Furuyamaさんの映画レビュー・感想・評価

Furuyama

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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.0

震災の記憶を作品に落とし込み、自然に対する畏怖をテーマとして壮大に描ききる監督の器量が凄まじいと思う。

映像の迫力も流石で、これぞ最高峰のアニメーションを観られたという満足感がすごかった。新海作品ら
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劇場版 SHIROBAKO(2020年製作の映画)

4.3

テレビシリーズから4年後が舞台。相変わらずドタバタで忙しないアニメ制作現場のリアルな描き方が良い。

クセのあるキャラが多くて仕事に対するスタンスや熱量もバラバラだけど、そんな多様な人たちが同じ方向を
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わたし達はおとな(2022年製作の映画)

3.8

キャストの演技がナチュラルだからこそ、ヒリヒリするような温度感や生々しい気持ち悪さの解像度が高く、観ていてしんどい場面が多い。

生物として男が本能的に持ち合わせている加害性、それを上手く正当化して自
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パプリカ(2006年製作の映画)

4.7

数年ぶりにネトフリで再鑑賞して改めて凄さを実感した。不気味さ・怖さの質感がとても好みで、カラフルポップなアニメーションと独創的な世界観、平沢進の音楽が素晴らしい。また何度も観たい。

カモン カモン(2021年製作の映画)

5.0

家族関係の難しさを描きながらも全体の雰囲気がとても優しくて、深い愛情を感じられて良かった。時折差し込まれるインタビューの演出にも引き込まれた。

公開時に気になっていて、行けるタイミングはあったのに結
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映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ(2016年製作の映画)

4.2

詩的な語りはどこか淡々としているからこそ言葉がすっと入ってくる感じがして良かった。登場人物が皆、自分を保つために何かと戦いながら生きているのが感じられて胸打たれた。

生活の中のミニマルな感情から、人
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海がきこえる(1993年製作の映画)

4.0

3年ぶりくらいに観た。この時代を知らないはずなのに懐かしさを感じる、作り込まれたノスタルジアと青年期の人間関係の普遍的なリアルさが良い。

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.5

アニメーションの躍動感と迫力は圧巻だった。けど途中で置いてかれてしまったからまたリベンジしたい

ヘルタースケルター(2012年製作の映画)

2.6

根底にあるテーマ自体は素晴らしいのだけど、時代も全然違うし岡崎京子作品の映像化はやっぱ難しいんだろうなと思う。全体的にとてもダサかった。

中でも麻田検事のキザったらしいセリフ回しが見ていられないほど
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イゴールの約束(1996年製作の映画)

3.3

子に対する親の支配とコントロールについて考えさせられた。観ててしんどい。ラストシーンの後に待ち受ける状況を想像してどんよりした気持ちになってしまった

パリ、テキサス(1984年製作の映画)

4.0

自然溢れる景色がきれいで細部にこだわり抜いて撮影されてて素晴らしい。劇伴もカッコ良かった。映像と音楽に関しては満点の映画だと思う。

展開も工夫されていたけど、話の中に色んな要素が詰め込まれすぎてる感
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女は女である(1961年製作の映画)

3.8

第四の壁を越えてくる演出がゴダールらしくて音の使い方がすごい面白かった。カラフルでポップな映像も楽しい。あと色んな意味で時代を感じる映画だった。

リアリズムの宿(2003年製作の映画)

4.7

坦々としてて余白多めで静かな雰囲気だけど、観ていて様々な感情が湧き上がってきた。とても緻密に作られてると思う。こういう侘び寂びを感じられる邦画がとても好き。

お互いよく知らない2人が旅する空気感が素
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アルファヴィル(1965年製作の映画)

4.3

ディストピア感の強まる今の時代にこそ、この映画を観れてよかった。人間が確率の奴隷になり非論理的な行動も偶然性も存在し得ない世界じゃ、生きてても死んでても同じ事だよなーと思った。少し消化不良のとこもあっ>>続きを読む

ある夜、彼女は明け方を想う(2022年製作の映画)

3.5

彼女視点のスピンオフ。何とも都合良く人を使いすぎ感はあったけど、それはそれで逞しいなと思ったし、そこまでの悪い印象は無かった。

あと、異国の地で出会って恋に落ちるってあるあるなのかも。留学した先の学
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明け方の若者たち(2021年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

原作は比喩表現やクドさがちょっと苦手だったけど、映画はあまり癖がなくてさらっとした印象。

出会った時に結婚していることが分かっていたのに、わざわざ距離をつめて親しくなり、好きになっていってしまう感情
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シェフ 三ツ星フードトラック始めました(2014年製作の映画)

4.2

調理シーンがとても好き。様々な工程を経て作られていく料理が美しく、見ていて楽しかった。逆境を跳ね返す王道ド直球なストーリーも素晴らしい。食欲と元気が湧いてくる良い映画。

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.4

終始ずっと不穏で、じんわり怖い。セリフを最小限に削ぎ落として映像に力を入れてるところが良かった。

そばかす(2022年製作の映画)

4.5

この映画に救われる人が少なからずいると思う。救われる、までいかなくても少しだけ心が軽くなったり。複雑なものを複雑なまま提示しようとしている感じがして、そういう見せ方が素晴らしいと思った。主題歌も良い。

