Hiratekさんの映画レビュー・感想・評価

Hiratek

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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.5

ことばを発しないケイコ
でも、その目だけで不安や悔しさ、葛藤、そして喜び、じっと伝わってきます
彼女の人生のほんの少しを切り取った、その時間と空間は、観終わってからもだいぶ経つけど心にじんわりと残る
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三姉妹(2020年製作の映画)

3.3

韓国の人って、もっと人に優しくなれないのかしら?って韓国映画を観るといつも思ってしまうのはたまたまか。
でも、ほんの少し昔の時代の韓国の社会性がもたらす悲劇がベースだとすると、理解できるし、今そこに手
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トリとロキタ(2022年製作の映画)

4.1

ダルデンヌ監督作品では、少年や青年たちがそれぞれの抗えない境遇のなか、それを理解し背負い、そして少し前を向いていく
理不尽な世界はひとつも変わらないけど、彼らは眼差しを閉ざしていない
だから、大人たち
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土を喰らう十二ヵ月(2022年製作の映画)

3.3

自然の中で、環境に争わずその土地のものを丁寧に食す。
現代では望んでも難しくなったそんな生活を体現するある意味幸せな世界です。
移りゆく四季の映像も併せてしばし癒しの鑑賞時間

アフター・ヤン(2021年製作の映画)

3.5

小さい頃、モノにも心が宿るって、本気ではないけど何となくそう思うと、いろんなものが捨てられなかったのを思い出す。
この世界では彼らには記憶も残るのだと、改めて気づく。
AIはプログラムした範疇は(今の
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家族を想うとき(2019年製作の映画)

4.2

ふとした時に何のために働いてんだろうって考え始めると、最終的には何のために生きてるんだろうって問いに行き着いて、結局答えはうやむやのまま。ってことをよく繰り返す。
今の世の中の様々な営みにも、元を辿れ
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僕たちは希望という名の列車に乗った(2018年製作の映画)

3.9

社会主義体制下の東欧の人々の生活や苦悩を描いた作品には、いつも心が締め付けられる。
平和な時代の日本しか知らない人間には想像し難い世界。

体制を行使する人、体制下で生きるため苦悩しながらも従う大人、
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MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

3.9

一回観て全く掴めなかったけど、何故だか心に馴染む雰囲気が気になり、珍しく劇場で二回観た作品。
時折の長回しでこちらの思考に自由度が増す分、意識が飛ぶことも多少あり…
結局そんなに進歩はなかったけど、そ
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

4.0

心の準備なしに鑑賞
冒頭からの強烈な一撃も、劇場なのでもうこの世界から逃げられません
かつてない映画体験
その世界に理解を追いつかせようとするたびにまた引き離される感じ

好きな表現じゃないけど、この
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パリ、テキサス(1984年製作の映画)

4.8

ヴェンダース・レトロスペクティヴとしてようやくスクリーンで観ることが叶う。
大学生のころにはじめてレンタルビデオで観て痛く感動し、歳を重ねるごとにいつかは映画館で観てみたいと思いつつすでに30年、つい
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映画:フィッシュマンズ(2021年製作の映画)

4.4

フィッシュマンズを聴き始めてからどれくらいだろうか。25年くらい?
自分の心にすっと馴染む音楽、年に何回かふと聴きたくなる期間があり、そうやってずーっと聴いてるけど今聴いても全く色褪せることなく、逆に
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私は決して泣かない(2020年製作の映画)

3.9

外国に出稼ぎに出たままの父親。既に顔さえ覚えていないが、自分のためにクルマを買うためのお金を貯めていてくれてると言う手紙での連絡だけが、娘にとってその存在を繋いでくれてる。
そんな遠くの父親に対して、
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わたしの叔父さん(2019年製作の映画)

3.9

スクリーンに映し出される画が全て綺麗
部屋の中、納屋でのシーン、大地に佇む姿、彼らの営なむ生活がその環境に寄り添いながら流れて行く様が感じられる
だから抗えないものも見えてくる
彼女の選ぶ人生をそっと
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復讐者たち(2020年製作の映画)

3.2

迫害されたもの達の復讐とは
肯定も否定も出来ない
戦争を起こす側も受ける側もどこにも悪い人はいない、その時の正義に従ってるだけだから

いつ気づくのか
他者と会話し理解することだけが残される道ってみん
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サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)(2021年製作の映画)

4.0

とても貴重なものを観た気がした
埋もれていた映像資料としてだけでなく、時代の背景、アーティストの輝き、そしてかつてそこで観客だった人たちの想い
確かにあった力強い渦のようなもの
でも、その前後にはやは
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アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

4.2

叶うものなら目の前で観てみたかった!

