Harukiさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

Haruki

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グロリアス 世界を動かした女たち(2019年製作の映画)

3.8

女性解放運動のパイオニアとして活躍したジャーナリスト、グロリア•スタイネムの半生を描いた作品。

グロリアだけでなく、彼女と活動を共にした女性たちの物語でもある。

家父長制や女性蔑視などが強く根付い
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ファンフィク(2023年製作の映画)

4.5

困難に直面しながらも、本当の自分を見つけ真摯な関係を築こうとする2人の高校生の姿を描いた青春映画。

登場人物がそれぞれの問題に向き合い、傷つきながらも前に進んでいく。

今や定番になりつつあるストー
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コネチカットにさよならを(2018年製作の映画)

3.9

50代半ばで妻も仕事も捨てて、悠々自適な生活を送るはずだった中年男の姿を描いたコメディドラマ。

生活のため仕事をしているのに嫌気が差したと言っても、アンドレスが生活を捨てたきっかけは些細な夫婦喧嘩。
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レディ・イヴ(1941年製作の映画)

4.0

カード詐欺師の女性と会社の御曹司が出会い恋に落ちていくラブロマンス。

女詐欺師という設定がストーリーの上で活きていて、心地よく知的でユーモア溢れるコメディになっている。

後半は特にスクリューボール
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マーターズ(2007年製作の映画)

3.8

廃墟に監禁され激しい暴力を受けた少女が、15年後に虐待者の家族に復讐し、さらなる恐怖と謎に呑み込まれる様を描いたホラー。

前半と後半で展開ががらっと変わり、先の読めないストーリー。

謎と狂気、恐怖
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家へ帰ろう(2017年製作の映画)

4.1

88歳の仕立て屋が70年前にホロコーストから命を救ってくれた友人に会うため、ポーランドへ旅に出る姿を描いたヒューマンドラマ。

主人公アブラハムは頑固なところもあるが、ユーモアを持ち合わせた人物。
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L.A.コールドケース(2018年製作の映画)

3.6

90年代アメリカの2大ヒップホップスター、2パックとノトーリアスB.I.Gが立て続けに暗殺された、実際の事件を基にしたドラマ作品。

執念で事件を追う刑事と記者が、未だ未解決の凶悪事件の真相に肉薄した
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ゼイ・クローン・タイローン/俺たちクローン(2023年製作の映画)

4.3

貧困層のアフリカ系アメリカ人が多く暮らす地区で、邪悪な計画に巻き込まれていく3人組の姿を描いたスリラーコメディ。

黒人差別の問題を、エンターテイメント性の高い設定に落とし込んだ作品はここ数年かなり作
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ディープブレス 呼吸、深く(2023年製作の映画)

4.0

前人未到の記録に挑むフリーダイバーの女性と、彼女を必死に支えるパートナーの挑戦を捉えたドキュメンタリー。

フリーダイビングという、危険と隣り合わせのスポーツに魅せられたアレッシアとスティーヴン。
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デリシュ!(2021年製作の映画)

3.8

革命前夜の18世紀フランス、宮廷料理人の座を追われた男が、身分を問わず開かれたレストランを開業する姿を描いた歴史ドラマ。

ドラマチックな演出になっているわけではないが、複雑な構造と感情を持ったストー
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あなたの顔の前に(2020年製作の映画)

4.2

ホン•サンス監督、鑑賞2作目。

長年アメリカで暮らしていた韓国の元女優が突然帰国し、妹と過ごし、映画監督からオファーを受ける。

帰国した理由も明らかにせず、自分の生家を訪ねたりする彼女の姿を淡々と
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BODIES BODIES BODIES/ボディーズ・ボディーズ・ボディーズ(2022年製作の映画)

3.9

嵐の接近する中、別荘に集まったリッチな若者たちが、あるゲームによって憎しみや裏切りを暴かれ、やがて最悪の事態へと進んでいくスラッシャースリラー。

物語が展開するにつれて恐怖と謎は増していくし、フーダ
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ミセス・ハリス、パリへ行く(2022年製作の映画)

