Foufouさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

アンノウン: 洞窟に眠る新たな人類(2023年製作の映画)

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なんかお手盛り感ハンパないドキュメンタリー。後半は57才の現場監督のお手柄記念動画のようになってるし。洞窟内の壁の人為的な模様とか、現場監督がそのときほんとうに初めて見つけたの? だとすると足掛け三年>>続きを読む

LOFT 完全なる嘘(トリック)(2010年製作の映画)

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不倫は文化と喝破したのはどなたでしたっけ。ジャン=ジャック・ルソーでしたか。じっさいヨーロッパの文化はサロンで華開いたわけですが、このサロンというのが不倫の温床でございました。

浮気なんてされた側は
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アンノウン: 殺人ロボットはどこに向かうのか(2023年製作の映画)

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自律型兵器か……。AIが独自に人を殺す殺さないの判断をするようになるのも、時間の問題なんですね。アシモフ先生、先生の見通しは美しすぎました。生物兵器禁止条約に大国が批准した歴史的事実をもって、AI制御>>続きを読む

小説家の映画(2022年製作の映画)

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気がつけばホン・サンスは11作品目。11作品目にしてようやく映画館で見ることが叶いました。見るたびに発見の多い監督の一人ですか、「反復と差異」という言葉がこんなにしっくりくる人も珍しいのではないか。>>続きを読む

オキシジェン(2021年製作の映画)

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『ハイ・テンション』の監督です。脚本は別。主人公がどういうシチュエーションに置かれているのかがまず謎、と予告編でさかんに謳われますので、観客はおのずと見抜いてやろうという姿勢になってしまうのではないか>>続きを読む

くじらびと(2021年製作の映画)

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メルヴィルの『白鯨』によれば、コケイジャンらは鯨から鯨油を取ると残りは捨てていたと。彼らからすると鯨は工業原料に過ぎず、石炭石油が主流になるとおのずと捕鯨の需要は下火になる。ちなみにペリーは元々捕鯨基>>続きを読む

カナルタ 螺旋状の夢(2020年製作の映画)

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神戸大を卒業した後パリで文化人類学を学び、共同通信パリ支局のカメラマンを経てマンチェスター大学グラナダ人類映像文化センターに籍を置き本作制作をもって博士号取得。作り手は日本では珍しいような規格外のイン>>続きを読む

奇跡(1954年製作の映画)

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かつてNHKで放映されたときには光と影の演出だったりシンメトリックな構図だったり二頭立て馬車の馬の躍動感だったり……絵の素晴らしさを論ってしきりと感心していたのを思い出すし、だからカール・ドライヤーは>>続きを読む

ビッグ・ヒート/復讐は俺に任せろ(1953年製作の映画)

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『M』から20年。ハリウッドの文法が完成の域に達しています。リメイクされていないのが不思議なくらい。女性の描き方に時代を感じますが、目くじら立てるほどでもないかと。

フツーに面白いです。悲劇の主人公
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キング・オブ・クローン(2023年製作の映画)

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かつて幹細胞研究で世界をリードした韓国のファン教授。国民的な人気を誇る最中、決定的な不正が明るみになりあえなく失脚。日本でもSTAP細胞騒動がございましたが、似たようなことがお隣り韓国でも出来していた>>続きを読む

藁にもすがる獣たち(2018年製作の映画)

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アマプラで配信期限あと6日とあったので視聴。思いのほか楽しめました。

まずは脚本の勝利。伏線回収がお好きな方はオススメです。そして韓国映画です。やはり俳優陣がいい。本作はロケーションもいいし、カメラ
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ガートルード/ゲアトルーズ(1964年製作の映画)

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御年75歳で撮った遺作。
老いに向け励まされるような作品ではありません。

十代の乙女じゃあるまいし、私が最優先じゃなくちゃイヤ!って、ちょっと辟易します(女優が四十過ぎに見えるんですけど、それともも
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夢の涯てまでも ディレクターズカット 4K レストア版(1994年製作の映画)

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パリ、ベルリン、リスボン、モスクワ、北京、東京、サンフランシスコ、そしてオーストラリア。地球を文字通り股にかけた壮大なロードムービーでございます。

『グランブルー』とか『バグダッド・カフェ』なんかが
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クラッシュ(1996年製作の映画)

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去年でしたか、デュクルノーの『チタン』がカンヌを獲ったとき、シネフィルたちがそのテーマの類縁性を挙げていたのが本作。ついにアラプラで見られることになりましたので、飛びつきました。

パッケージに偽りあ
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M(1931年製作の映画)

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突如アマプラで解禁。
飛びつきました。

フリッツ・ラング作品初のトーキーなんですね。1931年作。本作の醸す暗さ怖さとあいまって、すぐそこまで迫っているナチスの靴音が聞こえるようです。この三年後には
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水の中のつぼみ(2007年製作の映画)

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十五歳の夏休み。
リセの一年生でしょうか。
パパやママのいない世界。

三人の女子たちの性の目覚めといいますか、そこはフランス発ですのでもう少しあけすけに「性欲の目覚め」を描いております。しかし男の子
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ジャスティス・リーグ(2017年製作の映画)

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誰もが思うように最強スーパーマン。和を重んじる日本的感性には少々違和感があるのかしら。でも、それぞれの個性を活かすって、難しいですよね。めんどくさいし。

敵の設計も考えないといけませんね。これでは確
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きさらぎ駅(2022年製作の映画)

