しんたさんの映画レビュー・感想・評価

しんた

しんた

VIDEOPHOBIA(2019年製作の映画)

3.6

いわゆる凡庸なホラーのようにわかりやすいショック描写とかジャンプスケアは登場しない。代わりにじわりじわりと真綿で首を絞めるような厭な気配といつまでも続くような白昼夢の如き日常がある。
怖いか、と問われ
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オーダー(2024年製作の映画)

4.5

最高、面白い。
銃声が響く日常の殺伐とした空気は結局、現在に至るまで引き継がれる。
自分たちの声が届かないならば届ければいい。
暴力によって道を切り拓こうとする者たちと法の番人の静かなる死闘、この様が
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処刑山 -デッド・スノウ-(2007年製作の映画)

3.1

馬鹿らしさが満載だが、それ故に楽しさが溢れている。雪の中でのゾンビとの攻防戦が実に楽しい。人体破壊も景気がいいし、人々の死に様も無惨なのにどこか可笑しい。クライマックスは少々冗長になってしまったのが残>>続きを読む

オオカミ狩り(2022年製作の映画)

3.3

登場人物たちを次々に退場させる展開と容赦のない暴力描写は大変素晴らしかったものの、ストーリーの難が強すぎた。貨物船内、凶悪犯、刑事たち……という面白そうな要素が揃っていて、調理次第で暴力映画の歴史に名>>続きを読む

シック・オブ・マイセルフ(2022年製作の映画)

4.5

「私を見て! 他の人なんていいから! とにかく私を見て! 誇れるもの?? あるわけない! だから! そんな私を! 見て!! 見て!!!!」
承認欲求とは沼である。片足を踏み込んだらもう
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PIGGY ピギー(2022年製作の映画)

4.3

久々に面白い映画を観た気がした。
永遠に続くかの如き真夏の白昼と殺人鬼、いじめ。主人公が追い詰められながらも「自分はどうするべきなのか?」という答えを導き出すところ、この点に拍手喝采したくなった。
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白頭山大噴火(2019年製作の映画)

1.0

『白頭山大噴火』
鑑賞。
ちょっとこれはないんじゃないかな、というレベル。
北朝鮮で巨大な火山活動が起きて、それを防ぐために韓国の部隊が北へ潜入する、という展開は面白そうだが「それをやる必要があるのか
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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

4.1

ギャレス・エドワーズのイマジネーションが凄い。驚異的なテクノロジーとディストピアが融合した世界が魅力的で、映画を止めて隅から隅までその画を堪能したかった。
コンクリートで覆われ、灰色の世界と対比するよ
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オキュラス 怨霊鏡(2013年製作の映画)

3.9

この映画を観ていると今観ているのが現実なのか、はたまた幻の世界なのか疑いたくなる。
練り込まれたプロットとその中で起きる怪異の数々がたまらなく魅力的だ。鏡の持つ魔力を科学的に、根拠を持って証明しようと
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殺意の夏(1983年製作の映画)

3.6

一人の女が企てる復讐劇に焦点が当たっているが、南仏の夏の陽気さと裏腹に事件の陰惨さ、憎しみの根の深さが浮き彫りになっている。
前半はエロティックな女に翻弄される男の姿が中心になっているが後半に至り、己
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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

4.3

矜恃、がある。
泥臭くて、噛み合わず、怒鳴りつければ遠のき、褒めれば図に乗って失敗するような歯がゆさ、その中で、それでも辞めずに前を睨むように向き続ける力強さがある。
原作ありきのものだと、原作に沿っ
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Birth/Rebirth(原題)(2023年製作の映画)

3.7

誠に嫌な映画だ。吐き気がする。もちろん褒め言葉だ。
人の蘇生に取り憑かれた女とその女に関わってしまった女に焦点が当たっているが、善悪やモラルなど彼らの前には糠に釘のように無意味で笑ってしまう。
静かな
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Cloud クラウド(2024年製作の映画)

3.5

癖が強い。単なる人狩りなのかと思いきや「そんな簡単な話にすると思ったか!」という笑顔が見えそうだ。
転売ヤーはもちろん悪いし、それを規制すべく法律も必要だが彼らの口車に乗せられた人間たちも同じように悪
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.7

旅、だろうか。男は部屋を借りていてそこで暮らしているのに日々を旅しているように見える。
コロコロ秒刻みで変わるネット上のよくわからない情報も、フェイクニュースも、誰かの言う真実もこの作品には登場せず淡
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線は、僕を描く(2022年製作の映画)

1.0

中盤まではなかなかよかった。原作を超えることは無理でも小綺麗にまとめようとしていた。
クライマックスに至り、それまで揺さぶられた感情がピタリと止んだ。まあ……さすが……感動ポルノ作って24時間流す局と
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ハウス・オブ・スポイルズ ~魔女の厨房~(2024年製作の映画)

3.7

そう来るか、という展開だった。
独立して一旗上げたい女に襲いかかる恐怖や葛藤の物語かと思いきや後半で一気に「まだギアがあるの!?」という具合に踏み込んで明後日の方向へ走り出す展開に万雷の拍手を贈りたく
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エグザイル/絆(2006年製作の映画)

3.8

中盤まで、この映画が何をやりたいのかよく分からなかった。
銃撃戦はトリッキー、というか変わった構図を入れたがるし登場人物もこれといって際立った悪党が出てくる訳でもない。
だがクライマックスの銃撃戦で全
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

2.0

映画として、美しいとは思ったしテンポの使い方や間は巧みだと思った。
ただ、その内容としては評価したくない。
唯一世界で核攻撃を受けた場所やそこに暮らす人々への言及は欠片もされておらず、核の恐怖もオッペ
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ペパーミント・キャンディー(1999年製作の映画)

