ヒロシーさんの映画レビュー・感想・評価 - 12ページ目

イップ・マン 完結(2019年製作の映画)

3.0

宇宙最強シリーズ(?)完結。4部作ながらしっかり語りきったのは立派だし、これまで全然出なかったブルース・リーの活躍は嬉しい。ドニーさんの年を食ったが故に苦戦する演技、そこから逆転するキレキレアクション>>続きを読む

悪人伝(2018年製作の映画)

3.5

恐らく本作の企画会議の段階では「次は、刺されても平気なマ・ドンソクとかどうですかね? そいつが刺した犯人を探すとか」みたいな話は出ていたんじゃないだろうか。それぐらい設定を活かしたギャグが至る所に散り>>続きを読む

イップ・マン 継承(2015年製作の映画)

3.5

再び差別問題を描くよりも夫婦の絆を描くことを選んだのは正解。だけど、夫婦問題は1からずーっとあったから、仰々しくやり過ぎな気はしないでもない。試合をサボってダンスに興じる二人は何とも幸せそうだけど、あ>>続きを読む

WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)

3.5

元々プレイリストがあって、そこから物語を着想したという制作の流れらしいのだが、その結果出来上がった物語がToxic masculinityを扱うというのが興味深い。ケンドリック・ラマーとフランク・オー>>続きを読む

もののけ姫(1997年製作の映画)

4.5

自然と文明の闘いを描くのかと思っていると、タタラ場の病者の長がエボシについて語る言葉がズドンと響く。子供達はあのシーンをどう受け止めるのだろうか。単に活劇としての面白さもあるが、本作の肝は正解のない問>>続きを読む

イップ・マン 葉問(2010年製作の映画)

3.0

数多のカンフー・スターが実在の武闘家を演じる事が本シリーズの魅力であることは間違いないけど、ドニーさんを中盤まで完全に食っちまっていたサモ・ハン・キンポー先生の圧は凄かった。日本からイギリス、統治され>>続きを読む

サンダーロード(2018年製作の映画)

4.5

気になっていたので楽しみにしていたが、期待以上の大傑作。冒頭、母親の葬式で明らかに情緒不安定なスピーチ、そこから踊り出す警官の男。これが全てを物語っている。そこから明らかになるのは、このジムという男は>>続きを読む

千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)

5.0

以前Markしましたが、その時の事全然覚えていない&トンチンカンなこと書いていたのでMarkし直します。

『千と千尋の神隠し』に問わず、ジブリ作品について「実は死後の世界だ」とか語りたがる人が余りに
>>続きを読む

はちどり(2018年製作の映画)

4.5

これが長編デビューだなんて信じられない。撮影、脚本、テーマ選び、フォーカスの当て方、全てが堂に入り過ぎている。余りにもぶれない力強さを、今にも崩れそうな繊細さから生み出している。特に時代設定、キメキメ>>続きを読む

ハニーランド 永遠の谷(2019年製作の映画)

4.0

冒頭から最後まで幾度となく思った。これは撮影が優れている社会派ドラマ映画だろうと。ドキュメンタリーと信じられないぐらい話が面白い。話運びも巧みさを感じる。大自然の谷を行き来する老女の動き、彼女と母親の>>続きを読む

ソニック・ザ・ムービー(2020年製作の映画)

3.5

アメリカでは『名探偵ピカチュウ』よりヒットし、続編も決まっている本作。実に楽しかった。悪役なのに楽しそうなジム・キャリーを見ているだけで満足。そして一人で野球をするシーン、一人だと絶対にアウトになるこ>>続きを読む

風の谷のナウシカ(1984年製作の映画)

4.5

ジブリ、特に宮崎駿監督作品はテレビで何らかの形でほとんど観ていたものの、何故かナウシカだけは観ていなかったので、この機会に劇場へ。率直に、これほど反戦・反文明の気持ちを揺さぶられる映画があるだろうか、>>続きを読む

イップ・マン 序章(2008年製作の映画)

3.5

予習開始。宇宙最強・ドニーさんが演じるイップ師匠が無双していく映画だが、見ているだけでも超大変だったであろう詠春拳の完全再現と、戦争の統治下で苦悩する人々のテンプレながらもしっかり地に着いた描写が素晴>>続きを読む

エルカミーノ: ブレイキング・バッド THE MOVIE(2019年製作の映画)

4.5

『ブレイキング・バッド』の演出が『ベター・コール・ソウル』レベルまで進化したからこそ撮れた映画ではないだろうか。冒頭、川の水面越しの二人の会話から泣いていた。無駄にカメラを動かすなんて野暮なシーンは一>>続きを読む

その手に触れるまで(2019年製作の映画)

4.0

イスラム過激派の思想に取り憑かれるまで、とかではなく冒頭から染まってしまっている。見た目は明らかにナード感満載のアメッド君ですが、だからこそ不気味を通り越して何も疑っていない真っ直ぐさが表れている。「>>続きを読む

ペイン・アンド・グローリー(2019年製作の映画)

4.0

回想シーンの挟み方が見事で、後半になるにつれてどんどん意味を増してくる。どこまでが自伝的なのか分からないけどパーソナル要素が高いのは間違いない、そんな不思議な映画。肉付けは最低限で脚色多めと言ったとこ>>続きを読む

ドクター・ドリトル(2020年製作の映画)

2.5

MCUから解放されたロバート・ダウニー・Jrへのお祝いとして観に行きました。rotten tomato批評家評価14%も納得。いろいろ物足りない。まず、アクション的に盛り上がるシーンが全然撮れていない>>続きを読む