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このアプリ内でも日本映画全然見ないという御仁もあってそれはそれでわかるような気もするのは日本映画特有のセリフ回しとか間合いとか構図とか、それがなんというか、土着的というかムラ社会的というか要するに観念>>続きを読む

パラレル・マザーズ(2021年製作の映画)

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七十を超えてもアルモドバルはアルモドバル。彼の作品を見ることは、私にとって、極上の時間を味わうことにほかなりません。

元々シリアスもスラップスティックも両方イケる人ですが、本作はかなりシリアスです。
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犬王(2021年製作の映画)

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松本大洋、大変リスペクトしております。ただ、あの絵をアニメーションとして見たいわけではないというのは、ファンならわかってもらえるのではないか。『鉄コン筋クリート』の苦い思い出もございます。

それでも
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被害者が容疑者となるとき(2023年製作の映画)

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二十代前後の若い女性がレイプ被害を警察に訴え出ると、長時間尋問された挙句、虚偽罪で逆に逮捕される。同様のケースがアメリカ全土で何十件と出来しているという。なぜなのか。

女性の新人ジャーナリストの感じ
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ロブスター(2015年製作の映画)

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この監督ならではの奇妙な世界観。

独身はどうも悪なんです、社会にとって。で、死別生別を問わず伴侶を失えば、海沿いのステキなホテルに滞在して期日までに新たな伴侶を探さなければならない。探せなければ、希
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最後まで行く(2014年製作の映画)

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一難去ってまた一難の連続。そして思うわけです、人生塞翁が馬。ドンデン返し、という人もあるかもしれない。

伏線がきちんと回収される、よく計算された脚本。なるほど〜と逐一感心しながら見る映画です。ピタゴ
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戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)

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子どもの頃、学生の頃、サラリーマンの頃……と少なくとも三回は見ていて、その都度モヤモヤしてきた本作。

坂本龍一逝去以来、彼のアルバムばかり聴いていたら、小学生の息子が戦メリを耳コピし始めて、この人映
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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

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静かで、美しくて、途方もなく怖い映画。

『アナイアレーション』を見て現代アートの作家がサブにいるんだろうと推測したものですが、監督自身の頭抜けたセンスであるのが本作でわかります。映画史に残るシーンが
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アルピニスト(2021年製作の映画)

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山に、憧れる。

いつか自分も、と思うのはせいぜいトレッキングで、単独で垂直の壁を命綱なしに行こうなどとは思わない。だって高所恐怖症なんだもん。歳経るごとにこの傾向はいやまさって、今となっては東京タワ
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バズ・ライトイヤー(2022年製作の映画)

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同性の配偶者の描写がイスラムその他の倫理に抵触したもので、いくつかの国で上映禁止の憂き目にあったと報じられた本作。

問題のシーンは、あまりにも控えめで、子どもたちの多くが見過ごすレベル。仮に気がつい
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ドント・ウォーリー・ダーリン(2022年製作の映画)

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『ブックスマート』の監督です。女性ならではの、といっては叱られそうですか、家や家具や車といった小道具大道具から演出に至るまで、好みの問題は措くとして、センスが光ります。なんといっても、女性が美しく撮れ>>続きを読む

怒りの日(1943年製作の映画)

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時代は1620年代。神の御前で魔女と告発されればもう抗えない時代。

一旦告発されれば、魔女であると自白するまで拷問されるのだから、もう無茶苦茶。「主のみが我らを救う」云々と聖歌隊に歌わせながら、その
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リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

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勤続三十年のベテラン刑事が拳銃を落とす。それを誰かが拾う。その誰かは拳銃を手にした無敵感に突き動かされて……。

それぞれに屈託を抱えた人物たちの別々の運命が、ひょんなことから脇道に逸れ、絡み合ってい
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ぼくの名前はズッキーニ(2016年製作の映画)

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脚本がセリーヌ・シアマなので見てみました。クレイアニメです。孤児たちのお話。悲しくて、やがて優しい物語。子どもと安心して見られます。

と思いきや、男と女のむつみ合いについて相部屋の子どもたちがあれこ
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秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

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『燃ゆる女の肖像』が予想外によかったので、大いに期待を寄せての本作。80分内という短さも、セリーヌ・シアマの自信のように感じられ。

原題はpetite maman。ちっちゃいママ、幼いママ、かわいい
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タリーと私の秘密の時間(2018年製作の映画)

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原題Tully。
邦題の媚び方が、もう、ね。

イヤな予感がしてずっと敬遠していたのに見てしまった。アマプラの配信期限が迫っていたのが理由①。セリーヌ・シアマを2本見て、女たちへの応援歌的な映画をほか
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

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これは正しく眼差しの物語。

しかしそもそも映画とは、眼差しの運動そのものではないか。そういう意味で、本作は極めてプリミティブな映画であり、その起源を突いているともいえる。だからこそのオルフェウス神話
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アフター・ヤン(2021年製作の映画)

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静かな時間を欲して本作。

すると思いがけず冒頭にダンスシーン。みんなでそろってダンスって、ほんとセクシー。ヘイリー・ル・リチャードソンがキレキレで踊ってるの見てときめく私。嬉しい誤算。

chat
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アナイアレイション -全滅領域-(2017年製作の映画)

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annihilation を「アニヒレーション」と発音したら、したり顔して「アナイアレーション」でしょ、と苦笑する人間に一抹の嫌悪(憎悪)を感じずにはいられない、そんな私です。これだから英語は嫌いだと>>続きを読む