ペトロニウスさんの映画レビュー・感想・評価

ペトロニウス

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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

5.0

とてつもない傑作だった。かなり難解との噂を聞いて、予習をしていったのだが、オッペンハイマー(キリアン・マーフィー)視点がカラー(FISSION(核分裂))で、対立するストローズ(ロバート・ダウニーJr>>続きを読む

映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)(2024年製作の映画)

3.9

下の娘と春休みなので見にいった。シリーズ43作目。藤子・F・不二雄生誕90周年記念作品。非常にわかりやすく子供向けの作品で、とても気持ちよかった。が、ストレートな話なので、大人には感情のフックがかかり>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.7

日比谷シャンテで見てきました。2月に公開されて、3月20日に見に行ったが休日だったからだろうけど、席は満席で、かなりの盛況だった。第76回カンヌ映画祭のパルム・ドール受賞作。

実は前情報ゼロで行った
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機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(2024年製作の映画)

4.6

2002年のテレビシリーズを当時観ていた頃から、なんと20年以上も過ぎているんですね。映画化を実現させたスタッフも素晴らしいし、それだけファンに心深く刺さる作品だったということですね。

しっかし、福
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ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

4.6

いつも思うのだけれども北海道を舞台にしている場合には、大陸感というか、大地の雄大感の広がりを感じられるリッチな絵作りが求められて、それができていれば成功、できていなければ失敗だといつも思っている。そう>>続きを読む

ゴジラ-1.0/C(2023年製作の映画)

5.0

僕は、時代に、歴史に残る作品だと思っているので、めちゃくちゃ忙しくて、なかなか時間確保できないけど、意を決して親友とモノクロ映像版『ゴジラ-1.0/C』を見てきました。2024年1月26日(木)に映画>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

5.0

『シン・ゴジラ』に続き、絶対のヒットが要求されるプレッシャー下での圧巻の傑作。2023年の僕的ベスト。周りの評価等はわからない(今日が11月3日の初日だから)が、これが売れないなんてありないだろうとい>>続きを読む

キリエのうた(2023年製作の映画)

4.9

178分。3時間の長尺。冗長という人もいるだろうが、僕的には、素晴らしい岩井俊二体験だった。岩井俊二のさんの作品は、ミュージックビデオ的で音楽的な「体験」みたいな作品が多くて、物語性がガツンときにくい>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

4.9

『レディ・バード』(2017)のGreta Gerwig(グレタ・ガーウィグ)監督の思想性あふれるキレのある演出が、最初のシーンから鮮やか。キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』(1968)の人類>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.5

2023年7月。君たちはどう生きるか?を見てきました。宮崎駿御大の最新作。この時代に前宣伝一切ないしという驚くべき手段で、僕は2日前くらいに予約したが、たった2日前ですら「本当に上映するの?」と思わせ>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

4.9

全くのネタバレなし、前情報なし、なんなら是枝裕和監督の5年ぶりの邦画新作というのすら知らないで見に行った。音楽が坂本龍一さんの遺作だというのすらエンドロールで知った。映画評価において、この人は!と信じ>>続きを読む

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

4.5

10歳の娘と見に行ったんですが、いやはや面白かった。娘と、クッパ(Bowser)がピーチ姫への熱愛の歌う熱唱するシーンで、大ウケで爆笑。どうでもいいことですが、バウザー(Bowser)の発音が自分には>>続きを読む

映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

リメイクではなく、『ALWAYS 三丁目の夕日(2005)』の古沢良太脚本のオリジナル。ドラえもんの映画を見るのは本当に久しぶりですが、非常にグッと来ました。年齢的にアラフィフの自分が見てもグッとくる>>続きを読む

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.5

渋谷ヒューマントラストでブルージャイアントの映画を見に行ってきました。アニメーションは、決して新規性、未見性があるわけではないのですが、音楽が素晴らしい。ジャスピアニストの上原ひろみさんだもんね。原作>>続きを読む

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

4.5

『シン・仮面ライダー』。3月18日の公開初日に観に行ってきました。とにかく、アクションが素晴らしかった。昭和のテレビシリーズの特撮のリアリティラインをベースにしていながら、「それ」を今風に最大限かっこ>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

5.0

正直星5(傑作級)ってなるべく出さないように(評価がインフレしないように)思っているんだけど、観た直後、いやはや、もう最高だよ!って叫びたいほどの、センスオブワンダー。自分の評価ポイントの最優先視点を>>続きを読む

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

2.9

1の時のようなセンスオブワンダーを期待して行ったのだけれども、自分の中に何も新しいものを感じさせてくれなかった。残念。自分的には、平均点を下回る。だから、人には薦められない。全世界で日本だけ興行成績の>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

震えるような傑作。2時間、ほとんど泣いてた。
2022年を代表する作品になることは間違いない。頭の中に物語の全て秒単位で設計されていないとこんな演出できないようなと思わせる密度。普通漫画家にアニメーシ
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.9

