90年代邦画アクションの傑作「凶銃ルガーP08」の渡邉武監督が手掛けた幻の?ビデオシネマ。
この度チャンネルNECOで放送があり、30年ぶりぐらいに視聴。
ビデオリリース当初ベータテープにダビングした>>続きを読む
江戸川乱歩の原作を白坂依志夫が翻案、「芋虫」のテイストも取り込んで、超高密度の密室劇に仕上げた逸品。息を呑むアトリエの美術にまず圧倒される。大映東京の総力を結集したこの現代アートのような狂喜の部屋が、>>続きを読む
石井輝男の新東宝「ライン」シリーズ二本目は、新宿に巣食う麻薬売春組織を追うトップ屋・天知茂が、殺人の濡れ衣を着せられる「逃亡者」の様な筋立て。
コマ劇周辺〜横浜までドライブ感のある夜間ロケが効いて、ア>>続きを読む
とんでもない映画。
タイトルからは全く想像できない、夢か現か、こわれゆく「おんな」に絡めとられていく平凡なサラリーマンの悪夢。マンション暮らしが夢だった時代の個室が産む恐怖。掴みきれない個性、魔性をも>>続きを読む
落ちて流れる女郎には 地獄の闇は常日ごろ 男殺しの死神の 白いやわ肌すすり泣く
見終わって「あー映画観たわぁ」としみじみ感じた田中登監督作。
中川梨絵扮する百文女郎、"死神お千"の圧倒的存在感。見事>>続きを読む
名美を演じる水原ゆう紀が素晴らしい。
堕ちていく女が最後に掴もうとした一縷の希望を裏切った男が、かつてフィルム越しに見た彼女の絶望を間近に観る残酷。
"壊れていく女"を歪んだ鏡像で見せつける曾根演出>>続きを読む
香取環追悼という事でNFAJで上映された葵映画ピンク(モノクロ映像が綺麗)。
「結婚」の二文字に騙された世間知らず女子が、ヤク中にされ娼婦に堕とされるプロットに特に新味は無いが、ピンク映画というよりヤ>>続きを読む
山口美也子がタイトルロールの女教師で、原悦子さまは主人公の男の子に想いを寄せる女子高生役。若干込み入った関係で重い話になりそうな所を、白鳥信一監督は飄々とした青春ドラマとして描きつつ、女教師のもて余す>>続きを読む
シネマヴェーラ渋谷西村昭五郎特集にて。
今村昌平脚本の「重喜劇」に挑んだ西村昭五郎デビュー戦。
貧乏寺に生まれ、仏道とかけ離れた葬儀ビジネス生活に嫌気し、競輪という逃避に堕ちていく小沢昭一の姿が、低>>続きを読む
裕次郎のサラリーマン出世劇。北原三枝とは結婚目前。裕次郎映画は明朗である程面白いという持論に違わない、いい意味で冗長でだらりんとした牛原陽一の演出もあって気楽に見るにはもってこいの娯楽編になっている。>>続きを読む
これ、シネコンで見るような映画じゃないのよ。
今は亡き銀座シネパトスとか、新宿グランドオデヲンとか、大阪なら戎橋劇場とか大毎地下とか、そういう所こそふさわしい映画。
明らかに暇潰しなおっさんとか、なん>>続きを読む
ラピュタ阿佐ヶ谷・新東宝ピンクラストショー(レイト)で鑑賞。
「ピンク映画鑑賞」という不毛な砂金探しは、突如現れる本作の様な金鉱にぶち当たるから止められないのだ。日活ロマンポルノ最後の射手・後藤大輔>>続きを読む
やっぱりサミー・チェンは最高のコメディエンヌだ。このこまっしゃくれ具合最高。イーソン・チャンはこの当時でも凄い久々に見た感じ。「十二夜」(フィルメックスで観たのかな?)以来か。日本では中々御目にかから>>続きを読む
既に「アメコミ映画」史のアンタッチャブルな一本になってしまった感がある本作。ザック・スナイダーとアメコミの呪われた歴史の始まりのはじまりである。ローレンス・ゴードンとジョエル・シルバーが80年代から映>>続きを読む
公開年としては「とんかつ大将」と同じ年、松竹での川島雄三作品。
ここにはスーパーマンは出て来ず、戦後から急成長して「欧米化」する東京で暮らす大家族の「月給」を巡る悲喜こもごもを描くホームコメディとなっ>>続きを読む
世評の高いニコフンの出世作である。
俺はジェイムズ・サリスの原作(ハヤカワ文庫版「ドライブ」。現在は本作のスチルが表紙になってる筈)を映画化前に既に読んでしまっていて、その近年稀に観るアメリカン・ハー>>続きを読む
気持ちが暗くなる事も多い年の瀬ですが、お正月にぴったりな映画を。
戦前から作られている「狸映画」を勝新、雷蔵、若尾ちゃんほか大映オールスターでミュージカルにした、とっても楽しい一作。
各地の民謡を水>>続きを読む
もういっそ気持ちいい位の邦画版「蜘蛛女」な若尾文子の悪女ぶりに、小便ちびりそうな痛快作。
増村の誇張された演出が、男女に和合等無い、とでも言わんげに狂わされていく男達の憐れを描き出す。宮川一夫はひたす>>続きを読む
