もんたさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)

3.7

余りにも自分の信念にストイックすぎる聖人性が最早狂気的にも見える前半。
凄まじすぎて尊敬の眼差しを向けざるを得ない聖人性を画で見せつけられる後半。
人物描写(特に米軍チーム)が端的でチョイ役も印象に残
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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

3.8

日常に潜むパステルカラーの鮮やかさ。衣装まで徹底的に計算されてて目が気持ち良すぎる。夢のように綺麗な世界に蔓延る容赦ない現実と、生々しい躍動感に満ちた理想郷の対比が強烈。
子役含め全員完璧すぎる役者陣
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アナザーラウンド(2020年製作の映画)

3.6

ダメな部分があるからこそ人間は愛おしい。淡白さと祝祭感の使い分けが的確。
美味しい酒が飲みたくなる。嗜む程度に。

オールド(2021年製作の映画)

3.7

「映画は人生を2時間で映し出すメディア」的な言葉をどこかで見かけた気がするけど、今作はそれを文字通りに遂行している。俯瞰して見ると歪なB級スリラーにも思えるような題材だけど、名匠の手にかかれば温かな人>>続きを読む

シャン・チー/テン・リングスの伝説(2021年製作の映画)

3.5

狭い空間をフルに活用したアクション。壮大すぎて笑っちゃうCG全開ファンタジーバトル。どちらも大作中国映画史からの影響を感じずにはいられない。
相変わらずキャスティングが完璧すぎるけど、オークワフィナの
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フリー・ガイ(2021年製作の映画)

3.6

あらすじとキャストの時点で面白いのが確定してるのズルすぎる。安心して観れるファミリー映画。
ツルンとした役者達がディストピア感を引き立てる。終盤の展開はファンサービスかと思わせておいて実は某親会社への
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Summer of 85(2020年製作の映画)

3.4

徹底された80年代バイブスを身に浴びるだけでワクワクしてしまう。細部に至るまで抜け目がない。
ひと夏の恋って何度見てもキュンキュンしてしまうわね……

ワイルド・スピード/スーパーコンボ(2019年製作の映画)

3.5

ルーク&デッカードのカップリングをひたすら愛でられる映画。お前ら早く付き合えよ。
イドリス・エルバ演じる悪役がかっこいい。荒唐無稽ながらもどこか味わい深さが滲み出てる。
原題が『ホブス&ショウ』なのも
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夜は短し歩けよ乙女(2017年製作の映画)

4.2

アバンギャルドでぶっ飛んた画をフルに使って拗らせた恋愛不器用人間の悶々を的確に描き出してる。共感度200%。
まさに夢のような時間感覚と展開にどっぷり浸るだけで心地良い。良い夢を見た後の満足感に近いか
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ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

4.4

ジェームズ・ガンの良さが200%引き出されてる。信頼しか出来ない監督。
不謹慎すぎるゴア描写やお家芸とも言えるオブビートなコメディセンスも最高だけど、細かい描写で匂わされるメッセージ(しかもそれが映画
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

3.6

キャリー・マリガンの多彩な表情が良かった。彼女がただの復讐サイコパスではない事が伝わってくる。
終盤は逃げ道の無い居心地の悪さと映画としての面白さが混在していてクラクラ。
選曲も抜群に良い。劇伴風To
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サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

3.7

暑苦しい青春模様にノックダウン。好きな要素てんこ盛りみたいな感じが何とも愛おしい。セリフとか音楽使いが若干あざといと思ったけど、それすら愛らしい青臭さに感じられる。
登場人物全員好きになれるタイプの作
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ワイルド・スピード/ジェットブレイク(2020年製作の映画)

3.4

もはやサザエさん化しつつあるドムファミリーの安定感。実家のような安心感。
大雑把なプロットも無茶すぎる追加設定も、圧倒的破壊と物量と筋肉の前では無と化してしまう。新鮮で迫力満点なカーアクション案の見本
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ムーンライト(2016年製作の映画)

3.9

生々しい現実が何とも鮮やか且つ抽象的に描かれていて思わず見惚れてしまう。パート毎に異なる画の質感が何とも心地良い。
淡くて繊細でブルー、でもズッシリくるものもあるし、しっかり胸キュンもさせられる。
T
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SING/シング(2016年製作の映画)

3.7

躍動感溢れたカラフルな映像とキャラ達を観てるだけで楽しい。選曲とパフォーマンスの良さは言わずもがな。
可愛い見た目をしてる割に所々で登場動物(というか我々の日常)の苦い部分がフッと浮かび上がる。でもそ
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ライトハウス(2019年製作の映画)

4.1

滲み出る画作りへの強い執念。110分間照明も配置も完璧すぎる。質感に至るまで徹底的。クラシカルな見た目に似つかわない現代的な重低音と耳障りな警笛のようなホーンも此方の神経を心地良く逆撫でしてくれる。>>続きを読む

ブラック・ウィドウ(2021年製作の映画)

3.3

アクションもオフビートな笑いも良質で2時間強があっという間に過ぎた。描かれるテーマも真摯でそこまで説教臭くないし、序盤のさり気ない超人パワー描写とかも好みのラインで良かった。
ただ、キャラの掘り下げが
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アシュラ(2016年製作の映画)