4.8

1957年、ロンドンの家政婦がディオールのドレスに憧れて、お金を貯めパリへ旅する姿を描いたヒューマンドラマ。

チャーミングで明るく、そしてすべての人に平等に敬意を払うミセス•ハリスのキャラクターに虜
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ルクス・エテルナ 永遠の光(2019年製作の映画)

3.4

ギャスパー•ノエ監督による中編。

サンローランのアートプロジェクトの一環で制作されたらしいが、さすがのぶっ飛び具合。

魔女狩りを題材にした映画の撮影現場で繰り広げられる口論と混乱を、過激で先鋭的な
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マーゴット・ウェディング(2007年製作の映画)

3.8

神経質でプライドの高い姉が久々に妹の家を訪れ、それぞれの人間関係に波が立つさまをユーモラスに描いたヒューマンコメディ。

ノア•バームバックらしい、ダークで痛々しく、それでいてユーモラスな脚本。

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チャーリング・クロス街84番地(1986年製作の映画)

4.0

ニューヨーク在住で古書蒐集が趣味の女流作家と、ロンドンの古書店の店主が心温まる文通をおこなう姿を描いたヒューマンドラマ。

本への愛とユーモアがあふれるへレーヌの手紙。
そんな手紙を心待ちにする店主フ
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ドライビング・バニー(2021年製作の映画)

4.5

お金も家も仕事もないシングルマザーが、子どもたちを引き取るために奮闘する姿を描いたロードムービー。

思っていたよりも重くて切ない。

経済的弱者が"普通"の生活を追い求めるという、シビアかつリアルな
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ニモーナ(2023年製作の映画)

4.6

女王殺害の濡れ衣を着せられた騎士と、自在に姿を変える少女ニモーナが偏見に満ちた王国と世界に立ち向かうアニメ映画。

常識にとらわれることのないアニメーションはスピード感満載。

ポップでチャーミングな
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チケット・トゥ・パラダイス(2022年製作の映画)

3.8

離婚した夫婦が娘のスピード婚を阻止するために結託するロマンティック•コメディ。

娘の結婚をまのあたりにして、デヴィッドとジョージアがお互いの関係を見つめ直し、そして娘との関係も見つめ直す。

ストー
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ドリーム・ホース(2020年製作の映画)

4.4

ウェールズの小さな村で暮らす主婦が村人たちの参加を募り、共同馬主になって競走馬「ドリームアライアンス」を育てた実話を基にした作品。

実話を基にした娯楽映画の王道をいくストーリー展開ではあるが、その感
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ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

3.7

湿地に一人で暮らし自分の力で生き抜いてきた少女が、殺人の容疑をかけられるサスペンスドラマ。

原作小説は未読だが、少しパッとしない感じ。

法廷サスペンスの中に1人の女性の壮絶な人生を描いているが、そ
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ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

4.3

クリスマスイブに多くの客で賑わうロンドンのレストランを舞台に、オーナーシェフたちが波瀾万丈な夜を過ごすさまをスリリングに描いた群像劇。

90分間ワンショットという凄まじい手法で映し出される人間模様か
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バッドガイズ(2022年製作の映画)

4.3

動物と人間が共存する世界で、ミスター•ウルフ率いる怪盗集団バッドガイズが活躍するスパイアクションアニメ映画。

展開やメッセージ性は目新しくないが、とにかくエンターテイメントとしてのクオリティがすごい
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カビリアの夜(1957年製作の映画)

4.6

純真な娼婦カビリアが残酷な現実に立ち向かっていく姿を描いた作品。

幾度となく騙されても、愛と幸せを希うカビリアの痛切な思いが胸に刺さる。

けっこう悲惨な目に遭うカビリアだが、そんな残酷の中でもめげ
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過去のない男(2002年製作の映画)

