耕平

耕平

2016年7月からの鑑賞記録です。劇場鑑賞だけではなく、DVDや動画ストリーミングもふくみます。SNSではなく個人オンラインメモとして使っています。

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)

4.2

めっちゃくちゃ良かった。観る前からフェミニズム映画であるという知識はあったし、実際素晴らしいシスターフッド映画であると思うが、この映画の良さはそれだけではない。

まずもって最高のティーンエイジャー映
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パトリオット・デイ(2016年製作の映画)

3.3

ラスト10分までは星4つ。ただ、やはりラスト10分がいただけない。結局アメリカはテロ以降明確に警察が「権力」ではなく「英雄」なんだよね。短期的に見たらそれでも良いけど、これじゃあ結局『ハドソン川の奇跡>>続きを読む

牡牛座 レーニンの肖像(2001年製作の映画)

3.5

歪む映像、割れる音。静寂に包まれた不穏な現実で交されるハイコンテクストなダイアローグと、詩的なモノローグ。「権力者4部作」第二作として制作されたレーニンを中心に撮られた本作は、徹頭徹尾アレクサンドル・>>続きを読む

怪物はささやく(2016年製作の映画)

3.6

 パトリック・ネスによる同名小説はここ十年の児童文学のベストの一つと断じていいとんでもない大傑作である。その作者ネス本人が脚本を書いたということで注目していたが、この映画の面白さは結局のところ、そのま>>続きを読む

草原の河(2015年製作の映画)

4.0

主演の少女ヤンチェン・ラモが素晴らしすぎる。そしていちいち画面構成がいい。チベットというそのロケーションの面白さに甘えるところは微塵もない、透徹なカット割り。お見事!

ゴールド/金塊の行方(2016年製作の映画)

3.7

スコセッシの『ウルフ オブ ウォールストリート』が好きな奴は全員観るべき。時代も舞台も主人公のノリもほぼ一緒。金鉱探索モノのような宣伝がされているが、実際はウォール・ストリートブーム(80年台後半) >>続きを読む

ノー・エスケープ 自由への国境(2015年製作の映画)

3.5

ここ四年だけでも

皆殺しのバラッド
カウンセラー
カルテルランド
ボーダーランド

と、米墨国境地帯が舞台となる作品があった。カルテルの勢力拡大による、麻薬戦争の激化がその背景にはある。

それ以前
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メッセージ(2016年製作の映画)

4.3

テッド・チャンによる原作短編「あなたの人生の物語」は、ハード言語SFとでも分類すべき作品だ。テーマとなるのは言語論であり、それを記述する媒体も(小説であるので当然)言語だ。

しかし、映画はまずもって
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スプリット(2017年製作の映画)

3.5

周囲の映画ファンが皆大絶賛していたので観た。M.ナイト.シャマラン監督作品は初見。面白かったがそこまで傑作だと思えなかった。

一番大きな理由は僕がシャーリィジャクソン『鳥の巣』という多重人格の歴史的
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(2017年製作の映画)

3.8

前作の感想は「とにかくひたすらに音楽とキャラが良い映画だな」というものであった。逆に言えば、それくらいである。ヒーロー/ヴィランに現在世界を投影するシリアスなプロット、重厚な映像を用いるアメコミものの>>続きを読む

美女と野獣(2017年製作の映画)

4.7

『美女と野獣』。エマ・ワトソンがベルを演じると報じられた時から膨れ上がった世界中の期待に見事に応える、いや120%増しで応えてみせた、予想を超える「Be Our Guest」!

最高!!!!

声を
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T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)

3.2

物語内人物が小説家になるというある意味でのメタ構成って小説ではよく見るし、映画でも『スパニッシュアパートメント』なんかがそうだけど、20年後の続編、それもリアルタイムであることに価値のあるこの映画でそ>>続きを読む

エクス・マキナ(2015年製作の映画)

4.5

ハリウッドは『ゴーストインザシェル』をリメイクする必要なんてなかった。こんなに見事なポスト・グーグル時代のAIを描いた映画がすでにあったんじゃないか。『攻殻機動隊』と『ジュラシック・パーク』の正当な後>>続きを読む

スクール・オブ・ロック(2003年製作の映画)

3.5

無害なエンタメとしての音楽コメディ。人生において観る必要の無い映画だが、観て損はまったくしない良作。ジャック・ブラックが男色ディーノにしか見えなかった。

ゴースト・イン・ザ・シェル(2017年製作の映画)

3.8

なぜ草薙素子をスカーレット・ヨハンソンが演じるのか、ハリウッドによるホワイトウォッシュではないのか? という批判があった。主なものとして以下の記事であるが、

'Ghost in the Shell'
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牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

4.5

夏の暑さに発狂するティーンエイジャーたちの抗争。すれ違うロミオとジュリエット。人々を魅了する若きカリスマとその刹那。プレスリーと帝国の影。個人の人生を規定する大きな歴史。蘇る性的衝動。神の創った世界が>>続きを読む

ムーンライト(2016年製作の映画)

4.2

冒頭に流れるのはボリス・ガーディナー「Every Nigger is a Star」。そこからカメラは一人の売人へとフォーカスする。つまり、ケンドリック・ラマー『To Pimp a Butterfly>>続きを読む

ジャッキー ファーストレディ 最後の使命(2016年製作の映画)