新海誠監督の集大成にして三部作の到達した所だと思う。『君の名は。』(2016)や『天気の子』(2019)と、僕は震災三部作で繋がった文脈の作品なんだなぁって思いました。こんなに強く強く、真摯に、201>>続きを読む

マイ・インターン(2015年製作の映画)

4.2

見ると幸せになれる、娯楽としての安定性抜群の映画。Eコマースのショッピングアパレルサイトの創業者である20代のアン・ハサウェイのもとに、70才を超えるロバート・デ・ニーロのインターンがやってくる物語。>>続きを読む

忍びの国(2017年製作の映画)

3.3

たぶん原作は、物凄い面白いんだろうなと思わせる内容。また時代劇というか忍者映画として、かなり頑張ったんだろうなと思う。最後まで打ち捨てずに見れたし。しかしながら、もう二味ぐらい足りない作品だった。友人>>続きを読む

グレートウォール(2016年製作の映画)

3.4

頭を空っぽにしてみるなら、なかなかのもの。怪獣映画として考えると、けっこうおもしろいんじゃないか、と思う。大作を作る時のチャンイーモウ監督は、見事なくらい普通の作品になってしまうのだが、それは、見れな>>続きを読む

君の膵臓をたべたい(2017年製作の映画)

3.9

映画館の予告で何度も見せられているうちに、見たくなって見に行った。正直に、日本映画のお涙頂戴系+スター起用による興行成績狙いには、がっかりすることが多いので、つられてしまったなと見たのですが、これがな>>続きを読む

劇場版 Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 雪下の誓い(2017年製作の映画)

3.1

こやまひろしさんの『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』(2007)の本編(アニメかマンガ)を見ていなければ、『Fate/stay night』(2004)の士郎を知らなければ、さっ>>続きを読む

ダンケルク(2017年製作の映画)

4.8

戦争映画にこのような描き方があるのか、感動した。

この自宅に映画を見る施設が十分あるであろう時代に、それでもわざわざ映画館で見なければ、と思わせる映画が昨今は多く、これもまたその一つといえる。IMA
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新感染 ファイナル・エクスプレス(2016年製作の映画)

4.6

ゾンビ映画の大傑作。ヨン・サンホ監督という名前は、聞いたことがなかったのだが、凄い映画でした。「新感染 ファイナル・エクスプレス」という邦題からも、あまり見ようという対象には入っていなかったのですが、>>続きを読む

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(2017年製作の映画)

4.5

ネットでかなり評価が分かれていたが、自分の目で確かめてよかった。素晴らしい傑作。終了後、久しぶりに打ち震えた、極上の映画体験だった。ただし、見る姿勢を問われるとても極端な作品で、予告の作り方、プロデュ>>続きを読む

メアリと魔女の花(2017年製作の映画)

4.0

ファミリー層向けの映画としていい出来だった。子供と行きたい作品ですね。ジブリの後継的ポジションで、ファミリー層を狙うというマーケティングのはっきりとした目的に、きちんと答えた作品。様々な着目点はあるが>>続きを読む

劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女(2016年製作の映画)

3.5

とてもとても面白かった。原作者が脚本だけにさすが。小説のファンにはたまらない作品。それ以外の人が見ても、多文わかる感じに単純な話だが、やっぱりファンムービーであってそれ以上ではない。まぁ基本設定を知ら>>続きを読む

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)

4.1

第二次世界大戦末期の沖縄、ハクソー・リッジ(浦添城址の南東にある「前田高地」と呼ばれた日本軍陣地)の戦いで、衛生兵(Combat Medic)デズモンド・T・ドス(アンドリュー・ガーフィールド)の実話>>続きを読む

メッセージ(2016年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

テッド・チャンの傑作SF短編である「あなたの人生の物語("Story of Your Life")」の映画化。英題は、Arrival。一言でいうと、ファーストコンタクト(異星人との初めての邂逅)ものな>>続きを読む

ローマ法王になる日まで(2015年製作の映画)

4.0

見ていて涙が止まらなかった。これはある意味、ビルドゥングスロマン(成長物語)と言っても差し支えないだろう。なぜならば何物でもない立場から、その組織の政治の頂点にまで登っていく話になるから。しかしまった>>続きを読む

美女と野獣(2017年製作の映画)

4.5

2017年5月2日。極上のエンターテイメント超大作。ディズニーの最近の過去作品のリノベーションは、本当に神がかって見事。素晴らしかった。周りの人がみんな泣いているのには感心した。確かに感情を揺さぶる歌>>続きを読む

ムーンライト(2016年製作の映画)

3.5

これが、よく売れたな〜と感心する静謐なマイナー感。個人的には、LGBTに敏感なリベラルなアメリカ社会の最先端を感じて、ぐっと来た。が、これ背景の黒人のコミュニティのことなど、一般の日本人には全く分から>>続きを読む