大友勝利さんの映画レビュー・感想・評価

大友勝利

大友勝利

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鳳鳴 フォン・ミン 中国の記憶(2007年製作の映画)

3.8

高齢の女性がカメラに向けて話すだけの三時間程度のインタビュー映像であるがその内容の凄まじさにより目を話すことができない。大学を辞め革命に身を投じた女性の純粋な信念が「百家争鳴」 からの騙し討ちのような>>続きを読む

悪魔のいけにえ(1974年製作の映画)

3.8

ホラー映画史に輝く名作。CG技術を駆使して制作されたリメイク版である『テキサスチェンソー』ではレザーフェイスが超人かモンスターの様になってしまっているが、本作のレザーフェイスはただのチェンソーを持った>>続きを読む

愛のコリーダ(1976年製作の映画)

4.5

大島渚の集大成。社会の底辺に位置するインフォマニアの女と遊び人の男が官能の帝国を構築する。安部定のファルスあるいは男性そのものつまりぺニスに対する妄執がラストシーンの切断へと帰結する過程でもあり、来る>>続きを読む

ラスト、コーション(2007年製作の映画)

4.0

中国版『ラストタンゴインパリ』、あるいは中国版『愛のコリーダ』とでも言うべき作品。性愛によるユートピアを意図せず築きあげてしまう男女。トニー・レオンが演じる日本傀儡政府の冷徹な特務機関の男がタン・ウェ>>続きを読む

日本のいちばん長い日(2015年製作の映画)

1.0

史上最悪のリメイクではないだろうか。というか同じタイトルにする必要があったのだろうか。原田の「ぼくのかんがえたさいきょうのてんのう」が活躍する。

異邦人(1967年製作の映画)

1.1

最高の原作、最高の監督、最高の役者が揃って出来た最低の映画。ヴィスコティのようなタイプの天才には実存主義は描けないし、マストロヤンニの演技はムルソーの虚無を表現するには雄弁すぎた。

猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)(2017年製作の映画)

4.0

文句なしに名作であった。世界観の面白さもさることながらシーザーの目(のCG)が雄弁に彼の内面を語るのを見る映画でもある。猿たちの少女に対する行動は単なるヒューマニズム(エイプイズム?)的優しさからくる>>続きを読む

アウトレイジ 最終章(2017年製作の映画)

2.5

木村もういいよ帰ろう。

つまらなくはないが一作目、ビヨンドと比べてしまうと残念な出来であると思う。済州島での釣りのシーンがソナチネを彷彿とさせた。

アイズ ワイド シャット(1999年製作の映画)

1.0

巨匠の遺作であっても駄作は駄作。冗長なストーリーに薄っぺらいフロイト的解釈。主演がトム・クルーズでなければ違ったのかも…。

雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(2015年製作の映画)

1.0

今年観た映画のなかで一番しょうもなかったのがコチラ。妻を亡くした男が妻を亡くした男がやりそうなことを全部やる素敵な予定調和。「お、家を壊し始めたぞ」「やっぱり車で旅に出始めた」「今度は悩みを抱えた少年>>続きを読む

フォレスト・ガンプ/一期一会(1994年製作の映画)

1.0

「感動」の背後にある徹底した反知性主義とミソジニー。革新の時代であった60年代とベトナム戦争を経ても変わらない「純粋無垢な」アメリカ人フォレスト・ガンプと反戦運動を通して不幸になっていく女性ジェニーと>>続きを読む

地獄に堕ちた勇者ども(1969年製作の映画)

4.9

これはある家族の滅びのストーリーである。貴族であり武器商人でもあるアッシェンバッハの一族は時の権力者に協力することで体制の変移に関わらず数百年間繁栄を誇ってきた。時代はナチスの台頭を予期させ一族は彼ら>>続きを読む

シャブ極道(1996年製作の映画)

4.5

まさに「異端」と呼ぶに相応しいヤクザ映画。古典的なヤクザ映画には「弱小組織の親分が巨大組織の横暴に対して限界まで耐えるが最後には怒りを爆発させてクライマックスを迎える」という基本的な「型」がある。この>>続きを読む

ゆきゆきて、神軍(1987年製作の映画)

4.7

伝統的な形式に則って挙げられる結婚式の席で媒酌人の男が突如として自分の前科を数え上げ、「国家」や「天皇」に対する敵意を剥き出しにする。この始めの5分間で一気に映画に引きづり込まれた。舞台は80年代。か>>続きを読む

青春の殺人者(1976年製作の映画)

1.5

観てて非常に疲れた。知能指数が極端に低い人殺しの主人公、白痴のように泣き叫ぶヒロイン、ホラー映画並みのサイコな母親、一人だけ立派な父親。登場人物にまったく感情移入できない上に物語の中核を占める「殺人」>>続きを読む

ラリー・フリント(1996年製作の映画)

4.5

ポルノ雑誌でアメリカンドリームを成し遂げた男は「社会の良識」や「宗教」からありとあらゆる攻撃を受けることになる。 原題が The People vs. Larry Flynt なのも納得。ミロス・フォ>>続きを読む

ブギーナイツ(1997年製作の映画)

4.5

70年代から80年代にかけてのポルノ映画業界に関わる人々を題材とした傑作。一言でいうと「素敵な映画」。ただ明るいだけの映画かと思いきや 、キャストやスタッフの内面や人間関係の葛藤まで細やかに描きだして>>続きを読む

日本暗殺秘録(1969年製作の映画)

3.9

明治直前から昭和にかけての日本の暗殺事件を『仁義なき闘い』風に仕上げた実録バイオレンス映画。菅原文太、千葉真一などの名優が出演しているにもかかわらず知名度は高くない。桜田門に始まり大久保利通暗殺、大隈>>続きを読む

ブラジルから来た少年(1978年製作の映画)

3.9

ナチ残党映画の良作。ナチの陰謀って素敵。テンポよく進むがチープになりすぎない良いサスペンス。グレゴリー・ペック演じるメンゲレも良い演技をしている。この映画公開時メンゲレはまだ生きていた…。

ラストタンゴ・イン・パリ(1972年製作の映画)

4.9

ベルトルッチの天才的なセンスが光る。ジャンピエールレオを敢えてあのような軽薄なキャラクターに設定したことこそがベルトルッチのヌーベルバーグからの別離と独立を意味しているのだと思う。マーロン・ブランドが>>続きを読む

チャイナタウン(1974年製作の映画)

4.6

事件、探偵、ファムファタールと古典的なフィルムノワールの形式をとるこの作品は脚本、俳優、音楽のすべてが一流の奇跡のような映画。こんなにノスタルジーを感じさせつつ新鮮な感動を与えてくれる映画はほかにない>>続きを読む

市民ケーン(1941年製作の映画)

4.3

謎の言葉を残して死んだ新聞王ケーンの一生を、彼を取り巻く異なる立場の人びとの視点から描いた手法は現在においても決して色褪せることはない。エゴイストであるケーンにとって愛とは他者から無条件自分に与えられ>>続きを読む

灰とダイヤモンド(1957年製作の映画)

4.8

1945年5月8日のポーランド。かつて対ドイツ戦で共に戦ったポーランド人たちは独立後の国家をめぐって左右に割れて対立しあう。元レジスタンスであるテロリストのマチェクの一日を彼を取り巻く戦友でもある上官>>続きを読む

アポカリプト(2006年製作の映画)

3.8

キチガイ土人どもが命懸けの鬼ごっこをするだけなのだが観てて飽きない。メル・ギブソンのレイシズムはなんとかならんかね…

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