八木順一朗『怪獣ヤロウ!』(24)。ご当地映画をメタ視点で撮ったご当地映画。予定調和的な入れ子構造って一番ダメでね? 『巨神兵東京に現る』とか見て勉強してほしい。せめて太田光に監督兼主演させて叫ばせて>>続きを読む
D・フィンチャー『セブン』(95)4K版IMAX。暗い画面で何が起こってるかもよく分かった。雨音を初めとする音もよく聞こえた。だが、見直してみれば、男3人が女1人を出し(生贄)にして仲良く泥警ゲームに>>続きを読む
J・ルノワール『ゲームの規則』(39)4Kデジタルリマスター版。複数の俳優の同一画面内における配置・動かし方(切返しショットの禁止)・演技など非常に演劇的に見えるが、他方でそれ自体が巨大オルゴール的な>>続きを読む
岸喜行『サンライズ・サンセット』(25)。岸が山形、脚本の宮藤が宮城、原作の楡周平が岩手出身で、何でこんな差別的な東北表象が成り立つのか、とても不思議。内面化された自己嫌悪、羞恥心の表出か。映画はコメ>>続きを読む
福田雄一『アンダーニンジャ』(25)。叫ぶ平田満の口からやけに唾が飛ぶので気になった。柾木玲弥の上の歯だけが真っ白なのも気になった。プンクトゥム。まあ、だから工夫のない顔のクローズアップが多いんだと思>>続きを読む
近藤亮太『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』(25)。また山か。山でまたビデオテープか。今日日、スマホで動画撮ればよくね? そんでもって、結局そこ、何の廃墟? とは思ったが、いや、これは傑作低予算>>続きを読む
城定秀夫『嗤う蟲』(24)。村の因習ものをまだやるか。山村を襲った災害、復興させんが為のとある秘密。そこへ移住してきた若夫婦。設定は紋切型の極みで深みなし。またぞろ『他人は地獄だ』みたいないかにも狂っ>>続きを読む
これは本当はこういう話です。ということを知りたい場合は以下をお読み下さい。
https://note.com/jolly_llama821/n/n05ec0d5e3585
O・ボールネダル『モルグ 屍体消失』(94)。ヒッチコック映画の出来損ない。構図、音楽、効果音と露骨な真似(パロディ未満)が多いのでサスペンスが盛り上がらず。それでいて主人公が同時代のハネケ映画みたい>>続きを読む
T・ビンスタンダル『アンデッド/愛しき者の不在』(24)。ロメロより緩やかな「ゾンビ映画」だった。蘇ってただそこにいる死者を鏡にして「母子」、「夫婦、「同性愛」、「老い」等の主題が問い直される。日本の>>続きを読む
A・ディワン『エマニュエル』(24)。エキゾティシズムは健在も、オリジナルほどコロニアルではなくなって、異国の男=動物に犯される白人女を男性観客が覗き見する構図も流石に崩れた。女の性的欲求を解消してく>>続きを読む
神山健治『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』(24)。何だこのディズニー・プリンセス・ストーリーの出来損ないみたいな話は。冒頭のいい加減な馬の描写で萎えた。ヤックルを見習え。あと籠城生活の様子>>続きを読む
入江悠『室町無頼』(24)。冒頭の作り物っぽい岩とあり得ない鴨川河川敷描写を見てダメかなと思ったが、その後のドラマやアクションは丁寧に作られていた。だが、黒澤映画ほどには、本作の砂埃舞う室町世界でのチ>>続きを読む
武内英樹『はたらく細胞』(24)。アクション、戦争映画、メロドラマの要素を詰め込んだ傑作だった。まさか細胞に泣かされるとは。ただ、気になる点が一つ。細胞を擬人化し、その上で身体内部を(西洋中世風の)都>>続きを読む
鶴巻和哉『機動戦士Gundam GQuuuuuuX-Beginning』(25)IMAX。いやもう庵野絡みの作品がここに来て「リメイク」というより「架空戦記」的、「歴史修正主義」的に見えてきた。『愛国>>続きを読む
D・エアー『ビーキーパー』(24)。J・ウィックほど形(かた)に拘らず(被虐的でもなく)、イコライザーほど説教臭くなく(自己陶酔的でなく)、どこぞの豚好きのシェフほど意味不明でもない。J・ステイサムは>>続きを読む
『レイジング・ブレット 復讐の銃弾』(96)。原題は“Eye for an Eye”、「目には目を」。アメリカらしい復讐譚だが主人公は娘をレイプされた上で殺された母親(サリー・フィールド)。犯人役はキ>>続きを読む
N・アシュウィン『カルキ2898-AD』(24) IMAX180分版。プラバース主演だが「バーフバリ 」二部作には遠く及ばない。ってか単に下手くそ。途中で終わるし。でも、巨人アシュヴァッターマンとパワ>>続きを読む