4.2

刺さる映画だった。
人の生きる道というのは辛い場面もある。その中で必ず言われるのが「逃げるな」、だった。
辛い場面の一つから逃げ続けているといつの間にか少しでも嫌な事があると逃げ癖がつく、という両親、
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笑う男(1928年製作の映画)

2.5

今ひとつ響くものがなかった。導入部こそこれから始まる物語に何が起こるのかと期待を寄せたが、以降は似たような展開が目立つしこれと言って目立つものがない。ただ、笑う男のアイディアは面白く、ここから稀代のキ>>続きを読む

イビルアイ(2022年製作の映画)

4.1

『パラドクス』の時点からまあ一筋縄ではいかない監督が現れたなと思っていたが、本作もいい具合に人間を引っかき回してくれる。
何が正しくて何が正しくないのか、反転の繰り返しだがそれが実に気持ちよく悪夢の世
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麻薬密売人 プッシャー(1997年製作の映画)

2.9

密売人の日常と堕ちていく瞬間を実録風のカメラワークで描いてみせるが、ストーリーが堕ちていくの一点攻めでしかないので似たような展開、こういった作品でよく見られる転落劇でしかなく冗長に感じた。低予算ながら>>続きを読む

PARALLEL(2021年製作の映画)

3.8

現実と妄想の境が見えなくなった者が殺人鬼と化す、このアイディアが実によかった。
多くの人は悔しいことがあると「だったら上手になってやる」と感じるのだが、彼の場合は「このボクのダメなところを認めてくれな
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テリファー0(2013年製作の映画)

3.0

誰にも容赦なんかしてやらないんだから!
オムニバスでも元気いっぱい! 現れた所には屍が残るのみ! ホラー映画ニューアイドル、ノリにノッてるアート・ザ・クラウン。
今作はオムニバス形式だが、やはり元
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ヒッチハイク(2023年製作の映画)

4.0

色々と言いたい事はあるが国産のホラー映画として及第点以上の出来栄えだった。
導入部から怪しげな雰囲気がプンプンと漂っているのが実にいい。それ以降の展開も変にコミカルにならずホラーとして一定の雰囲気を保
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オクス駅お化け(2022年製作の映画)

1.0

結末を先延ばしにしたがるきらいが強い。ジャンプスケアも金太郎飴のようで大きな音で怖がらせるだけでその正体を見せられても怖くない。強いて言うなら無理に80分に伸ばそうとしているかのように見えて全くハマら>>続きを読む

リズと青い鳥(2018年製作の映画)

3.6

『響け! ユーフォニアム』のサイドストーリーとは知らなかった。
本編とは違うキャラクターたちに焦点を当てるのがよかった。吹奏楽団は一人一人が主役で脇役、バンド自体が主人公みたいなところがあるから役割
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心霊写真(2004年製作の映画)

4.2

必見のホラー映画である。
『シャッター』というホラー映画のオリジナル版だが、こちらの方が不気味さと不吉さ、それに端を発する恐怖がある。じわり、じわりと死者が歩み寄ってくる様には鳥肌が立ったし、何よりも
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ターミネーター2(1991年製作の映画)

4.3

何度観てもハラハラするし、何度観ても飽きないのがこの映画である。
シナリオ、カメラのショットにカット、どれを撮っても隙がない。T800の執拗さを追跡者でなく守護者として登場させ、それを上回る宿敵として
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マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

4.0

夢か現か、はたまたそのどちらでもない場所に迷い込んでしまったのか。
白昼夢のような、悪夢のような画が連続して描かれており良い意味で難解だ。かと言って意味の分からないシュールが映像が続く訳ではなく、一つ
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シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)

4.3

奇妙な感動と明日これが起きるかもしれないという恐怖があった。
他国の血肉を啜り、混沌と混乱をばら撒きながら成長を続け、さらに他国に様々な脅しをかけてきた国が、その内側から滅び、血を流し、互いに殺し合う
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ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)

3.8

観始めてすぐ、後悔した。
この映画の主要登場人物たち全員が愚かで、全員が自分の不運と不幸を全て誰かのせいにしないと日々暮らしていけない厄介な隣人たちであると気づいたからだ。
SNSでまことしやかに囁か
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シックス・ストリング・サムライ(1998年製作の映画)

3.0

『マッドマックス』に『子連れ狼』だろうか。
とにかく「これがやりたい!」を飛び越して「これをやらせろ!」という声が聞こえてくる。ところどころでもはや映画というよりPVを観ているような気分になるのはご愛
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イノセンツ(2021年製作の映画)

4.5

最高、超面白い。
派手なCGを使わずに超能力の覚醒、進化、激突を描いたところが実にいい。
脚本も優れている。よくあるボーイミーツガールかと思わせておいて悪夢との対決にシフトしていく様には背筋が凍ったし
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W/ダブル(1987年製作の映画)

3.0

88分というテンポの良さはいいが、個人的にはもっと何かあるのかと期待してしまった。
導入部の殺人現場こそ陰惨で惨たらしいし、突然何かのきっかけでスイッチが入る殺人鬼は描写や説明が不足していて物語に緊迫
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π(1997年製作の映画)

4.0

これが制作費6万ドル、しかもダーレン・アロノフスキー初期の監督作品というのだから恐れ入る。
数学の持つ魔力に魅入られた男が迷い込んだ奇妙な迷宮は現実なのか妄想なのか、限りなく世界の境界が曖昧でそれを破
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