Foufouさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

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原作があるんですね。しかしナイト・シャマランの映画のためのような内容ですね。

相変わらず見せ方が上手いと思います。冒頭の題字のロゴがなんともレトロで、ちょっと七十年代を彷彿とさせます。パニックの描き
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アラビアンナイト 三千年の願い(2022年製作の映画)

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御年七十を超える映画作家が、これまでの人生で自分が成し遂げてきた事柄を振り返ってみて、さしあたってその意味を問うてみた、といったところでしょうか。あるいは、案外女性崇拝をドラマツルギーの根底に据える作>>続きを読む

The Son/息子(2022年製作の映画)

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『ザ・ファーザー』が良かったので見てみました。同じ監督、脚本です。

役者がまずゴージャス。役柄は皆さんニューヨーカーの成功者。わたくしとは住む世界がぜんぜん違います(あんな生活、何をどうしたら手に入
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ファーザー(2020年製作の映画)

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これはたしかに絶賛されて然るべき作品。まず認知症がリアルに描かれている。物が見つからないとやたらと他人を盗っ人扱いする、陽気だったかと思えば突然感情を爆発させる、やたらと故人に会いたがる……。

と思
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モーリタニアン 黒塗りの記録(2021年製作の映画)

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生真面目な映画です。
This is a true story. と冒頭からテロップで言い切りますからね。

世評は高いようですが、どうなんでしょう、特段意外性のある話ではないんじゃないか。まぁ、アメ
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生き残るための3つの取引(2010年製作の映画)

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初見と思いきや途中既視感が。。
ファン・ジョンミンのファン(ややこしい笑)だからこそ見たわけですが、惚れた弱みの欲目は凄いなとまさかの実感。ちなみにどこでコレ見たことある! となったかというと、ユ・へ
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新しき世界(2013年製作の映画)

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ファン・ジョンミン見たさで再鑑賞。彼ならではの軽薄さと、愛嬌と、そして凄みを存分に楽しみました。男が男に惚れる、というやつです。カメラのアップにかろうじて耐える肌の荒さもね、うまいことキャラに活かせて>>続きを読む

レプタイル -蜥蜴-(2023年製作の映画)

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ベニチオ・デル・トロを愛でる映画。とはいえ、この人はちょっとなに考えてるかわからないという凄みが真骨頂の俳優ですからね。本作の人物造形は、角を矯めて牛を……になりかねない危うさ、というか物足りなさを感>>続きを読む

ノー・シャーク(2022年製作の映画)

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新しさって色々だなぁとつくづく思わされる作品でした。

大金かけて、CGやらなにやら最新のテクノロジーを駆使して誰も見たことのない映像を演出……なんて触れ込みの映画でも、お話自体はクリシェ(紋切型)の
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四年生ボギョン(2013年製作の映画)

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美大生のかわいいビッチのお話です。
自分に正直で、人に嘘をつけないビッチちゃんですから、彼氏くんはもう大変。若い時分にはこんな一幕、必ずございますね。

韓国映画のニューウェイブですか。たしかに韓国映
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傷だらけのふたり/恋に落ちた男(2014年製作の映画)

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この邦題のダサさは……。それでも見たのはファン・ジョンミンが見たかったから。なんか、好きなんですよね。薄っぺらな感じ、すぐキレやすい感じ、でも笑うとかわいくて。憎めないチンピラがよく似合う。

『猟奇
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夜の片鱗(1964年製作の映画)

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主演の桑野みゆきといえば、小津映画にほんのちょいと顔を出す庶民的な娘さん、というのがわたくしのイメージ。これが本作で女優人生をかけた一世一代の芝居を披露します。そう、桑野みゆきを映画史に残すための映画>>続きを読む

壁女(2015年製作の映画)

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発想はとてもよかったのに。

脚本が詰めきれませんでしたね。

残念。

甘い人生(2005年製作の映画)

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イ・ビョンホンをひたすら愛でる映画。役者冥利に尽きる映画とでもいいますか。被写体をとらえるカメラが一々のカットで惚れ惚れしているのがわかります。そういう意味で、極めてホモソーシャルな映画。じっさい、女>>続きを読む

マリア・ブラウンの結婚(1978年製作の映画)

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ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー34歳の作品。

まぁ、年齢じゃないとかいうけどさ、これは凄すぎるよ。全部持ってる。いや、溢れてるよ。天才と言ってしまうのは容易いけどさ、たしか、漱石の『夢十夜』か
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はこぶね(2022年製作の映画)

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Xでの今泉力哉氏の呼びかけを受け、急遽東中野ポレポレへ。

旧Twitterのスペースではお話しさせていただいたこともありますが、お会いするのは初めて。地下の劇場へ行く途中の踊り場に、大西監督と主演の
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天使の影(1976年製作の映画)

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昨今再評価されているのらしいライナー・ベルナー・ファスビンダーの戯曲を35歳のダニエル・シュミットが撮ったと。

役者がともかく喋る喋る。
ゴダール影響下のドイツ映画とはまずは言える。ということはゴダ
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小公女(2017年製作の映画)

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原題の『소공녀』がバーネットの『小公女』のハングルの直訳になるらしい。で、バーネットの方は原題が《A Little Princess》。ところが、映画冒頭でタイトルの横に《Microhabitat》と>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

