ろさんの映画レビュー・感想・評価

映画(496)
ドラマ(4)

泳ぎすぎた夜(2017年製作の映画)

5.0



ちらちらと雪が降っている。
綿毛みたいにふわふわ舞っている。

しんしんと降り積もる、暗い雪道を照らすヘッドライト。
寒いのに窓を開け、黙って見送るこどもの背中。
あたまから毛布を被り、りんごのパ
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桜桃の味(1997年製作の映画)

5.0



「赤と黄に染まった夕焼け空を、もう一度見たくないか?」


彼はだれかを探していた。
道端では「ぼくたちを雇ってください」という男たちで溢れていた。
やがて、土埃の舞う殺風景な道に来た。
そこで彼
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まぼろしの市街戦(1967年製作の映画)

5.0



「人生は演劇だ。さぁ、わらって。」


予告編から伝わるおもしろさに、公開を待ちわびた今作!
規則的なリズムに合わせたオープニングクレジットから、爽快なラストシーンまでもうめちゃくちゃおもしろかっ
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隠された記憶(2005年製作の映画)

4.8



おもしろかったなぁ、ほんとうにおもしろかった。
ハネケさんがあぶり出す人間の醜い・弱い本性はほんとうに魅力的で、「こういうことあるなぁ」の連続!
ミステリーからはじまるのに、どんどん社会派になるこ
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動くな、死ね、甦れ!(1989年製作の映画)

4.5



月が出た出た 月が出た
三池炭坑の 上に出た
あまり煙突が 高いので
さぞやお月さん けむたかろ


12歳の少年ワレルカに居場所なんてなかった。
いくら声を張り上げても、友人のお茶ばかり売れる。
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ディア・ハンター(1978年製作の映画)

4.6



「俺はまだここに帰ってきていないみたいだ。心はどこか遠くにある。」


2019年最初の劇場鑑賞は「ディア・ハンター 4K」!
ふつうに2時間ぐらいかな~なんて軽い気持ちで観たのですが、映画が終わ
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牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

4.7



「彼に忠告するの。この世界は変えられないと」


あけましておめでとうございます!
年のはじめは「クーリンチェ少年殺人事件」から!
登場人物の多さに「これは、え~っと誰やったっけ?」と混乱しながら
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台北ストーリー(1985年製作の映画)

5.0



「ビルを見ても、区別がつかない。僕の設計か他人の設計したものか、大差ないね。僕の設計かどうかなんて重要ではない。」


エドワード・ヤン監督の映画を観るのはこれが初めてなのだけれど、なんていうかな
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ネバーエンディング・ストーリー(1984年製作の映画)

5.0


星に手を伸ばそう
ファンタジーを飛び越えて
夢を夢見て
そして君が見たものが現実になる・・・


出町座さん1周年記念上映「ネバーエンディング・ストーリー」!
ハラハラドキドキする場面しか覚えていな
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グレムリン(1984年製作の映画)

5.0



わたしね、ほんとこの映画だいすきなんですよ!
それは観れば観るほど心惹かれる温故知新ムービーだから。
町の広場に掲げられたラジオ番組の看板はそっくりそのままインディジョーンズ、テレビで流れるのはク
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ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生(2018年製作の映画)

4.4



すごい、驚いてしまいました。

ファンタジーの枠を越え、あらゆる教訓を詰め合わせにしたような今作。
登場するのは、まるで詐欺師のように人々の不安を煽り食い物にする集会に、生きづらさを感じなんとか居
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ナショナル・シアター・ライヴ 2016「ハムレット」(2015年製作の映画)

4.8



もう観る機会なんてないと思ってたよ、カンバーバッチさんの「ハムレット」!!!
運良く出町座さんの1週間限定上映を知り、初日にGO!
ほんとうにたのしくてあっというまの3時間半でした!

実はシェイ
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忠臣蔵(1958年製作の映画)

4.6



きょうは討ち入りの日ですね~!
この時季になると必ずソワソワし出す母(笑)今年も一週間前から「忠臣蔵」フィーバー!
ということで、今年はわたしも便乗です!

話自体はもちろんおもしろいのですが、な
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悪魔のような女(1955年製作の映画)

4.8



「地獄を信じないの?わたしは信じてる」


暴君のような夫に耐えかねた妻は、夫の愛人と殺害を実行。
しかし、奇妙な出来事が次々と起こり・・・。

午前十時の映画祭でも上映されていた今作。
「こわい
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いろとりどりの親子(2018年製作の映画)

5.0



「ありのままの自分を受け入れないことは、自分自身に対する最大の暴力だ」


みなさんは「鬱」という漢字の意味を知っていますか。
「鬱病」「憂鬱」・・・マイナスのイメージが強いこの漢字の本来の意味は
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恐怖の報酬 オリジナル完全版(1977年製作の映画)

4.6



轟轟と燃え盛る火柱に、俺たちは飛び込んでいくのだ。


メキシコ、イスラエル、フランス、アメリカ・・・
各国の犯罪者たちが辿り着いたのは、南米の奥地。
相次ぐテロ、発生した油井の大火災。
男たちは
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けんかえれじい(1966年製作の映画)

-



ズンチャ・ズンチャ ズンチャ・ズンチャ
おお~い!ケンカやらねぇか~~!