でも、映画という形で体感することが出来ただけでも良かったのですかね
音楽でこんなことが表現出来るんだと感動する
メッセージは明確でシンプル
ステージも見た目シン
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水を抱く女(2020年製作の映画)

3.8

パウラ・ベーア好きで鑑賞
フランソワ・オゾン監督の『婚約者の友人』で凛としつつも相手に信頼を寄せる時に時折り見せる柔らかい表情に魅了させられましたが、今作品でも良い雰囲気出してます。
神話が元のようだ
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サンドラの小さな家(2020年製作の映画)

3.5

正しい人が正しく生きられない、そんな状況はこの世の中にたくさんあるのかも
ただ、主人公である女性は自分の娘たちを守りたい、その気持ちだけで生きている
一見無謀じゃないかと思われることも、その気持ちあれ
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聖なる犯罪者(2019年製作の映画)

3.8

善と悪、その境目は非常に曖昧なのでしょう。人にはそれぞれの善があって素直に生きたいだけなのに、立場が違うとやはりそれは理解されることは難しい。またはシステムが別け隔てをつくる。それが対立や争いを生む。>>続きを読む

天国にちがいない(2019年製作の映画)

4.0

ほぼ事前情報なしに劇場予告とポスターの雰囲気だけに誘われて鑑賞。
とにかくこの作品はスクリーンに切り取られるひとつひとつのシーンの画がなんとも素敵。ヴェンダース作品を観ているみたいな、それを観ているだ
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フェアウェル(2019年製作の映画)

3.9

A24作品でこのテーマなら、っていうミーハーな選択動機で鑑賞。(当たりでした)

ここには家族の愛が溢れてます。
括ってしまえば同じファミリーなのに生きてきた背景も考え方も違う。でも願うことは一緒。葛
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メイキング・オブ・モータウン(2019年製作の映画)

4.0

モータウン
そこから発せられた音楽たちをいくつも聴いてきたが、その精神性まではよく知らずに上辺だけなぞってきたんだと、これまでの自分を反省する(まあ音楽を聴くってことはそれでもいいと思うんだけど)
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風の電話(2020年製作の映画)

3.4

災害で突然失った家族への想い
どうやってそれと折り合いをつけて生きていけるのか
それは災害だけではないだろうが、似たようなことは世界のどこにでもあるテーマなのでしょう

途中の長回しでこれはドキュメン
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mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

4.1

90年代アメリカのカルチャーを背景に、映し出される映像はセンス良く、当時の音楽も含めて子気味良い素敵な作品です

平凡的で兄ちゃんには絶対に追いつけないと思っている少年。弟の立場ってたいていそうなんだ
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六月燈の三姉妹(2013年製作の映画)

3.1

佐々部監督の追悼上映としてご出身である下関の映画館で鑑賞
ゆかりの人を偲ぶってのは大事です
初めて佐々部作品を観ましたが、家族のことを丁寧に綴ろうとしていることが伝わるものでした。
その他の作品もタイ
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シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢(2018年製作の映画)

3.0

あれだけの建造物を独学で作り上げたのは確かに素晴らしいのだけど、それをただ見守り、待ち続けている家族は寂しかったろうなぁと思ってしまいました。
完成するまで待ってくれた奥さんにも賛辞を送りましょう

ぶあいそうな手紙(2019年製作の映画)

3.3

今後、自分が老いたときの参考に
いつだって新しい刺激さえあれば、生きることが少しだけ豊かになるってこと
さて、その一歩ってのがなかなか大変なんだけど、このお爺さんは上手いことやったなって感じですね
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レ・ミゼラブル(2019年製作の映画)

4.2

衝撃的。
終始、息が詰まりそうな緊張感
しんどいけど観るべき作品

日本にいると遠い話になるけど、今は世界中どの国でも宗教、人種、移民、格差の問題はすぐそこに何重にも重なって渦巻いていることを改めて認
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はちどり(2018年製作の映画)

4.0

実は初の韓国作品。
上質な作品です。
少女の瞳の奥から、その行き場のない思いが伝わってきます。
大人でも子供でもなく、でも家族の枠から外の世界には飛び出せない10代の子供たち。
今の気持ちを聞いて欲し
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ハニーボーイ(2019年製作の映画)

3.9

どんなに大人びた子供でも、だからこそ、ただただ手を繋いで欲しかっただけ、抱きしめられたかっただけなのでしょう。
側から見たらひどい父親も、彼自身が愛し方が分からなくて苦しんでいるように見えます。そばに
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9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

3.5

サスペンスものはあまり観ないけど雰囲気で観賞。
少し不都合な部分もありますが、観せ方は面白いかなぁと。
翻訳家の実情って実際にもほんとは自分の作品出したかったり、作品にのめり込み方過ぎてたりするんだろ
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フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛を込めて(2019年製作の映画)

3.8

実話のサクセスものなので何となく先が見えちゃうかなと思って、観るリストには入れてなかったんだけど、ふと会社休みたくなってふらり映画館へ…

そんな気持ちを吹き飛ばしてくれる爽快な作品でした。
笑顔にな
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アマンダと僕(2018年製作の映画)

3.7

アマンダの涙にやられました。
普段はきっと堪えてるからこその、その切ない思いに触れてしまう。

悲劇は唐突過ぎるけど、そういうものなのか。
穏やかな日常が急に変わってしまい戸惑うまだ若い叔父と7歳の姪
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ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

4.0

これこそが映画の映像美と言うのでしょう。
Netflixとカンヌの関係でめんどくさい話題になったけど、この作品は映画館のスクリーンで観られて素直に良かったと思う。

ごく小さな存在の市井の人々。
それ
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マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

4.0

故郷。幸せであったはずの地で負った深い心の傷。
硬く閉ざしてしまった心も、人と関わることで、誰かのためを思うことで、少しだけ紐を緩める事が出来る。

海辺の町、曇り空だけど美しい港の様子が静かな語り口
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アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)

4.2

これは鮮烈な青春映画。
他の爽やかな青春ものとは乗り越えようとした壁がちょっと違っただけ。ちょっとだけ。

新鋭監督らしく観せ方に今までにないセンスを感じます。

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