなモノクロ。石のような、桃の皮膚のような、滑らかさ、君はすごく優しいんだね。

日日是好日(2018年製作の映画)

3.8

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五感が瑞々しくなる。頭で覚えない、体が覚えるまで待つ。昔茶道を習っていた時、必死に暗記しようとしていた。こんなことに気付きたかったという瞬間がたくさんある、そして、また始めてみたくなる、と今のわたしは>>続きを読む

007/ダイ・アナザー・デイ(2002年製作の映画)

3.5

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シネマスコープ
車の自動運転は当たり前、ボディが透ける時代に。今作はCG多めのメカ合戦。冒頭の14ヶ月、あんなもじゃもじゃ見れると思ってなかった。

007/ワールド・イズ・ノット・イナフ(1999年製作の映画)

3.5

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シネマスコープ
車の自動運転がスタンダードスペックになりつつある、前作に引き続き乗ってないのに動くは気持ちがウキウキしてしまう。Dr.クリスマスさん、可愛すぎる…。あんまり信じてなかったけど、本当に今
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007/トゥモロー・ネバー・ダイ(1997年製作の映画)

3.5

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シネマスコープ
部下への絶対な信頼からくるMの笑みにこちらも笑む。タフな女性が大活躍で最高だった…!

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