ごろうさんの映画レビュー・感想・評価

ごろう

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ファースト・マン(2018年製作の映画)

4.5

トリアーのような手持ちのブレに、コックピットの壮絶な揺れ。振動する視界の不安定の中で、自らが決してブレない静かなる安定そのものになることでしかこの世界を認識できなかったニールは、地球から一番遠い彼方の>>続きを読む

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

3.5

AKの銃口の前に無防備に飛び出た、その究極の選択の動機は特定の出来事としては語られず、彼らが生まれてからの人生の全てがその「勇気ある」行動を促したというこの物語はどうしても淡白に感じられるが、でも実際>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.0

石はどこにでもあるが、価値のある石もあれば価値のない石もあるという抽象性。あの石を有象無象の石ころの中に返したとしても、世界にとっては振り出しに戻ったに過ぎない。地を滑るように根本的な着地を許すことの>>続きを読む

スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け(2019年製作の映画)

3.0

スターウォーズの時代は終わっていて、今がその時でもないのに、製作者も観客も安易な欲望に落ちて、スカイウォーカーの墓を掘り起こし、死者を蘇らせようとダークサイドに首まで浸かっておきながら、そこから出した>>続きを読む

さよなら、さよならハリウッド(2002年製作の映画)

4.0

素直なカメラワークの中でウディ・アレンが非常に映える。コメディという枠組みで自らを笑い飛ばしつつも、最後に偶然な自己愛を差し込み、自らを救ってみせるところとか、バランスの取れたすごく自然体な人間味であ>>続きを読む

CLIMAX クライマックス(2018年製作の映画)

4.0

一夜の狂乱をこれほどスムーズに気持ちよく見させる手腕は大衆的妥当性。

ターミネーター ニュー・フェイト(2019年製作の映画)

3.5

そりゃおもろいけどなんでもありでもうどうでもいいわって感じ。みんな強化型になるしかないっしょ。

東京流れ者(1966年製作の映画)

4.0

これは殺しの烙印よりも良かった。
射程距離10mはまさにこの映画の射程距離で、被弾覚悟の演出でなければ自らの愛憎模様は描けなかっただろうと思うので、その姿勢が仁侠じゃんと。

殺しの烙印(1967年製作の映画)

4.0

最新の注意を払って撮られたショットと妥協のない巧妙な繋ぎは物語を的確に綴っていたが、この崇高な美意識の下にでは監督はそれに釣り合う自らの内奥を曝け出してフィルムに擦り付けたのかと言えばそうではないよう>>続きを読む

イエスタデイ(2019年製作の映画)

3.5

予告で大きく入っていたSomethingが切られてるあたり、尺的にあそこでエリーとのあれこれが始まっては遅いのは確かで、それはわかるがその手術跡というかがどうも応急処置的で綺麗ではなかった気がしたし、>>続きを読む

ジョーカー(2019年製作の映画)

4.0

タイトル前の街角の悪の凡庸さと、タイトル開けの顔アップの長尺カットで感じた不安は本質的に解決されることはなく、初めの階段のシーンで登り切ったところのカットは必要だったのかとか、地下鉄内の明滅はマズルフ>>続きを読む

メランコリア(2011年製作の映画)

3.5

リアル鬱病者が描く鬱に関する映画だけあって、描写が生々しく、変な言い方だが、鬱ってこういう感じなんだという勉強になる。ドグマに固執する意味は分からない。

潮風のいたずら(1987年製作の映画)

4.5

この映画において極端な戯画化は直截な概念を薄皮一枚の裏に携えていて、決して誤魔化さない。端々の表現は逐一面白く愛おしく、クライマックス、救命着を付けた不格好な再会においてイメージの凱歌が聞こえてくる。

キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)

4.0

なんでこういう映画を作ってしまうのかというと、一歩間違えるとパプキンになってたかもという自覚があるからで、最後の方のあしらい方とか、やっぱり突き放せないよねと思う。

ブルー・リベンジ(2013年製作の映画)

4.0

マーライオンのマーライオン感に、頭ぶち抜くシーンの銃弾エネルギー感もいいね。
法に頼らない決着の付け方に茶々入れる奴がいないのがいい

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

5.0

これでもかと吸いまくるタバコ。トリップするにもタバコ。そしてERでもタバコ。タバコは今もいつの時代もたしかにそこに写っていた映画の名脇役である。そんなタバコこそがタランティーノにとっては映画のアイコン>>続きを読む

サマー・オブ・84(2017年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

鳥肌が立ったのは決して恐怖のせいではなく、この映画が80年代リバイバルの皮を被った新世代の映画であるという肌感覚からだった。喜怒哀楽から距離を置いたシンセサウンドの意味付けは、スクリーンに映し出された>>続きを読む

よこがお(2019年製作の映画)

4.0

助手席で寝る辰男、運命が連れ戻した原罪の場で、強引に贖罪を迫られる市子に提示された選択肢あるいは条件の惨たらしさはあまりにも畏ろしい世界の顔、「顔」の畏ろしさであり、顔を前にした絶叫は、単なる恐怖の感>>続きを読む

裸のジャングル(1966年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

自分に降りかかる運命に決して文句を垂れることない男はもはや決断を必要としないほどに境界を見誤らない。ナチュラルな肉体的強さとは別に、必要十分な生存欲を持ち、決して命を惜しまない彼だからこそ生き残れたと>>続きを読む

天気の子(2019年製作の映画)

3.0

サリンジャーの憂鬱あるいは怒りは思春期の奇跡の生贄となり、その生贄の儀式を守るのが有無を言わせぬ強靭な武力たる拳銃となって、このセカイなのか世界なのかを私はどう見れば良いのかもうよく分からないのである>>続きを読む

ライオン・キング(2019年製作の映画)

2.5

超実写に甘えて、それ以外に何もない。
薄すぎて視認できない。

秒速5センチメートル(2007年製作の映画)

4.0

久しぶりに見たら、
最後の振り切った笑顔がいいじゃないか。

トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ブリコラージュという遊びそれ自体から生まれた神の子フォーキーを鏡としてウッディが聞いた内なる声は、極めて現実的な交換・流通される商品としてのおもちゃの声。自らの使命を郵便配達人とするウッディは子離れを>>続きを読む

ストーカー(1979年製作の映画)

3.0

目を奪われる映像美があるかと言われれば疑問であるが故に、私はこの映画を宗教画を前にした信仰者のようには見れないので、映像は読み解かれるべきものとして迫ってきて、そこにつまらなさを感じたのは確か。端的に>>続きを読む

ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)

4.5

振り返ってこちらを見つめる幼少のジャックが、カメラレンズのごとき無機質なその目で眼差しているのは草刈りの様子であると同時にスクリーンの前にいる我々観客であり、我々の中に原風景を見る目を我々は見るという>>続きを読む