J=F・リシェ『ロスト・フライト』(22)。監督はフランス人か。主演のジェラルド・バトラーは基本的に一人相撲の人なので、操縦している旅客機が落雷で電気系統ダウンしても近くに空港がなくても軟着陸させられ>>続きを読む
N・アーンティル『バッド・デイ・ドライブ』(23)。『プレデターズ』(10)と『モーテル』(07)の監督だったか。人間不信が得意なテーマかな。主演のリーアム・ニーソンは基本的に一人相撲の人なので、車に>>続きを読む
三池崇史『怪物の木こり』(23)。孤児院出身者を主人公に据え、中世ヨーロッパ風世界を舞台とする、かつ「怪物」に纏わる絵本をモチーフとしている辺り、完全に作中絵本『なまえのないかいぶつ』を中心に話を作っ>>続きを読む
F・オゾン『私がやりました』(23)。原作は30年代の戯曲。女弁護士-被告(女優)の私生活上のコンビが裁判でもそれぞれ脚本/演出家-女優の立場を演じることとなる。とそこへサイレント期の女優(I・ユペー>>続きを読む
D・G・グリーン『エクソシスト 信じる者』(23)。『エクソシスト』(73)も『ハロウィン』(78)も本来「幽霊屋敷」映画だが、グリーンはそこには関心がない様だ。今作では「白人/黒人」の少女を一人ずつ>>続きを読む
深川栄洋『法廷遊戯』(23)。遊びに興ずるのは、ホモソーシャルからホモセクシャルの間を好きに行き来して悦に入る男たちだけだ。なんでお前らの遊びのツケを女が払わにゃならんのか。自分で責任取りやがれ。今の>>続きを読む
タカハタ秀太『アナログ』(23)。これは原作がダメなんでしょう(老人北野武のマッチョで自堕落な郷愁)。何も喋らず、全く自己主張せず、男の勝手な幻想に付き合ってくれる人形みたいな女がいたらなあ(『あの夏>>続きを読む
R・スコット『ナポレオン』(23)。主要メディアでの議論を聞くとフランスでの評価は散々だ。アントワネットの首切りをわざわざ2回もやる所に始まるミソジニー(ジョゼフィーヌの扱いも)、歴史的不正確性(+功>>続きを読む
岸善幸『正欲』(23)。「対物性愛者(objectophilie)」ものか。水が扇情的に映らなければ主人公らの欲望への共感は呼べない訳で、その点、余り上手くいっていない。とはいえクローネンバーグ風にも>>続きを読む
J・グリーンバウム『スラムドッグス』(23)。アメリカは俳優協会のストでもはや犬しか映画に出られないらしい。だがその犬も飼主に虐待されていたことに気づき人間への復讐を開始する。以降は下ネタに次ぐ下ネタ>>続きを読む
G・エドワーズ『ザ・クリエイター 創造者』(23)。英人監督により搾取されたアジア像の集積。サイボーグと化した東南アジアの人々がAIとの共生を選択している近未来(インドシナ戦争やベトナム戦争の影)。原>>続きを読む
北野武『首』(23)。ラストの「落ち」に向うこれは壮大な漫才で、「首」を巡る運動もひたすらそこを目指している。武は大島渚(『絞死刑』、『戦場〜』、『御法度』)の様には首に拘っていない。「首なんかどうだ>>続きを読む
N・ダコスタ『マーベルズ』(23)。宇宙を漂うキャプテン・マーベルの絶対的孤独。他のヒロインの登場は確かにそれを癒すが、彼女の能力の相対化をも促してしまう。かくて「女達」は一旦「交換(exchange>>続きを読む
藤井道人『攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間』(23)。Netflixの総集編後半。神山健治による押井守もどきの観念の入れ子構造(今だ必殺ミザナビーム!)はもうどうでもいいのだが、主人公らがアフ>>続きを読む
ユン・ジュンヒョン『トンソン荘事件の記録』(20)。韓国製ファウンド・フッテージ・ホラー。人物関係(憑依される者も含めて)が複雑で、夜の場面も多いので最後まで何が起っているかよく分からない。まあ、だか>>続きを読む
瑠東東一郎『Gメン』(23)。俳優達がお互いのアドリブ演技に、素でついつい笑ってしまう、みたいな場面の集積で下らないNG集映画を作るのは福田雄一監督だけにして下さい。出演者の皆さん、監督は選んだ方がい>>続きを読む
D・クローネンバーグ『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』(22)。話の筋は全く覚えていない。あの骸骨椅子、あれは、『モダン・タイムス』でチャップリンが座らされていた全自動マシーンの発展形なのか?いや>>続きを読む
『白石晃士の決して送ってこないで下さい』(23)。送られてきた映像に出てるのがウザいYouTuberの典型みたいな奴だなぁと見てたら本物の「貝柱」で爆笑。彼の映画紹介YouTubeはノイズが多くて見て>>続きを読む