「裸の島」の新藤兼人さんが脚本ということで観てみました!
が、しか~し!あれ?これほんとうに、新藤さん・・・?と疑って
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裸の島(1960年製作の映画)

5.0



「人間は一本の葦にすぎない。自然の中で最も弱いものだ。これを押しつぶすのに全宇宙が武装する必要はない。ひと吹きの蒸気、一滴の水で充分である。」


小舟がゆく。
一家の源である水を求めて。
櫂は右
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ガンジスに還る(2016年製作の映画)

4.8



「心の中に真実がある。だから心に従うんだ。」


ほんとうに、「東京物語」みたいだなぁ。
シーンとしている場面で、「これ、ぜったい夢やんなぁ」「ヒヤヒヤするわぁ」と後ろからおばちゃんの声が聴こえる
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ギャラクシー・クエスト(1999年製作の映画)

5.0



「無数の星の中から助けを求める信号が届いたなら、この船でクルーと駆け付けよう。決してあきらめるな。」


「500ページの夢の束」の影響で、ドラマ「宇宙大作戦」に大ハマリしたわたし。
“GALAX
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ゼイリブ(1988年製作の映画)

5.0


金に、容姿に惑わされるな!
やつらに心を許すんじゃない!!!


格差社会のアメリカ。
なんとか職を見つけたネイダは労働者仲間とともにキャンプ地へ。
その隣にある教会では朝4時にも関わらず讃美歌を練
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ソフィーの選択(1982年製作の映画)

-



めちゃめちゃにきつかったね・・・。
あさ10時から、ズンっときました。
というのも戦争ものだと思っていたら、精神疾患のウエイトがかなり大きかったのね。それでもうすっかり参ってしまったよ。


小説
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アメリカの友人(1977年製作の映画)

4.7



「俺は孤独な旅を続けてきた。沈んだ心を抱えたまま」


贋作をオークションにかけるトム・リプリー。
会場で出会ったのは、額縁職人のヨナタンだった。
余命いくばくもないヨナタンに突然舞い込んだのは、
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ロング・グッドバイ(1973年製作の映画)

5.0



「この世はいつもロング・グッドバイさ」


時刻は夜中の3時。
愛猫に起こされたマーロウはキャットフードを買いに出かける。
いつものカレー印はあいにく売り切れ。
別のキャットフードを詰め替えるが、
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極北の怪異/極北のナヌーク(1922年製作の映画)

5.0



“人間が生きること、生活を送ることがどれほどドラマチックであることか”


リュミエール兄弟やキートンさんの映画を観たときと、まったく同じだ。
わぁっと気持ちが高揚して、絶えずにこにこしてしまう。
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ライ麦畑で出会ったら(2015年製作の映画)

4.8



渡り鳥は群れをなしとんでゆく。
木々は色づき、葉は落ちる。
青空の下、一本道を走る、淡いブルーグレイ。


学生劇「ロミオとジュリエット」でマキューシオ役を演じるジェイミーは、高校生活にウンザリし
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マイ・プレシャス・リスト(2016年製作の映画)

5.0



「神は心を導く。理念によってではなく、痛みと矛盾とによって。-ド・コサード」


8月。残暑厳しい夏のある日。
わたしは家から30分のところにある図書館を目指して歩いていた。
陰日向のコントラスト
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ブレックファスト・クラブ(1985年製作の映画)

4.8



「大人になると、心が死ぬの」


こんなふうにさ、泣きながら、「死んじまえ!クソが!」って悪態つきながら、なにかを話すのって、とっても素敵なことだよね。

わたしはこういうことを意識して、すごく頑
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ショーン・オブ・ザ・デッド(2004年製作の映画)

4.5



「哲学者のラッセルも言ってただろ?
ピンチのとき、人間に必要なのは”協力”だって」


あと一週間でハロウィンですね~!
ということで、ふだん観ないゾンビ映画にチャレンジ!

ゾンビ、というと思い
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フェリスはある朝突然に(1986年製作の映画)

5.0



「問題は何をするかではなく、何をしないか」


“ベンザブロック~あなたのカゼはどこから?~”の気怠さとともに観た「フェリスはある朝突然に」。めちゃくちゃたのしかったです!


思い返せば学生時代
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お茶漬の味(1952年製作の映画)

5.0


「お互いウソつかない いいご夫婦だってあるわよ」
「ないないそんなの。もしありゃ、お互いすっかりあきらめてんのよ。うそつくのもめんどうくさくなってんのよ。そんなのから見りゃ、あんたんとこはいいほうよ
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砂の器(1974年製作の映画)

4.6



“宿命” それは生まれてきたこと、生きてゆくということ


先日、京都シネマさんにおじゃましたときのこと。
「加藤剛 橋本忍 追悼特別上映」のチラシが目に留まりました。
うそ?まじ?どこで??と興
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暗殺の森(1970年製作の映画)

4.6



「僕は、正常な人間になりたい」


みんなと同じように、家庭をもつこと。
みんなと同じように、ファシストになること。
「正常」になるためだったら、僕はなんだってする。


物語の主人公マルチェロは
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ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)

5.0



「ぼくたちはどこにも行かないよね、ギルバート」


知的障害をもつ弟・アーニーと過食症の母、二人の妹、そしてギルバートは支え合いながら生きていた。
しかしギルバートのこころのなかには葛藤があった。
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鏡の中にある如く(1961年製作の映画)

4.8



いまは鏡のなかにあるようにおぼろげだが、やがて時が来れば、それが見えてくる。


退院したばかりのわたしは夫とともに小さな島にやってきました。
弟と、珍しく父も一緒です。
しばらくすると、だれかの
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緑の光線(1985年製作の映画)

5.0



一年ぶりに会ったわたしたち。まるで合言葉のように、
「恋愛がすべてじゃないってことぐらいわかってるよ。でもこのままずっと独りだったら、どうしよう。」
昨日のきょうで、この映画を観たのもきっとなにか
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