どいすけさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

どいすけ

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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

4.2

スタントとCGの境界線がどんどん曖昧になる。
1ミリでも過去作を超えなければ一切価値がなく死あるのみと言わんばかりの、観客やファンのためというよりもはや自分たち製作側のための挑戦かのように感じる。ただ
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CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

3.8

『怪物』にも通ずる所がある世界観とテーマ性。純粋ゆえに繰り出される言葉。それに反応してしまうのも純粋ゆえか。
レオとレミ、どちらの気持ちに立ってもきつかった。誰もが皆『大いなる自由』のハンスのようには
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大いなる自由(2021年製作の映画)

4.0

時系列が単純ではないので途中までは多少混乱したけど、見終わった後に頭の中で各シーンを繋げていくと、とても美しくて切ない物語だったと再認識する。ポスターのシーンにはかなりやられる。

自分を恥じない、何
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トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)

3.9

実はテレビ番組だったと最後に種明かしするようなトゥルーマン側に立った話ではなく、初めから僕らも作中の視聴者側ってとこが面白い。トゥルーマンの行動を面白がり、見守る点で同じ立場なんですよね。

そんない
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ジェイコブス・ラダー(1990年製作の映画)

3.8

大学時代に友人と観たやつ。
時々思い出すことがあるので見直した。

現実と夢や、その境界線の描き方は今観ても新鮮。夢オチで片付けるのはあまりに勿体無い。ラストの「階段」は泣けるし、本当の現実に戻ってき
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.5

もはやアニメの革命とも呼ぶべき映像表現に驚かされた前作を軽々と超えました。一つの画面にタッチの異なる絵をあれだけ共存させられるなんて、、もう芸術映画です。
作画が酷くて観るに耐えなかった某海賊アニメ(
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怪物(2023年製作の映画)

4.0

自分の知見を超える物事にどう向き合って寄り添うか?誰もが誰かにとっての怪物になり得るという、グサグサ心を突き刺してくる厳しい内容でした。

「人は自分が見えているものしか見えないし、想像できることしか
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.2

想像を観る側に委ねすぎかな?とは思ったけど割と好みでした。冒頭のビデオテープ映像を途中で別角度から差し込んできたり、新鮮な演出が多かったです。ただのオシャレ映画、アート映画、雰囲気映画には留まらないで>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

3.6

指揮者=メトロノームであるはずのターがまるでメトロノームに調子を狂わされてるようで、どんどん落ちぶれていく展開がほんとに気味悪い。嘔吐シーンくらいでこっちも三半規管が狂ったようになって気持ち悪かった。>>続きを読む

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

4.8

冒頭の音楽のイントロ、聴いたことあるけどなんだっけ?レディオヘッド?No Surprises?とか思ってらCreepか。しかもアコースティック。それを口ずさむのがロケット。ガーディアンズらしくないしっ>>続きを読む

レッド・ロケット(2021年製作の映画)

3.8

碌でもない登場人物ばっかだけどマイキーだけは憎みきれない感じがあって最後はもう応援すらしてたなぁ。中年男性が自転車でテキサスを走り回るのがこんなに愛くるしいとは。
ストロベリーのそばかすもよき。エリザ
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

4.0

マリオというビデオゲームの歴史と3Dアニメの成熟が生み出した娯楽の傑作。原作オマージュはもちろん劇中歌の選曲まで見事。大人から子供まで楽しめるとはまさにこのこと。
そりゃ任天堂が直接関わってるんだから
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

3.7

なんと言っても最後の海辺の映像と音楽の迫力に圧倒される。
ブレンダン・フレイザー受賞おめでとうございます。

以前やってたゲームで出て来たエイハブ、イシュメールは「白鯨」の登場人物からとってたのか。機
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生きる LIVING(2022年製作の映画)

3.8

原作も過去作も未鑑賞ですが、「生きること」を長ったらしくなく、説教臭くなく、コンパクトに無駄なく描いてたと思います。ビル・ナイの自然体なオーラなしにはこうならなかったかも。好きなお爺ちゃんの一人です。

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

4.0

サミュエルLジャクソンってどの映画でもサミュエルLジャクソンだけどパルプ・フィクションのサミュエルLジャクソンが一番サミュエルLジャクソンだと思います。尋問中にバーガー頬張ってそれをスプライトで流しこ>>続きを読む

オットーという男(2022年製作の映画)

3.5

妻に先立たれた偏屈頑固ジジイという点でトム・ハンクス版グラントリノとでも言うべきでしょうか。
自殺しようとしながら過去を思い出すシーンは辛かったし何度も繰り返されるけど、毎回何かに命を救われる。お節介
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Winny(2023年製作の映画)

3.7

不当逮捕さえなければ、あるいはそのまま海外で自分の仕事を続けていれば世界は今以上に良くなってたかもしれないしもっと進んでたかもしれない。でもその道を選ばず、未来の日本のクリエイターのために命を削って戦>>続きを読む

