にくさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

1.0

J・マンゴールド『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』(23)。こんな辛気臭いインディ、誰が見たいのか。「老い」がテーマだから? いやいや冒頭の過去シークェンスでもユーモアのかけらすらなかった。その>>続きを読む

ペトラ・フォン・カントの苦い涙(1972年製作の映画)

4.7

R・W・ファスビンダー『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』(72)。これを初めて観たのは、ずっと同じ映画ばかりをかけるカルチェ・ラタンの名画座で、フィルムが傷だらけだった。今回のレストア版のお陰で、本作>>続きを読む

苦い涙(2022年製作の映画)

3.1

F・オゾン『苦い涙』(22)。オゾンのお陰でファスビンダー版が劇場にかかったのでお礼は言いたい。しかし、オゾンの人物にはファスビンダーの人物が捉われている様な苦悩がない。ファスビンダーに明らかに格好も>>続きを読む

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

2.2

渡辺一貴『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』(23)。ルーヴルでロケできた所(地上)とロケできなかった所(地下)の落差が(悪い意味で)激しい。実際のルーヴルで、限られた時間で頑張って撮影したのだな、という苦労>>続きを読む

氷の微笑 4K 30周年記念レストア版(1992年製作の映画)

5.0

P・ヴァーホーヴェン『氷の微笑』(92)4K30周年記念レストア版。A・ゴンボー(Adrien Gombeaud)曰く、「煙草の煙を介して、女は自らの存在のみならずその快楽を強調する。煙草を吸う女は快>>続きを読む

忌怪島/きかいじま(2023年製作の映画)

1.0

清水崇『忌怪島』(23)。「村」の次は「島」か? 脚本がダメなのか話の筋がよく分かんないので(あのガキの研究は何の役に立つの?)怖さを味わう暇がない。仮想空間と現実が水で繋がって、黒髪の女が手を伸ばし>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

1.0

是枝裕和『怪物』(23)。「怪物」など確かにどこにもいない。そこにはディスコミュニケーションを是とする「俗物」がいるばかりだ。児童の未だ定まらぬ対象への愛着を「同性愛」と同定しようとする手付きに、更に>>続きを読む

リトル・マーメイド(2023年製作の映画)

2.3

R・マーシャル『リトル・マーメイド』(23)。「白人」の父(トリトン王)と「黒人」の娘(アリエル)。「黒人」の母(女王)と「白人」の養子(エリック)。2つの親子関係の人為的な交叉。なぜ「黒人」女王は「>>続きを読む

M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

3.2

G・ジョンストン『M3GAN/ミーガン』(23)。登場人物(エージェント)間に大した感情的葛藤がない。ヒロインが人間を超えるAIを開発する様な天才に見えない。ミーガン人形の踊りは『エクス・マキナ』の二>>続きを読む

ウンタマギルー(1989年製作の映画)

4.7

高嶺剛『ウンタマギルー』(89)。米国と日本の板挟みになった戦後沖縄を舞台とする寓意劇。やはり沖縄でロケされた『豚の報い』(99)に先駆け、豚にマブイ(魂)を取られた人物の言わば「地獄巡り」を描く。結>>続きを読む

ヴィレッジ(2023年製作の映画)

1.9

藤井道人『ヴィレッジ』(23)。薄っぺらい。どこか(横溝というより最近の漫画)で見たよな「山村」エピソードに終始。この脚本では監督も苦労したろう、と思ったら兼業だった。キャスト先行の企画だったか。田舎>>続きを読む

エボリューション(2001年製作の映画)

4.0

ご飯を食べているときに見てはいけない映画だ、ということは覚えている、

ザ・ホエール(2022年製作の映画)

3.0

眠れないので『ベネデッタ』と『ザ・ホエール』と『ノック』がいずれも同性愛者を主人公にしていたこと、彼女ら彼らが見る「ヴィジョン」が作品の中核を成していたこと、しかも舞台が閉鎖空間(密室)であったことに>>続きを読む

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

2.3

庵野秀明監督『シン・お面ライダーマン』(23) 。いつも通り事前情報を極力入れずに行ったが、まさかのコロコロ・オマージュ。あとたけちゃんマン。ヘルメットを脱いで〜被って〜脱いで〜被って〜脱いで〜脱いで>>続きを読む

ベネデッタ(2021年製作の映画)