影裏(2020年製作の映画)

3.3

セクシュアリティの要素が強調されすぎていてテーマ性を持ってしまっている。映像化にあたってデフォルメされた部分が受け入れ難かった。

川沿いの風景など原作の叙述表現はかなり再現されてると感じたし、セリフ
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街の灯(1931年製作の映画)

4.2

モノクロの無声映画にここまで引きつけられるとは。周りでクスクス笑いが起こっててチャップリンの普遍的な笑いが現代にも通ずるのだなと感動したし、ラストシーンは切なくて胸打たれた。劇中音楽も素晴らしくてさす>>続きを読む

戦場のメリークリスマス 4K 修復版(1983年製作の映画)

3.8

戦争映画としての切り口が斬新で性と戦争についての批評性があって良かった。ビートたけしの演技が個人的にすごい好き。俳優が本業でないキャストが多くて最初すごい違和感あったけど、だんだん慣れてくる。

泣く子はいねぇが(2020年製作の映画)

4.3

素晴らしかった。
作られた物語だと感じさせない自然な見せ方が上手いと思ったし、人物の等身大な感じがとても好き。

主人公たすくは燻って煮え切らなくて作中で特に成長もしないけど、それが良い。脱構築的だし
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サバカン SABAKAN(2022年製作の映画)

2.5

勧められて観に行ったら全然ハマれなくて悲しい…。全体的に薄味で惹かれる部分が少なかった。

田舎で暮らしたことがなく昭和という時代も知らない自分は、簡単に暴力を振るったり、他人の心情を想像していないか
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愛を読むひと(2008年製作の映画)

5.0

これは凄い。恋愛映画という括りに収まらない、切実で美しく儚い複雑な人間の暮らしと人生を感じられた。マイケルとハンナそれぞれの、様々な感情が入り混じってるような繊細な表情の変化が素晴らしい。妙に生々しい>>続きを読む

殺人の追憶(2003年製作の映画)

3.7

何とも虚しくて煮え切らない話だと思ったら実話を基にしているらしくて驚く。漂う不穏な空気感に時折挟まるコメディ要素、ポン・ジュノらしい緻密な構成と起伏のある展開にとても引きつけられて観た。

ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

4.0

序盤は学園ヒューマンドラマかと思って観ていたら段々サスペンス・ホラー的な展開になってびっくり。後半にかけての盛り上がりとジャンルシフトの鮮やかさが良かった。

イギリス60'sの音楽が素晴らしく、華や
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

5.0

劇中劇として採用されているチェーホフの『ワーニャ叔父さん』と登場人物の境遇が重なる重層的な構成が圧巻。英語やドイツ語、北京語など9つの言語からなる多言語劇の演出や、韓国手話を使った表現、キャストの選出>>続きを読む

気狂いピエロ(1965年製作の映画)

4.7

観念的な抽象表現に多くの言葉を割いていて言語の可能性を探るような試みがされていると感じた。今観てもすごい斬新。

サンプリングを多用していて、特に文学作品から引用した語りや朗読の演出にとても惹かれた。
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こちらあみ子(2022年製作の映画)

4.1

想像以上にシリアスで重かった。あみ子に対して周囲があまりに冷たい、だがその気持ちも勿論分かってしまう。もし自分だったらどう接しただろうか。想像するだけでしんどい。

あみ子は悲しんだり泣いたりしないし
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ドロステのはてで僕ら(2019年製作の映画)

3.9

映画というより演劇を観ているような臨場感が好き。上田誠さんの脚本のユーモアにもハマって、特にシンバルのくだりとかすごい笑った。

エンドロールで工夫を凝らした撮影の舞台裏を垣間見れるのが嬉しい。

勝手にしやがれ(1960年製作の映画)

3.9

4Kレストア版で観た。
昔のパリの街並みの雰囲気、余白多めの会話シーンとセリフの細部に惹かれる。

当時として革新的だったであろう撮影技術も色々実感できた。編集やカットが軽快でリズム良く、BGMと効果
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マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

3.8

ミステリー的な要素のあるホラーで、伏線が細かく張られてて設定も作り込まれてるのが良い。

グロさは強烈で容赦なく、過剰なほど血が流れるから何度か目を逸らしながら観た。

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い(2011年製作の映画)

3.5

ちょっと苦しかった。聴覚過敏の描き方の工夫と、オスカーと母親の会話シーンがすごく良い。

あしたの私のつくり方(2007年製作の映画)

3.6

10年ぶりくらいに観た。小説的なセリフ回しの語りと人間の多面性をテーマとしてるのが好き。あと小・中学校の雰囲気がとてもリアルだったと思う。子どもながらに自分のキャラやポジションについて色々考えてる、そ>>続きを読む

セッション(2014年製作の映画)

4.1

音感上映で鑑賞。
話のテンポが速くどんどん進んでいくし、溢れる狂気に引きつけられ深く入り込んで観れた。展開は胸糞悪すぎるけれど、それに立ち向かってく後半からラストにかけてすごく良かった。

あと爆音で
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