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

4.0

戦闘中の現場感と『異常なし』中のあの感じ。兵役経験はもちろんないけど、戦時中のリアルな感覚が伝わる素晴らしい作品だった。

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.8

スピルバーグのいない世界線も気になるところですが、何はともあれ孤独と向き合うクリエイターがその情熱を映画に注ぎこんでくれたことに深く感謝。

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.5

人生の虚無感にどう向き合うか、自分はどう在るべきか。

ドクターストレンジ2で「夢は別の宇宙の自分」と言われてから多元宇宙論を地で行く自分にとって、「あの時ああしておけば」と後悔するのではなく『自分が
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

4.0

イヤ〜な金持ちを完膚なきまでに叩き落としてヒエラルキーがその名の通り逆転する様は爽快だったけど、これを楽しんでるあたり昨今のSNS上での妬み、叩き、炎上を餌として生きる醜い人種と同類なのかもと思いちょ>>続きを読む

レミーのおいしいレストラン(2007年製作の映画)

3.8

エブエブでオマージュされてるとのことで鑑賞。
古い常識が新しい価値観を潰すとは言うものの、さすがに街中を這い回るネズミたちが運営するレストランは、、、と思ってる時点で価値観が凝り固まってるのかな🤔
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アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

3.6

(少なくともこの時間軸では)アントマンなしではサノスに勝てなかったという事実。
バイトも続けさせてもらえない前科者が宇宙を救うまでの存在になり、まさに出世街道まっしぐらなスコットと、予告で流れた"go
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ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

3.9

水が滴るならぬ、血が滴るいいティモシー。

予告やジャンル的にどうしてもホラー感が強いけど、実際観ればこれは紛れもない恋愛映画であり、血が美しくすら思えてくる。

人を食べたいという衝動も多様性の一つ
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対峙(2021年製作の映画)

4.2

ほとんどが小さな部屋での家族同士の対話だが、それぞれの言葉の力強さと、どこからかじんわりやってくる心地よさが印象的。

被害者母親の、加害者両親に向けたあの言葉。
それに対して、加害者母親の後悔と自責
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バビロン(2021年製作の映画)

3.4

我らがデイミアン・チャゼル監督が描く過去のハリウッドの栄光と映画への異常なまでの愛情。
3時間はファンでも擁護できないほどに長く、ハッキリ言って2時間くらいにはまとめてほしい内容。だけど体感としてそこ
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レナードの朝(1990年製作の映画)

3.8

午前十時の映画祭にて。

なんといってもロバートデニーロの演技よ。
しっかりと少年を感じる。名作と呼ばれる所以。
30年ぶりに母と再会するシーンには思わず涙を流した。

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

4.0

リバイバル上映で鑑賞。

水々しくて、ほんのり甘く、そして酸っぱい。
そんな熟れ頃手前のプラムのようなエリオを演じるティモシーが素敵だった。
甘酸っぱい香りまで伝わってくる。

エリオの父親、ドクター
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ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)

3.9

本来強盗をする側が絶対的な悪でありながら、それでも犯人たちに「無事に生きて逃げてくれ!」と願ってしまうのは、今の環境から抜け出したい、家族を守りたいという、気休めでもそれなりの理由があったのと、盲目の>>続きを読む

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

3.8

『この島の人間は全員"退屈"よ!』と言い本土へ向かったシボーン。
同じような感覚で故郷を離れた自分と少し重なり共感できました。

ああいう閉鎖的な環境で慎ましく生きていくのが悪いというわけではないけど
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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

3.7

過信、不誠実、横暴、媚売り、暴力…挙げ出すとキリがないほどのネガティブな表現に満ちた、まるで人間の嫌な部分を缶詰にしたような映画でした。

カメラワークが印象的。
まず最初の心臓ドアップはトラウマレベ
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私ときどきレッサーパンダ(2022年製作の映画)

3.2

予告や日本語タイトルではあんまりそそられなかったので観てなかったけど、ピクサーの安定感はさすが…かな🤔

子の幸せのための行為は本当に子にとって幸せか?否、それは親の独りよがり。
良いも悪いも全部引っ
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処刑人(1999年製作の映画)

3.6

期待してたダークでシリアスな展開や、犯行シーンのアクションのキレはあんまり印象になくて、簡単にまとめるとチャラけた若造によるドタバタ勧善懲悪コメディって感じ。

デスノートの夜神月的な、悪を私的に制裁
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グラン・トリノ(2008年製作の映画)

4.5

これまでの作品では自らの手で悪を裁いてきたイーストウッド。本作でウォルトとして下した決断はあまりにも切なく、かっこよく、渋い。(そういう点でイーストウッド主演の西部劇を観てから鑑賞した方がいいかも?>>続きを読む