2.2

ヌーベル・ヴァーグがやりたいなら、それに見合ったテーマでやるべき。

今の時代にジャクリーン・ケネディをポートマンにやらせるのであれば、もっと違う撮り方があっただろう。

SING/シング(2016年製作の映画)

3.8

映画史上最高に「ゴールデン・スランバー」の使い方が上手い。マシュー・マコノヒーとスカーレット・ヨハンソンの声優もお見事。

イルミネーション・エンターテイメントは、『ミニオンズ』とシングでディズニーと
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お嬢さん(2016年製作の映画)

3.9

ハングルは読めないが、エンドクレジットで表記される英題は『The Handmaiden』。つまりこれは、パクチャヌク版『侍女の物語』、朝鮮版『キャロル』。

『キャロル』ではマッカーシズムという時代設
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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

3.7

構成はめちゃくちゃシンプルで、主張はクリアで、その政治性も明快。それでいてずっしりと残る。なんと媚びのない映画だろうか。素晴らしい。

エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に(2015年製作の映画)

3.5

「マイシャローナ」でご機嫌に踊らせ、ラストを「ラッパーズディライト」で饒舌に締める。大学野球なんてのはどうでもいい舞台装置もいいところで、やりたかったのは『6歳の僕』のラスト10分のみを二時間かけて撮>>続きを読む

スラッカー(1991年製作の映画)

3.8

ジェネレーションXを代表する90年代USインディーの記念碑的作品。

在野のオズワルド研究家が自分の本のタイトルを「コンシピラシー ア ゴーゴー(陰謀し放題!)」にしようと思うってところでクソ笑い、パ
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17歳のカルテ(1999年製作の映画)

3.7

ボーダーシャツに肩幅のないジャケット。中学生男子のような髪型に、退屈と苛立ちを併せ持つ視線。くわえタバコも完璧。「ボーイッシュ」って形容詞はウィノナ・ライダーのためにあるのか…!

アンジーとウーピー
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ブルックリン(2015年製作の映画)

3.0

ニューヨークで待つ男と、アイルランドで振り回される男に感情移入してしまったクソ男性こと僕には、正直全然この女性心は分かりません…

ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!(2007年製作の映画)

4.4

『ホット・ファズ』を観る。オフ・ビートなバディ物コメディかと思い気を抜いてヘラヘラしていたら、田舎町がいかに排他的で閉鎖性溢れるコミュニティなのかを暴露する超展開に開いた口が塞がらない。ゲラゲラ笑えて>>続きを読む

グローリー(1989年製作の映画)

3.5

アメリカ史上最初の黒人部隊の一つ、マサチューセッツ第54部隊の映画。『ローグ・ワン』や『インディペンデンス・デイ』を観て、僕みたいな日本人はそこに神風特攻を真っ先に想起してしまうんだけど、なるほど、元>>続きを読む

ベルベット・ゴールドマイン(1998年製作の映画)

3.3

デヴィッド・ボウイのファンであるかどうかで、この映画への評価はガラッと変わると思う。もしボウイファンであったとしても、『レッツ・ダンス』以降を評価するかどうかによって。

僕はこの映画の結末部は残念な
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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

2.9

「一人一人が幸せになることが目的だ、自分が幸せになることが人生の目的だ──という考えにどうも俺は納得できないんですよ。僕は自分の幸せのために生きていない。むしろ俺は映画を撮るたびに不幸になっている。で>>続きを読む

ジェーン・エア(2011年製作の映画)

4.0

古典文学の力強さに心打たれた
これは原作の勝利である

マリアンヌ(2016年製作の映画)

4.0

予告編にあるように、WW2での二重スパイをめぐるもの。だが、映画が主題に接近するのは実は後半に差し掛かってから。これが抜群に上手い。映画の原題は連合国を示す『Allied』。『ザ・ウォーク』の次にこれ>>続きを読む

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

3.9

上映直後に目を疑った。松木(俺の最高のソウルブラザー)が主役を演じている!いやもちろん、主演俳優が松木にそっくり、というだけである。しかし顔から背格好から年齢まで松木そのものなのだ!俺はずっと「松木!>>続きを読む

ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち(2015年製作の映画)

3.8

ホロコーストのゴースト、跋扈する優生思想、難民化する子供たち。過去から切り離された永遠の現在と、その先にはない未来。問われるのはサヴァイバルのセンス──だけど、もうそれだけじゃ足りないんだ。ティム・バ>>続きを読む

未来を花束にして(2015年製作の映画)

4.2

(未来を花束にして、という謎邦題がついているが)タイトルどおり女性参政権を求める100年前の英国。不当な抑圧に抗議の声をあげよ、正義の歪みを矯正せよ、無知蒙昧と理性で戦え、負け続けても立ち止まるな、そ>>続きを読む

マグニフィセント・セブン(2016年製作の映画)

3.0

1870年代の南部を舞台にしながら、自由黒人たるデンゼルへの罵詈雑言や差別がきかれない。イ・ビョンホンも颯爽たるもので、きわめつけはインディアンまでが仲間になる。

こういうのをつまらないPC配慮とい
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スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団(2010年製作の映画)

4.0

ベックとナイジェル・ゴドリッチ、いい仕事するなぁ。展開早いコメディなのにオフビート。うまい。

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