5.0

P・ヴァーホーヴェン『ベネデッタ』(21)。17世紀イタリアの女子修道院を舞台とする仏語史劇。冒頭の聖母被昇天劇(足ぱたぱた)は、終盤におけるベネデッタの「蘇り」を予告するだけでなく、彼女が、自らの欲>>続きを読む

バビロン(2021年製作の映画)

1.0

『バビロン』見ようとしたら、入り口で、手に持っていた(自主缶詰後の食料の余りの入った)コンビニの袋を見咎められる。「他店の飲食物は中で食べないで下さい」。そんな御無体な。よく存じておりますがな。そんで>>続きを読む

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

2.1

樋口真嗣『シン・ウルトラマン』(22)IMAX。禍威獣、禍特隊の字で白けた。あとマルチバース、マルチバースうるさい。外星人、なぜそこだけ英語を使う? 多元宇宙でよくないか? 地球人、そんなに外星人から>>続きを読む

N号棟(2021年製作の映画)

1.0

後藤庸介『N号棟』(21)。上映後、後席の男性の第一声「思い切り『ミッドサマー』じゃん」に居合せた全員が頷く。グァダニーノの『サスペリア』も入ってた。後は黒沢清の『叫』か。だからもうやめようって、即興>>続きを読む

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

4.0

S・ライミ『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(22)IMAX3D。監督がライミで音楽がD・エルフマン。楽しい映画にならないはずがありません。とはいえMCUのマルチバース展開には却>>続きを読む

ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

3.5

デル・トロの新作『ナイトメア・アリー』、予告編見ないようにしてたんだけど、タイトルからして『アリー・マイ・ラブ』悪夢版みたいのを期待するよね。全然違ったんだけど。え?しない?
 というか、『アリー/ス
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

2.0

『ザ・バットマン』の初日だってんで張り切って行ってきましたが、ものすごくがっかり。一番嫌いなノーランの『バットマン・ビギンズ』よりがっかり。私がT・バートン原理主義者だというのを自分で差し引いても、が>>続きを読む

牛首村(2022年製作の映画)

3.0

清水崇『牛首村』(22)。失せるもkoki、探すもkoki(∵二役だから)。kokiのkokiによるkokiの為のプロモーション・ホラー。父の面影も散らついて、最早マルコヴィッチならぬ『kokiの穴』>>続きを読む

新解釈・三國志(2020年製作の映画)

1.0

マイナス無限大。地球が滅ぶ。

なんだこれ。史学科に入学したとき、男の殆どが三国志オタクで、こりゃ入るところ間違えたと思ったんだけれども、連中も、流石にこの映画には怒ってるんでないかな。あ〜もしかして
>>続きを読む

ビルド・ア・ガール(2019年製作の映画)

3.7

C・ギェドロイツ『ビルド・ア・ガール』(21)。ジョハンナはよく読みよく書き、そして、よく走る。但し、タクシーや男どもの口車に乗せられてしまうと、碌なことにならない。自分の足で、自分のペースで走る(書>>続きを読む

ファンタジー・アイランド(2020年製作の映画)

2.0

J・ワドロウ『ファンタジー・アイランド』(20)。Netflixで何を観ようか悩んでいる人はこの映画を選んではダメ。これじゃなくて『オールド』とか『ライフ・オブ・パイ』とか『シャッター・アイランド』と>>続きを読む

ジャック・ジャックとエドナおばたん(2018年製作の映画)

2.2

エドナおばたんがアイン(・ランド)おばたんに見えてくるわけだね。超人なら全て許されるという。

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

2.8

C・J・フクナガ『007 ノー・タイム・トゥー・ダイ』(21)IMAX。『アベンジャーズ/エンドゲーム』におけるR・ダウニー・Jr. とD・クレイグが重なる。シリーズで一定期間主役を演じた初老の男が身>>続きを読む

死霊館 悪魔のせいなら、無罪。(2021年製作の映画)

3.9

M・チャベス『死霊館 悪魔のせいなら、無罪』(21)。敢えて老いを晒したV・ファーミガが素晴らしい。但し、彼女が犠牲者の女達には示していたはずの同情を「魔女」に対しては全く示さなかったのが残念。殆ど同>>続きを読む

地獄へつゞく部屋(1959年製作の映画)

4.0

W・キャッスル『地獄へつゞく部屋』(House on Haunted Hill, 59)。幽霊屋敷ものに典型的な立地、丘の上に建つ館は、しかしF・L・ライトのエニス・ハウスの外観(マヤ風)を借りている>>続きを読む