イロカワさんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ(2015年製作の映画)

4.6

タイトルが大好き。これ邦題とかじゃなくて、イタリアで公開された時から日本語のタイトルがつけられていたそう。永井豪先生への愛が素晴らしい。監督とは一緒に酒を呑んだら盛り上がれそう。
 内容は暗くて陰湿で
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ラブ&ポップ(1998年製作の映画)

3.5

低画質で揺れまくり、街に飛び出してとにかく映像を撮る。ゴダール的な根性を感じる映画だった。ゴダールの方が凄いとか言えるほどゴダールも見てないので、こういった映画に言えることは特にない。
ただ、テレクラ
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ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

5.0

ケリーライカート監督半端ない。犬が迷子になって、車が壊れるだけの映画でこんなに喪失感を味わわせられるなんて。凄まじい演出力。
 思い返してみても派手なシーンは一切ない。ゆっくりと主人公の尊厳が削り取ら
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チェイサー(2008年製作の映画)

4.3

 久しぶりに鑑賞。やっぱりこの映画で一番最悪なのは警察組織だよな。
 中学とか高校時代は韓国映画を一番見ていた。ナ・ホンジン監督の映画も長編は全部見ていて、チェイサーはあんまりにも胸糞悪いのでなかなか
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ソイレント・グリーン(1973年製作の映画)

4.6

リチャード・フライシャー監督の傑作SF。見返してみると、犯罪王リコのエドワードGロビンソンが出ていたことに気付く。すっかり忘れていた。
 この世界では本とか家具とか呼ばれる人間が存在する。増えすぎてし
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ブンミおじさんの森(2010年製作の映画)

4.5

アピチャッポン・ウィーラセタクン監督が撮った、森版ソラリス。
一つ一つの景色の切り取り方が物凄く美しくて、見惚れてしまった。色々と感じとらなければいけない部分が多くて修行のように、アピチャッポン監督の
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火まつり(1985年製作の映画)

5.0

 柳町監督の世界観が完璧に表現された土着的アート映画。やっと見る事ができた。あの空族にも影響を与えていて、脚本はなんと中上健次が書いている。
 この映画、動物が殺されたり、動物の死体が出てくるシーンが
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アンビュランス(2022年製作の映画)

5.0

マイケル・ベイ監督最高傑作!もう本当に素晴らしかった。お話はベタなんだけど、マイケル・ベイ監督のやりすぎているグロ描写、爆発、撮影、重低音、そして友情。何もかもネクストレベルに行っていて本当に満足した>>続きを読む

アネット(2021年製作の映画)

3.8

 初カラックス。ミュージカルってしらなかったので、面食らった。映画の冒頭と、エンドロールが最高だった。ミュージカル映画の始まり方としては百万点だと思った。
 全体的に虚構性の高い映画で、普通のセリフと
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走れ、絶望に追いつかれない速さで(2015年製作の映画)

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THE自主映画。監督の実体験、私小説的、友人の自殺、生と死。
 暗くて、何か深刻そうで、最後は希望を見つけるお決まりの自主映画。だから悪いわけではないが、実体験そのものを何の捻りもなく映画として見せら
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マイ・ブラザーズ・ウェディング(1983年製作の映画)

4.6

 あやふやな生き方をしてした主人公が2つの大きくて重い選択肢を突きつけられる映画。人生はうまくいかないなぁって感じに切なくなる。
 いわゆる自主映画的な感じのロケ地だったが(一つの家の設定なのに部屋が
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MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

5.0

 今年一番のトンデモ映画。映画で体験する座禅。1カット1カットが本当に長い。多分30秒より短いカットが存在しない。
 かといって、日常の何気ない風景を切り取った退屈な映画ではない。本当に異常なことが起
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RAW〜少女のめざめ〜(2016年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

 ブラジリアンワックスからの指!指が!!え、指を?!、のシーンがめちゃくちゃ最高だった。ヤバァ!!って感じで目が離せなくなる映画。あの指のシーンを見るために定期的に見たくなる作品。
 この映画は少女が
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アートスクール・コンフィデンシャル(2006年製作の映画)

4.8

 いやー面白い。全然スカッとはしない。この映画の登場人物は皆、なりたい人間になれる自由を求めている。でもなんにも自分の思い通りにはならない。
 主人公は自主映画によくありそうな画家を目指している童貞の
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みな殺しの霊歌(1968年製作の映画)

4.9

 メロドラマだったけど、世界が狂いすぎていてヤバい。あのマダムたちの行った行為と、この映画の描こうとしているメロドラマの空気が完全に異質のもので、なんとも不思議な味わいの映画。
 女性による逆レイプな
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ガーディアン/森は泣いている(1990年製作の映画)

4.5

マジでトンデモ映画。フリードキンご乱心か?と思った。
 展開が早すぎる。本当に異常なスピード。このカットとこのカット繋がってんのかな?とか考える暇を与えない。観客を置き去りにして説明が先に先に進んでい
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ヒドゥン(1987年製作の映画)

4.7

面白かった。カイル・マクラクランがFBIとして出てきたときは、ツイン・ピークス!?、と思ったが意外と正統派なバディ映画だった。友情に泣ける。
 設定はありそうな話かもしれないが、敵の宇宙人が最高。本当
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2300年未来への旅(1976年製作の映画)

4.7

 SF映画の名作。スターウォーズと公開時期が被っているので、何か古臭く感じる部分があるかも。でもめちゃくちゃ面白い。あの儀式が最高。輪廻転生が信じられていて、死んだら赤ん坊になって戻ってくると本気で考>>続きを読む

