耕平さんの映画レビュー・感想・評価

耕平

耕平

2016年7月からの鑑賞記録です。劇場鑑賞だけではなく、DVDや動画ストリーミングもふくみます。SNSではなく個人オンラインメモとして使っています。

サウスパーク/無修正映画版(1999年製作の映画)

3.6

サダム・フセインが地獄の悪魔のセフレで、最終戦争を目論むという、イラク戦争以降にやったら100パーアウトなネタ。いや、よく考えれば1999年にもアウトなんだけど。文化戦争をおちょくる、まぁ凄い映画です>>続きを読む

猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)(2017年製作の映画)

4.7

劇中で”Ape's Apocalypse Now”と壁画で描かれるように、これはまさに猿の惑星版『地獄の黙示録(Apocalypse Now)』。それはわかりやすくウディ・ハレルソン演じる「大佐」の登>>続きを読む

ウォーリー(2008年製作の映画)

4.0

最初の30分、一切の台詞がないのは凄い。しかしそれでも全然退屈じゃない。むしろ映画館で子供は釘付けだったろう。アニメーションの楽しさが溢れている。

2001年のHALって本当に凄い設定だったんだな。
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バットマン リターンズ(1992年製作の映画)

4.0

奇形ゆえに生後間もなく捨てられたペンギン。仕事も恋も冴えず挙句の果てに雇い主から突き落とされ猫の魂を得るキャット・ウーマン。そして、幼少期に親を目の前で惨殺されたバットマン──

ティム・バートン版の
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モアナと伝説の海(2016年製作の映画)

4.1

魔物の海の巨大ヤシガニ、タマトアの歌に大興奮。ビートが完全にヒップホップで、乗っかるフロウは完全にJay-Z。ブリンブリンでダークライトというおまけつき。ディズニー映画初の公式ヒップホップソングなんじ>>続きを読む

君の名は。(2016年製作の映画)

4.0

311を忘却したいという欲望がこの映画の真のクリエイターであり、その欲望を受け取るのが俺を含めたほとんどの人間だろう。

映画があえて忘却したのは実際の311であり、天災としての地震は消すことはできな
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バットマン(1989年製作の映画)

4.2

ティム・バートン版『バットマン』(1989)を観た。今までこれを観ずに「ノーランのダークナイト最高!」ってイキっててすみませんでした!ジャック・ニコルソンのジョーカー最高だわ。まぁそのまんま『シャイニ>>続きを読む

猿の惑星:新世紀(ライジング)(2014年製作の映画)

3.7

 前作『ジェネシス』が革命の映画であるとすれば、革命の後を描く映画がその勢いを失ってしまうのは当然である。熱狂の革命の後に来るのは、冷静さが必要とされる整理の時期であるか、革命の反動としての暴動でしか>>続きを読む

猿の惑星:創世記(ジェネシス)(2011年製作の映画)

4.5

「資本主義社会の大衆は、現実の世界で革命に言及することはないが、想像力の世界では革命を夢見ている」
──Kevin Floyd、一橋大学レクチャー内での発言

 
 ケヴィンはそのような「革命的な物語
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ドリーム(2016年製作の映画)

4.0

最高の映画である。人種差別、性差別をテーマとしながら、それに抗う主人公三人[Hidden Figures]の闘いがとにかく素晴らしく素敵なのだ。「私は差別してないわよ」と理解者ぶることの差別性、「ただ>>続きを読む

ワンダーウーマン(2017年製作の映画)

3.7

『ワンダーウーマン』を観た。「スーパーヒーローが現実にいたら戦争は解決して世界は平和になるのに」という誰もが幼少期に抱くだろう妄想の映像化。WWⅠ時の英米vs独というわかりやすい正義と悪の構図がそこで>>続きを読む

プレシャス(2009年製作の映画)

3.0

詩人として活躍していたサファイアが初めて著した1996年の小説が原作。貧困層ハーレムに住む16歳の黒人少女プレシャスは、母親からは生活保護のダシにされ、幼少期から父親から性的虐待を受けており、16歳ま>>続きを読む

ダンケルク(2017年製作の映画)

3.4

 僕が実際の知り合いのなかで最も信頼するアメリカ文化研究者M先輩とのメールの往復を抜粋掲載する(無許可ですが)。

───

To 耕平 from M

「ダンケルク」を見たのだけど、映画の内容はさて
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エイリアン:コヴェナント(2017年製作の映画)

3.7

エイリアンシリーズを期待していくと裏切られることになる。『エクス・マキナ』以降の『2001年宇宙の旅』とでも形容したくなるような問題系がここに導入されている。

『プロメテウス』の続編と知らずに観たの
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シャイニング(1980年製作の映画)

4.7

 カメラワークの素晴らしさに息を飲む。構図、音、テイクの長さ、完璧。とにかく映画的な映像として優れている。これが80年とは到底思えない。カバーアートのニコルソンの顔だけでなく、「なるほど、これが元ネタ>>続きを読む

スプリング・ブレイカーズ(2012年製作の映画)

4.2

『ヴァージン・スーサイズ』の比較対象になるからと勧められ、フィンランドの友人宅で鑑賞した。

イビサ、EDM、そしてPC時代への、パンチが効きすぎたアイロニカルな態度。ユースカルチャー/ティーンエイジ
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シンクロナイズドモンスター(2016年製作の映画)

3.0

フィンエアー機上で観た。原題は『Colossal』。

イワユル「セカイ系」のよく出来たパロディだと思う。セカイ系の想像力は1990年ごろ日本でエヴァや村上春樹を起点に爆発したわけだけど、日本で今それ
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キングコング:髑髏島の巨神(2017年製作の映画)

