Harukiさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

Haruki

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関心領域(2023年製作の映画)

4.8

アウシュヴィッツ強制収容所の真隣に住む所長の家族の暮らしを描いた歴史ドラマ。

どこにでもありふれた一家の日常が穏やかに描かれる。

しかし、壁一枚隔てた収容所の存在は、壁の向こうの音や煙、そして家族
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ブレイブハート(1995年製作の映画)

3.8

13世紀末、イングランドの支配に反旗を翻し、スコットランドの独立のため闘った実在の人物ウィリアム•ウォレスの生涯を描いた作品。

史実と異なるところも多いのだろうが、映画的なおもしろさをしっかり追求し
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ウーマン・キング 無敵の女戦士たち(2022年製作の映画)

4.1

史実を基に、19世紀西アフリカの女戦士部隊の活躍を描いた歴史ドラマ。

欧米人とつながり奴隷貿易を進める敵国に立ち向かう女戦士部隊アゴジェ。
尊厳と命を懸けた彼女たちの戦いを熱量高く描く。

歴史ドラ
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遺灰は語る(2022年製作の映画)

3.7

最近亡くなったパオロ•タヴィアーニ監督の遺作。

1934年にノーベル文学賞を受賞したイタリアの作家、ルイージ•ピランデッロ。
彼の遺言により故郷シチリア島に埋葬されることになった遺灰が辿る数奇な旅を
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怪物(2023年製作の映画)

4.4

2人の少年をめぐるいざこざが大きな問題へと発展し、やがて真実が明らかにされていくヒューマンドラマ。

それぞれの視点でストーリーを紡ぎ、それぞれの感情が交錯し、恐ろしく、そして胸が締めつけられるほど切
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愛と激しさをもって(2022年製作の映画)

3.6

夫と元恋人、2人の男性の間で揺れる女性の葛藤を描いたドラマ作品。

不倫に翻弄される3人の男女の、愚かしく生々しい感情が露わになっている。

薄っぺらく何を伝えたいかわからない、そんな雰囲気を醸し出し
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インスペクション ここで生きる(2022年製作の映画)

4.1

ゲイであることから母親に捨てられ、生きるために海兵隊に志願した青年の姿を描いたドラマ作品。

監督自らの経験を映画化していて、リアルと激情が注ぎ込まれている。

イラク戦争が激化する時代を背景にしなが
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ケープ・フィアー(1991年製作の映画)

3.8

出所した元犯罪者の男が担当弁護士への復讐心を燃やし、彼とその家族に接触していくサイコスリラー。

『恐怖の岬』のリメイクであり、オリジナル版のロバート•ミッチャムとグレゴリー•ペックが出演している。
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高速道路家族(2022年製作の映画)

4.3

サービスエリアに野営しながら少額の詐欺を繰り返して暮らすホームレス一家の姿を描いたヒューマンドラマ。

ギウたちの行動は確かに間違っていたかもしれない。
ただ彼らは子どもたちを幸せにするために必死だっ
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オリオンと暗闇(2024年製作の映画)

4.3

何事にもビビってしまう少年が"暗闇"と出会い、怖さを克服していく素敵なアニメーション映画。

「蜂に刺されるかも」
「蚊に刺されて病気になるかも」
「授業の発表で失敗して笑われるかも」
そして「暗闇が
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アダマン号に乗って(2022年製作の映画)

3.8

精神疾患のある人々を無償で受け入れ、社会とのつながりを持てるようにサポートするデイケアセンター「アダマン」を捉えたドキュメンタリー。

セーヌ川に浮かぶ木造船「アダマン」で人々が交歓する姿を優しい眼差
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.6

東京の古びたアパートに暮らすトイレ清掃員の日常をゆったりと捉えたヒューマンドラマ。

朝起きて、布団を畳み、髭を整え、盆栽に水をやり、作業服に着替えて、アパート近くの自販機で缶コーヒーを買い、オールデ
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

4.5

やけくそに"黒人らしさ"を詰め込んだ小説が大ヒットし、不本意に注目を浴びてしまう作家の姿を描いたブラックコメディ。

"白人らしさ"、"黒人らしさ"といった枠組みは、確かに意識してしまうことがある。
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.8

マルチバースのスパイダーマンの活躍を描いた『スパイダーマン:イントゥ•ザ•スパイダーバース』の続編。

やっぱりアニメーションが異常にかっこよくて最高。

コミックの絵とさまざまなタッチの絵を、現代的
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ポップスが最高に輝いた夜(2024年製作の映画)

4.4

1985年1月、エチオピアの飢餓救済のために音楽界のスーパースターたちが一堂に会し、"We Are The World"をレコーディングした奇跡の一夜、その舞台裏にひもとくドキュメンタリー。

PVは
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.6

ベストセラー作家の妻が夫の殺人容疑をかけられ、次第に秘密が暴かれていく様を描いたヒューマンサスペンス。

社会的に成功を収めた妻とホームスクーリングをしながら執筆活動をする夫というリベラルな夫婦のかた
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サンコースト(2024年製作の映画)

4.7

脳死状態の兄を世話し、息子を溺愛する母親との関係に悩む女子高生の成長を描く青春映画。

主人公ドリスは兄の世話をこなし、母からの愛を感じられず、目立たない学校生活を送る。

ドリスは兄との時間の大切さ
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デーヴ(1993年製作の映画)

4.1

脳卒中によって倒れた大統領の影武者になった平凡な男性のドタバタとロマンスを描いたハートフルコメディ。

まともな責任感で職務を全うしていなかった本物の大統領に代わって、デーヴは持ち前の無邪気さと人の良
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クローサー(2004年製作の映画)