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前半は寒寒サムシング。

妻の経営はあまりに杜撰だし、それ以上に夫の共同経営者?としての当事者意識の低さは戦慄レベル。

猥雑でとっ散らかった世界観を引きずってマルチバースへいざ突入。カタルシスがない
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続 雷電(1959年製作の映画)

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こちらは後編。

若い主人公らの絶体絶命を救うのがほろ酔い加減の大田蜀山人(大田南畝)。『亡霊怪猫屋敷』にも一貫しておりましたけど、中川信夫という人は反骨の人だったのではないか。大田南畝の人物造形は、
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雷電(1959年製作の映画)

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相撲好きでもなんでもありませんが、中川信夫の怪談ものを立て続けに二本見ましたので、今度は人情ものをと手に取りました。

千曲川の乱闘シーンは、日本映画史に語り継がれる名場面と思います。冒頭の浅間山の麓
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女吸血鬼(1959年製作の映画)

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天知茂の吸血鬼、眼福の至りでございます。もう少し上背があって脚が長ければいうことなしですが、まぁ、お顔だけでもね、素晴らしいものがございます。

現代に甦る天草四郎の復讐モノといえば真っ先に『魔界転生
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亡霊怪猫屋敷(1958年製作の映画)

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妻の結核の療養のため北九州に同伴する壮年の医者。幽霊屋敷といわく付きの古い日本家屋に住むことになるわけですが、モノクロ映画かと思いきや、江戸時代の因縁話になるに及んで突然カラーになるんですね。これがも>>続きを読む

スリザー(2006年製作の映画)

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今をときめくジェームズ・ガンの初監督作品ということで鑑賞。これまた往年のホラー映画の数々の名シーンを掠ってきます。やっぱり若い頃はこういうことをやりたがるものなのか。

引き裂くとか破裂するとか、この
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ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

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ヨーロッパ全土がキリスト教化される前の時代。悪霊と神々が人々の生活に隣り合う時代。でもその演出がね、なんとも中途半端なんですよ。まずそこが、なんとも食い足りないところで。

王国を追われた王子が復讐の
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マッドゴッド(2021年製作の映画)

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『JUNK HEAD』 との類似性に戸惑うとともに、いかに『JUNK HEAD』が優れているかが再確認できる作品です。

汚物、腐敗、血みどろ、奇形、ナチス…… 奇を衒えば衒うほどクリシェに漸近してい
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ブラックフィッシュ(2013年製作の映画)

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千葉の鴨川シーワールドのシャチのショーを観て大いに感動したので、シャチについて色々と調べていたら本作がヒット、早速見てみました。

ちなみに日本でシャチのショーが観られるのは、先述の鴨川と名古屋港の二
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X エックス(2022年製作の映画)

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過去作からの引用がのっけから散見される。パロディとオマージュの厳密な線引きは私には難しいところですが、後者なんでしょうね。生真面目に撮っている。

あなたは何をこれまで観てきましたか? と挑発するとい
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ゾン100 ゾンビになるまでにしたい100のこと(2023年製作の映画)

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とてもよかった。
期待していなかっただけに、ちょっと驚きました。

こんなに巷間にゾンビものが溢れているのに、今更どうするんだろうと。どうせなにかの焼き直しだろうと思っていたら、これがとんでもない偏見
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警視庁捜査一課 ルーシー・ブラックマン事件(2022年製作の映画)

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先ごろ(といっても8年前)、当時英紙『インディペンデント』の特派員だったロイド・パリーによって本事件のルポルタージュが上梓され話題になりました。未読。本紙では日本の警察や裁判制度が批判され、また「在日>>続きを読む

さかなのこ(2022年製作の映画)

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悪人が一人も出てこない映画(あ、ぱるる……)。基調はほのぼの。安心してお子様とご覧になれます。だからまずはファンタジーです。

でも、これは原作というよりおそらくは脚本の問題として、作品世界が鋭くリア
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

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小4の娘に見終えたあとの感想を尋ねると「とてもジブリらしい作品だった」と。私もそう思うのです。

あそこの料理長はちょっととっつきにくいけど、味は超一流という「ジブリ亭」に家族で久しぶりに足を運んでシ
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キングダム エクソダス〈脱出〉(2022年製作の映画)

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才気に任せて撮り進んだわけです、二十四年前に。で、収拾がつかなくなった。これでいいわけですよ。作家としての無謀な冒険は、置いてかれる側(観客)はたまったもんじゃないけど、必ず当人(ラース)の糧になるわ>>続きを読む

トムボーイ(2011年製作の映画)

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これまた被写体の身体性に鋭く切り込んだ傑作でございました。

ただ、テーマもさることながら、一つひとつのシークエンスにおけるカメラの被写体に対する距離感がじつに心地よい。脚本もないように見えながら、じ
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ガールフッド(2014年製作の映画)

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素晴らしいとしか言いようがない。
よくぞ撮ったな……と嘆息するばかりです。そしてこの、胸に穴の開くような圧倒的な切なさね。感情を持て余すなんてこと、ついぞございませんからね、見終えて身悶えするばかり。
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アンノウン: ピラミッドが語る古王国の記憶(2023年製作の映画)

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エジプト人による発掘と発見にこだわる気持ち、よくわかります。功名心に駆られるのも含めてね。問題は、作り手のベクトルでしょうね。見ていてまったく心動かされませんもの。エジプト考古学の現在、という感じが全>>続きを読む