3.2

機上で見たのでイマイチ迫力にかけたが、映画館で観たら最高だったんだろうとは思う。ヴェトナム戦争時期に設定されていたのは、どういう意図があるのだろう。あとで丸山さんに聞かなきゃ。

でもさぁ、やっぱり最
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希望のかなた(2017年製作の映画)

4.8

フィンエアー機上で『The Other Side of Hope』(英題、原題は読めない) を観た。カウリスマキ最新作の主人公は、フィンランドに不法入国したシリア難民。

システムとしての警察の非人間
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ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)

3.5

 全てをかけた『DUNE』の制作が中止となり、ホドロフスキーは失意の底で暮らした。そんな時、彼はある噂を聞く──デヴィッド・リンチが監督で『DUNE』が映画化されるらしい。

「なんてことだ。あいつは
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インランド・エンパイア(2006年製作の映画)

4.8

リンチは自らの著書『大きな魚をつかまえよう』で、以下の言葉を繰り返す。

「大きな魚を捕まえたいなら、深く潜らなければならない」

デヴィッド・リンチの(おそらく)最後の長編劇場映画作品『インランド・
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ズートピア(2016年製作の映画)

4.5

 異文化理解の講義テキストとして『ジェーン・エア』と『ズートピア』を選択したのは、前者が(女)性差別について、後者が人種差別について考えるよい契機となるからだ。それを読み/観ることで、私たちは「偏見に>>続きを読む

マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

4.6

英国メディアBBCが「21世紀最高の映画100」を発表したのは記憶に新しい。

ポール・トーマス・アンダーソン『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』、宮﨑駿『千と千尋の神隠し』、ウォン・カーウァイ『花様年華
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アイス・ストーム(1997年製作の映画)

2.9

アン・リー監督作品『アイス・ストーム』(1997)を観た。舞台はコネチカット州ニューケイナンで、アッパーミドルの白人2家族が中心。設定は1973年、夕食時にニクソンとベトナム戦争の悪口で親を困らせるク>>続きを読む

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

2.6

『ベイビー ドライバー』をシネマシティ極爆で観た。

①エドガー・ライトの新作で、
②同時にご機嫌な音楽映画でもあり、
③ケヴィンスペイシーが悪役を演じる

この3つが組み合わさるなんて最高じゃん!と
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ユージュアル・サスペクツ(1995年製作の映画)

3.9

俺調べによると『シックス・センス』の次にネタバレしまくってる超有名な叙述トリックの傑作。というか、観ているのが当然とされる作品(今年のトニー賞のMCでケヴィン・スペイシー自らがネタにしていたくらい笑)>>続きを読む

シックス・センス(1999年製作の映画)

4.3

『シックス・センス』をはじめ、90年代の映画監督の多くが、引用という技法を巧みに身につけている...監督たちは自ら新しい視点を開拓するとともに、映画ファンに対しては自らのマニア度を測るという新しい楽し>>続きを読む

静かなる情熱 エミリ・ディキンスン(2016年製作の映画)

4.0

僕が(そして多くの若い読み手がそうであると思うが) 初めてエミリ・ディキンスンに出会ったのは、サリンジャー『ライ麦畑』の中だ。ホールデン少年の弟は「ルパート・ブルックとエミリ・ディキンスン、どちらが世>>続きを読む

ロスト・ハイウェイ(1997年製作の映画)

4.7

サイコジェニック・フーガ(心因的遁走)という精神分析用語は、まるでこの映画を説明するためだけにあったんだ、と。

冒頭のハイウェイシーンでデヴィッド・ボウイの声が淫靡に重なる。そこから終わりまで完璧。
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ブルーベルベット(1986年製作の映画)

4.0

『ツイン・ピークス』から始まるデヴィッド・リンチ最盛期を知っているものとしては、その後(ロスト・ハイウェイ、マルホランド・ドライブ、インランド・エンパイア)にこのテーマが深化されているのを知っているの>>続きを読む

砂の惑星(1984年製作の映画)

3.4

自他共に認めるデヴィッド・リンチの黒歴史。まるでダイジェストを観ているかのように無理やり進められるプロット、ナレーションのように挿入される都合のいい独白。「なんて駄作だ!リンチでもダメだったんだ!」と>>続きを読む

エレファント・マン(1980年製作の映画)

4.2

俺の親父は超ド保守のクリスチャンなのだが、そんな親父に「『エレファント・マン』はヒューマニズムの映画」と言わせてしまうのが凄い。

リンチファンならこの映画が彼の奇形人間趣味(フリークス・ショウ)にす
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イレイザーヘッド(1976年製作の映画)

4.7

俺鑑賞史上最カルト映画は塚本晋也『鉄男』、スコセッシ『キリスト最後の誘惑』だったのだが、『イレイザーヘッド』も追加で。

本作の何が凄いって、そのグロテスクさに最後は慣れてしまうところにある。これはリ
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ワイルド・アット・ハート(1990年製作の映画)

4.0

『ツイン・ピークス』のセカンド・シーズンのクオリティを下げることになった原因(笑)というのはまぁ冗談として、本作についてリンチはインタビューで『オズの魔法使い』を意識したと発言している。

最後に「良
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パターソン(2016年製作の映画)

4.5

労働が育む芸術、忌避される商業主義、反復される会話と際立つその差異、回収されない伏線の妙、メソッドマン、引用される偉大なアメリカの音楽、文学、詩、そして(理想化された東洋としての) 永瀬正敏。

新作
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マイ・インターン(2015年製作の映画)

3.5

アン・ハサウェイに着目した場合、本作はまるで『プラダを着た悪魔』の続編のようだと評される。『プラダ』でカリスマ女性ボスに仕えていた事務職だったアンは、本作では逆に多数のアシスタントを抱える若きカリスマ>>続きを読む