4.4

記憶をなくした男が辿る数奇な運命を、カウリスマキらしい独特なユーモアで綴る作品。

けっこう序盤から希望があって、ハートウォーミングな感じ。

職安は主人公に冷たく残酷に接したが、警備員は悪いばかりで
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クリード チャンプを継ぐ男(2015年製作の映画)

4.4

言わずと知れたボクシング映画の金字塔『ロッキー』シリーズの正当な続編にして、新章の幕開け。

ロッキーの盟友アポロの遺児アドニスが、ロッキーととも新たな伝説を築いていく。

ボクシング映画として、全て
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哀しみのトリスターナ(1970年製作の映画)

4.1

初老の没落貴族に養女として迎えられた美しき女性の、壮絶な愛憎の物語を描いたドラマ作品。

ドン•ロペを嫌いながらも金銭的に依存するトリスターナ。

愛憎入り乱れる複雑な心と非合理的心理を、斬新で強烈な
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シエラネバダ(2016年製作の映画)

4.2

亡くなった主の法要で集まった、世代もバラバラな家族の間で起こるいざこざを通して、家族の恐ろしさとルーマニアの歴史を多層的に描いた作品。

単なる世代間のギャップだけでなく、ルーマニア民主化の前後での時
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ボーン・スプレマシー(2004年製作の映画)

4.1

『ボーン•アイデンティティー』の続編。

恋人のマリーとインドで静かに暮らすボーンの前に、再び追手が現れたことから始まる新たな物語。

前作同様、もしくはそれ以上にスリルを増したスパイアクション。
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昨日・今日・明日(1963年製作の映画)

4.5

男女関係をコミカルに描いた3つの物語によるオムニバス•コメディ。

異なる脚本家による3つの脚本。
それを名匠ヴィットリオ•デ•シーカによる演出と、名優ソフィア•ローレン、マルチェロ•マストロヤンニに
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血を吸うカメラ(1960年製作の映画)

3.6

女性の死の間際の表情を撮りたいと執着する男の姿を描いたサイコスリラー。

ヒッチコックの『サイコ』と並んで、サイコスリラーの原点とされる作品。

連続殺人犯側の心理を、過激なストーリーと緊迫感ある演出
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息子のまなざし(2002年製作の映画)

4.5

職業訓練校に務める男が息子を殺した少年と偶然にも再会し、葛藤しながら接していく姿を緻密に描いたドラマ。

ダルデンヌ兄弟の本領が発揮された見事な演出。
徹底的に台詞を排して、それでいて緻密、緊迫感の溢
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第三世代(1979年製作の映画)

4.2

特に理念もなく、ただなんとなくのスリルで革命を起こそうとする第三世代のテロリストたちの姿を描いた作品。

『ベロニカ•フォスのあこがれ』と同様に、ドイツの歴史と社会が抱える闇をバックボーンにしながら虚
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クレッシェンド 音楽の架け橋(2019年製作の映画)

3.9

実在する管弦楽団をモデルに、敵対する民族の若者たちが、葛藤しながらも少しずつ歩み寄っていく姿を描いたヒューマンドラマ。

紛争で対立するイスラエルとパレスチナ。
それぞれの傷と思いを抱え、心の底からぶ
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ベロニカ・フォスのあこがれ(1982年製作の映画)

4.7

戦後ドイツを舞台に、過去の栄光にすがる女優と彼女に取り憑かれていく記者の運命を描いた作品。

『サンセット大通り』が真っ先に想起されるが、かなりテイストの異なる作品。

『サンセット大通り』は凋落した
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ララミー・プロジェクト(2002年製作の映画)

4.1

アメリカ・ワイオミング州の小さな町ララミーで、ゲイの青年が激しい暴行の末に殺害された実際の事件をドキュメンタリー形式で描いた作品。

200名近くのインタビューを基に書かれた戯曲を原作とし、小さな町に
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