前も書いたがドキュメンタリーが嫌いである。特に日本のドキュメンタリーが嫌いだ。
ドキュメントはファクトではない。「リアル」でもない。「編集」が存在する限り、いやずっと回しっぱなしであろうとも、そこに意>>続きを読む
1970年代後半(昭和50年代前半)の邦画のあっけらかんと明るい性に比べ、80年代初頭の邦画の性は、女性の社会進出と反比例するかのように内向を強め、豊かさの影に隠れるように一方通行の度合を強めていく。>>続きを読む
かつて映画は、都市文化や社会学といったサブカルチャー、広告媒体と非常に近い位置にあって、それにぴあやセゾングループやテアトルも乗っかって、それまでの撮影所映画とは違う「アート的」な映画が濫作されていた>>続きを読む
正しくは「リディック 怪獣大戦争」でした。
砂漠の惑星版「エイリアン2」。これが「ダークヒーロー」っすよ。ヴィン兄貴のクール&ワイルドぶりが炸裂。勇ましきヒロイン、スターバックことケイティ・サッコフの>>続きを読む
シネマヴェーラ渋谷西村の特集で鑑賞。ポスターも掲出して頂いた。
「日活ロマンポルノ」というフォーマットの基礎を作った第一作。
今見ると新鮮さは何も無いのだが「ブレードランナー」と同じで、ピンク映画で>>続きを読む
ダメな方の東映スケ番もの。乗っけからパイオツ出まくり荒れまくりの神戸の名門女子高が、実は留学制度を餌に海外に人身売買、てなとんでも話。
金子信雄&汐路章が上層部の悪辣学園を、我らが池玲子姐と成瀬正孝が>>続きを読む
シネマヴェーラ渋谷・荒木一郎特集で。
文太さんも出てるが、実質荒木一郎が主役とも取れる中島貞夫作品。
中島貞夫映画はいつだってかっこ悪い、鬱屈した青春映画だ。現状を打破したいができないでもがく若者を、>>続きを読む
池玲子が明治維新の文明開化を舞台に舞う!斬る! 鈴木則文の戯画化された様式美の極致。
劇的な浪花節復讐譚(脚本は掛札昌裕と則文監督の共作)を、極彩色に疾走させることで陳腐に落ちないダイナミックな活劇が>>続きを読む
俊藤浩滋制作・小沢茂弘監督で、大阪を舞台に描く本格的な賭場の世界。
鶴田浩二扮する流しの賭博師の、まさに義理と人情に生きる様が様式美として刻印され、任侠道(映画)の手本を見るかの様だ。
弟分の待田京>>続きを読む
随分昔に深夜に観たきりだったが、改めて観て、原田芳雄、藤竜也、地井武男に梶芽衣子といった魅力抜群なキャスティングだけで嬉しくなった。
全ての権力に反旗を翻し、ただただアウトローとして生き続ける若者達は>>続きを読む
一貫してバイオレントなロマンポルノを作り続けた澤田監督80年の作品。
世間体(というより母)を気にする夫に不満を抱えた人妻が、運命の悪戯からレイプ犯と逃避行に至るニューシネマ的一本。脚本に斉藤信幸、>>続きを読む
ミーガン・フォックス最高ぉおおお!!
え?そういう映画じゃない?
プリテンダー(イケイケおねえちゃん型ディセプティコン)の イザベル・ルーカスちゃん最高ぉおおおお!!!!
あ、こうでもない? こり>>続きを読む
物語自体については「スター・ウォーズ」本線で主人公(ルークね)とヒロイン(レイア)が結ばれる王道の物語にしなかった事についての、それを書いたライター、ローレンス・カスダンなりの贖罪みたいなもんがこの「>>続きを読む
「師、曰く 君子危うきに近寄らず。俺、曰く――「危いことなら銭になる」!(OP曲の歌詞は谷川俊太郎作詞)
都筑道夫原作のスラップスティック・アクション。偽札に絡んで事件屋どもが我れ先に出し抜こうと口>>続きを読む
ロッポニカ新宿ラストランで鑑賞。VHSでも観たし、今でもCSでやるとつい観てしまう。
ロッポニカ最後の番組は、荒井晴彦と藤田敏八が佐藤正午の原作を得て描く、ダメな大人たちの群像劇ロードムービー。
奪>>続きを読む
こちらも東宝系列での公開となった崔洋一作品。同じ原作でも漫画原作を崔洋一自身が脚色した事で、一風変わったガールズアクション作品に仕上がった。『ぼくらの七日間戦争』との二本立て興行は、やはりアイドル映画>>続きを読む
崔洋一が亡くなった。73歳、村川透なんてまだぴんぴんしてるのに若すぎる死だ。舘さんとか恭兵さんとかと変わらんという。なので追悼である。
複雑な経路でセントラル・アーツ作品なのに東宝系での公開となって、>>続きを読む
「花芯の刺青」以来となる谷ナオミと小沼勝タッグが辿りついたSM世界の極北。
昭和初期を舞台に、金で百姓の家に買われた士族の娘が荒縄の洗礼を受け、やがてそれを受け入れて奴隷に堕ちてしまうまでを激烈かつ粘>>続きを読む