3.8

ロンドンを舞台に、二転三転する4人の男女の恋模様を描いたラブロマンス。

戯曲の映画化であり、原作者が脚色を手がけている。
たしかに戯曲らしくもあるオシャレな台詞たち、そしてどこかファンタジックである
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父の祈りを(1993年製作の映画)

4.4

1974年にイギリスで実際に起こったテロ事件と、それに伴う冤罪事件を基に描いた作品。

冤罪で逮捕された父子が一縷の希望を託し、再審を求めて闘う姿に胸を打たれる。

取り調べのシーンはとてつもない。
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月の輝く夜に(1987年製作の映画)

4.0

ニューヨークのリトル•イタリーを舞台に、禁断の恋に揺れる女性を描いたラブコメディ。

登場人物たちはみんなコミカルでチャーミング、彼らの織りなす人間模様は温かく愛おしい。

綺麗な月を愛の情熱の象徴と
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ハッピー・ゴー・ラッキー(2007年製作の映画)

4.4

天真爛漫で気の向くままに生きる女性の姿を描いたヒューマンコメディ。

主人公ポピーは嫌なことがあってもへこたれず、いつも笑って生きている。
本屋の店員に無視されたり、自転車を盗まれたり。

そんな彼女
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フロスト×ニクソン(2008年製作の映画)

4.3

イギリスの司会者デービッド•フロストによるニクソン元大統領のインタビュー番組を描いた作品。

ウォーターゲート事件で退任したニクソン元大統領と、アメリカ進出を狙うイギリスの司会者フロスト。

2人が徹
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テンダー・マーシー(1983年製作の映画)

4.1

酒浸りの落ちぶれたカントリー歌手が、再婚した妻とその息子と共に人生の再起を目指すヒューマンドラマ。

切なくも温かいストーリーは、家族と愛を尊び人生を諦めない素晴らしさを讃える。

愛を得ることと並行
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フォー・ウェディング(1994年製作の映画)

4.7

友人の結婚式のたびに顔を合わせる男女が運命的な恋をするロマンティックコメディ。

惹かれ合いながらもすれ違う2人の恋は切なくて優しい。

周囲の人々の人間模様も可笑しくて楽しい。

王道のようで意外に
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卒業(1967年製作の映画)

4.1

大学を卒業したばかりで将来に不安をかかえる青年が、人妻との不倫の末に、その娘と恋に落ちる姿を描いた青春映画。

ベンジャミンは神経質で、親や周囲からの期待に辟易し、将来への底知れない不安をかかえている
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誘惑のアフロディーテ(1995年製作の映画)

4.6

養子に迎えた息子の実母と交流する中年男の姿を描いたロマンティックコメディ。

パワフルでチャーミングな娼婦のリンダに、レニーは養父だということを隠して接触する。
はじめは優秀な息子の母親がリンダだとい
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グリーンバーグ/ベン・スティラー 人生は最悪だ!(2010年製作の映画)

4.4

精神科病院を退院した孤独な中年男と、周囲の人々の交流を描いたヒューマンコメディ。

人生はビタースウィート、しかもちょっと苦味が強い。

厳しめでダークなストーリーを、さりげないユーモアで包み込んでい
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鏡の中の女(1975年製作の映画)

4.5

トラウマを抱える精神科医の女性の精神世界を描いた、幻惑的なヒューマンドラマ。

ベルイマンの傑作『仮面/ペルソナ』と通じるテーマと演出。

老いや死への恐怖、精神科医として患者を治せない罪悪感、死んだ
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ホブスンの婿選び(1954年製作の映画)

3.9

自分勝手な理由で結婚に反対する父親と、それに対抗してなんとか結婚しようと画策する娘たちを描いたコメディ。

強かなマリーと彼女に振り回されるウィリーの関係がほほえましい。

家長である父親は金に執着し
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カラーパープル(2023年製作の映画)

4.3

アリス•ウォーカーによる原作を映画化したスピルバーグ版、そしてブロードウェイ版をリメイクした作品。

自由を奪われた黒人女性セリーの壮絶なドラマが、今の時代に合った形で再び誕生した。

型破りな生き方
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大恋愛(1969年製作の映画)

4.1

ブルジョワジーへの批判を交えながら、中年男の妄想たっぷりな恋を描いたコメディ。

幸せな結婚生活を送りながら、18歳の秘書に恋をしてしまう主人公。

そんな彼の恋と妄想をユーモラスに描きながら、特権に
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絶好調(1965年製作の映画)

3.9

キャンプを楽しんでいた男が強制収容所(キャンプ)のような場所に迷い込む短編コメディ。

前半のキャンプシーンはエテックスらしい、何をやっても上手くいかない可笑しさ。

後半は収容所のような生活がシニカ
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カラー・オブ・ハート(1998年製作の映画)

4.8

双子の兄妹が白黒ドラマの世界に迷い込み、騒動を巻き起こすファンタジーコメディ。

現実世界に生きるデイヴィッドとジェニファーがドラマの住人に影響を与えていき、彼ら自身もまた成長し新しい価値観を手に入れ
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健康でさえあれば(1966年製作の映画)

4.0

不条理な笑いの満ちた4編で構成されるオムニバスコメディ。

1編目『不眠症』は、なかなか寝つけない男が読む吸血鬼の話と周りの現実がオーバーラップしていく物語。
吸血鬼の話自体はオーソドックスながら、男
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レッド・ロケット(2021年製作の映画)

4.3

落ちぶれた元ポルノスターが人生の再起をかけるヒューマンドラマ。

ショーン•ベイカーらしい、イタくてビタースウィートな人生譚。

無一文となった主人公マイキーは、妻と義母に疎まれながも家に転がり込み、
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