ClubdeLuchaさんの映画レビュー・感想・評価

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ブラック・スワン(2010年製作の映画)

5.0

「漆黒の闇が、私を呑み込んでいく。」

サイコスリラーとしても良く、バレエや演劇においてたまに見られる「役に飲み込まれる」現象を上手く事実と妄想、幻覚を交えながら伝えていたと思う。
『ダークナイト』の
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

4.0

「水は、愛の形をしていた。」
自分がもしこの映画のコピーをつけるとしたらこれしかないと思う。
異形の者との切ない愛の物語であった。水は音を通さない、つまり声が通らないからこそ、イライザと異形の者は言語
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あの夏のルカ(2021年製作の映画)

5.0

「劇場で公開しろ!」シリーズ第二弾の本作。
(勿論、コロナで劇場公開が難しかったのは理解している)
イタリアの夏の風景が新鮮味があるのにどこか「エモく」、誰にでもある「少年の日の思い出」的な交流を描く
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

5.0

まず、何かに懺悔する映画というものは基本的にその被害者が最終的なジャッジを下すべきだと考えている。
例えば、『アルジェの戦い』であればアルジェリア人であるし、『ブラディーサンデー』であればアイルランド
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

4.5

最後の最後で大きなどんでん返しが待っている映画。
どうしても昨今のアカデミー賞やポリティカル・コレクトネスなどは「マイノリティーに機会を与える」というのが建前の目的となり、「素晴らしき白人様に自己満オ
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.5

まだ謎に包まれていることも多い前章だが、後章も観る予定(というか凄い続きが気になる)。
細かいレヴューは後章を観てから。

アルゴ(2012年製作の映画)

4.5

「嘘はとびきりの愛」ではなく、「嘘(もとい偽映画作戦=アルゴ作戦)はとびきりの救出作戦」である映画。

潜入奪還作戦的な映画や実話はよく聞くが、偽の映画を制作しているという体で人質を奪還するというアイ
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カラダ探し(2022年製作の映画)

3.5

幾度となくループし続ける時の中で、死体を探すゲームに挑む橋本環奈。
実質『ハシカンの奇妙な冒険 Part 7 スティール・ボール・ラン』である。

意外と楽しめた。
良い意味で「軽さのある」映画。
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私ときどきレッサーパンダ(2022年製作の映画)

5.0

コロナがあったとはいえ、劇場公開しないのは勿体無さ過ぎる作品。
概念的なものや抽象的なものを比喩するのはPIXARの得意な部分だが、今作も例外ではなく思春期という形容や比喩し難いものを「レッサーパンダ
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猫とピットブル/キットブル(2019年製作の映画)

4.0

猫の動きがリアルでとてもかわいい。
短いのに満足感がある。

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

4.5

原作が売れており気になっていたが、予告の居酒屋のシーンで「新しい人生を生きてみようよ!!!」という台詞で「うわあ…」となり見ることを少し躊躇した作品。
しかし、案の定居酒屋のシーンは実写で見ると少し変
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.5

是枝の『怪物』を彷彿とさせるフランス映画。
夫が謎の死を遂げた主人公。そして、主人公はその容疑者となってしまう。
夫婦仲が悪かったことは殺害動機としては成り立つが、彼女が犯人であるとする証拠はない。
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

5.0

「明けない夜はない」という台詞は使い古されすぎてもはや摩耗しているだろうし、「いや、今のこの闇の中がもう辛いのだけれど」という人もいることであろう。
この作品はそれに対するアンサーなのだと思う。

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ネクスト・ゴール・ウィンズ(2023年製作の映画)

4.0

勝つこと、負けることよりも、一点を取ること、つまり一歩だけでも進むことが大事、というお話。
そういう大事なメッセージを深刻になりすぎず、明るく軽快に伝えていく。

また、タイカ・ワイティティの語りも良
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死刑にいたる病(2022年製作の映画)

3.5

ジョジョ4部は「正義や勇気による意志は伝染する」というテーマだ。
(だからこそ、川尻浩作もとい吉良吉影は「アレ」にトドメを刺された)

しかし、この映画はジョジョ4部の逆をやっている。それは、「吐き気
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.0

一級術師アリ・アスターによる領域展開の連続!そして歓客はハジケバトルを仕掛けられているような感覚に陥る映画。

どこからどこまでが現実?夢?妄想?