山崎貴『ゴジラ- 1.0』(23)。アメリカ様には負けましたが、このゴジラ君なら何とか勝てそうだ。おめおめと戦争から生還しちゃったけど「役に立つ」ぞ!今度こそ、お国の「未来のため」に。これが僕ちゃんた>>続きを読む
永江二朗『リゾートバイト』(23)。かつてのホラー・クイーン(佐伯日菜子)の安易な出し方、主人公たちの素人同様の演技、突込み所満載の設定(十代のガキばかりが殺されてる島に3人の十代のガキがわざわざアル>>続きを読む
G・リッチー『オペレーション・フォーチュン』(23)。ハリウッド馬鹿俳優を演じているのがJ・ハートネットだと最後まで気付かなかった。いや、彼とH・グラントの演技合戦は素晴らしいんだが、リッチーはいつも>>続きを読む
石井裕也『愛にイナズマ』(23)。一見、松岡茉優演じるヒロインが目立っているようだが、その実、彼女は「ダメ男」(碌でもない父とか長男とか夫とか兄弟とか)を肯定するために存在しているに過ぎない。その陰で>>続きを読む
M・ハルバースタッド『愛しのクノール』(22)。子豚を飼う少女と肉屋の祖父の交流のち対決を描く人形劇。原作(和蘭語)も本当にこんななのか? ストップモーション技術は高い様だが、豚をいきなりミキサーにか>>続きを読む
M・スコセッシ『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』(23)。ポスト蓮實世代がいかにスコセッシを擁護しようとも、本作がメタレベルでも「非白人」を搾取しているという構図を完全に否定することはできないだろ>>続きを読む
R・ロドリゲス『ドミノ』(23)。「スパイキッズ」シリーズの様な子供向け映画を作っている分には目立たなかったが、ロドリゲスの本質はやはり「幼稚さ」にあるのだろう。本作の参照先も自分と同じ90年代以降の>>続きを読む
水田伸生『お前の罪を自白しろ』(23)。最終回とはいえ公開一週間で劇場がすかすか。自民党の議員の中にも心根のいい人はいるし、その息子もぜひ二世議員になってもらいたいよね、一家の罪を自白してくれてありが>>続きを読む
横川寛人『HOSHI 35 ホシクズ』(23)。平成ゴジラのヒロイン(巫女)たる小高恵美に怪獣映画からの解放を促した良作の様にも見えなくもないのだが、実の所、横川の脚本が巷に溢れるエロ村漫画に劣るほど>>続きを読む
原田眞人『BAD LANDS バッド・ランズ』(23)。己を捕えようとするカメラからいかに逃げ切るか。画面の、いや「物語」の中心に留まっては、悲劇のヒロインとなってはならぬ。「階段」という上/下、内/>>続きを読む
A・フークア『イコライザー THE FINAL』(23)。元来イーストウッドが得意とする様な自警主義をイタリアを舞台に展開するのだから、本作はホラーというよりマカロニ・ウェスタンのネガとしての様相を帯>>続きを読む
カルロタ・ペレダ『PIGGY』(22)。丸々と太った肉屋の娘サラを「豚」と蔑みいじめる同級の女子たち。とそこへたまたま自分だけをお姫様の様に扱ってくれて(お菓子くれるし)いじめっ子をさらってくれる連続>>続きを読む
M・チャベス『死霊館のシスター 呪いの秘密』(23)。何かもうタイトルがずっと意味不明なのだが面白いからまあいいか(よくないけど)。なるほどヴァチカンが悪魔事件記録のアーカイヴズ(史料館)なのだとすれ>>続きを読む
A・ファーディル『紫の家の物語』(22)YIDFFコンペ。戦禍を逃れた、だがコロナ禍に見舞われているレバノン南部の「紫の家」。当作は家主たる女画家と隣家の少年の関係を起点に、当地周辺の過去と現在、現実>>続きを読む
R・リンクレイター『バーナデット ママは行方不明』(19)。映画の中の男建築家は露骨に創造主になりたがる。本作の女建築家はどうか。彼女は父権的なヒエラルキーから一度排除されたにも拘らず、結局「聖女」の>>続きを読む
吉野耕平『沈黙の艦隊』(23)。「沈黙」シリーズ最新作。セガールがいないせいか、登場人物たちがよく喋るどころか、クラシックまで大音量でかけはじめて(一度ばかりか二度までも)少し緊張感が足りないと思うん>>続きを読む
チョン・ヨンギ『オクス駅お化け』(23)。高橋洋脚本で韓国を舞台に代えて『リング』の恐怖をもう一度!という心意気や良し。呪いの契機として日本の関与が仄めかされた辺りも楽しめた。ただ『リング』にはなかっ>>続きを読む
ジェフ・ロウ『ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!』(23)。あまり住みたくないなぁ衛生的とはいえないなぁという地下を拠点として日々悪を挫く四亀ミュータント兄弟。君達は他のミュータントに>>続きを読む