D・ヴィルヌーヴ『デューン 砂の惑星 PART 2』(24)IMAX。『ブレードランナー 2049』(17)でターナーの『雨、蒸気、速度:グレート・ウェスタン鉄道』が引用されていたが、この監督の「デュ>>続きを読む
T・カイエ『動物界』(23)。原題“Le règne animal”は生物学(分類学)上の用語なので邦題は全く以て正しい。ただ内容からは「動物の支配する世界(王国)」の到来という含意を見て取れる。「人>>続きを読む
M・ローゼン『ウォーター・シップ・ダウンのうさぎたち』(78)。英国のR・アダムズによる原作は72年刊。動物を主人公とする児童文学としてはそこまで古くない。19世紀末の『ピーターラビット』がどちらかと>>続きを読む
B・ジェンキンス『ライオン・キング:ムファサ』(24)。CGによる光、草木、雪、動物の毛、とりわけ水の表現に唸る。肌理、テクスチャーほどには物語は繊細でなく、最近見た『クレイヴ・ザ・ハンター』よろしく>>続きを読む
J・Cチャンダー『クレイヴン・ザ・ハンター』(24)。主人公に能力を授けたはずのヒロイン、カリプソが最後、どこかに行ってしまった。本作に女は不要なのだ。結局、ハンターでなければ男ではないというテーゼを>>続きを読む
藤井道人『正体』(24)。原作未読。痴漢冤罪(真相は劇中では不明)とパラレルに語られる一家惨殺事件の冤罪譚。どちらの犯人も「やってない」と主張し、検察や警察から「では、なぜ逃げたのか」と問われることと>>続きを読む
R・スコット『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』(24)。物語としては単なる貴種流離譚、オイディプス神話に止まっている。J=L・ジェロームの作品世界を現前させた前作は衝撃的だった。今作はそれを踏襲し>>続きを読む
片山慎三『雨の中の慾情』(24)。事前情報なしで鑑賞。最初は18禁版の林海象映画みたいだなと心配した。とはいえ、すぐに安手の「郷愁」は本作で否定されていると分かり、そこからはのめり込んだ。主人公の様子>>続きを読む
P・ベルヘル『ロボット・ドリームズ』(23)。擬人化された様々な動物が暮らす、80年代のNYらしき街。但し主人公はロボットで、その購入者たる1匹の犬との友情と別れが描かれる。どこぞの「3丁目」の様な「>>続きを読む
J・ワドロウ『イマジナリー』(24)。結婚した男の連れ子、精神を病んで幽閉されている前妻、地下室、火事。つまり、本作が下敷きにしたであろう『ポルターガイスト』(82)以前に、大本の「女性ゴシック」の要>>続きを読む
児玉和土『他人は地獄だ』(24)。高田馬場のカフェ、コットンクラブが出て来てた様な気がする。韓国のWEB漫画が原作であちらでドラマ化もされたというが未見。「私はサイコパスです」というわざとらしい演技を>>続きを読む
K・ボルグリ『ドリーム・シナリオ』(23)。A 24配給でA・アスター製作、N・ケイジ(ニコケイとは死んでも言わない)主演なので心配したが、俳優陣の演技は楽しめた。パロディというには展開が暗過ぎるし、>>続きを読む
児玉徹郎『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』(22)。初めに爆心地があって、そこでまたも「原爆」にも等しい大爆発が起こる。本作を見ていて、『君の名は。』も隕石の落下という体裁をとってはいるが、同じ事>>続きを読む
石井裕也『本心』(24)。平野啓一郎さんの原作は未読(すみません、さっきKindle買いました)なので、今の所、石井監督のフィルモグラフィーの中で読み解くしかない。「女」を「猫」に喩える癖、「男」の妄>>続きを読む
曽利文彦『八犬伝』(24)。「鋼の〜」シリーズと比べると、今回は日本の現実とまだ地続きの世界だし、上杉裕世によるVFXも冴えている。『八犬伝』と(『忠臣蔵』外伝としての)『四谷怪談』の虚実の扱いの違い>>続きを読む
K・マーセル『ヴェノム:ザ・ラストダンス』(24)。原作の出だしは知らぬが、この映画の「黒いシンビオート」は明らかにアフリカン・アメリカンのイメージとして機能している。それが縦えT・ハーディの一人芝居>>続きを読む
J・カスダン『レッド・ワン』(24)。爆睡。この監督の「ジュマンジ」シリーズは好きだったんだが、クリスマスは荷が重すぎたか。各家庭の父親が子供の為にAmazonで予め注文しておけば、そりゃ届くわな、ク>>続きを読む
M・N・シャマラン『トラップ』(24)。ヒッチコック的様式がアイン・ランド的「選良」主義に奉仕させられている。「超人」は何をやっても許されると、確実にシャマラン(とZ・スナイダー)は思っている(しB・>>続きを読む