真っ裸で疾走するスキンヘッドの男!
救急車で轢いて
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ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ(2023年製作の映画)

3.5

「深夜のダイナーで5日間、殺人アニマトロニクスを退けつつ、警備の仕事をやり通す」という、水ダウのドッキリ企画のような設定(ダイアン津田やクロちゃんがやらされそうな…)のホラーゲームが原作の本作。
主人
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

5.0

『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』のテーマは、ラクスの言う「愛の反対は無関心であり、争いや差別などを無くすには少しずつ、あらゆる物事に関心を抱いてみること。そうすれば世界は良くなるかもしれな>>続きを読む

機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(2024年製作の映画)

5.0

『水星の魔女』でガンダム全体に蔓延っていた、「定められたフィクション」、「新規が入りにくい」という呪いは解かれた。
しかし、作品や個別シリーズ単位で見ると呪いが解かれていない作品もある。
その一つが『
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ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

4.0

嵐の前の静けさ、という言葉が似合う本作。
人物紹介や設定紹介に時間を割いていた感もあるが、裏を返せば原作の物語を丁寧に描いていた、ということ。
続編も確実にありそうなので、楽しみである(今回はシリーズ
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ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

3.5

意外と楽しめました。

大学時代、夏休み前最終登校日の夜に焼肉屋に行こうとしたところ、同じ大学の学生ヴィーガン団体がそこでデモをしていたということがあり、せっかくの肉が不味くなってしまった。
そんなこ
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バーバリアン(2022年製作の映画)

3.0

2024年初映画。
意外と楽しめた。
今回登場した化け物も悲劇ゆえの産物であるにも関わらず、向ける場のない愛を持たされた悲しきモノであり…。
もう少し化け物に対する深堀りがあると良かったかもしれない。

ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

4.0

「花束みたいな恋をした」ならぬ、
「理想を演じる恋(結婚生活)をした」というタイトルでも良い感じの本作。

結婚生活は、ある程度理想を演じながらでないとうまくいかないのかもしれない。
しかし、理想を追
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

5.0

東京がまるでブレワイのハイラル地方のような美しさを放っていた本作。
きっとこのような美しさは東京にまだあるのだろうが、我々が見ようとしていないだけだろう。

その美しい東京にて、朝早く起き、仕事へ行き
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

5.0

過去に日曜の朝テレビで見ていた鬼太郎のアニメと違い、かなりグロ描写とホラー描写の強い作品。
しかし、その一方でそれよりも恐ろしいと思えるのは閉鎖的な環境から来る人間の怖さであった(ミッドサマー的なのも
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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

-

ラスト20分〜「5年後」からの下りが物語が飛びすぎて意味不明。
『カサブランカ』的な切ないラストにしたかったのかもしれないが、それはきちんと段階を踏まないと切なさは達成できない。
この映画はそれを怠っ
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ノマドランド(2020年製作の映画)

4.0

画作りがとても丁寧で、VFX全盛のこの時代に、きちんとロケをして撮影をし光も自然光を使っている。
ノマドとして旅に出ることは自分と向き合うことである。
「さよなら」でなくて「またどこかで」というメッセ
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ウィッシュ(2023年製作の映画)

4.0

聞いていたほど悪くない、
それどころかむしろ良い。

同時期公開の某チョコレートの映画と少しメッセージが被るが、何にせよ夢は抱かなければ始まらないし、それが生きる活力になる。

次の100年も、よろし
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ワンス・アポン・ア・スタジオ 100年の思い出(2023年製作の映画)

5.0

初っ端からエモすぎる…!
本当に今まで観てきたディズニー作品が勢揃いする、というのはとても魅力的。
モアナがマーリンに魔法をお願いするところ、笑いました。

ナポレオン(2023年製作の映画)

4.0

ナポレオンは、フランスとジョセフィーヌへの愛が強いため、それと比例して虚栄心が強まったのだろうか。
いずれにせよ、虚栄心が強いためにフランスとジョセフィーヌへの愛の証明をするための行為(戦争・侵略行為
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マーベルズ(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

鑑賞前の期待値は低かったが、きちんと楽しめました。

VFXのクオリティの低さが透けて見えるシーンや、入れ替わりバトルのシーンで編集の下手さ故に「どこで入れ替わったの?」というのが分かりづらい部分もあ
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

5.0

監督のこともあり、あまり期待していなかった(ごめんなさい)。
しかし、観てみるとこれはかなり面白く、テーマもきちんと共感できるものだと感じた。
エンタメ作品において、自己犠牲で○ぬことが美徳とされてい
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