オオカミは嘘をつく(2013年製作の映画)

4.1

母親とか妻とか大人の女性が出てこない。声でしか登場しない。出てくるのは未成年の女の子だけ。
 暴走した男たちを止める客観的な視点(大人の女性)が出てこないので、非常に暴力的な印象を受ける映画。でもコミ
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死霊のはらわたIII/キャプテン・スーパーマーケット(1993年製作の映画)

4.7

 グルーヴィーになりすぎて、どこか遠い場所に到達した映画。もはや死霊のはらわた感は微塵もない、ファンタジーアクション映画。
 というかアメコミとかパルプ雑誌ぽい話だった。それがこんなに面白いなんて、サ
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死霊のはらわた II(1987年製作の映画)

4.8

グルーヴィーになってきた二作目。というか殆ど一作目のリメイク。だいたい同じ事をやっているけど、あのチェンソーの音を聞いたら最高にアガる。
 映画監督なら自分の作品に満足のいかない部分、もっと上手くでき
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死霊のはらわた(1981年製作の映画)

4.5

アッシュが全然活躍しない一作目。全然グルーヴィーじゃない。でも面白い。巻き込まれてしまって散々な目に合って死んでしまう登場人物たちが悲しい。

女子高生コンクリート詰め殺人事件 ~壊れたセブンティーンたち~(1995年製作の映画)

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あー気分悪い。再現ビデオなんで、映画とは呼べませんが、あのスプラッター映画界の神、松村克弥監督作品なのでグロ描写、暴力描写は力を入れていました。自分もこいつも大して変わりない。育った環境が同じなら自分>>続きを読む

僕だけの先生~らせんのゆがみ~(2016年製作の映画)

4.1

日本映画版、悪魔のいけにえ。ここまでそのテーマに踏み込んで帰ってこれた映画はなかなかない。普通に楽しめる作品だし、城定秀夫監督が本当に才能のある方なんだと再認識できる。

復讐の鐘を打て(2020年製作の映画)

4.2

男と女の間に憎しみと愛情が同居してしまったら、もうボクシングするしかない。っていう映画。格闘技と万田監督の動きの演出は非常に相性がいいと思った。ぜひ長編に。

インヒアレント・ヴァイス(2014年製作の映画)

5.0

 黄昏ヒッピー映画。ヒッピーが麻薬を吸って色々とするのは社会のシステムやしがらみから逃避したいからのはず。この映画の舞台である1970年のLAでは、そんなヒッピーという存在自体をシステムに組み込もうと>>続きを読む

盲獣(1969年製作の映画)

5.0

アトリエのセットが凄い。アホなもん作ったなぁと感動する。
 後半の設定の跳躍が凄い。医学的には分からないけど二人だけの世界に突っ込んでいく感じが面白かった。体が触感的に美しいはずだったのに、あんな結末
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ふがいない僕は空を見た(2012年製作の映画)

4.5

いい青春映画。
 人間がどうやって出来て、どう育っていって、どう生きていくのかを描いている。道徳的な内容でありながら、いじめ、セックスなどの描写がきっちりと描かれていてフェアな映画だと思った。この映画
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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

5.0

 スピルバーグ監督、映画を作るのが本当に上手い。ここまで満足した映画体験は久しぶり。恐怖の報酬以来。
 そもそもウエストサイド物語の話なんて知らない人の方が少ないわけだし、知らなくても使い古されたフォ
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ミッドナイトクロス(1981年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

 叫び声が録れてない音響効果マンのトラボルタ。気がつくと美女がいて陰謀に巻きこまれていく。彼女を守ることが何よりも大切だったのにそれすらも叶わず、絶望的で美しい瞬間を描いて映画が終わっていく。そして愛>>続きを読む

BUG/バグ(2007年製作の映画)

5.0

 愛とはなんぞや?ということを問うフリードキン監督の大傑作。虫を見るという幻覚に悩まされるピーター。彼を愛するアグネスは、彼と同じ幻覚を見たいと思い、頑張って頭をおかしくしようとする。
 愛とは幻覚を
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脱出(1972年製作の映画)

4.8

 基本的にレクリエーションで自然を楽しもうするやつにはろくな奴がいない。自然の中で生きている人間にとっては自分の庭で勝手にバーベキューを始められるようなもんだから。なのでそんな野蛮な都会人は皆殺しでい>>続きを読む

未来惑星ザルドス(1974年製作の映画)

5.0

まじヤバイ映画。
ラスト、骨になるまでの時間経過の異常な感動。なんかめっちゃ感動する。オズの魔法使いに影響されたショーン・コネリーがユートピアをぶち壊そうとする話。

奇跡(2011年製作の映画)

5.0

 この映画は震災や天災、抗えない大きな障害とちっぽけな人間がどのように向き合っていけばいいのか、一つの答えを出している。そういった大きな問題は解決不可能であり、絶対にハッピーエンドにはならない。不安と>>続きを読む

マラソン マン(1976年製作の映画)

4.5

 マラソンしてたらネオナチに絡まれて大変な映画。ロイ・シャイダーがいるから、安心だと思っていたら全然そんなことない。ナチス恐ろしすぎる。
 安全か?っていう言葉の意味は見返してもよくわからない。ダステ
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アウトサイダー(1981年製作の映画)

4.8

 意外とかなり好きな映画だった。大好きなサウダーヂにも通じるような、変わらない人間たちを描いた社会派絶望映画。
 タル・ベーラ監督の映画は話が長い。会話のシーンが長いように見えるが、実際は一人一人の語
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