3.8

悪すぎる男たちによる悪のパワーゲーム。
一瞬たりとも飽きがこないパワーゲーム。
緊張感をも力でねじ伏せるパワーゲーム。
中盤の発狂カーチェイスは観ている方も一種のトランス状態に。快感。
負のカタルシス
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青葉家のテーブル(2021年製作の映画)

3.5

丁寧でオシャレな暮らし×青臭い背伸び青春の絶妙な組み合わせ。何かになりたい若者と何かになりたかった大人。暑苦しさが1ミリもないスッキリした画が気持ち良い。
時折出てくる食べ物の飯テロ具合もヤバい、空腹
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ビリー・アイリッシュ 世界は少しぼやけている(2021年製作の映画)

3.8

I love you Billie!!!!!が止まらなかった。
ホントに素敵でイケてて等身大な兄妹。

KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016年製作の映画)

3.8

ストップモーションアニメだからこその重量感と質感。髪の毛の一本一本がバラバラに動く気持ち良さ。とんでもないクオリティにただ圧倒される。
語られる物語は余りにも王道な冒険譚。家族愛や他者への優しさと言っ
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RUN/ラン(2020年製作の映画)

3.6

日常に潜む色んな"待ち時間"を使ったサスペンス演出の巧みさに感服。アニーシュ・チャガンティ監督には今後も期待しか出来ない。
こっそり"あの顔"がカメオ出演してて笑った。誰よりも怖い顔してるよホント。

映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

3.6

自分が映画に求めてる三つの要素(良い画、飽きない編集、作り手の自己表現)を映画内映画と本編そのものを使って示してくれた。気持ち良い入れ子構造。
クリエイター以外の職業に対するリスペクトもちゃんと描かれ
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リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

3.7

死後の世界を鮮やかな蛍光色と生き生きとした躍動感で彩ってしまうセンス。重いテーマを何とも軽やか且つ真摯に扱うピクサークオリティ。
お話自体は開始数分で大体読めるけど、多幸感に包まれたラストを観たら泣く
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アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

3.6

最高のショーを見せてもらった……
デイヴィッド・バーン、歌も振る舞いも利発さも素敵すぎる。久しぶりにTalking Heads聴きたくなった。
個人的にはスパイク・リーの色がもっと濃くなっても良いんじ
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ザ・コンサルタント(2016年製作の映画)

3.5

有能な人の仕事振りは見てて心地良くなる。粋で優しいラストにじわりと感動。
刺激の強い過激な音=The Qemists

クルエラ(2021年製作の映画)

3.5

煌びやか且つ廃れた画も、70年代UKが充満した音楽も最高〜!!!まだ完全開花しきってないカリスマ性を体現したエマ・ストーンも最高〜!!
もう少しエッジの効いた作りだったらなとないものねだり。

ナイスガイズ!(2016年製作の映画)

3.7

ブラックコメディ×LAノワール×最高にダサくても最高にイケてるライアン・ゴズリング。おバカとシリアスの丁度良い比率。
ホリーちゃんになら反抗期を迎えられても良い。
早く続編作ってほしい。

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル(2017年製作の映画)

3.8

クセの強いダメ人間を実在感と伴に演じられるのは芸達者の証。どこまでが真実かは分からないけど、各々が自分の道を生きていたのは紛れもない事実。
文字のフォントと配置が完璧すぎる。

ファーザー(2020年製作の映画)

4.0

前情報無しだったので勝手に父と娘の感動話かと思ってたら良い意味で裏切られた。
動きの少ない画だからこそ不安を煽るような違和感がジワジワと浮かび上がる。時間と空間をフルに活用した演出はまさに映画的。
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ジェントルメン(2019年製作の映画)

3.6

ガイ・リッチーによるガイ・リッチーのためのガイ・リッチー作品。クライム英国紳士エンタメ群像劇はお手の物ですね。
「あの曲」が普通にカッコ良くて困っちゃう。

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

3.8

ニューヨーク派時代劇。好きな日本の俳優が好きな欧米の俳優とコラボしてて俺得。全員ハマり役だし、違和感のない英語と日本語のやり取りも良かった。
宗教観の話を現代の社会問題に還元させちゃうスコセッシ、若々
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SNS-少女たちの10日間-(2020年製作の映画)

3.7

気持ち悪すぎる。しかし全く無縁の事では無いのも確かで、それ含め心底不快になった。リアリティショー的な作りに卑しさを感じつつも、それを観たいと思ってしまう自分がいる。結果的にとても印象に残る作品。
エン
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サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

3.8

何億回も言われてることだろうけど、音の演出が凄い。音がない所の演出も凄い。

この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.4

観終わった後に涙が溢れてくる稀有な例。細部に神が宿りすぎてる典型的な例。

クリシャ(2015年製作の映画)

3.6

積み重なる日常の小さなノイズ。逃げ場がない愛憎のごった煮。
「もう戻れないところまで歪んでしまった感」が全編を通して漂ってる。
監督の作風はこの時点で既に完成されてるっぽい。