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

4.5

超極上の編集を楽しめる映画。『若草物語』に現代的価値観を持ち込みながら練り上げた脚本も、四姉妹一家やローリーの可憐な衣装も、無駄に動かず美しい瞬間を逃さない撮影も、勿論超豪華俳優陣の演技も最高なんです>>続きを読む

未成年(2018年製作の映画)

4.0

すごくよかった。名優キム・ユンソクの初監督作は、自らが諸悪の根源の最低男を引き受けて、常に不条理を押し付けられる二人の母親、その子供達の物語を、決して鬱になり過ぎずも終始切なく描く見事なドラマ映画とな>>続きを読む

ヴァスト・オブ・ナイト(2019年製作の映画)

4.0

素晴らしいカメラワーク。ただ電話交換をしている、ただ相手の話を聞いている、ただ老婦人が話をしている絵でも不安感が圧倒的。本作は基本的に時間の跳躍がない、ずっとリアルタイムで時間が続いている話なんだけど>>続きを読む

ザ・ファイブ・ブラッズ(2020年製作の映画)

4.0

そうか、キング牧師が暗殺された頃はまだベトナム戦争中だったのか…程度の知識の人間はただただ圧倒されるばかり。スパイク・リーの作品、しかも数々のスタジオで断られてNetflixに流れ着いたので覚悟はして>>続きを読む

話の話(1979年製作の映画)

3.5

物語ではなく詩的な映像を楽しむアニメーション。配偶者の訃報に悲しまされたり、戦闘帽を被った夫に支配されたり、女性の描き方の悲しさがリアル。

ハリエット(2019年製作の映画)

3.5

スターチャンネルで放送中のドラマ『アウトサイダー』にも出ているシンシア・エリヴォ。日本ではイマイチ知名度は低いけど、それは彼女が出演した『ロスト・マネー 偽りの報酬』『ホテル・エルロワイヤル』がどちら>>続きを読む

ルース・エドガー(2019年製作の映画)

4.0

映画を観て、何でこんなにも嫌な気持ちにならなきゃいけないんだろうと思うことは結構ありますが、本作のその手の力強さは見事でした。優等生にはこんな秘密が、という映画はよくあるけど、そんな単純な話じゃない。>>続きを読む

デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)

3.5

これは何と言えばいいのだ? いや、ジム・ジャームッシュがゾンビ映画を撮るということは、しかもコメディらしいということも聞いていたので、そう単純なものではないとは思っていた。それでも本作は最初から最後ま>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族 (モノクロVer.)(2019年製作の映画)

4.5

カラー版よりも集中して映画を観た、というのはおかしい気もするが、その通りだったんだから仕方ない。彼らから見た世界を体験しているという意見が多いみたいだが、むしろ本作の真髄を露わにしたようなモノクロ版で>>続きを読む

ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから(2020年製作の映画)

4.0

素晴らしい。何て美しいんだろうか。何かを愛するのって努力が必要なんだ。みんながみんな、縛られているものとの距離感を測りながら、それと反対のものへと惹かれていく。愛は厄介だ。引用される文学は古典的(そも>>続きを読む

霧の中のハリネズミ/霧につつまれたハリネズミ(1975年製作の映画)

4.0

幻想的でもあり、可愛くもあり、愛おしくなったと思ったら切なくなる。奥から何かが出てくるという演出の巧みさに目を見張った。馬を見るとツイン・ピークスを思い出す。

アオサギとツル(1974年製作の映画)

3.0

意地の張り合いって哀れだよね。キーアイテムは帽子。

キツネとウサギ(1973年製作の映画)

3.5

抜群のユーモア、一方でペーソス。折角楽しい時間がウサギに訪れた時には、キツネはまた美しい家を建てているのかもしれない。

Fire (PoZar) (原題)(2015年製作の映画)

4.0

アニメーションだろうが天気予報だろうが、何もかも自分のものにしてしまう男、デヴィッド・リンチ。火をつけてしまったのは誰なのか。点火したら最後、もう戻れない。

ケルジェネツの戦い(1971年製作の映画)

3.5

戦争描写の恐ろしさは当然ながら、宗教画の奇妙さも忘れない。子供の頃に観たらトラウマ確実。

25日・最初の日(1968年製作の映画)

4.0

軍隊の背でひらひら舞う赤い旗が、そこから逃げ惑う人々になっていったのかと思いきや、彼らこそが革命の主役。富裕層の人々を追いやって、彼らの赤い姿が炎となって散らばる……。あぁ、アニメーションとはかくも素>>続きを読む

コロンバス(2017年製作の映画)

4.0

すごく観たかったけど、コロナウイルス騒ぎのドタバタで見れずに配信待ちかと思ったが、上映していた劇場再開で無事間に合った。大感謝です。映画館のスタッフの方々、本当に神経質になって予防に尽力されていました>>続きを読む

娘は戦場で生まれた(2019年製作の映画)

3.5

娘のサラのために撮るという宣言通り、ドキュメンタリー的な起承転結よりも記録映像的な側面のほうが強調されているように思える。しかし、それ故に切実な思いが要所から汲み出されていて、鑑賞側の気持ちはずんと重>>続きを読む

カメラを止めるな!リモート大作戦!(2020年製作の映画)

3.0

これも立派な撮影手法。Zoomを使った、各カメラの粗さの比較とかも面白い。個人的には最後の家族の会話、切るときの最後の一言のすげー気まずさとか笑ってしまった。また、現場で。